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2024 / 12 / 02  09:39

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

 

「高度(Altitude)」は、飛行機が飛んでいる所の高さを言います。 

航空の世界では、「高度(Altitude)」の種類があります。

 

飛んでいる飛行機から、巻尺や物差しで測ることは不可能?です!

一般的に、山や台地、平地の高さって言えば「海抜(height above sea level)」ですよね!?

 

航空の世界には、パイロットとして知っておかねばならないいくつかの「高度(Altitude)」

があります!

 

1)真高度(True Altitude)

 海面からの実際の高さです。「海抜(height above sea level)」とまったく同様です。

 飛行機にある高度計や物差しで測った程度の高さではありません!

 空港等の標高や障害物の高さを表示するときは、厳格に測られたものでなければなりま

 せん!

 航空チャートなどには、MSL (Mean Sea Level) と表記される高度のことです。

 

2)計器高度・計器指示高度(Indicated Altitude)

 飛行機に装置されている「高度計(Altimeter)」が指示している高度のことです。

 パイロットが一番多く使う高度のことです。 

 「高度計(Altimeter)」には、気圧の変化を調節するボタンが付いており、これで現在の

 気圧を合わせ(高度計規正:Altimeter Setting;QNH)てあることが前提です。

 

 高度計は非常に精密にできております。本当に驚く程にです!

 ところが実際には、上述したように定規や巻き尺のようなもので海面からの垂直距離を

 測定している訳ではありません。 

 測定しているのは気圧だけなのです。

 「高度計(Indicated Altitude)」が、「真高度(True Altitude)」と同じになる時というの

 は、大気の状態が「標準大気(Standard Atmosphere)」の時だけです。 

 それでも非常に正確であるため、気圧によって誤差が存在しても、他の飛行機も同じ様

 に誤差があるので、「高度計(Indicated Altitude)」に表示される高度は同じになるので、

 管制官やパイロットには大きな影響がありません。 

 

 ただ注意をしなければならないのは障害物や山を越える時です。障害物や山は真高度

 (True Altitude)で表示されていますから、その地点の微妙な気圧変化があると高度計

 の表示と真高度の違いが発生し、非常に危険なことが起こります!

 もちろん、航空法違反で低空を飛行しなければ問題はありません!

 ですから、通常は深く考える必要はないのですが、

 私はフライト・シミュレーターで、時々、レインボー・ブリッジやゴールデン・ブリッ

 ジをくぐり抜けをしようとして、衝突・墜落することがあります(^0^;

 これは意外と難しく、目算でくぐり抜けられると思って操縦していても、フライト・

 シミュレーターの気圧が変化していますとFSの高度がプログラムされているため、

 クラッシュ条件に当てはまることがあります(^0^;

 

 「高度計規正:Altimeter Setting;QNH」は、観測している地点での高度計が正しく

 標高を示す気圧の数値を言います。 

 これには上空の気温のことを一切考慮しておりません。 

 またその場の気圧ではないのです。あくまでも、管制から発表される周辺の平均気圧な

 のです。

 

3)絶対高度(Absolute Altitude)

 地上からの高さのことです。 

 地面から垂直に測った距離のことです。  

 実は離着陸の時には、地面からの高さが大事なのです!

 上空に行きますと、だいたい山越えをする時ぐらいは大事になります。

 がパイロットの世界ではそんなに大きな意味はありません。 

 

 

4)気圧高度(Pressure Altitude)

 高度計の「高度計規正:Altimeter Setting;QNH」を29.92in-Hg(水銀柱)に合わ

 せた時に表示される高度のことをいいます。 

 29.92in-Hgは、標準気圧とされているものです。

 

 ちと難しいことを書きますが、「Standard Datum Plane(標準データム平面)」 と言うの

 があります。

 ある場所(面)から測った飛行機の高度を「Pressure Altitude:と言います。

 国際標準大気圧(海面上:海抜0mで気温が15度、気圧が29.92in-Hgの時の

 標準とされる大気の状態)の状態にある事を「standard datum plane」と言います。 

 この様な海抜0メートルで、標準大気と同じ様な所、面に高度計を合わせたそのときの

 高度を「気圧高度:Pressure Altitude」と言います。

 

 この「気圧高度:Pressure Altitude」を使って、次の「Density Altitude」を計算する時に

 使います。

 また「真高度:True Altitidu」や「真対気速度:True Airspeed」を計算したり、性能表

 (Performance Chart)を使うときに使います。

 

 「気圧高度:Pressure Altitide」と実際の高度(「真高度:True Altitidu」)が同じになるの

 は、大気の状態が「標準大気:Standard Atmosphere」と呼ばれる状態になった時です。

 高度計は気圧を測っていますので、大気が標準大気と同じであれば、「気圧高度:

 Pressure Altitide」も正しい高度を示しております。

 

 日本では14,000ft、米国や国際法では18,000ft(海抜:MSL)以上

 を飛行する時には、高度計を無条件に29.92in-Hgに合わせることと決められてい

 ます。これは「気圧高度:Pressure Altitude」と同じです。  

 高高度では高速の飛行機が多く飛んでいますが、山に衝突することはほぼありません!

 (エベレストは29,029ftありますが、この上を飛ぶ飛行機は45,000ft

 以上を飛んでいます)

 ですから、高高度を飛行する全機の高度を統一するために「気圧高度:Pressure Altitude」

 を使っています。

 もちろん、実際の高度や修正を無視していますので誤差は大きいです。 

 また高度計も、実際の高度ではなく「気圧高度:Pressure Altitude」を示していますので、

 「Altitude」と言わずに「Flight Level;FL1 = 100 feet」の単位を使います。

 ジェット旅客機などは、管制官から飛ぶ高度がある高さを超える時には「Flight Level」

 を使って指示されます。

 

5)密度高度(Density Altitude)

 これが実は、パイロットの世界では一番重要な高度なのです!

 「密度高度(Density Altitude)」というのは、標準大気の気温と実際の気温との誤差を

 修正したを気圧高度のことを言います。

 英語では「The pressure altitude corrected for non-standard temperature.」となっています。

 言い方をよりわかりやすく?変えますと「大気の密度(空気密度:air density)」を高度

 に換算:したものです。  

 なぜ、この様な「面倒くさい高度が必要か?」と言いますと、飛行機の性能を知るため

 に必要なのです!

 飛行機の性能は、飛行している空間の空気の密度で実は決まるのです!

 上空に行きますと空気の密度が下がるのです。

 そうなりますとエンジンの出力が下がるのです。また、翼でも揚力を生む力が少なくな

 くなります。 

 飛行機の推力、揚力は空気を利用しておりますから、その空気が少なくなりますと性能

 は落ちてしまうのです。

 

 同じ高度でも、大気の状態によって空気密度が変わります。

 その影響を受けて、飛行機の性能も比例して変化します。 

 そのため、パイロットは「空気密度(Air density)」を計算するのです。

 ところが「空気密度(air density)」を聞いただけでは、パイロットには意味が分かり

 ません。

 そこで、より分りやすくするために、「空気密度(Air density)」を「高度」に置き換え

 て考えることを考えた偉い先人先達がいるのです!

 それを「密度高度(Denstiy Altitude)」と言います。

 

 そうですねぇ~例えば、「密度高度(Denstiy Altitude)」が5,500ftと言われれば、

 実際の高度に関係なく、その飛行機は標準大気の中で5,500ftの所を飛行して

 いる時と同じ性能が得られるという意味なのです。

 

 この「密度高度(Denstiy Altitude)」は山岳地帯にある飛行場などの離着陸や山越え、

 高温多湿の飛行場で離発着する時、非常に大事なのです!

 

 「空気密度(Air density)」は、気圧と気温が大きく影響します。

 「密度高度(Denstiy Altitude)」を計算するのに、まず「気圧高度(Pressure Altitude)」

 を測ります。

 これ以上、難しくなりますので・・・「はぁ~、はぁ~、そうかいな!」くらいにして

 お読み下さい!

 飛行機の計器である高度計に表示される高度の数値を「高度計規正:Altimeter Setting;

 QNH」に変換します。29.92in-Hg(水銀柱)に合わせた時に表示される高度でし

 た。

 次に気温の変化を修正します。

 「密度高度(Denstiy Altitude)」と「気圧高度(Pressure Altitude)」が同じになるのは、

 その場所の気温が「標準気温:Standard Temperature」の場合だけです。

 いまの居場所が、標準気温(標準大気の時の温度)から少しでも変化しますと、この

 二つの値には差が出てきます。

  高温だと ⇒ 空気の粒が大きく動く ⇒ 粒の間隔が開く 

  そうなると ⇒ 密度が低下 ⇒ 高い密度高度 ⇒ とりもなおさず飛行機の性能

  は低くくなる!

 

 「標準大気(Standard Atomsphere)」というのは、海抜0メートル(海と同じ高度)で、

 気温;摂氏C15度(華氏F59度)、気圧;29.92 in-Hg (1013.25 ヘク

 トパスカル・ミリバール)と定義されています。 

 この「標準大気(Standard Atomsphere)」の上空では、1,000 feet上昇する毎に

 気温が摂氏C2度、気圧が1in-Hgづつ低下していきます。 

 実はもっと複雑なのですが、気象予報士でないのでこの程度に・・・(^0^;

 

 

ここまで長々と高度の種類を述べてきましたが、飛行機の性能は安全面で考えますと、「離

着陸距離」と「上昇性能」が非常に大事なのです!

以前、夏場に東京調布飛行場で発生した軽飛行機墜落炎上事故の原因を探りますと、この

「密度高度(Denstiy Altitude)」に帰着します。

もちろん、エンジントラブルや操縦士の技能・健康状態などもあろうかと思いますが、

おそらく経験未熟なパイロットである私でもすぐに原因がここに行き着いた理由は、パイ

ロットのいろはのイくらいに大事な「密度高度(Denstiy Altitude)」を勉強したからです。

 

飛行機は、いかに短い距離で離着陸し、安全に早く上昇できるか?!

そして、高い山でも安全に超えることができるか?!

パイロットが飛行を始めるのに、この性能を知った上で準備とこれからの飛行航路の推測

をするのです!

 

飛行機は、空気の中を飛んでいるので空気の密度が性能に大きな影響があることは何度か

お話しました。

空気の密度が高いと言うことは、一定の体積でより多くの空気の粒があると言うことです。

空気の密度が高いと飛行機はグングン上昇します。

短い距離でも、離着陸ができます。

高い山でも飛び越える事が可能になります。 

空気の密度が高い(多い)と、翼の上を通過する空気の量が多くなり、低速でもより多く

の揚力が生まれます。

またエンジンも沢山の酸素が供給されますので、エンジン出力も増えます。 

またプロペラもエンジンに無理やりに回される翼と同じですのえ、空気密度が高いとより

強いプロペラ推力を生み出します。 

 

逆に空気が薄くなりますと、翼、エンジン、プロペラの性能が落ちて、高度を保つのも

難しくなります。

 

空気の密度が多い時とは

 • 密度が増えるのは気圧が高い時です。

  そして低い高度のところです。 

  高度が上りますと気圧が下がり、それに比例して密度も下がります。

 

 •パイロットが知っておくべき必須知識は気温の影響です。 

  気温が高くなりますと空気密度が低くなります。 

  これは空気が高温になりますと、空気の粒が大きく振動して、空気が広がろうとしま

  す。

  そのため、一定の体積の中では空気の粒の量が減ってしまいます。

  だから夏の暑い日は、上昇性能が極端に悪くなります!

 

 •湿気の多い日も、影響は少ないのですが湿気も航空機の性能に影響を与えます。 

  理由は大気を構成する窒素(N2)と酸素(O2)の粒の重さというのは、水蒸気(H2O)

  よりも重たいからです。

  簡単に説明しますと空気の粒は水蒸気よりも重たいのです!

  余計なお節介ですが、窒素(N2)と酸素(O2)を元素記号の数を見ると2+2で4コ

  でしょう!?

  水蒸気(H2O)は3コですよね!? 特に水素は一番軽い元素ですから・・・。

  窒素(N2)と酸素(O2)の粒の重さ > 水蒸気(H2O)の重さ

 

 •最悪な状態は、標高の高い飛行場(気圧が低い)から離陸する時に、うだるほどに

  熱い真夏のお昼頃です!

  日本も湿気が高いですね!

  この様な空港から離陸する時は、少しでも気温の低い早朝に離陸するのが最良の選択

  だと教官には口酸っぱく言われます。(日本のクソッタレ教官は教えてくれません!)

 

 

というわけで、飛行機に関わる理論の一つ「高度」についてお話してきました。

ビジネス・リーダーは、ここから職場には「標準」というのが必要不可欠なのだと言う

ことを確認していただきたいのです!!

 

「標準」というのは、「判断」のよりどころや「行動」の「目安」となるものです。

「基準」とも言います。

 

企業・組織において、誰もが同様の「標準」「基準」を物差しに、言動が同じであれば

効率がいいのです!

 

「マネジメント(Management)」という意味は、「数字と状態との目標を期限までに達成

すること」なのです!

ですから、

 1)目標・期限を決め、2)方法を決め、 3)調査・実験の繰り返しを行い

 そこから、4)「キマリ」を決める訳です!

 そして、5)教えつづけることによって、組織の者は「できる腕前」を持つようになり

 ます。

 

教えてことがどれくらい身についているかを評価することを 

 6)人事考課といいます。

 

これを全従業者に行えば、「決まり」の7)部分修正ができます。

そして、従業者みんなが同様に7)実行すれば、業績(数値)・業容(状態)が変化します。

数字というのは、人」「モノ(商品・機械)」が動けば変化します!

業績(数値)・業容(状態)の変化度合いを、

 7)評価し続け、必要に応じて、再度、8)キマリの修正をしてゆくのです!

 

マネジメントの本質は、習慣づくりなのです!

そう! しつけ(躾)づくりなのです!

企業・組織の全従業者の共通した変化への対応状態が一様に、乱れなく、行われれば効率

よい組織風土ができます。

 

そのための「急所」も知っておくべきです!

 1)絶対やらねばならぬことは明確に、確実にすべきです!

  そうしないと誰も、いつまでもやり始めないのです(^^;

 

 2)やったほうが良いことは明示するべきなのです!

  そうしないと散発的にやりすぎるのです;

  そう! ムダ=やりすぎをしちゃうのです!

 

 3)どちらでもよいことは後回しすべきです!

  そうしないと・・・皆が最も真面目にやっているのです(^^;

 

 4)やらないほうがよいことは禁止の発表をするのです!

  おもしろいです!

  どうしてもヤリタがり屋がいるからです(^^;

 

 5)絶対やってはいけないことは明確に、罰則もハッキリすべきです!

  そうしないと、知らずにやってしまうのです!

 

ここからも想像できますね!?

 

「標準」に明確することによって、「事故防止」「ムダの防止」が図られるのです!

 

ありがとうございました。

 

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2024.12.04 Wednesday