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2024 / 07 / 15  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第16講;『軽飛行機離陸時の墜落炎上事故からの教訓』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第16講;『軽飛行機離陸時の墜落炎上事故からの教訓』

第16講;『軽飛行機離陸時の墜落炎上事故からの教訓』

 

馬力の少ない軽飛行機は、特に夏の離陸時は危険です!

かつて真夏の東京都調布市にある調布飛行場から飛び立った、軽飛行機が離陸直後に民家に墜落炎上、住民を巻き添えにした重大事故を起こしました。

 

事故機は、

フロリダ州ベロビーチにあるパイパー・エアクラフト社が製造するアメリカの軽飛行機メーカーです。

パイパーPA-46(Piper PA-46)-350P マリブー・ミラージュ(Malibu Mirage)と呼ばれる飛行機です。

 

全長:8.81 m

全幅:13.11 m

全高:3.44 m

翼面積:16.26 m2

全備空虚重量:1,416 kg

最大離陸重量:1,968 kg

エンジン:テキストロン・ライカミング TIO-540-AE2A 水平6気筒ピストンエンジン(350hp) × 1

最大水平速度:407 km/h

証明認定高度:7,620 m

航続距離:1,953 km(最大燃料時)

乗客:最大5名

乗員:1名

 

まだまだ飛行機の熟練者でない私がどうのこうのと言うのを憚らねばなりませんが、直感で気温34度での離陸だからエンジン出力不足・・・搭載重量オーバーを原因と考えました。

ちょうど今、単発飛行機の上昇中に起こる「傾向」について、このメルマガを書いている最中でしたのでなんだかいい気持ちがしません。

 

離陸というのは、簡単ではないことを物語った事故でした。

エンジンの出力不足は致命傷です。

ですから、機長は出発前確認チェックを・・・これでもか! というほど慎重にしなければならない教訓を痛感した次第です!

 

軽飛行機での離陸前には、責任者である機長は必ず、エンジン・チェックというのを離陸直前にしなければなりません。

 

3つのチェック項目があります。

一つは、左右それぞれの燃料(主翼にあります)からの供給が正しく行われるか?

切り替え可能か? のチェックです。

 

もう一つは、エンジン内の点火プラグが安全上の理由で2個付けられています。

それぞれの点火プラグの片方を止めたら、どの程度のエンジンパワーがダウンするか証明されていますので、規定値内にあるかどうか?のチェックをします。

 

3つ目は、エンジンをフルパワーからアイドルまでスムーズであるかどうか? その時のエンジンの音が正常化どうか?を感応チェックします。

 

パワー全開をしますので、後方に凄い風が発生します。

そのためほとんどの飛行機は、離陸直前にランプという場所でテストをします。

 

今回の事故機の後に離陸しようとしたパイロットの証言では、それをしないか? 別の場所でやっていたのか? タワーにチェックをしたよ! という宣言をして飛び立ったとそうです。

 

飛行機は、滑走路の末端で一旦停止(Line up & Wait)し、離陸直前に「行きます!(Cleared for Take-off! 日本でRunway's clear!)」と宣言してからフルパワーにします。

機体が浮き上がる直前まで、エンジン音が異常であったり、必要なパワーが不足と感じ取れたり、浮揚すべき所に来てもまだスピードが上がらなかったら、、異常停止宣言(Abort)をして、止めることが機長の判断になります。

免許を取得するまでに、なんどが異常停止の訓練をします。

 

停止できる距離を知るため、当日の気温、湿度、飛行重量、飛行場の海抜高度から「最大離陸距離」を計算する義務が機長にあります。

これは実技試験で、試験官から必ず訊ねられる必須項目です。

ですから受験生は試験官に会う直前に、ATISという空港周辺気象状況を入手し、空港の高度や滑走路の長さ、ランウエイの方角などを暗記します。

そして必ず、最大離陸重量以下の飛行状態にあるのか? 最大離陸距離以下の飛行場からの出発なのか? 計算しておかねばなりません。

気温が高くて、湿度が多く、飛行重量が重い、飛行場の海抜高度が高いと、離陸距離が伸びるのです!

 

4回に渡って、単発軽飛行機の『傾向(Tendency)』を買いておりますが、今日は、緊急トピックスとしてのブログとなりました。

 

今までに飛行機の離陸上昇中は、ピッチ(飛行機の上昇姿勢)を上げると書いてきました。

ピッチを上げると「プロペラ・トルク」「Pファクター」が増え、飛行機は左に向く傾向があることを書いてきました。

 

それ以外に、この後のブログで書かせていただきますプロペラ後流(Slipstream)と回転する物の反応(Gyroscopic Precession)も左に飛行機を向かせる傾向づくりをするのです

 

が、特に今日までの2回の特性を再度、お話しします。

 

「プロペラ・トルク」と「Pファクター」は、離陸や上昇を始めた時に、また低速でエンジン・フルパワーの時に、飛行機を左に傾ける傾向のことです。

 

今回の調布の事故飛行機も滑走路の左前方の住宅街に墜落しました。

おそらく、飛行機が左に傾く『傾向(Tendency)』が発生したのだと考えます。

 

「飛行機が左に傾く」というのは、放っておくとどうなるか・・・?

これもずっと以前にお話ししましたが、飛行機は空の上では氷の上を滑るような状況にあります。左に傾きますと、左に滑り落ちるのです。

機首が下がりますと、スキーとまったく同様にまっすぐ滑り落ちるのです。

落ちる方向のスピードは増します!

 

ですから、左に傾きますと左に滑り落ちようと飛行機はします。

その分、直進方向のスピードが力学の法則で減るのです(^^;

スピードが減りますと、揚力が減って飛行機全体が飛ぶ力を失って降下するのです。

 

今回の事故報道での、離陸直後の様子を見ていた人たちのインタビューも流されていましたが、「フラフラしながら・・・」という発言を観ていた人が話しております。

 

まさに離陸直後の飛行機が左に傾く『傾向(Tendency)』を示し、パイロットはそれを修正するため操縦桿とラダー(方向舵)を動かしたのでは・・・?

そこにエンジン不調が始まり、たちまち飛行機が降下したと考えてもいいのです!

 

原因はともかくも・・・ビジネスリーダーの皆さんが教訓になされたいことは、事を始める前には「何度も、何度も状況把握と機械・装置などのチェック」「人員の健康チェック」が必要不可欠であるのだということです。

 

特に、「習慣(クセ)になるまで」を念頭に入れて、部下・後輩から疎ましがられても、耳にタコができても大切なこと、重要なこと、特に命に関わることは、口酸っぱく言い続けることなのです!

 

事故だけは、起こってしまってからでは取り返しがつきません!

「対岸の火事」にしないようにして下さい!

「対岸の火事」とは、自分には何の関係もないので痛くも痒くもないということなのですが「阿呆」「馬鹿」の考えることです!

 

「他山の石」とは、よそのできごとや自分に対する批評が、自分の知恵・徳をみがく助けとなるということです。

 

「教訓づくり」とは、二度と同じ過ちを起こさないことです。

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 07 / 08  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第15講;『傾向Tendencyその2』:Torgue(トルク効果)

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第15講;『傾向Tendencyその2』:Torgue(トルク効果)

第15講;『傾向Tendencyその2』:Torgue(トルク効果)

 

その1では、「P-Factor」を解説しました。

 

今回は「Torgue(トルク効果)」です。

飛行機のプロペラとエンジンが作り出すトルク(Torgue)です。

プロペラが回転する時の反作用のことです。

 

トルクっていうのが解らない・・・(^^;

そうですねぇ~、たとえば、

自分でクルマを運転しているとして、アクセルを踏むと加速しますよね!?

この「加速感」がトルクになります。

車が安定的走っている状況、達した速度が馬力の結果になります。

すなわち最高速を決めるのは馬力ですが、そこに到達する時間を決めるのはトルクなのです。

車のマニアは、ターボを付けたり燃料を変えたりします。

自分のクルマのトルクがアップした場合の体感方法は簡単に味わうことができます。

一般道を走っていて、長めの下り坂に差し掛かったとします。

坂道に来るとクルマは加速します。

そうしますとアクセルを踏まなくても、クルマはゆっくり加速し始め、更にアクセルを踏むと平らな道より軽々と加速するのが体感できますね!?

これこそがまさにトルクアップの効果で、どんなに重いクルマであってもトルクが大きければ軽々と進める(加速できる)というのが実感できると思います。

これを逆に言いますと、どんなに軽いクルマであっても、トルクが無ければ気持ち良く加速できないという訳です。

 

飛行機の左に向く「傾向Tendency」の原因の一つにTorgue(トルク効果)があります。

時計回りするプロペラが機体を反時計回りに動かそうとすることをいいます。

またはその傾向のことです。

 

ご存じのように、プロペラ中心軸は飛行機の中心線に串刺しされたように刺さっているとお考え下さい!

もちろんプロペラの軸がエンジンの回転軸に直結していて、エンジンは機体に固定されています。地上に固定されてるエンジンに取り付けられたプロペラな

ら回ってもエンジン固定部はビクともしませんね!?

ところが空中を飛んでいる飛行機はニュートンの第3法則;「作用VS反作用の法則」によって、でプロペラが時計回りに回転しますと「アクション作用」となり、このに対して「リアクション作用」が働きます。

 

機体はですからプロペラ回転の反対方向に傾こうとします。

特にトルクが強くなりますと、飛行機は左に傾こうとします。

これはかなり強い現象として起こります!

ヘリコプターの後ろにあるTail Rotorは、このTorqueを押さえるためにあります。

 

夢を壊すようですが、ドラえもんの竹コプターが実際にあると考えると、・・

・トルクの力で人間の首なんて・・・簡単に捻れ切ってしまいます(^^;

 

特徴は、

 ・プロペラが力強く回れば、その分トルクも強くなる。

 (飛行機だけでなく、回転する物は何でも反作用としてトルクがあります)

 ・速度が遅いと翼の揚力も小さくなり、トルクの影響が大きくなる。

 

飛行機は通常の速度で、トルクの作用が小さくなる様に設計・調整もされていますから、そのため、低速ではより強く働きます。

飛行機のパイロットとして乗ると分かるのですが、普通、離陸直後(エアーボーンといいます)に一番強く感じることが出来ます。

また着陸復行(Go Around)する時にも、トルクの影響で飛行機が傾きやすくなります。

私も訓練段階の時に、飛行場に着陸直前、教官から「Go Around!」って言われ、慌ててスロットル全開(エンジンパワー最高)して機首をぐんと引き上げたとき、機体が急に傾き左目の前に滑走路が見え、ビックリしたことがあります。

後で、教官から「あれがプロペラ・トルクなんですよ!」って教わりました。

あれからの「Go Around」は、かなり注意するようになりました。

 

さて、ここからビジネス・リーダーの皆さんへの教訓です。

ビジネスの世界でも「作用VS反作用」の法則は、顕著に表れます!

薬もまったく同様です。良く効く薬は、副作用も大きいのです。

 

どういうことか?

大きな改革、改善をしようとすると大きな反対、大きな批判に晒されるのです!

企業が成長発展しようとすると、ビジネス・リーダー多くの改善、いや、まったく今までとは違ったことを施策として断行することが多々あります。

 

受け身の部下・後輩ほど、

「だって・・・いままでのやり方が一番やりやすいし・・・慣れているし・ ・ ・、なんで敢えて、変えなくきゃなんないのぉ???」とハッキリ口に出したり、サボタージュまでやります。

 

そのことに無知な人間ほど、自分の都合の良い人の意見に付きたがります。

その方が安全、安心だと思うのです。

 

もちろんビジネス・リーダーとして、真因を伝えてはならない重要な事柄もあるので、余計に部下・後輩を説得することが難しい場面もあるでしょうねぇ~(^^;

このときに、ビジネス・リーダーとしての真価が問われます。

もしかすると「ワンマン」「独裁者」と罵られるかも知れません。

その正しい方向性を見誤らず、毅然たる態度で強い命令をするのです!

「非情の情」も同様の意味を含んでおります。

 

いま政治の世界で繰り広げられていることとは、無関係の「組織論」での原理原則を申し上げました(^^)

 

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 07 / 01  09:38

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第21講;『抗力=抵抗(Drag)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第21講;『抗力=抵抗(Drag)』

 

第21講;『抗力=抵抗(Drag)』

 

お断りばかりのプロローグで申し訳ありません!

 今回も、専門用語(特に英語)を多用しますので・・・混乱するかも知れません!

 悪しからず、ガマンして読むか・・・最後の方へ読み飛ばして下さい!

 以前、飛んでいる飛行機には4つの力 (Force)が発生していることをお話しました。

 上向きのLift(揚力)、前向きのThrust(推力)、後ろ向きの今回のテーマであるDrag(抗力)、そして地面に向うWeight(重さ:重力)です。

 

 「Drag(抗力)」は、飛行している反対に行く力です。

 動くモノには、前進するのを阻止しようと多くの「Drag(抗力)」が発生しています。

 

 飛行機には、大きく分けて2種類の「Drag(抗力)」があります。

 「Parasite Drag(寄生抗力と私は訳します)」と「Induced Drag(誘導抗力)」です。

 

まず「Parasite Drag(寄生抗力)」は、一般的に「空気抵抗」と呼ばれているモノです。

 「Induced Drag(誘導抗力)」は、翼が揚力を発生させる時に生まれる副産物です。

これらの「Drag(抗力)」は、自動車にも船舶にも発生するものです。

 昨今の自家用車や新幹線、特急列車などが流線型である理由も「Drag(抗力)」を減らすために考えられ、デザイン的にも美しいものは流れがスムーズですよね!?

 

 「Parasite Drag(寄生抗力)」には、3種類の抗力があります。

1)Form Drag(形状抗力):気流(流れている空気)に物体を当てますと発生するモノ

 です! 後方に押そうとする力になります。

 例としては、飛行機に取り付けられたアンテナや支柱、ギア(車輪)、翼など、

 何でもが気流の中にあるモノですから、気流にとっては邪魔ですよね!?

 この抗力は取り付けられたモノの面積や形に大きく依存します。

 翼の様な滑らかな形状では、抗力少なくなりますが、四角い形の物体では多くなり

 ます。

 

2)Interference Drag(干渉抗力):飛行機にはありとあらゆる所に気流があります。

 2種類以上の気流が合流する所に発生するのがInterference Drag(干渉抗力)です。 

 気流の合流点では、だいたい渦の様な乱気流が発生し、それが飛行機の推進にとって

 大きな抗力になります。

 飛行機でInterference Drag(干渉抗力)が一番大きくなる部分は、主翼と胴体の付け根で す。

 

3)Skin Friction Drag(表面摩擦抗力):気流が飛行機の表面を接触して流れてゆく時に

 発生する摩擦を言います。

 ツルツルの表面では少なくなりますが、飛行機に近づき触りますと、リベットや塗装

 ムラ、継ぎ接ぎなどのデコボコがあり、それらが気流の通りを邪魔し摩擦が空気抵抗

 になります。

 

 「Parasite Drag(寄生抗力)」は、一般的な空気抵抗と思って下さい。

 走っている自動車や自転車でも同じ様に発生するものです。

 川の中の岩や橋桁、水藻、立木なども、水流からすると「Parasite Drag(寄生抗力)」で すね!?

 

これ実は・・・、特徴として、「Parasite Drag(寄生抗力)」は速度の2乗に比例するのです!

ですから速度が3倍になれば、なんと・・・その2乗の9倍となります。

 速度が増えると急激に増えことを知っておくといいですね!?

 

 最近、見かけるのも少なくなりましたが、ワゴン車をゴテゴテにデザインした車があります。下手すると高速道路では、スピードが出過ぎたり、突風・暴風にでも出くわしたら、せっかく何十万円もお金を掛けて取り付け、塗装などをしたのに、そのデコレーションが吹っ飛んでしまうかも知れません(^^;

 

「Parasite Drag(寄生抗力)」は、もちろん速度が落ちれば格段に小さくなります。

 

 次に「Induced Drag(誘導抗力)」ですが、「揚力(Lift)」が発生する時に副産物として発生する抗力のことです。

 

 揚力が発生する時には、翼付近の気流が下に押し流されます。

その影響で、揚力が後方に傾き、その傾きが抗力になるのですねぇ~(^^;

難しいでしょから・・・適当に想像して下さい!ります。上に引っ張る揚力が後ろ向きに揚力というのは、飛行機を上に吊り上げるだけでなく、揚力自体が飛行機を後退させようとします。

 

 変な例ですが・・・、皆さんの髪の毛を真上に引っ張ってください!

 髪の毛のない人、・・・引っ張ると心配な人はやらないで下さい(^^;

 

頭は上に行きますよね!?

でも、その髪の毛を斜め後ろに引っ張って下さい。

 頭は確実に、上にも上がりますが、その時には頭が後方にも行いきますよね!?

これが「Induced Drag(誘導抗力)」です(^^)

 

ですから「Induced Drag(誘導抗力)」は、揚力が強い時に増えるのですね!

 低速で飛行している時は、速度が少ないので揚力が少なくなります。

それを補うために機首を上げて、Angle of Attack (迎え角度)大きくします。

そうしますと揚力は後ろに引っ張られ、「Induced Drag(誘導抗力)」が大きくなります。

 

Parasite Drag(空気抵抗)は速度が速くなると、強烈に増えていきます。(速度の2乗に比例します。)

でも、「Induced Drag(誘導抗力)」は速度が速くなると逆に減って行きます。

 速度が速いと「Lift(揚力)」が大きくなるので、機首を上向きにする必要が最小限になります。

 

でも逆に速度が落ちますと「Lift(揚力)」が減るので、それを補う為に迎え角を増やしますので「Lift(揚力)」の角度が後ろに後退して「Induced Drag(誘導抗力)」が増えます。

 

 飛行機の「抗力(Drag)」と「速度(Speed)の関係は、

 全体の「抗力(Drag)」の合計は、「速度(Speed)」が早すぎても、遅すぎても大きくなります!

 実は難しいのですが、「最適滑空速度(Best Glide Speed)」と呼ばれる速度で合計の「抗力(Drag)」が一番少なくなります。

 

 前回勉強した「『Load Factor(荷重比率;倍数)」を「L/D Maxi」とも言うのですが、「Lift(揚力):「Drag(抗力)」の比率が一番大きい時、Total Drag(総合抗力)が最低になります。

この速度で飛行しますと、空気抵抗が一番少ないので、エンジンが停止した時には、このスピードにすれば最大の距離を滑空することが可能になります。

 緊急事態で、飛行中にエンジン停止した時、「エマージンシーのABC」を、免許取得までに何度も訓練します。

 

ちなみに、「エマージンシーのABC」とは、

1)A:Air Speedを飛行機の「最適滑空速度(Best Glide Speed)」にすること

2)B:緊急着陸するためのBest field 即座に見つけること

3)Check List に添って、粗漏なく落ち着いてエンジンかけ直しにトライし、

もしエンジン再開不可能なら、Force Landing(正式にはemergency a forced landing);

 不時着する

 ことです。

 

 

さて、ビジネス・リーダーへの教訓は、

 「空気抵抗」は、速度が速くなると、強烈に増えていく!(速度の2乗に比例)

 「誘導抗力」は、速度が速くなると逆に減って行く!

 速度が速いと「揚力(浮き上がる力)」が大きくなる!

 

 企業が成長発展して行く段階でまったく同様の「抵抗」が増えるものと減るものがあるのを知っておくと、思い切った成長発展は怖くないのですね!?

 

 中小零細企業がなぜ・・・大きくならないのか? の最大の原因はトップ・マネジメント・リーダーの「恐怖感」なのです!

それは大きくなるなるに従って、いままで親しくつき合ってきた人たちからの「ねたみ」「やっかみ」「辛み」「恨み」「ひがみ」が「空気抵抗」と同様に増えるのです!

また、子飼いの従業員からも「今までの方がいい!」「こんなこと~!」なんていう、サボタージュも含めた抵抗(レジスタンス)が必ず燻ります。

 「ドライ」「クール」でない「ウェット」なビジネス・リーダーは、従業員も組織機構の改革、すなわち「リ・ストラクチャリング」するのに恐れを持ちます。

 

ここで成長速度(スピード)を鈍化させるとたちまち「揚力(浮力)」が小さくなり、高度が落ち始めるのです。下手すると・・・「失速」するのです!

 

こう言う時期こそ、もっとスピードアップすべきなのです。

そう! アクセルを思いっきり踏み込むのです!

その踏み込みを「勇気」と言いましょう!

 

 巡行高度に達すると・・・安定した水平飛行に入ることができます!

そうすると景色を落ち着いて、ゆっくり見下ろすことができます。

その時、新たなアイデア、信念までもが生まれてきます。

 

 飛行機は、スピードを出すとき「G」が掛かります。

その「G」が快感になるようなビジネス行動を起こすことを習慣化しましょう(^o^)/

  

ありがとうございました。

 

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2024 / 07 / 01  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第14講;『傾向Tendencyその1』:P-Factor(プロペラ・ファクター)

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第14講;『傾向Tendencyその1』:P-Factor(プロペラ・ファクター)

第14講;『傾向Tendencyその1』:P-Factor(プロペラ・ファクター)

 

先週は、とある企業の経営診断報告書の作成で悪戦苦闘しておりました。

病院の健康診断と診断書は簡単ですよね!?

コンサルタントにとっての経営診断とその後に必要不可欠な経営診断報告・勧告・指導書作成というのは大変なのです(^^;

ハッキリ言って・・・割に合わない(^^;

そんな愚痴をこぼしながら、パイロット・コンサルの経営いろは考に着手(^^;

 

 

離陸中や上昇中に飛行機が勝手に左へ旋回をしようとする傾向のことを「Left Turning Tendency」と言います。

 

私たちの生活場面やビジネス場面でも『傾向』ってあるでしょう?

こちらは飛行機の航空力学でのお話になりますので・・・余りにも難しいと感じたら、飛ばし読みか? 最後の方までトラップ(飛ぶ)されてもOKです(^^)

 

 

左へ旋回をしようとする傾向(Left Turning Tendency)には、4つの理由があります。

これらの4つの理由はすべて、回転するプロペラによって発生します。

エンジン高出力の時(プロペラが最高回転状態に近い)に強く発生します。

特に飛行機が低速状態では翼の勢いが少ないので、余計顕著に影響が出ます。

ですから・・・、飛行機というのは低速状態が危険なのです。

 

実は、離陸というのは飛行機が低速状態から浮き上がる状態です。

また巡航飛行から、上昇しようとしますと飛行機の揚力を作るため機首を上げます。

その時、飛行機はスピードが落ちてきます。力学的には、スピードのエネルギーが揚力に変換されます。

どちらも・・・、エンジンは全開状態です。

 

まず「プロペラ・ファクター(P-Factor)」と呼ばれる力が発生します。

本当は実物を写真でお見せしながら説明しなければ上手くご理解できないかも知れません(^^;

その理屈を米国の飛行機専門分野のYou-tubeで動画説明されています。もちろん英語ですが、理屈が判るのでご覧下さい!

 1) https://www.youtube.com/watch?v=TYn1GrvtPXU

 2) https://www.youtube.com/watch?v=Zf7-nSMLnMo

 

飛行機の機首が通常の水平状態よりも上向きになった場合、プロペラに当たる風の向きが変わります。 

そのため、左右のプロペラに出来る相対風(Relative Wind)の向きがちょっと変わります。

角度の差は小さいのですが高速で回転しているため、その作用が大きく出ます。

右側の下がるプロペラ(Ascending Propeller)には風が下から来る様になるので、推力が増えます。しかし、左側のプロペラは上の方から風が来る様になるので、まぁ~上から押されると想像していただくと推力が減ります。 

右側が強く、左側が弱くなるので機首が左に曲がろうとします。

これを「P-Factor」と言います。

この「P-Factor」が生まれると、右側のプロペラがより多くの推力(前に進もうとする)を発生させますので飛行機は左に行こうとします。

 

エンジンの出力が高い(高出力)時は、全体の推力発生も大きくなります。

自動車ではこんなことは起こりません。ですから、アクセルと同様の飛行機のエンジン・パワーの操作だけで飛行機はどこかに動こうとするのです。

特に機首の上向く角度が大きい時ほど、この現象が大きくなります。

飛行機の専門用語では、Pitchが高くなると強くなるといいます。

そしてまた機首が高いと(上向く角度)、自然と飛行機自体が低速にもなるので、翼や操縦桿、尾翼の作用も小さくなって「P-Factor」がより大きく感じられます。

 

ここからは、飛行機の勉強をされている方々向けの書き方になりますが、

「High Angle of Attack」=「機首が高い」=「左右の差が大きくなる」=「 P-Factorが強い」

 

別の書き方をしますと、

「High Pitch」 + 「Slow Airspeed」 +「 High Power」 で「P-Factor」が強くなる。   

飛行機は離陸上昇中に機首を上げすぎますと・・・左に強く曲げられ、放っておくと左旋回しながら傾きはじめ、失速することがあります。

 

飛行機を操縦しますと、この「P-Factor」は簡単に感じます。

ちょっと機首を上に上げてやると直ぐに感じます。飛行機は直ぐに左に行こうとします。

そのため、機首上げをした時は右のペダルを踏むという訓練をします。

 

実は、余裕ができてきますと上昇のために機首上げしますとこの「P-Factor」の作用によって計器(Turn Coordinator:旋回釣合計、旋回傾斜計)にあるボールが右側に流れのを見ることができます。

それを修正するために、米国の教官は優しく”Right Rudder"と言ってくれます。

日本のクソッタレ教官は、偉そうに「ホラッ!右ラダーだよ!」と怒鳴ります。

 

また米国の教官は、

「操縦のコツですね・・・前をよく見て、機首の上げ下げが有っても飛行機の向きが変わらない様にすることなんです。一番良い方法はは、落ち着いて風景を見ながら、風景が左右に移動しなければ計器を見なくてもボールは真っ直ぐとなってます。前を見ても分らない時は、貴方のお尻に掛かる力が左右同じであればピッタリなんですよ(^^)」

と優しいのです。

日本のクソッタレ教官だと、

「ホラァッ! 曲がってっだろう! 水平線が動いてんだろう! ケツで感じろ!」

でも・・・、晴天下の上昇中には水平線・地平線って見えません(^^;

 

米国の教官でしたら、もう一つのコツどころを教えてくれます。

フロントガラスの向こうではなく、左右の窓から見える水平線、地平線と飛行機の主翼との位置関係で風景が左に動いていないか判る方法をを教えてくれます。

 

だんだん計器を見るより、風景を見る癖を付ける方がはるか早く、「P-Factor」や他の「Left Turning Tendecy」に対応できるようになります。

 

さて今回のビジネス・リーダーへの、飛行機の理論からの教訓です!

 

飛行機は上昇中に左に回ろうとする傾向があるのです。

4つあるその一つが「P-Factor」なのです。

企業・組織の上昇中というのは、成長・発展中、売上げ上昇中のことですね!?

 

企業は特に、売上高が上がってきますと何が発生するかといいますと、多くの組織でのやるべき事の量(作業量)が増えます。

今までの人員で、その作業量をこなそうとしますから、間違いなく負荷が掛かるわけです。

そのことを知らないでぬか喜びするビジネス・リーダーも意外と多いのです!

 

どうなるか・・・?

作業を担当する人たちは、自身の作業に意識集中、手一杯状態となります。

上昇氣分になる人と(右プロペラ)と下降氣分になる人(左プロペラ)が必ずいます!

 

そうしますと・・・コミュニケーションを取ることがおろそかになるのです。

本来なら、まっすぐに全社員の意識ベクトルが向かわなければならないのに、どこかで、誰かのベクトルがズレるのです。

「忙しい」=「心をなくす」と・・・、全体のベクトルが変な方向に向かうのです。

それを直ちに感じ、修正をする役目を担っているのがビジネス・リーダーなのです。

 

国家は国民主権なとど難しいことを言いますが、経営はビジネス・リーダー主権であるべきです!

これは飛行機でいいますと乗客主権ではなく、全責任を負うパイロットが全権限を持つことと同じことなのです!

実は、パイロットでも機長のことをPIC(PILOT IN COMMAND:ピーアイシー)と呼びます。

 

そうなのです!

ビジネス・リーダーは、コマンドを矢継ぎ早に発する人でなければなりません。

自分自身が、作業に没頭して汗水垂らすことが立派なことではないのです!

冷静に状況を把握しながら、都度々、やり方の変更、新しいやり方の追加をするのです。

これを「命令の変更・追加」と組織論では言います。

言い方は、敬語を使っても、クソッタレ教官のように言ってもいいのです。

とにかく、部下はあなた・・・ビジネス・リーダーのコマンドを待っているのです。

 

「氣を使うな! 金使え!」って、良く皆さんに言いますよね!

企業・組織は、従業員に気を遣う慈善事業をやっているのではありません!

営利の優先をして、それを実践し、社会のお役に立って、従業員の・組織員の幸せを追求するのです。

社員・従業員・組織員のご機嫌を取って、言いなりになり、あらぬ方向に組織が向かうなんて邪道なのです!

 

しっかりとラダーを踏んで(舵取り)をしましょう(^^)

 

次回は『傾向Tendencyその2』:Torque(トルク効果)から学んでみます。

 

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 06 / 24  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第13講;『重心の位置と安定性』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第12講;『重心の位置と安定性』

『重心の位置と安定性』

 

今回は、チト難しいかも知れませんが・・・(^^;

 

飛行機の安定性(Stability)という言葉はパイロットにとって重要なキーワードなんです(^o^)

 

「操縦のしやすさ」とか、「操縦の楽しさ加減」、「操縦のお気楽さ(^o^)」のことを言います。安定している(Stable)飛行機と言うのは操縦が楽なのです!

パイロットはあまり何もしなくても、勝手に真っ直ぐ飛んでくれる飛行機の状態のことをいいます。

 

実は安定している飛行機というのが傾きますと、勝手に元の姿勢に戻ろうとするのです!

そんなに苦労しなくても良い飛行機のことなのです。

英語では「Less Effort」と言います。

 

逆に、不安的な(Unstable)飛行機は、飛行機の姿勢がコロコロと変わりやすく、操縦するのに大変な飛行機のことなのです。

ちょっと傾いてしまいますと、元に戻るのに時間が掛かったり、逆に傾きがひどくなってしまう飛行機を言います。

でも不安定な飛行機は、敏感なので運動性には優れています。

乗り心地は最悪、また操縦も難しくなるので安全ではありません!

相当の技量があるパイロットしか操れません(^^;

まるでロディオで荒馬に乗るのと同じだとお考え下さい。

 

ですから基本的に、お客様を乗せる旅客機は安定性が高く造られています。

戦闘機などは、敏感な動きが必要なので不安定な傾向があります。

ですから戦闘機のパイロットの技量は並ではないと考えても言いのです。

それにまた、戦闘機は航空母艦や短い滑走路からの着艦、離着陸もするのですから・・・(^o^)

もっと凄いこともご理解下さい!

滑走路が爆弾で穴ポコが空いていたら、それを避けるように着陸する訓練もやっているのです。

 

私の乗っているセスナ・スカイホーク172Pは、基本的に初心者には最高に優しく安定しております。

なんとまぁ~1956年(私が小学校に上がる直前)に引き渡しが始まりました。

世に出てから、もう60年も飛び続けている世界で最も売られている名機なのです(^o^)

 

飛行機には3本の軸があります。それぞれの軸に対して3種類の安定性があります。

呼び方は色々とあるそうですが、ピッチの安定性(Pitch Stablity)、ロールの安定性(Roll Stablity)、ヨーの安定性(Yaw Stablity)です。 

ロールの安定性(Roll Stablity)、ヨーの安定性(Yaw Stablity)は、飛行機の設計や整備の段階で決まってしまいます。

ロールとは主翼の左右対称に動くことをいいます。

実は、燃料というのは主翼の中にあります。

基本的に左右同量の燃料を入れますが、一つの燃料タンクを指定して使い続けることもできます。

そんなことをしますと左右の重さが不均衡となり安定性は悪くなります。

パイロットは、飛行中に燃料の無くなり具合を時々チェックします。

ガス欠を起こしたらエンジンが止まって、飛行機は落っこちます。

車や船は、止まるかプカプカ浮いておくことができます。

燃料チェックの時、左右の主翼にある燃料の量が一定かもチェックします。

普通は左右変わりませんが、まれに訓練の仕方で左右の量が違ったりします。

その時には、多い方の燃料のあるところから供給するよう燃料バルブを変えます。

ヨーというのは、飛行機の前後中心の一点に上から下に串を刺して、右に左にクルクル水平に回るイメージを持って下さい。

実は垂直尾翼がその役割をします。

飛行機では両足にペダル(ラダーといいます)があり、そのラダーで飛行機の向きを変えます。日本語で「方向蛇」と呼びます。

これも設計、整備段階でほぼ安定した状態になります。

 

パイ ロットの判断、操縦の仕方で最も影響を受けるのがピッチの安定性なのです。

ピッチというのは、先ほどロディオの馬の話をしましたが、飛行機が上下に波打つ状態だとお考え下さい!

 

飛行機は機首の上げ下げの安定性(Pitch Stablity)を作り出す為に、飛行機全体の重心位置が揚力(Lift)の中心位置から前の方に来る様に設計されています。

重心のことをCenter of Gravity(CG)と英語で言います。

揚力の中心をCenter of Lift(CL)と言います。 

重量も揚力も一箇所で発生させている訳では無いのですが、構造計算上それらの中心点を求めます。

その中心点に全ての重量や揚力が発生していると考えても間違いではありません。

 

普通の飛行機では、CGがCLの前に来ています。

また飛行機はCGを中心として運動しています。

「揚力」はCGの後ろに来ているので、CGの後ろに来ている主翼は、上に上ろうとする揚力を作り出しています。

主翼は上りながらCGを中心に回転しようとします。

その結果、飛行機は常に機首の方が重い状態(Nose Heavy)、機首が下向く傾向(Nose Down)の状態になっております。

この機首が下がろうとする状態を抑える為に、実は後ろにある小さな水平翼;水平尾翼(Horizonatl Stabilizer)が下に行く力を作り出すようにして、この回転する状態(Nose Down)を抑えます。

これがきちんとできれば飛行機の水平飛行ができるようになります。

この力のことをTail Down Forceと言います。

水平尾翼は主翼と平行に取り付けられている場合と主翼よりも下向きに取り付けられている場合があります。

主翼の後ろでは、空気は下向きに流されます。

飛行機が水平状態でも尾翼が空気によって下に押される傾向(Tail Down Force) があります。

 

この「重心と揚力の位置関係」と「水平尾翼のTail Down Force」で飛行機の安定性(Pitch Stability)を作り出しています。

まさに「テコの原理」でして、小さな力で遠い所にある水平尾翼は少しの力でも大きな影響力があるのです!

 

もし水平飛行している飛行機が何らかの理由(風だとか、操縦桿を旋回のために回そうとして無意識に前に押し出してしまう初心者の緊張ミス)で機首が下がりますと、スキーと同じで飛行機の速度が上ります。

そうなりますと主翼と水平尾翼にも、より多くの風が流れてしまいます。

主翼も水平尾翼もどちらも、より大きな力を作り出します。

主翼を通過した空気は下向きに流れ(Downwash)ますので、水平尾翼ではその影響を受けます。

また水平尾翼は遠い所にあるため、水平尾翼を下に押し下げようとする力(Tail Down Force)が強く働きます。

そうしますと、飛行機のお尻(Tail)が下がり、テコの原理で機首(Nose) が上って、元の位置に戻ろうとします。

また、逆に機首が上り(Pitchが上がると言います)ますと・・・飛行機は減速しちゃうのです!

そうなりますと・・・今度は機首が下がり元に戻ろうとするのですねぇ~(^^;

こうして、なんとか上下の動きを安定させようと飛行機は自然にします。

これを機首の上げ下げの安定性(Pitch Stablity)と言います。

 

ところが、先ほど書きました水平飛行している飛行機が何らかの理由(風だとか、操縦桿を旋回のために回そうとして無意識に前に押し出してしまう初心者の緊張ミス)で機首が下がったりしますと、初期の訓練生は慌てて、無理にその状態を直そうとします。

本当は操縦桿から力を抜けばいいのですが・・・緊張と機首が下がるとジェットコースターに乗っている氣分になり、逆に力が入り、余計な操作をしてしまいます。

 

あのクソッタレ教官(アレレ・・・私としたことがお下品な・・・)は、

「飛行機ってのはなぁ~、飛ぶように作られてんだぁ~! 余計なことするから暴れんだよぉ~! 女性を扱うようにしなぁ~(^o^) だからパイロットは女性に優しいのよ!」

「・・・」

「ホレッ! 余計なことすんな!」

「・・・」

「回転数2300回転、速度95ノット、水平直線飛行・・・それだけだぁ~!」

「ハイ!」

と言って、速度計を見たら105ノットは出ている・・・そうかぁ~パワーを落とそうとして、回転数を下げますとたちまち機首が下がります。

こんどは慌てて操縦桿を上に上げますと機首が上がり、急に飛行機は上昇します。

100~200ft=30m~50mくらい、あっという間に上昇します。

ここでクソッタレ教官が、

「余計なことすんなぁ!って言っただろう・・・」

「・・・(じゃぁ~どうすりゃいいの?)」

「だから、初心者はダメなんだ!」

「・・・(だから教わりに来てんだぁ!)」

「ほれっ!いいか、見ていろよぉ!」

「ハイ!」

「どうだ・・・このようにすんだよ!」

「・・・(そんなのわからんよ! ちゃんと一つ一つ教えろよ!)」

 

ビジネス・リーダーのみなさん!

最初は難しい飛行機の理論を述べていましたが、最後のクソッタレ教官との会話を熟読下さい!

初心者は誰も・・・ワカランのです!

だから企業・組織で新入社員を短期に育成しようとするなら、こんな職人的教え方では何十年掛かっても人は大量に育てることができないのです!

もちろん、特殊な技能だけは例外です。

基本的技能は、マニュアルを作り、そのマニュアルにそって、正しい理屈(理論)を教え、ポイントとなる「コツどころ」を「熟練した教え上手」のインストラクターが、手取り、足取り、教えるべきなのです。

その余裕が企業にあるかないかで、人材育成スピードはまったく違ってきます。

 

今回の『重心の位置と安定性』では、マニュアルと座学と実学が三位一体であるべきことを述べたくて書きました。

 

ここでやはり、山本五十六元帥の言葉が人育ての至言であることを確認したいですね!

 やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、

 ほめてやらねば、人は動かじ。

 

あるいは、

 

 やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、

 ほめてやらねば、人は動かず。

 

実は、ここまでをよくご存じの方は多いですが、続きがあるのです!

 

 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

 

ありがとうございました。

 

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2025.06.13 Friday