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新ビジネス・リーダーいろは講;第43講:『益者三友』
【ピサの斜塔】
論語の中に『益者三友』という教えがあります。
あなたにとって有益な友達は、
1)正直な人
2)誠実な人
3)博学な人
であると・・・孔子様はおっしゃっています。
「正直」であることは非常に重要です。
西郷南洲翁遺訓の中に
講学の道は敬天愛人を目的とし、
身を修するに克己を以て終始せよ
というのがあります。
「正直」というのは「敬天愛人」を進めて行くために「身を修する」ことと理解してみたいのです。
「愛する」ということは、「その人を無視しないこと」ことなのです。
「正直」であることは、「ウソをつかない」ことではなく「気を配る」ことと理解する訳です。
そうしますと私たちの仕事の一つひとつについても、
「正直な商売」
「商品を愛する」
「隅々まで気を配る」
と言葉の使われる意味が解ってきます。
それをやっている人こそは『益者』の第一条件に合致しています。
次に「誠実」というのは、「本当に実のあることをやっていること」と訳すと簡単に理解できるのではないでしょうか。
「今日、努力したことが無駄にならない生き方」をしている人は、禍根を残さないものです。
すなわち、後々の問題のタネを残さない人です。
「一所懸命」の意味も同じではないでしょうか!?
そんな人があなたの友達なら、これまた『益者』の第二条件に合致します。
次は「博学な人」ですが、私は「向上心」「好奇心」のある人と解釈しております。
このような人は多くの人脈を持っております。
なぜなら物事の道理を「探求」してゆくためには、「知らない」「出来ない」ことを「素直」に教わる姿勢がなければなりません。
ですから人を選びません。
「好き嫌い」でなく「知っている、知っていない」「出来る、出来ない」が優先しますから、『人皆な、我師』になってゆきます。
「博学な人」というのは、本をたくさん読んだり、暗記している人ではないのです!
多くの友達から見聞きしたことを「蘊蓄(うんちく)」として語ることができる人なのです!
ただ「蘊蓄」ばかりを口にする人はちょっと眉唾です。
よく私が口にする「知る」⇒「分かる」・・・よりも「できる」⇒「できた」域にいない人が知ったかぶりするのは嫌われることがおおいですね!?
なにかあったとき、しっかりした「蘊蓄」を述べ、演繹的に物事の論理を説明することのできる人は一目置かれます。
そんな人ですから『益者』であることは疑いの余地がありません。
さあ、どうでしょう!?
自分には、どれくらい多くの『益者三友』がいますでしょうか?
『益者三友』の数を測る方法をお教えしましょう。
それは「年賀状」でやるのです。
毎年、自分のところに来る「年賀状」は、自身の『益者三友』に成り得る条件を有している人たちが圧倒的に多いものです。
毎年、何枚来るかも大切です!
もちろん現代は、メールやSNSメッセージに変わってきているのも事実ですから、それも含めましょう!
年賀状が自分のところに来るためには、出さなきゃ駄目ですね。
その年賀状や年賀状メール、メッセージを一つ一つ見て、その人は自分にとって「正直」「誠実」「博学」なのかを記号で表現しましょう。
どれかに当てはまるでしょう!?。
また、それぞれの記号の横に度合いとしての点数もつけます。
その合計点の高い人が、あなたにとって『益者』として高いランクにできる訳です。
毎年、年賀状がきますと去年の総合点数と比べて、どのくらい伸びたか比較してみましょう。
点数の増加率が、不思議なくらい一年間の所得の伸びに近似していることを発見します。
もちろん、去年、1枚だったのが3枚になったからといって、年収が3倍になることはありませんよ・・・!
所得だけでなく、困ったことがあっても『益者』のおかげで苦労しなくて済んだことが沢山現象として現れてきます。
そうなりますと「ああ~有難い!お蔭様!」という言動が増えてきます。
もちろん、生活態度まで変化してきます。
それが習慣を変え、あなたの人生そのものが変ってきます。
『実るほど、頭を垂れる稲穂かな』の句が正しいことも分ってきます。
『運のいい人』というのは、『益者三友』との付き合いが極めて多い人です。
最初は『運のいい人』とのお付き合いはお奨めです!
ありがとうございました。
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新ビジネス・リーダーいろは講;第42講:『面倒見』
【ご存知、ピサの斜塔】
皆さんは他人に対しても、動物や植物に対しても『面倒を見る』ということをいっぱい
されているんじゃないでしょうか。
『面倒を見る』というのは本来どうも、本能なのではないでしょうか。
動物の親も集団のボスでも『面倒』を見ます。
人間もまったく同じではないでしょうか。
ところが職場においては、意外と『面倒を見る』と言う言葉がナリを潜めることがありま
す。
良い会社の社風というのは、上司や先輩が部下・後輩の成長のために、とことん面倒を
見ることが当たり前となっております。
私は、管理職手当、監督者手当は『面倒見手当』とも呼び、賃金の一部にするべきだと
考えております。
もちろん、それだけが手当の内容ではありませんが・・・。
仕事を離れた集団、集まりでは『面倒を見る』ことで、そのお返しを受けようとするで
しょうか?
たとえば宗教団体や愛好会などでは、無償が「当たり前」のことです。
実は一般的に歴史があり、いい会社と呼ばれているところでは、今のような無償の「当た
り前」が周知の事実として存在します。
私はこのような当たり前になってる企業の風土を『企業文化』と呼んでおります。
マズローという心理学者は『欲求の五段階説』という大変有名な理論を発表した人です。
人間は五つの段階的な欲求を持つというのです。
まず第一番目は「生理的欲求」です。
生きて行くための必要最低限の欲求で「食べる」「寝る」等々です。
次の第二番目の欲求は「安全の欲求」です。
生きられるならより安全でありたい、雨をしのいだり、危険を回避したい欲求です。
「服を着る」「家に住む」などがそうです。
そして、第三番目の欲求は「社会的欲求」です。
今度は一緒にいたいといった欲求です。群生する欲求です。一人ぽっちに誰もなりたくな
いですよね。
それから第四番目が「自己尊重の欲求」です。
集団の中で自分の存在を認めて欲しいという欲求です。「目立ちたい」というのもそうです。
最後が「自己実現の欲求」です。
すなわち、自分のあるべき姿、理想、夢の実現です。しかしなかなかここまで来るのは
大変です。
自分が存在する集団の中にあって、勝手な振舞はできません。
そして本当に自分の理想を実現するためには、多くの周りの人々の協力を得なければなり
ません。
ですから結局、集団のための理想を実現することが、とりもなおさず自分の理想とならな
ければ、多くの絶大な協力を得ることができません。
そうでないと自分勝手な夢では、「利己主義」のレッテルを貼られることになります。
この世の中で成功している人々の基本的な特徴を挙げますと、彼等は、自分の理想、夢は
『世のため、人のため』になることをシッカリ掲げております。
そして、その理想、夢を実現するための下積みをしております。
この下積みこそ『面倒見』に他なりなりません。
もっと別の表現をしますと『徳』という言葉になると私は思います。
そうなんです!
自分の「高き理想」を実現してゆく人が、まず必ずやらなければならないことは、多くの
「協力者」づくりなのです。
すなわち「人脈」づくりなのです。
「人脈」というのはなにも自分より上の人や何でも知っている、できる人のことではない
のです。
すべての自分を「支える協力者」のことなのです。
まず、家族がいます。
ですから家庭を大切にできない人が成功なんてできません。
そして次に職場です。
お客様、取引先様との関係もまったく同じくらい大切です。
『面倒見』というのは、後輩や部下にだけするのではないのです。
周り巡って自分を補佐、協力していただけるすべての人に施せることではないでしょう
か!?
お釈迦様は、これを「布施業」とおっしゃいました。
どこかのヘンテコ宗教の「布施」とはまったく違います。
もう一つ、『面倒見』という言葉の前二文字は「面倒」と書きます。
そうです!
部下や後輩、子供を育てるのは当たり前に「面倒」なのです!
大変なこと、やっかいなこと、難しいこと・・・全部「面倒」なことです!
それを進んで受けようとする精神態度は「難」を「受け入れる」のですから・・・「受難」
なのです!
英語で「Passion」と書きます。英和辞書では「Passion」を引きますと「情
熱」となっています(^o^)
「難」を受け入れるには「情熱」が必要なのです!
そして、「難」が自分自身にあることはまさに「有難い」ことなのです!
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新ビジネス・リーダーいろは講;第41講:『自立・自律』
【フィレンツェ】
『自立・自律』についてお話しします。
特に後継者として期待されているビジネスにおけるニューリーダーの方々には、次のお話
しすることは、何度も反芻していただきたいと思っております。
儒教の始祖であった孔子様は、「四十にして立つ」と言っております。
当時の人間の寿命は五十年と言われましたので、ほとんど高齢者に入った人のあるべき姿
を言ったものかも知れません。
もちろん、この言葉は孔子様自身が年齢の節目に自覚したことを弟子が聴いて記録に残し
たものでもあります。
「自ら立つこと」を『自立』といいます。
私たちの日常生活に置き換えますと「自分で収入を得て、生活を営んでゆけること」でし
ょう。
また、少なくとも自分に子供があったときは誰の世話にもならず、子供を育てて行くこと
のできる経済的・精神的状態であるとも思います。
たとえば新入社員は、皆さん先輩や上司から多くのことを学び、徐々に『自立』してゆく
はずです。
社会人になった人達が『自立』するとはどういうことなのでしょうか?
とりもなおさず、細々とした作業指図なしに日常の作業がそつなくこなせることが第一条
件ではないでしょうか。
そして、日々成長変化する状況を的確に捉らえ、その状況変化に対応してゆくことができ
ることです。
もちろん、組織として皆んなが協同で仕事をするのですから、自分勝手では困ります。
ですから仕事をしてゆく過程に「報告・連絡・相談〈ホウレンソー〉」があることは当た
り前のことです。
人が『自立』してゆくにしたがって、多くの苦難・困難・災難に直面してゆきます。
ほとんどの場合、始めて出会うことばかりです。
やったことがない・・・すなわち、「できないこと」「知らないこと」が、そのことを
苦難・困難・災難となってるのが大半ではないでしょうか。
漢字の勉強をするようで恐縮ですが、苦難・困難・災難という言葉には「難」という字が
ついてますね!?
人はだから、「難」から逃れ「無難」でいたいと思うのですが、私の知る成功している
人たちはまったく逆に「難」を喜ぶのです。
なぜか・・・?
「難」があれば・・・「有難い」に変わるからです!
日本電産の創業者社長であられ大変に有名な永守重信さんは、このようなことをおっしや
っています。
「普通の人は、困難や問題に出会うと"困難''、"問題"と呼び捨てにするけれど、私は"困難
さん"、”問題君"って敬称を付けてお呼びします。"困難さん"、”問題君"を大事にお迎
えして、真正面からお付き合いすると"困難さん"、”問題君"の背負ってきたリュックサ
ックの中に"解決策"が山ほど入っている!」
と・・・(^^)
経験則なのですが、「成功した人」というのは、全員、苦難・困難・災難を克服しており
ます。
「成功した人」は、じゃぁ~自分の力で全てを解決したでしょうか?
とんでもありません!
人一人の力なんて、あまりにもチッポけです!
「成功した人」は、実は自分の力の程を知っているといってもいいでしょう。
ですから、以前にもお話ししましたように「自分の知らないこと」「自分ではできない
こと」は、多くの人々の力を借ります。
となると・・・まず、多くの人脈をつくることに長けています。
この「人脈づくり」のためにもっとも重要なことが『自律』なのです。
『自律』というのは、「自分で決めた規則に従い、我がままを押さえること」と辞書には
書かれています。
人と人との付き合いは、「我がまま」「エゴ」が最も大きな障害となります。
自分勝手が正にそうです。
人と気持ちのいいお付き合いをするための『自律』は非常に大切なのです。
また、これができない病気の顕れが「自律神経失調症」なんです。
まことに絶妙な病名です。
この「自律神経失調症」になる人は、だいたい「過保護」で育ったか、「過干渉」で育っ
た人らしいのです。
すなわち、自分で自分をコントロールする確固たる信念に欠け、他人からトヤカク言われ
たら気が滅入ったり、我がままを押さえつけられたら体に支障が出たりします。
ストレスに対する処置のできない精神的脆弱さが、病気の原因だそうです。
私の友人である大学医学部の教授が言うんですから確かだと思うのですが。
『律する』というのは、「ある基準で判断する」ことです。
この「基準」というのは、自分自身の生きざまのなかで培ってきた「ことの善し悪しを
判断する物差し・尺度」です。
相当な経験をした人は、余り動ずることはありません。
些細な事でも右往左往し、動揺する人がいます。
正しい苦労をしてきた人は、よっぽでないと驚いたり、たじろいだり、ビクビクしたりは
しません。
経験というのは、自分を「律する」上で非常に重要なものです。
『自立』することによって、人に迷惑をかけない。
『自律』することによって正しい言動をしてゆくことが肝心です。
皆さんは部下や後輩に、このことをキチンと教え諭すことのできるリーダーとなり、早く
正しく仕事の習得ができる環境を皆さんで確立して下さい。
また絶対多数の社員が『自立・自律』している会社は、外部環境の状況変化に即時に対応
する能力があります。
ですから厳しい競争環境でも勝ってゆけるのです。
それは会社の総体的エネルギーを外に向かって出すことが出来るからです。
内部にエネルギーを篭らせると多くのムダが発生します。おのずと、企業業績にも影響し
ます。
会社は、社員の『自立・自律』のために『教育・訓練』を誰もが受けることのできる機会
均等を図るべきだと確信しております。
社員は自分自身の『自立・自律』のために『自己啓発』を怠ってはなりません!
ありがとうございました。
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新ビジネス・リーダーいろは講;第40話:『勇気』
【フィレンツェにあるダビデ像】
今日は、ロシアの「戦勝記念式典」があるそうです。
大相撲で、横綱の風格や振る舞いが問題になることがあります。
大国であったり、大物の条件は「いたわる・思いやる心」を持つことではないでしょうか?
『勇気』という言葉をずいぶんと耳にしたり、目にしたり、口にしますね!?
小椋桂さんのCDの中に、題名をすっかり忘れてしまった素晴らしい曲があります。
その歌には小椋さんのナレーションがあります。
今、手許にその詩がなく、非常に印象に残っているところだけなのですが、
「青春とは、わからないことをわからないと言える『勇気』と、・・・」
と文言があります。
私は、ここだけを鮮明に記憶しています。前後の歌詞、メロディーもまったく記憶にない
のです(^^;
多くの人がご存じのサムエル・ウルマンという大変有名な詩人が『青春とは、心の若さで
ある』という詩を残されています。松下幸之助翁が毎朝唱和なされたと言います。
作山宗久さんの訳です。ぜひ全文をご賞味下さい!
青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ち方を云う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、燃える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
青春とは臆病さを退ける勇気、
安きにつく気持を振り捨てる冒険心を意味する。
ときには20歳の青年よりも60歳の人に青春がある。
年を重ねただけで人は老いない
理想を失うとき初めて老いる。
歳月は皮膚にしわを増すが、熱情は失えば心はしぼむ。
苦悩・恐怖・失望により気力は地に這い精神は芥にある。
60歳であろうと16歳であろうと人の胸には、
驚異に惹かれる心、おさなごのような未知への探求心、
人生への興味の歓喜がある。
君にも吾にも見えざる駅逓が心にある。
人から神から美・希望・喜び・勇気・力の
霊感をうける限り君は若い。
霊感が絶え、精神が皮肉の雪に覆われ
悲嘆の氷に閉ざされるとき、
20歳であろうと人は老いる。
頭を高く上げ希望の波をとらえる限り、
80歳であろうと人は青春にして已む。
そうなのです!
『勇気』と『心の若さ』は、まったく同じことなのです!
ロシア大統領には、「心の若さ」が無くなったのでしょうか(^^;
私にも皆さんにも、小さかった頃の思い出があるでしょう!?
あの頃の私達はどうだったでしょう?
自分の子供、もしくは身近にいる子供さんたちを見るとわかりますね。
子供たちは、本当に小さな事でも「なぜ?どうして?」と訪ねてきます。
これを『好奇心』といいます。
もしくは、知らなければ「ボク、わかんない!」って、ハッキリ言います。
私は、この素直さこそ『勇気』だと思うのです。
大人に成るにしたがって、だんだんと「わからない」と他人に言うことが『恥』だと思う
ようになります。
本当は勘違いの何ものでもないのですが、「わかりません、教えて下さい!」などをいう
ことが、限りなく少なくなってくるのではないでしょうか!?
ましてや自分の子供には決してそんなこと言えないなんていう人もいると思います。
経営の神様といわれた松下幸之助さんは、どんな小さなことでもわからないことがあると
根堀り葉堀り、相手が嫌になるほど聴いたそうです。
そして必ず、聴いたことをメモされたそうです。
ですから、やはり誰よりも・・・何でも知っていたのだそうです。
松下幸之助翁が自社の洗濯機工場の視察に出かけた時、工場長の説明を受けながら、製造
途中の洗濯機の一点を指さして、
「ところで、このビス1個なんぼや?どこから仕入れてるんや?」
と質問をされたそうです。
そのとき工場長は、おもむろに洗濯機の製造に係わる材料でにあるビスの価格が書かれて
いる手帳を胸から取り出して、ページをめくり始めたそうです。
途端に、松下翁が烈火のごとく、工場長に対してものすごい爆弾を落としたそうです。
笑い話には工場のラインが一時ストップしたとも・・・(^o^)
「なんでワシよりも直接この製品に携わっている者のクセして、材料一個一個の原価を
完璧に覚えておらんのや!恥ずかしいと思わんのか!そんなことで、この洗濯機をもっ
と安く作る智恵が出るわけないやないかぁ!」
松下さんは、続けたそうです。
「わからんかったら、わかりませんと言え!手帳を調べるちゅうのは、わからんこととま ったく同じなんや!」
よく考えてみますと本当に松下さんのおっしゃったことは正しいのです。
知っているということは暗記していることで、それ以外は、すべて知らないのです。知っ
ているつもりなんでしょう。
そんなときは、
「すみません!シッカリ、覚えておりません。お恥ずかしいことです。
ちょっと手帳を調べさせてもらいます!」
とあらかじめことわっていれば、もしやすると叱られなかったのではと思います。
私たちは扱っている商品の売価、原価、製品のすべての材料原価をどれくらい覚えている
でしょうか?
商品の色々な特性などの「商品知識」を知っていたら、お客様・お得意先様に対しても、
仕入先との商談にもすごく役立ちますよね?
でも皆さんは、どれくらい知っていますか?
皆さんの回りには、自分よりもたくさん「知っている人」「できる人」がいるのではない
でしょうか。
たくさんの知識、経験則、原理原則、定石を自らの身につけるためには、人に教えていた
だくことが最良の近道ですよね!?
ですから素直に、そして謙虚に知らないこと、出来ないことを教えていただけるように、
「すみません。教えて下さい!」
と『勇気』を持って、人に接しすることができることは、非常に取り早いことなのです。
『一流』と言われる人ほど、誰よりも『人に聴く』スピードが早く、多いものです。
私は冒険をするときにのみ使うような『勇気』は、ただの『度胸』に過ぎない思います。
スポンジのように色々なことを吸収しようとする『好奇心』、『心の若さ』、『勇気』、いつ
までも忘れないようにしたいものですね。
ありがとうございました。
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新ビジネス・リーダーいろは講;第39話:『危機感』
【羊たちの沈黙:ハンニバルの名場面】
ウクライナでの侵略戦争は対岸の火事でしょうか?
太古の昔から、「負けたら滅亡」の教えがあります。
私は、世界史・日本史に疎いですが、2500年前からの大きな18の戦争の勉強をした
ことがあります。
今、ウクライナで起こっているロシアの残虐行為は昔のままの精神構造です。
ビジネスの世界では、死人はほとんど出ませんが、負けたら悲惨です!
『危機感』についてお話しします。
その前に、帝国データバンクや東京商工リサーチ、金融機関が倒産した企業の原因を記載
しますが、99%以上が「放漫経営」ってなっていることをご存知ですか?
ですから一度、倒産させた企業経営者には、なかなかお金を貸してくれません!
「放漫経営」、すなわち会社を潰すダメ経営者というのは、まずは私腹を肥やしますね!?
即ち、ダメ経営者は企業の利益を私生活に利用するんです!
「ちょろまかし経営者」と私は軽蔑の念を持ってそう言い切ります!
ドラマの題材になる会社を倒産させる社長の典型的なパターン第1が、男女共に愛人を
作るんです!
本来なら、企業の人件費や設備の維持費は毎月発生しますから、その資金を大事に使うべ
きです!
しかし、自分の快楽のためだけに費やす経営者がいる企業はもうダメです!
このような倒産企業経営者と付き合うと、彼らの共通点はその遊びを自慢話にします(^^;
次に会社を潰すダメ経営者パターン第2は、約束を守れないのです!
それも・・・小さな約束を守れない事です。
特に、従業員との約束が守れないのです。
「天上天下唯我独尊」状態なので、従業員に約束したことをケロッと忘れる。
従業員は、社長から受けた約束違反とウソのが蓄積して、どこかで謀反&氾濫を起こします。
ポカ休みとか・・・(^^;
例えば、給料の支払い日が毎月25日なのに遅配する。従業員と食事の約束をしたのに
予定を忘れるような小さな約束を破ってしまうのです。
兎にも角にも、大小問わず約束を守れない人間は周囲の信用を失ってしまいます。
いずれ従業員が離れて行き、会社を潰してしまうパターンがよくあります!
そして、会社を潰すダメ経営者パターン第3は、とにかく家族を大事にしないですねぇ(^^;
外面がだけ良く、家族や社内の人間に冷たいというタイプです!
「内弁慶」とも言いますね!!? こんな会社が長く存続するはずはありません!
「放漫」という字は、「慢心」=「有頂天」、そして会社以外の事に時間を割くものです
から、何でもかんでも能力のない、権限のない部下に「任せっから!」と言って放ったら
かしにします。
任された従業員はストレスが溜まりますね!?
印鑑まで渡すと、勝手な使い込み、変な白手形に印鑑を押したりします。
これを「放任」っていうのです!
「放任」+「慢心」の経営が上手く行くはずないでしょう?
ですから、会社を潰した経営者は、お堅いところからは「ダメの烙印」を押されています。
「放漫経営者」は観るだけで分かります。「危機感がありません!」
「倒産」させたことを自慢にする経営者とは付き合わないようにしましょう!
私のつたない人生経験です。
出会った多くの尊敬する人達が、共通に持つ特性というようなものがあります。
それは、物事を真剣に考える姿勢です。
どこから、その真剣さが来るのか探ってみますと・・・必ず彼等の持つ『危機感』が根底
にあることを発見します。
彼等は確かに、周囲の人に対しては和やかな表情を崩しませんが、内に秘めるものはそん
なものではありません!
スポーツの世界のみならず、どの世界においても一流といわれる人達の、仕事に取組む
姿勢は心を打たれるものがいっぱいあります。
私は経営の世界などで一流の実績を上げておられる方々とご縁を頂戴させていただいてお
ります。
彼等と真剣な語り合いをさせていいただきますと必ず共通する答えが返ってきます。
どの人もこれからの世の中がどうなるかということに、ものすごい興味を抱いております。
その興味で先々を見てゆきますと、どうしても
「このままでいいんだろうか?」
「これから、こんなことをしていてはダメだなんだよなぁ~!」
といった『危機感』をいっぱい口に出されます。
「こうあるべきだ!」などという、まさに評論家タイプ発言でないのが実務家の一流人の
言葉であることに気づきます。
この『危機感』が、彼等にとって次に『緊張感』をもたらします。
それが、普通の人とは違う物事に対する真剣な取組み態度となって顕れます。そしてます
ます、取組みの精神的緊張度が高じてきますと『集中力』が湧いてきます。
専門家はこの状態の脳波がα波だと言います。
このα波を外から入れようと、変な機械を購入する者がいます。
若い方々にはおわかりにならないでしょうが・・・その最も有名なアホなことやってたの
がオーム真理教のヘッドギアではないでしょうか?
もしくは、耳からα波を促す周波数の音を入れれば同じ様な効果があるんだと言って機器
を売っている人もいます。この機器の推薦人にコンサルタント会社を日本で唯一上場させ
たと自慢している、そして巧みな出版をすることで有名なコンサルタントがいます。
不思議なことに、このコンサルタントの推薦するいろいろな発明紛いのものが急速に普及
することがなかなかありません。
本来「本物」と言うのは、コマーシャルをしなくても爆発的にクチコミによって広がるも
のです。
大変に大それた言い方をしますが、大学受験用・資格試験合格用に売り出されていました
あんなもの(ヘッドギア、α波促進音響装置)で集中力が湧くんなら、受験生は誰でも
東大クラスの大学に行けるし、司法試験も簡単に受かりますよね!?
しかし絶対そんなことは起こりません!
ということは、あれは”ハッタリ”であると気付かねばなりません。
まったくオームの連中と比べて五十歩百歩なのです。
注意して下さい!
やはり『集中力』を誘発させるのは本人の『真剣さ』、すなわち『緊張感』にほかなりま
せん。
この『緊張感』は、常に今の環境と自分の状態を素直に対比させることです!
そして「このままではイカン!」と自身に言い聞かせる姿勢が芽生えてきます。
これを『危機感』というようにします。
『危機感』は、全身をものすごく「敏感」にさせます。
目に見えないアンテナを体のあちこちに張りめぐらします。
どんな些細な事も取り込もうとします。
それが「ボキャボラリ」として、たぶん脳だろうとは思うのですが蓄積されてゆきます。潜在意識のすばらしいところなのですが、真剣な物事への取組みによって365日24時
間寝ていても思考を補完してくれます。
突然に、閃くことがあります。
不思議と、そのときは大変に心地好いものです。おそらく「悟り」というのがそんな境地
じゃないかと思ったりします。
ですから閃く経験をした人は、もう一度、同じ快感を味わいたくなるのではないでしょうか。
お釈迦様が出家を決意したは、自分のエゴでの解脱を目的にしたのではなく、衆生の救済
について『危機感』を感じたからと私は信じております。
お釈迦さまが涅槃に入られてから後、何百年もの間、小乗(自分だけの悟りを目的とする
教え)でしたが、脈々と流れるお釈迦様の本心は発現して現在に至っていると信じており
ます。
ですからオームの誰かさんとは発心がまるで違う訳です。
さあ、ぜひ自分の身の回りの環境を真剣に考え、これからの自身の身の振り方を想って
下さい。
そして、一流人との触合える所まで一緒に行きませんか。
一流人には、ちょっとした努力で成ることができます!
それは、『危機感』と『緊張感』と『向上心』が芽生えた時です。
ありがとうございました。
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