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2024 / 10 / 21  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第30講;『高度計規正(Altimeter Setting)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第30講;『高度計規正(Altimeter Setting)』

第30講;『高度計規正(Altimeter Setting)』

 

最近では精度の高いGPSを使って、正確な高度を知る計器を設置している飛行機もありますが、普通の飛行機で使われている高度計(Altimeter)は気圧を測定して、それを高度に換算しています。

ですから、飛行機から長い長い重しの付けた巻き尺を地面に落として高度を測るわけにもいきませんね!?

実は、カシオで出している本格アウトドアギア時計:PRO-TREK・・・・(決して回し者ではありません!)も高度は気圧によって測定しております。

 

残念ながら、実際の高度を測っている訳ではないのです。

気圧は、場所・時間によって時々刻々変化しますから、どうしても修正が必要になります。

それを「高度計規正(Altimeter Setting)」と言っております。 

 

 

気圧を計って高度を表記するのが高度計(Altimeter)なのですが、意外に正確なのです!

気温変動などで誤差が出ますが、すべての飛行機も同様に気圧を測定し高度を計算していますから誤差も同じなのです(^o^)/

ですから「高度計規正(Altimeter Setting)」をすべてのパイロットがきちんと行えば、高度計誤差による航空機同士の空中衝突は基本的に起こらないと考えていいのです!

 

多くのパイロットは離陸前から飛行中、着陸直前に、ATC(Air Traffic Control;航空無線)を聞きながら「高度計規正(Altimeter Setting)」を行います。

FAA航空法では100マイル(約160km)以内の数値(日本の航空法は160kmとなっているのはFAA米国に従属しているからです!)で大丈夫だとされています。

 

高度計(Altimeter)は地面標高(Field Elevation)を表示しますが、気温や気圧の変化で地面からの本当の高さには多少の誤差があります。

離陸前に、「高度計規正(Altimeter Setting)」を行い、地面標高(Field Elevation)を高度計(Altimeter)に表示させます。

 

普通に飛行する場合、最低でも地上から1,000 feet(約300m)、山間部で2,000 feet(約600m)の余裕を持って飛行します。

ですから飛行機同士の衝突の可能は、パイロットの操縦ミスが圧倒的に多いのです!

 

高度計(Altimeter)の中央右側に小さな窓があります。その窓には、現在の気圧を表す表示があります。高度計の左下にツマミ(ダイヤル)があります。

それを回しますと、小さな窓の気圧数値と高度計の針が動くようになっています。

離陸前に入手した気圧、飛行中に傍受した気圧を高度計(Altimeter)の小さな窓にある表示気圧と合わせますと、高度計の針が動き、観測地点で正しくその場所の地面標高(Field Elevation)を表示します。 

 

概算として、表示窓の数値を0.1変えますと約100feetの表示変化があります。

実際はもう少し微妙なのですが、十分正確な目安数値です!

 

この「高度計規正(Altimeter Setting)」は、基本的に空の上を飛ぶ総ての飛行機が、同じ高さの値を共有するためにおこないます。

同じ飛行場で、ほぼ同時刻に離陸した飛行機がたとえば、気圧の低い所に向かいます。

「高度計規正(Altimeter Setting)」を修正せず気圧の低い場所に行き飛行を続けますと実際の高度が表示より低くなってしますのです。

そこに障害物などがありますと衝突の可能性が出ます。気圧の低い所に向う時は注意が必要なのです!

 

気圧の表記の仕方に何種類かありますが、ここでは1個だけ例示します。

QNHという単位を使います。

QNHというのは英語では、Altimeter sub-scale setting to obtain elevation when on the groundと言い、海抜高度10feet(でも高度ゼロと呼びます)を得るための高度規正値のことです。

飛行場がある標高での気圧高度計の表示が正しい海抜標高を指すよう規正されているとき、高度ゼロに対応する気圧として計算されます。

 

その他にもQNE, QFEなどという単位が使われますが、試験を受けない人には必要ありませんので割愛しますが、この表記は・・・なんの頭文字なんだろうと・・・飛行訓練初期の段階で悩みました。

例のクソッタレ教官に聞いても「そんなもん、調べりゃわかるだろう!」の一喝(^^;

同じクラブ仲間に聞いても、分からないと言うのです。

 

実は、QNH、QNE、QFEとうのは、どれもモールス符号が使われていた時のQコード(またはQ符号)なのでした(^^;

何か英語の頭文字ではなく、説明が本節から逸れますので以下のURLでお調べ下さい!

 https://ja.wikipedia.org/wiki/Q%E7%AC%A6%E5%8F%B7

 

「高度計規正(Altimeter Setting)」のことを通称「QNHセッティング」とも呼びます。

ある空港の管制塔から送られた海面気圧値を、高度計の気圧セット・ノブを回して、その気圧値に合わせますと、高度計の指示はそこでの海面上からの高度を指示するのですね。

これですべての同じ空港を離発着する飛行機の高度計は同じ値を示すこととなり、安全性が格段に向上します!

 

日本(洋上を除く)では、平均海面上14,000ft以下の高度飛行する飛行機は、QNHに高度を規正しなくてはならないことが航空法で規定されています。米国では、18,000ftです。

 

実はここに来てやっと、飛行機での操縦で注意しなければならないことを知ったかぶりします。

高度計を調整しなければ、地域の気圧差で飛行高度が変わってきます。

パイロットはその都度、気圧変化に対応する為、飛行中には近くの気象情報を発信して折る管制塔などからAltimeter Settingの情報を得て、「高度計規正(Altimeter Setting)」をしなければなりません、

 

気圧の低い所から高い所に飛行するのには大きな問題はありませんが、低気圧に向って飛行する時は注意が必要なのです!

特に低空や大きな障害物がある所、山岳地帯では非常に注意しなければなりません。

 

パイロットは自身では十分な高度を取っているつもりでも、気圧が下がって行きますと高度を保とうとして同じ気圧の層(Pressure Level)を飛行しようとします。 

最悪の場合は気圧変化に気づかず、障害物や山に衝突してしまします。

 

気圧の低い所に向って飛ぶ時に、「高度計規正(Altimeter Setting)」をしなければ、実際の高度がドンドンと下がって行きます。 

障害物がよく見いえていれば、回避行動も出来ますが、障害物が見えなかったりすると衝突してしまいます。 

有視界飛行(VFR)で飛行している私のレベルではまだマシなのですが、計器飛行で雲の中を飛行する場合は非常に危険です! 

 

このまま書きますとまだまだ長くなりそうです!

もう飽きてこられたかも・・・?(^^;

 

続きは次回にします。

 

さてこれからが本番、ビジネス・リーダーへの教訓です。

 

企業・組織において、経営計画・事業計画を策定されていますよね!?

もちろん、行き当たりばったり企業・組織も星の数ほどお見受けしますが・・・(^^;)

 

もしくは、月次での販売計画、行為目標を設定し、それに邁進する企業・組織はまぁ~普通ですね!?

 

ここで定義をします!

【マネジメント】とは、数値と状態との目標を、期限までに達成することを        いいます。

【コントロール】とは、命令の追加・変更と、教育訓練の追加をいいます。

 

ちょっと話は逸れますが、【マネジメント】の定義をより深く考えて行けば、おのずとマネジメントのできる技術を持つ人を「マネジャー」と呼ぶのだというのが分かりますね!?そうなのです!

 

企業・組織において、数値と状態との目標を、期限までに達成することが幹部・管理者に与えられた任務(責務)なのです!

 

任務(責務)を果たし続けることのできる者が「マネジャー」なのです!

 

ここで「藤本のマ・ミ・ム・メ・モ理論」というのを紹介します。

 

マ:マネジャーのことです。

しかしマネジャーに成れない人は、「ミ・ム・メ・モ」を頭文字にする精神構造があります。

 

ミ:ミテネンジャァー;

観てないのです! 現場・現物・当事者を! 頭でっかち、格好ばかりの見せかけ管理職もどきに多いのです! 肩書きだけは一人前ですが、椅子から立ち上がらなくて、レポートの量は多いが、中味が薄く、実績が伴わない!

 

ム:ムリシテンジャー;

無理するのですねぇ~(^^; 特に新任管理者は・・・(^^;

そのために力んだムダな力がどこかに飛んで行き、実力発揮できない(^^;

 

メ:メゲテンジャー;

そうなってくると・・・メゲるのです(^^;

ヘトヘトになって、効果・実績が上がらなくなり、どうでも良い気分の直前状態にまで陥ります(^^;

 

そして最後に、

モ:モう・・エエンジャーとなるのです(^^;

 

それで・・・続きとなります。

「マネジメント」を行う上で最も重要なことが、途中経過チェックですね!?

「マネジメントのPDCS(F)サイクル」は、Plan(計画ありき)から

始まります。計画に基づいて実践・行動をして行きますから、徐々に成果が上がって当たり前です!

最後の最後に蓋を開けて「なんじゃぁ~コレ!?(^^;」ではいけません(^^;

やはり、途中途中できちっとしたチェックポイントを決め、そこでの経過推定目標と実際のギャップを知るべきです!

 

ここに「高度計規正(Altimeter Setting)」と同様の補正措置が講じられなければなりません!

もし状況が推定・仮説した状態とはならず下方にギャップが存在することがあります。

この原因をシッカリ探り、その対策を打たねばなりません!

原因の真因は簡単です!

「やり方が間違って」のです!

だったら・・・どうするか?

「やり方を変える」のです。すぐさま、組織要員、もしくは当事者に対して、やり方の変更を「命じる=命令」すべきなのです。・・・「命令の変更」もちろん、言葉づかいは命令調でも、お願い調でも何でも良いのです。

組織論から言えば、上司・上長が発せられるものはすべて「命令」なのです。

ですから、部下は「命令に服従」が当たり前です!

「命令の変更」に際して、部下が参画してその変更方法を一緒に考えるのはより良しです!

 

「命令」を変更したらどうなるのでしょう!?

まずは、まったくやったことのないことをしなければならない「命令」であったり、「やり方」がまだ未熟な者もいます。

だから、「教育・訓練の追加」が必要となるのです!

 

以前にも書きましたが、

教育とは、考え方をプラスにすること、思想・方針を教え込むことです。

訓練とは、できる腕前づくりです!

 

「マネジメント」と「コントロール」が逐次、一対となって事がなされてゆくのです!

 

そこに常に状況を把握しながら、「調整」「規正」が必要となります。

そのための手立ては、これまたすべてに言えるのですが「基準」「規定」「規則」という正しい「物差し=尺度」が必要なのです。

 

この「基準」が企業・組織にどれくらい明確に揃っているか?

「命令の変更」が、躊躇なく「朝令暮改」でできるか?

「命令」が出されたなら即刻、適時に「教育・訓練」がなされるか?

 

この一連のプロセスがきちんとできる企業・組織の文化レベルは「高い!」というのです。

 

しかし残念ながら、コト起こって右往左往し、誰もなにもしない(^^;・・・、そして、誰も責任を取ろうとしない・・・、最悪は、結果は「社会のせい」「世間のせい」「政治のせい」「行政のせい」「他社のせい」「他人のせい」・・・最悪は「親のせい」・・・(^^;

 

いい加減にせい!

 

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 10 / 07  08:13

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第28講;『航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第28講;『航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)』

第28講;『航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)』

 

今回はやはり・・・長くなるかも知れません。 

いつものように、最初にお断りしておきます。

難しい、つまらんと思ったら、躊躇なく最後の方に「ビジネス・リーダーへの教訓として」からはじまる文言まで読み飛ばして下さい!

ただ、いつも主文に基づいて、こじつけに限りなく近いですがビジネス・リーダーへの教訓を書き上げています。

その辺もどうかご理解下さい!

 

 

さて実は、私の一番苦手な飛行機の計器が「磁気コンパス(Magnetic Compass)」なのです。

なぜか?

簡単です! 一番、見づらい計器だからです。

 

といっても出発前には、この「磁気コンパス(Magnetic Compass)」と「定針儀」と日本語で言いますが、英語では「ディレクショナル・ジャイロ(DG:directional gyro)」という計器の方位を合わせなければなりません。

それが合わせづらいからなのです。

 

飛行機の「磁気コンパス(Magnetic Compass)」は車で言いますとダッシュボードの中央に置かれているオートバックスなどでも売っているあの「磁気コンパス(Magnetic Compass)」とほぼ同じです。

ただ精度が違います。

飛行機の方がいいです!

 

とにかく見づらいのです! 

外の光を乱反射させるので余計に見づらいのですが、ベテランのパイロットに聞くとそんなに違和感がないよ!と軽いのです(^^;

 

この「磁気コンパス(Magnetic Compass)」は余り使われておりませんが、ベテラン・パイロット(あのクソッタレ教官も含む)から言わせますと重要な計器なのだそうです。

シンプルで構造も簡単なのです。

これがちゃんと使えれば、最も信頼の置ける計器なのだそうです。

 

クソッタレ教官曰く、「飛行機の電源がシャットダウンしたり、後日、詳しく論じますジャイロで機能する計器がダメになっても、この「磁気コンパス(Magnetic Compass)」一つで空港に辿り着くことができる!」のだそうです。・・・ホンマかいなぁ~!?

とはいうものの重要な計器の一つです!

 

昔は登山やハイキング、ドライブに行くにはコンパスと地図持参でしたね!?

昨今は、車にも携帯電話にも「NAVI機能」があり、それを難なく使う人が多いので、コンパスの必要性が極端になくなってきております(^^;)

 

実は「磁気コンパス(Magnetic Compass)」にはエラーがあるのです!

それは、どんな影響を受けているかを知っていることが大事なのです!

 

飛行機の操縦中、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」は「水平直線飛行Straight-and-Level」状態の安定した飛行中だけ、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」が正常な数値を表示しております。

ですから、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」を使う時は、水平飛行で安定飛行中の時にだけ使用可能なのです!

 

「磁気コンパス(Magnetic Compass)」には磁石が入っております。

小学生の時に学びましたよね!?

コンパスは北を指してくれます。

速度を変えず、水平直線飛行をしている時は誤差が最小で、ほぼ正確な方向を示しています。 

「磁気コンパス(Magnetic Compass)」には、磁石が液体の中で浮遊しているだけの非常に簡単な構造になっております。

すなわち、プカプカ浮いている状態だからなのです。

そのために、いろいろな影響を受けてしまいます。

 

「磁気コンパス(Magnetic Compass)」が受ける4つの影響、エラーは、飛行訓練生の段階で確実に憶えなければなりません。筆記試験にも、実技試験の試験官質問にもだされるからです。

 1)加速や減速時に起こるエラー(Acceleration Error)

 2)旋回時に起こるエラー(Turning Error)  

 3)磁場の影響で起こるエラー:機内の装備で起こる(Deviation )

 4)磁石の北と北極点(地軸)の違いによって起こるエラー(Variation)

 

難しそうなことを書きましたが、通常は真っ直ぐに飛んでいるなら「磁気コンパス(Magnetic Compass)」は正確に方向を示しています。 

 

ところが飛行訓練初期の頃から、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」の弱点を補ってくれる「方向指示計(Heading Indicator)」ってのがあります。

「方向指示計(Heading Indicator)」(通称:コンパスとも言いますが、正式には磁器コンパスの方が優位です!)は0~360°(degree)で方向を示します。

単位は万国共通です。

この「方向指示計(Heading Indicator)」については、次回お話しますね!

 

ただ「方向指示計(Heading Indicator)」は「Gyro」という機能を使っていますので、誤差が少しづつ溜まってくるのです!

15分に一度ぐらい、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」を見て、その方位に「方向指示計(Heading Indicator)」を調節しなければなりません。

 

先ほど、プカプカ浮いているから「磁気コンパス(Magnetic Compass)」には誤差があると書きました。

基本的には、磁石が向くのは「北、北極点」です。

ところが地球儀を持って説明をお読みいただければ分かるのですが、実際の北は地面に平行した向こうの方にあるのではなく、地面(地平線:水平線)よりも下にあります。

だって地球は丸いですから、地球儀で横から見ますと北極点へのまっすぐは地球の地面に突き刺さって行く方向にある。そう下の方になるでしょ~(^o^)/

 

この磁石の極点が下にあるため、飛行操縦中は「磁気コンパス(Magnetic Compass)」に誤差が生じてしまいます。 

この下を向く傾向を「Dip」とか「Magnetic Dip」と呼びます。 

 

この下を向く傾向を緩和するために「磁気コンパス(Magnetic Compass)」には、「Dip-Correction Weight」と呼ぶ重りが反対側(南極側)に付いているそうです。

この重りによって、「磁気コンパス(Magnetic Compass)」はあまり傾くことが無く、見やすく表示されます。

 

この「Magnetic Dip」は、北半球では北の方向が下がるようになってしまいます。

赤道上では「Magnetic Dip」が0度になります。 

実は、この「Magnetic Dip」の角度は経度と同じになります。

ですから北というのは水平線の方向にあるような気がしますが、実際のコンパスが指す方向は、日本では35度ぐらい地面の下の方になります。 

その角度は飛行している緯度に比例します。 

 

大切な「磁気コンパス(Magnetic Compass)」ですが、なぜ誤差が発生するのか?

それを理解していれば、誤差が発生している間は「磁気コンパス(Magnetic Compass)」を信用しなければいいのですね!

そこで少々、小難しいことを書きますがお許し下さい!

 

 1)加速エラー(Acceleration Error)と減速エラー(Deceleration Error)の場合

  ・速度を変えますと慣性(Inertia)の勢いで、コンパス内部で色々と部品が動きます。

  ・飛行機を加速しますとコンパスも加速します。

  ・コンパス自体は液体の中に浮遊していますので、液体より重たいコンパスは遅れて

   反応します。

  ・さきほどDipを修正する為に、南局側に「重り」が付いていると書きましたが、

   浮遊する物体の北側と南側とでは重さの違いがあり、どうしても重い方が遅れて

   動きます。ですから、飛行機が加速し始めたら、北側が先に動き出します。

  ・動くと言う事は、コンパスがチョコッと回転してしまうのです。

   表示が一時的に狂う訳です。

  ・それでどちらに動くかと言いますと、加速しますと一時的に北を向くのです!

   これを「Accelerate North」と憶えます。

  ・逆に減速しますと反対の南を向く傾向があります。これを「Decelerate South」と

   憶えます。

  ・米国FAAのテキストでは親切に覚え方が書いてあります。

   ANDS:「英語のandにSを付けて」

   AccelerationするとNorth、DecelerationするとSouthを向くと覚えるのです\^-^/

    ・ちなみに真北や真南を向かって飛行している時は、加速してもエラーは発生しま

     せん。

 

 2) 旋回エラー(Turning Error)

  磁石は北の方向を指しています。しかし「Magnetic Dip」の影響でコンパスが傾き

  ますと、コンパスは北を向こうとします。すなわち地面の方向に向いてしまいます。

  これが旋回エラーの原因になります。

    ・飛行機を旋回させるには、飛行機を傾けます。そうしますとコンパスも傾くので

     す。

  ・コンパスは傾いたと同時に、コンパスが北を向こうと・・・すなわち下に向こうと

   します。

  ・コンパスが下向きに動こうとするので、コンパスが回転ししまい表示に狂いが生じ

   ます。

  ・北向きの方向から旋回しますと、コンパスは一時的に反対方向を示します。

  ・北向きに旋回が始まりますと、早いペースで旋回の方向を示し、東西方向の時に

   正しく示します。

  ・南向きに旋回しますと、飛行機を傾けるだけで旋回する前から旋回の方向を示し

   ます。

  ・南方向への旋回が始まりますと、ゆっくりと旋回し、東西の時に正しく示します。

    ・飛行機が東西の方向を向いている時は、傾けてもエラーは出ません。 

     この方向からの旋回でも、最初は正しく表示します。

    ・東西方向への旋回の時は、北が真横になります。ですから機体(磁気コンパス)

     を傾けても北は真横にありますから、コンパスは傾いて北を向くのですが、傾く

     方向が既に真横と同じ方向なのでエラーは発生しません。

    ・090度(東)方向や270度(西)方向では、コンパスのN極は、既に同じ

     方向を示していますので下に向こうとしても、それが正常なので誤差が発生しな

     いのです。

  ・ですから、000度(北)方向と180度(南)方向への旋回でエラーが最大に

   なります。  

 

 3)旋回を終える時の旋回エラー(Turning Error) 

  ・東西の方向で旋回を終えるのでしたら、エラーがありません。

  ・北向きで旋回を終える時は、表示よりも早めに終えるテクニックを持つ必要が

   あります。

  ・南向きで旋回を終える時は、行き過ぎてから旋回を終えるテクニックを持つ必要が

   あります。

  ・米国FAAのテキストでは、これまた親切に覚え方が書いてありますが、私日本人

   には憶えずづらいです(^^;)

   英語で「Turn to North、Under Shoot! Turn to South、 Over Shoot! 」って(^^;

   日本語で格なら、「北へは早く、南は遅く旋回をやめろ!」の方がしっくり

   します\^-^/

   ある日本の熟練パイロットが、「北は寒いので早く終わって、南国は楽しいので

   遅らせろ!」と覚えるといいんじゃぁない!って(^^)

      あのクソッタレ教官には、教わることがありませんでした(^^;

  ・先ほども書きましたが、エラーの角度最大値は「その場の緯度」と同じになります。

   ですから北向きで旋回を終えたければ、緯度の分だけ早めに旋回を終えます。

 

とにかく、 何もしなければ磁石は水平で北を向きます。

飛行機は、旋回中傾いていますのでコンパスは狂っているのです!

 

そんで・・・ここの解説は全て北半球を想定して書いております。

日本やアメリカ等は、北半球にあります。

これを英語で「Northern Hemisphere Only」といいますが、南半球に行きましたら、まったく逆の現象が起こります。

 

以前にオーストラリア・ケアンズに行って、グレートバリア・リーフの上を低空飛行しに行きました。

離陸前に、南半球ではコンパス・エラーがどのように起こるのか確かめるぞ!って意気込んで飛びましたが・・・、素晴らしい景色の方が優先で、スッカリ忘れて帰還してきました(^^;

 

 4)他の「磁気コンパス(Magnetic Compass)」のエラー

    ・ 自差(Deviation)というのがあります。

    ・飛行機の中には無線機やエンジンなど、磁場に影響を与える物が沢山あります。  飛行機自体の磁力によって発生する影響を自差(Deviation)と言います。 

     普通のコンパスでもテレビやラジオ、スピーカーなどに近づけますと向きが変わ

     りますよね!?それが自差(Deviation)です。

 

  ・偏差(Variation)というのがあります。 

  ・「地図上の北」と「磁石の北」は、実は同じ方角にあるのですが、実際にはかなり

   離れています。 

   その為、「地図上の北」と「コンパスが示す北」とはかなりの差があります。 

   それを偏差(Variation)と言います。 

  ・東よりに磁北が見えるようでは東偏差(Eastery Variation)と言います。航空地図( 

   チャート)上にそれぞれの地域でどのくらいの偏差があるのか書かれています。

      それをきちんと読み取って、ナビゲーションに行かないと遠くになればなるほど、

      変な所に飛んでいってしまいます。

      意外と、地図と空の上からの風景は違います。特に山に入ったら、何がなんだか

      まったく解りません!

  ・日本では西偏差です。だいたい5~9°西偏差(W)です。

 

またまた、もう十分だと思われるでしょうけれど、地図の北を「真北(True North、TH)」といいます。

コンパス・磁石が示す北を「磁北(Magnetic North、MN)」と言います。

偏差(Variation)は本当にわずかなのですが、常時、変化しています。 

数年毎に0.1度程度、コンパス・磁石の北は移動しております!

 

ここまで長々と書いてきましたが、「航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)」を使って、飛行前の点検(Preflight Check)で必ずやらねばならないことがあります。

 

「航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)」はほとんど故障することがないほどの計器です。

確実な方位(Heading)を教えてくれる唯一の計器なのです。 

「方向指示計(Heading Indicator)」は使い易く便利な計器なのですが、飛行しておりますと誤差が大きくなってゆきます。

離陸前には、「航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)」と「方向指示計(Heading Indicator)」双方に問題が無いかを確認する必要があります。

このとき、どうも私は「航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)」が見づらくて苦労をします。

最近、その理由が分かってきました。

恥ずかしながら、加齢から来る「白内障」が進行しているのですね(^^;

ですから外が眩しく、特に「航空機用磁気コンパス(Magnetic Compass)」が光の乱反射で確実に読み取れないときがあります。

 

 

さてさて、本当に長い講釈をしてしまいました。お許し下さい!

それで・・・ビジネス・リーダーへの教訓です。

 

御社では、少なくとも毎年「経営計画書」を策定していますか?

また数年に1回は「経営戦略計画書(中長期経営計画書)」を策定していますか?

ビジネス・リーダー個人個人は、小生の管理者研修を受講した人ならお判りでしょうが

「人生設計」を作成していますよね!?

 

ちょっと定義を申し上げます。

「戦略」・「経営戦略」・「戦術」・「戦闘」という計画段階があります。

【戦略】とは、あなたの企業・組織がこれから10年後・・・確実に存続している策のことです。

いかがですか?・・・・・「もちろん考えていますよ!」

でも、社会環境が今とはまったく違っていることは十分に考えられます。

というよりか・・・あなたは10年後、どれくらい「知・徳・体」を維持向上することができますか?

もしや、それなりの年齢なら・・・「後継者」は決まっていますか?

「会社組織」の「社会適合能力」=「経営資源」=「ケーパビリティ」が、その時代に適合・適用できるようになっているのでしょうか?

そのための長期的な「人財育成」・「人材採用」の計画、「組織の変容・変化柔軟性」を高める組織体質づくりをしっかりと計画実践しておりますか?

 

【経営戦略】とは、「時流」に乗ることです!

あなたの企業・組織は、今の「時流」に乗っていますか?

考え方だけが「時流」に添っていると思っても、「時流」に乗っている従業者は何人いますか?

「時流」に乗るためのスキルを全従業者が、自己啓発、自社能力開発制度によって高める気概が全社・組織一丸となって盛り上がっていますか?

「時流」は、まさに「波」に乗ることです! 波が行ってしまってから、次の波が来るまで待っていたのでは・・・(^^;

トップのビジネス・リーダーは、そのために現場作業にのめり込んでしまって、波を探し見つけることのできない状態を作ってはなりません!

 

【戦術】【戦闘】は、戦う、対処する、対応する具体的な御社の作法です!

「〇〇流」でいいのです!

それでも、企業・組織の「〇〇流」がマニュアルや規定・規約としてルール化され、そのことが周知徹底され、みんながほぼ間違いなく実践できる「教育・訓練」ができる体制になっていることです。

 

さてさて・・・、ビジネス・リーダーの皆さん!

「経営計画」は、まさに企業・組織の進むべきものです。飛行機の世界では「フライト・プラン(航法計画)」です。

飛行機の世界では離陸から上昇まで、高度や方位、変位、通過点が決まったフォーマットで「フライト・プラン(航法計画)」にきちんと計算して書き上げます。

 

その「フライト・プラン(航法計画)」に基づいて、的確な飛行をして行かなければなりません。

途中で、天候が悪化することも考慮して、ダイバージョンという代替飛行場を書き込んでおいたり、途中で天候情報を傍受し、航法を果敢に変更します。

そうしないと・・・「死」が待っているからです!

 

企業・組織だってまったく同様に「法の下に人格」が与えられた「法人」なら、常に「戦い(競争・競合)」があり「死」に直面することがあります。

それを未然に防ぐための的確な「経営計画書」を策定しておりますか?

 

「経営計画書」を策定はしているが・・・、作った後、全然見たことがなくお飾りになってしまっている企業・組織もたくさん見聞きしてきました。

大概、やはり・・・ダメですね!?(^^;

 

「経営計画」を策定したら、きちんとした「コンパス(方位計)」を持ち、時々、所々で読み直しをして、加筆修正をすべきです。

もしやすると・・・今年度やろうとした事業を果敢に断念するべきこともあります。

それができるのも、社会環境を見つつ、現在の「経営資源(人・モノ・金・時間・情報)」=「ケーパビリティ」が分かり、「脚下照顧」できるからなのです。

 

「経営計画」は「羅針盤」です。それを屈指するのに、「コンパス」と「エンペツ」と「定規」と・・・「気概」が必要なのです!

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 09 / 30  08:46

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第27講;『航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第27講;『航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)』

第27講;『航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)』

  

航空機が墜落、遭難したら、「とんだ災難」などと軽口を叩くわけにはいきません(^^;

まずは「死」が待っています。

山中や遠い海になんとか不時着できても・・・誰かが助けに来てくれなければ、助かりません。

最悪、やはりそこで命を落とすことだってあります。

山に住む熊に襲われたり、海ではフカに襲われたり・・・、凍え死んだり・・・(^^;

 

飛行機が操縦不能になっても、パイロットは余程の操縦不能状態を除いて、なんとかリカバーができるように基本動作をチェックリストに添って何度も訓練します。

もちろん自家用(プライベート)パイロットは試験に合格するまで必死ですが、その後は・・・航空安全講習会などで少し脅かしを受ける程度です。

事業用操縦士は、そうはゆきません!

あのハドソン川の奇跡で無事、乗員・乗客全員無事帰還を果たせたパイロットは英雄になりましたが、まさに「パイロットの鏡」だ思います。

宇宙飛行士になれる人は、もっともっと過激な訓練を積まないとなれません!

ですから正直、格が違います!

 

私は自家用操縦士ですから、事業用を持っているパイロット、エアーラインのパイロットを本当に心からリスペクト(尊敬)しております。ましてや、宇宙飛行士に至っては、まさに神様です(^o^)/

 

ところが操縦士免許を持ってもいないくて・・・、飛行機についてめっぽう詳しいヤツがいます。

飛行機の型式を一目見ただけでバッチし当てるとか、航空工学をそれなりに知識として理解している。 ・・・でも実技能力ゼロっていうのがいます。

自動車のマニアにも、これと同じ「頭でっかち」がいます。

 

こういうのに限って、私のように薄学で、このブログを執筆し、読んでいただきたい対象者がまったく飛行機の世界に関係ない方々向けであることを理解できず、「重箱の隅を突い」て、難癖擬きの「質問」やら執筆の「問題点を指摘」をします。

まぁ~ハッキリ言って、「礼儀知らず」です。

彼のプロフィールを見ますと、まずご本人の写真がない!

素性もハッキリしない・・・。

フィードの内容をいくつか読ませてもらうと、やはり批判、指摘ばかり、評論家的書き方が多いですね!(^^;

おそらくクローズな世界では、それなりの友達もいるのでしょうが多くはないだろうと想像できます。

 

私が、ビジネス・リーダーの皆さんに毎度、申し上げていることは「礼節」を知ること、「躾」のできていることが最重要であると・・・。

 

ですから少々、知識を持ったからと言って、実践経験もしないでとやかく知ったかぶりする輩は、ビジネスの世界でも「中途半端に頭がいい」のですが、いざ何かをやらせたら・・・なぁ~んもできないのです!

このような類いの人間をビジネスの世界では採用しない方がいい!

特に発展途上にある中小企業には不向きです!

 

さて飛行機が遭難したら、どうして見つけてもらうのか?

実は、総ての飛行機に墜落・遭難したときに、電波を自動的に発射して遭難場所を通報するための無線設備の装備が航空法で決められています。

 

飛行機に大きな衝撃があった場合(一部の機器では水没した状態になった時にも)に、自動的に、「航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)」から信号を発信します。

もう面倒なので「ELT」と表記しますね!

 

私が訓練を受けたり、常用しているセスナ172Pや152、182などの一般的な単発飛行機には通常、後部の壁の裏側に装備されています。

無線機のアンテナは、後窓の直ぐ近くに30cmくらいの黒くて細いアンテナが垂直に伸びています。

 

ELT本体はオレンジの箱です。分解をしたことがないので不確かなのですが、中に大きな衝撃でスイッチが入る仕組みが組み込まれています。

 

飛行機が非常事態(墜落、衝撃のある着地、水没)に陥りますと、航空緊急用周波数の121.5MHzと243.0MHz(新しいデジタル装備では406MHz)の周波数を使って救難信号を発信します。

その信号は捜索救助衛星で受信されます。そして、その情報が地上の施設に通報されます。

信号とは言いましても、凄く変な音・音声信号です。雑音にしか聞こえません!

デジタルの場合は、その音の中に色々な情報が含まれてます。

通報後は、その信号を頼りに遭難機の探索が行われます。 

またATC(航空通信システム)や多くの航空機自体も、その信号を受信する事ができますので、衛星よりも先に通報が行われる場合があります。

 

現在、406MHzを使う次世代のシステムに変更されつつあります。 

特に米国ではデジタル化が進められ、精度が日々向上しております。

121.5MHzと243.0MHzはアナログ式です。

エアーラインや一部の航空機では、既に406MHzELT装備も義務付けれられています。

以前は、2010年までには、人工衛星による121.5MHzと243.0MHzでの受信が終了する予定だと聞いていたのですが、現在もELTがそれなりに高価なものです

から、そのままです。 

ただアナログ式は、統計的に97%が誤作動による発信だそうで・・・ちと当てにすることができません(^^;

時期は別としても、いずれデジタル化は避けられないと確信します。

デジタル式になると、もっと詳しい信号が発信され、遭難した機体番号などの情報も発信されるそうです。

 

飛行訓練のどこかでELTの誤作動確認の練習を一度だけします。

着陸などで強い衝撃を受けた場合、事故を起さなくてもELTの電源が入ってしまう事があります。

ELTの電源が入っていないか? 作動していないかどうか? 簡単に確認する方法があります。 

それは無線機受信状態を121.50MHzに合わせて、ELTの信号が出ていないか聞くだけです。

とにかく聞いた事が無い人でも、録音した誤動作しているELTの音を聞かせてもらうと直ぐに分ります!とにかく変な音が流れます。

訓練では、ちょっと強めの着陸をしてしまったり、乱気流の中を飛行してしまったり、負荷のかかる操縦をした時は、ELTを確認しなさいと教わります。

日本でのクソッタレ教官は、「そんなことムダだからやらん!」って、やってくれませんでした。

実は、ELTの発信音を録音していないだけなんですね(^^;

 

米国の訓練では、できれば毎回のフライトの終了後に、確認するよう教わりました。

 

また本当にELTの動作確認をすべき時もあります。

ELTも機械ですから故障します!

電源をオンにし、無線受信機で121.5Mhzを傍受すれば、独特で変な信号が出ますので比較的簡単に動作確認が出来ます。

しかし、あちこちでテストばかりしちゃいますと、どれが本当の救助信号か分らなくなりますので、米国FAA規則では、ELTの試験をしても良い時間帯が決まっています。 

日本のクソッタレ教官に聞いても教えてくれませんでした。

航空局に電話確認入れたり、法令別則などを調べるのも面倒なので、日本の時間帯は知りません!

米国FAAでは、毎時の00分から05分までとなっております。(first 5 minutes after the hour)

ELTのバッテリー(Battery)の交換時期も憶えておかなければなりません。

ELTは、飛行機の電気系とは別になっております。

通常の訓練機では、たとえばセスナですと米国製ですから米国FAA認定の電池(Battery)が使われています。

電池は、ご承知の様に自然放電などで劣化します。もちろん使ってしまうと充電量が減ります。

米国の航空法FARでは、ELTの電池の交換時期が指定されています。

 1. 使用時間が合計で1時間に達した時(in use for more than 1 cumulative hour)

 2. 寿命の半分に達した時(When 50 percent of their useful life expires)

  (充電が可能な電池、Rechargeableの場合は、充電が必要な時の事となります)

 

ちなみにGUAMの教官に聞いてみましたら、ELTのバッテリーを分解したことがあるそうで、一般にアメリカで販売されているアルカリの乾電池だそうです(^^;

Energizerというメーカーのモノだそうです。アメリカでは凄く一般的で、どこのスーパー、雑貨店でも売っております。

ところが・・・この単なる乾電池でも「FAA Approaved(認定)」ともなりますと値段が桁違いに高くなるなします(^^;

いずこも・・・おなじ!

 

 

さて、ビジネス・リーダーへの教訓です。

 

企業・組織では、やはり「アクシデント」は付きものです。

「想定外」とも言いますが、「報・連・相」(報告・連絡・相談)の徹底を社訓や社の心構えで唱和しても、本当に「アクシデント」が周知されているでしょうか?

 

特に関連部署の全員が、その「アクシデント」や多くの「問題点・課題」を共有理解し、周知を集めることによって早期解決、問題拡大を防ぐことができます。

 

たとえば、クレーム処理なども同様です!

一部のクレーム担当者が孤軍奮闘するようではいけません!

また同様のクレームやアクシデントが、今後二度と起こらないように「教訓」づくりをするべきです。

 

実は書き忘れましたが、飛行機の世界では飛行場から訓練で場周経路訓練する以外に訓練エリアに行ったり、ナビと行ってある地点まで飛んで帰って来る訓練や、ロングナビといって、行った先で着陸して昼食を摂ったり、宿泊したりすることもします。

場周経路訓練以外、日本では毎度、「フライト・プラン(航法計画書)」を関係機関に提出する義務があります。これを怠って飛びますと航空法違反になります。

米国は、特定な管制圏・情報圏を飛ぶ以外は義務ではなく、ちょっくら万が一の時には助けて欲しいと思ったら「フライト・プラン」を出します。

 

「フライト・プラン」というのは、何処からどこまで、どこを経由して飛びますと書いたり、飛行機に乗る人数、その所要見積もり時間も書きます。見積もり所要時間は、風速や飛行機の高度、速度から計算します。また、搭載燃料やその燃料でどのくらい飛ぶことができるか?

特に最終到着飛行場と万が一の場合の代替飛行場を明記し、最終着飛行場への到予定時刻まで記載します。

それで・・・、実は日本の場合、「フライト・プラン」を出しますと、実際に出発直前に(滑走路に向かう直前くらい)、指定された機関に電話で「この機番飛行機は、先ほど出したフライト・プラン通り出発します!(簡単にオープンします!)」を宣言します。

そこから、関係機関が監視を始めるのです。

そして、最終目的飛行場に記載した時刻を過ぎて20分経っても、到着した旨を知らせる「フライト・プラン」の終了宣言(フライトプランのクローズ)をしないと・・・、捜査活動に入るのです!

ですからパイロットは、出発前にきちんと出発宣言をし、到着したら無事到着の連絡をしなければ、自動的に捜索活動が始める規則ができているのです!

 

と同様の、あなたの企業・組織においても、そのようなある基準を満たさなかったり、逸脱行為があった場合、自動的に監査、捜査機関(組織)が仕組みができているでしょうか?

各人の割り当てられた仕事・作業の「開始宣言」、「終了宣言」が「報・連・相」の仕組みの中で活かされているでしょうか?

 

皆さんもよくご存じの「トヨタ看板システム」もELTの発想と同様に仕組みができています。

 

機械化のお話をしているのではありません!

組織というのは、あらゆる情報を

 「収集」⇒「取捨・選択」⇒「分析」⇒「判断」⇒「行動」

する「PDCAサイクル」ができることを普遍の目標にしなければなりません!

 

航空の世界(海運の世界も同様)では、「命」が主体でシステムを考えているな!ということが良く理解できます。

逆に、そのように思って訓練生は、理論や知識を吸収し、実践して行けばいいのではと後進にアドバイスをしたいのです。

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 09 / 23  08:43

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

 

茨城県の場外飛行場で飛行訓練やナビゲーションに出かけるときに「後方乱気流にご注意下さい!

;Caution wake Tubulance !!」なんて・・・注意勧告のATC(航空無線)を聴いたことがありません。

場外飛行場では、基本的に情報提供サービスとパイロットの情報発信(パイレップ;PiRep)があるだけですが・・・。

 

日本でも、福島空港、松本空港、新潟空港、名古屋空港、新神戸空港、高松空港、松山空港、佐賀空港などに離発着した経験がありますが、やはり聴いたことがありません!

 

日本の空港で唯一聴いたことがあるのは、Wide Band Receiver(広域無線受信機)を持って出張に行き、大阪空港のラウンジで暇に任せてATC(航空無線)を聴いていたとき、管制塔から次に離陸するYS-11の飛行機に対して注意勧告していたのだけです。

 

米国領GUAMのAgana国際飛行場は、大型ジェット旅客機、軽飛行機が入り乱れて離発着している空港です。

向こうのほとんどの空港は民間が運営しておりますので、商売上、なんでもかんでも離発着を受け入れます。

 

ご承知のように事故は自己責任の国ですから・・・。

ですからGUAMでの飛行訓練では、離発着の時、しょっちゅうと言っていいぐらい、管制塔(Tower)から、前機がジェット旅客機なら・・・必ず、「Caution wake Tubulance !!」と注意をされます。

この注意に対して復唱しないと

「おい野郎! 聞こえているのか!? ちゃんと応答せいや!」

と管制官から叱られます。

 

夜間離発着訓練をソロでやっていた時、緊張と離発着の多い時間帯に飛んだものですから、管制官がいろいろな飛行機に、矢継ぎ早に指令を送りますので、自分に向かって「注意しろよ!」って言われていることが聞き取れず、叱られたことがあります。

それでも緊張していて、着陸順番が回ってきた時、・・・どう返事していいのか分からないので「すんません!もう一度言ってくんちぇ・・・!?(^^; (Sorry! Say again , Pease!)」

を2回ほどやっちゃいましたら、

「もう一回やり直せ!(Go Aroud !)」って後回しにされました(^^;

 

飛行機の主翼の端から発生する乱気流のことを翼端渦流 (Wingtip Vortex)と言います。

特に離着陸中の航空機にとっては、かなり危険なのです!

特に重量の重たい大型機(Heavyと呼びます)から発生する乱気流はものすごく強く、それに軽飛行機が遭遇してしまいますと操縦不能になったりや空中分解してしまうほど危険性が大きくなります。 

その乱気流の威力は、飛行機の重さの2~4乗に比例して大きくなると私は理解しております。

(たぶん計算式では3乗だった気がするのですが・・・(^^; 忘れちゃったぁ(^^; 

 

ですから旅客機などが離発着する飛行場では、特に注意が必要なのです!

最近は、航空従事者の常識的知識とルールで事故の割合が激減しましたが、かつてジャンボ・ジェット花盛り時代を迎えた頃、あまりにも死亡事故が多かったそうです。

そのため、どの国でもかなり教育に力が注がれています。

 

私が教わったクソッタレ教官曰く

「我々は、そんな飛行場に行く機会はほとんどないからいいんだよ!」

確かに・・・(^^;

でも米国で空を満喫しようとしたら「FREEDOM」のお国柄、どの飛行場にも飛んでゆくことを前提に訓練をします。

ですから、この『Wake Turbulence (後方乱気流)』についてもシッカリ勉強をしなければなりません。

 

私はGUAMでの教官同乗訓練で、離陸前に管制塔からWake Turbulence (後方乱気流)」の注意を受けてから離陸をしました。

なんとなく心配でしたので、先に飛び立ったジェット旅客機の飛行跡を追いながら教官に「この辺で右旋回しても大丈夫でしょうかねぇ?」

って訊ねましたら・・・教官は「もう影響はないでしょう!?」

っていうものですから、ゆっくり旋回に入った途端・・・飛行機が本当に木の葉が舞うように大揺れしました(^^;

これには焦りました。

教官も「ウォ~(^^;!!!!」って悲鳴を上げましたねぇ(^^;

もう少しタイミングが悪かったら、間違いなく離陸直前ですからスピンして墜落でした。

落ち着いてから、教官が

「いやぁ~、ゴメン!ゴメン! やっぱりもう少し高度を取ってからでした。私としたことが申し 訳ない!」

と・・・。

 

日本のクソッタレ教官なら、

「こうなるんだよ! 良い経験したろう! これから二度と大型機の後を追うなよ!」

って言うでしょうねぇ~(^^;

 

日本でお奨めの「Wake Turbulence (後方乱気流)」を経験できる飛行場があります。

大阪国際空港の滑走路に近い所(Approach Endといいます)で飛行機の着陸を見に行ってみてください!

直ぐ頭の上を大型飛行機が通過しますと、もの凄い風か、突風が来ます!

まぁ~その中にいますと、「Wake Turbulence (後方乱気流)」の勢いかどれほどのものか体感できます。

このなぜ危険かを実感しますと、台風や昨今発生が増えている竜巻による突風がこれまたいかに危険か分かります。

 

話はそれますが・・・台風になりますと民放の報道アナウンサーが暴風雨をこれ見よがしに見せつけるためパフォーマンスで実況アナウンスをしますが・・・私は邪道だと確信します。

ましてや、かわいい女子アナがやっているのを見ると「これはイジメ!?」って思います!

 

さて「Wake Turbulence (後方乱気流)」がなぜ発生するのか? 少しだけ知ったかぶりです!

 

まず「翼端渦流(Wingtip Vortex)」というのを説明します。

 

飛行機の主翼では上面と下面の、気圧の違いによって上に引っ張る力、「揚力」を生み出しています。(ベルヌーイの定理によって証明)

 

ところが、主翼の端っこ(これをWingtip;翼端と呼びます)の近くでは、「揚力」を作ることがなかなかできません。

翼の先っちょでは空気が横から(Outward)、そして下から上(Upward)に移動(逃げて)してしますのです。

そうなのです! 翼端では空気が逃げるのです。

 

その空気が逃げる時、翼端から円を描くように空気が洗濯機の水のように廻りながら流れます。

特に翼の先は強くなります。 

 

また外に逃げる空気は、気圧の低い上に移動しますので円状(渦状)になります。

Outwardに逃げて、Upwardに移動するので、Vortex(渦)ができるのです!

 

この渦は円を描いて移動しますが、飛行機の方は前に向かって進んでいますから、後方に向かって渦巻きながら強い風を吹かせます。

私は、竜巻の逆現象のような渦巻き筋(見えないのですが!)と感じています。

 

この空気の渦が、円を描きながら後方にそのままある程度の時間残ってしまいます。 

これを「Wingtip Vortex(翼端渦流)」といいます。 

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」は、どの飛行機の翼にも発生しますが、重たい飛行機は「揚力」が大きいので、それに比例して「渦の力」=「Wingtip Vortex(翼端渦流)」も大きくなります。

 

「Wingtip Vortex(翼端渦流)」は、右の翼端では反時計回り、左の翼端では時計回りになります。

 

飛行機が通過した後方での「Wingtip Vortex(翼端渦流)」による乱気流が発生しますので、「後方乱気流(Wake Turbulence)」と呼んでいます。

でも「Wake」って、「目が覚める」「呼び起こす」っていうのになんで「後方」って訳すの?・・・だって、経験者は一瞬にして目が覚めるし、反省を呼び起こすモン!(^o^)/

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」による「後方乱気流(Wake Turbulence)」は、離陸直後から着陸するまで常に発生しています。

ですから、「揚力」が作られている間は常に発生しているのです。

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」の勢いがもっとも強くなるのは、

 ・Heavy & Slow & Cleanの状態の時だと教わりました。

 

ご想像のように、特に注意するべきなのは重たい状態なのです!

Heavy(超重量機)・・・といえば、エアバス380やボーイング747-400の後ろなのです。

重たい飛行機では、多くの「揚力」を作られなければなりません。その分、Vortex(乱気流)も大きくなるのです!

 

Slow(低速)状態の飛行機では、やはりより多くの「揚力」を作らないと落っこちてしまいます。

低速では空気の通過量が少ないため、それを補うために、Angle of Attack(上向き角度)を大きくします。

そうしますと翼の上下の気圧差が大きくなり、翼端から漏れる空気の量が増え、「Wingtip Vortex(翼端渦流)」が強く増えてしまうのです。

 

飛行機の揚力を補うために使うフラップ(Flap;補助翼)やギア(Gear;車輪)が展開されていない状態のことを「Cleanな状態」と言います。飛行機にとって空気抵抗が少ない状態ですからCleanと言います。

余談ですが、「Cleanな状態」の 反対語は「Dirtyな状態」と言います。

フラップ(Flap;補助翼)やギア(Gear;車輪)がDown(降りている)状態では、空気抵抗が大きい状態となります。

 

となりますと・・・凄く重たい大型機(超大型飛行機)で、燃料満載状態で、低速での上昇角度が最大な状態の飛行機が離陸するときは、最も危険であることが分かります。

 

「Wake Turbulence (後方乱気流)」は、ゆっくりと沈んで行きます。そして広がっていきます。

 

ですから大型機の後ろから着陸する場合は、その大型機が着陸した地点よりも前方に着陸する様、指導を受けます。

着陸時に管制官から「後方乱気流に注意せよ!」と言われたら・・・、前方にいる着陸機の着地点をよく見ておいて、その位置よりもっと向こう(前方)にタッチダウン(着陸)しなさいと理解しておけばいいのですね(^^)

接地する時に、大型機の場合にはタイヤと接地面に煙が見えますので、それが参考になります。

 

私が以前、GUAMの夜間ソロフライトで焦ってしまったことを先ほど書きましたよね!?

あの時、おそらく、この「Wake Turbulence (後方乱気流)」の理屈を十分に理解しておりませんでした。

ですから焦って着陸していたら、管制官から「Go Aroud(着陸復航)」の指示を無視して着陸していたら・・・今時、こんなことを書いておりません(^^;

 

大きな飛行機が着陸した後、次に離陸する場合には、その飛行機が着地した地点より遠くで離陸を開始します。

 

大型機が離陸した後に離陸しようとする場合は、大型機が浮上(Airborne)した地点から後方乱気流が発生しますので その地点までに離着陸をします。

離陸する時は、技術が上がってきたら風上側にコースを変えるなどします。

離陸した後は、風上にちょっとコースを外して飛行しますとその辺にはもう、『Wake Turbulence (後方乱気流)』の残留がないので安全なのです。 

 

もちろん、大幅にコースをズラして飛行することはいけませんが、多少コースが外れても管制官は文句をいいません。GUAMでは、このような離陸を良くします。

 

GUAMでは管制官も親切でして、軽飛行機が離陸待ちに入ってから大型機が着陸、離陸した場合・・・だいたい3分ほど待たされます。もちろん、3分間の燃料代もバカにはなりませんが命より格段に安価です(^^)

 

危険を感じたら着陸を取りやめた方がいいのです!

数分間待つテクニックは「Make 360」と言って、場周経路(Traffic Pattern)のダウン・ウィンド(Down Wind)を起点に外側に360度旋回するのです。

飛行機は、大型機でも小型機でも正しい方法で旋回しますと一周360度旋回は2分ぴったりなんですよ!(^^)

この意思を管制官に伝えれば、印象も良くなり喜んで他の指示を出してくれます!

私の場合、Traffic Patternを一周回って来ます。

"Request to fly traffic pattern to avoid wake turblence ....."って格好良く言います(^^)

離陸の時なら、数分間待つことを宣言(リクエスト)します。

 

無風の場合の「Wake Turbulence」と、緩い横風の時の「Wake Turbulence (Wingtip Vortex)」を比較しますと緩い横風の時の方が「Wake Turbulence」滑走路に残ります。

詳しく書きますと・・・飽きちゃうでしょうからコレまでとします!

長々と知ったかぶりして・・・ごめんなさい(^^;

 

さてさてビジネス・リーダーのための教訓です!

今回は「Wake Turbulence (後方乱気流)」の飛行機での理屈を勉強しました。

ビジネスの世界では、「大きなブームの後を追うな!」ということに尽きます!

 

まず、「ブーム」の語源なのですが、ブーム(boom)というのいうは、「ドーン」とか、「ブーン」「ボカーン」「バぁーン」などの擬音語なのです!

もちろん英語です。

 

その意味が転じて、「ドカーンと流行する」のを「ブーム」と日本人が造語したのです!

 

ですから、大きな「ブーム」というのは「ドカーン」と流行ったら「スコン」と消え去るようなものを「ブーム」と理解しましょう!

 

なぜ大きな「ブーム」が起こるかって・・・?

それは「参入障壁」が低く、「誰でも」「簡単」に乗じることができるのです。

「誰でも」「簡単」がミソなのです!

 

だから経営技術、技能はほとんど要らないのです!

大きいですが・・・、みんなが競争相手になって、第三者的に見れば「雑魚の喧嘩」になるのです(^^;

 

大きかったら、必ず、大きく凹むのです!

これも「ゼロサム理論」と同様です。

「儲ける人」-「損する人」=「ゼロ」

「勝つ人」-「負ける人」=「ゼロ」

 

大きな「ブーム」には、大きく飛躍するまでに「Wake Turbulence (後方乱気流)」が発生しております。

多くの人、中途半端な識者・コンサルタントにおだてられたり、煽られて、「そうかぁ~、そんじゃぁ・・・」で始めたら、もう「ブーム」は失速し始めていたり、その「ブーム」の混乱と大きな問題点発生に・・・「そんなはずじゃなかったぁ~」ってな具合の状況がだいたい発生するのです。

 

「赤信号・・・みんなで渡れば・・・」と同じで、その最後をついて行きますと、そこに猛スピードの車が突っ込んで来て、大怪我、それどころではなく命取りになるビジネスがゴロゴロしております。

 

「ブーム」に乗るとき、明確な「経営理念」や「経営方針」、他社、競争・競合との本当の差別化戦略、独自化方針がなく、かつ・・・人財育成計画もせずに始めたら・・・、自社が、自組織が混乱・内乱を起こすのです!

 

皆さんもご経験がおありでしょう!?

飛行機で移動中に、大きな乱気流かそれなりの乱気流に遭遇したことが・・・?

本当の乱気流は、そんなものではありません!

私は過去に2回、エアーラインの巡行飛行中に遭遇しました。

どちらも食事中でした。すべてのテーブルに置かれたモノ(トレー、食べ物、食器類)が天井にぶつかるのです。

それだけではなく、地震以上の大きな揺れ、振動があります。

 

セスナに乗っている時には、エアーポケットというものに入りましたら、本当にかなりストンと落ちます。

富士急ハイランドの「フリー・フォール」、ディズニーにある「センター・オブジ・アース」系は、せいぜい20m~30mくらい落ちるだけですよね?

飛行機なら200ft~300ft=50m~100mくらい落ちます。

また落ちたら、フワーンと真上に上がったりもします。

飛行機のスピンは、真っ逆さまで回転しながらです(^^;

 

まぁ~、とにかく「乱気流」に巻き込まれない経営環境においては、徹底した安定的飛行(安定的業績向上)を目指して下さい!

 

ありがとうございました。

 

いわき経営コンサルタント事務所の詳細は、

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2024 / 09 / 16  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第25講;『Carburetor Icing(気化器凍結)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第25講;『Carburetor Icing(気化器凍結)』

第25講;『Carburetor Icing(気化器凍結)』

 

今日もまたまた、エンジンに関わるキャブレター(Carburetor)のお話です。

なんでこんなメカニックなことを書くかって・・・?

飛行機も企業・組織も、安易なことをやったり、チョコマカした理屈を知っているだけで操縦、運営をしようとすると危険だからなのです。

 

私は飛行機の免許を取得するのに航空身体検査で大臣判定となり、実技飛行訓練ができないということで、最初に飛行訓練を開始したのが中国広州陽江市合山にある民間飛行訓練所でした。

ここでの訓練は、基本的に飛行訓練時間のログを作る(稼ぐ)ことでした。

中国広州陽江市合山に着いて15日間、市内の5つ星ホテル(日本ではビジネスホテル並で、部屋が広いだけ・・・)に宿泊しながら、毎日、3時間からロングナビの時には合計で5時間は飛んでいました。

ここでの訓練用飛行機はなかなかいいものを使っていました。セスナ172Rという、キャブレター・コントロールがない自動キャブレター・ヒーティング・システムでした。

ですから中国での飛行訓練を終えて、日本のクソッタレ教官に教わるようになったら、

「ここはキャブ・ヒートだろう! 中国でなに習ってたんだぁ~!」

「ええっ!? 中国の飛行機には、キャブレター・コントロール・レバーがなかったんです(^^;」

「初心者に、あんな高級飛行機で練習させると命がなんぼあっても足んねぇんだぁ!」

「・・・・」

 

これは正しい言いぐさでした。

その時には、クソッって思いましたが、米国領GUAMでFAA免許取得のため訓練を開始しし始めて、数ヶ月に1回渡航したのですが、ある日、行ってみますと乗り慣れた飛行機の残骸が訓練学校ハンガーの片隅に置かれていました。

教官に原因を聞きましたら、米国本土で教官をしていた日本人が、この訓練校で教官をしたいと入社したそうです。彼の乗り慣れていたのが、やはりセスナ172Rであったのです。

この訓練校は、GUAMに遊びに来た観光客相手に遊覧飛行もします。(実はこっちの方が断然儲かるのです!)

 

その本土での教官経験者に観光フライトを命じたそうです。

飛び立って30分ほどの遊覧飛行を終えGUAM国際飛行場に戻って着たとき、セスナ172P型の飛行機ではエンジンのパワーダウンを開始する前に、本来ならキャブレター・ヒートをオンにしなければなりません。

しかし、彼の乗り慣れた飛行機には、キャブレター・コントロール・レバーがなく・・・そのまま着陸態勢に入った途端・・・エンジンがポスンと止まってしまい緊急着陸を試みたのです。

もちろん「Mayday Call」ですから・・・GUAM国際空港は、すべての飛行機の離発着停止宣言(^^;

軟着陸ができず、前部を大破するも・・・乗員・乗客が無事だったのが不幸中の幸い!

とはいうものの、そこから当飛行学校の飛行機の数が1機減ったために、訓練にも観光遊覧飛行にも支障が生じましたね!

 

このとき、日本のクソッタレ教官の言ったことが頭に浮かんだのは事実です!

さすがにクソッタレな教え方をするのですが、道理をよく知っていらっしゃる。

 

後で、幾人かのベテラン・パイロットや本で得たアクシデントの多くに、「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」が原因になっていることを知りました。

 

そこで・・・、今日は、またチト長いのですが・・・、ご辛抱下さい!

もちろん最後の方にあるビジネス・リーダーの教訓へトラップしていただいてもOKです(^o^)/

 

「キャブレター(Carburetor)」というのは、エンジンに燃料と空気の混合気を作り送る装置です。

 

「キャブレター(Carburetor)」で発生する問題は、内部に氷が張り付いてエンジンの出力が低下したり止まったりすることなのです。

この様な状態を「キャブレター・アイシング(Carburetor IcingまたはCarburetor Ice)」 と言います。

 

「キャブレター(Carburetor)」の中では、燃料のガソリンが蒸発して液体から気体へと変化します。 

ほとんどの液体では、その蒸発が起こる時にご承知の様に気化熱を奪うのです。

 

子どもの頃、お風呂あがりに、お母さんやお父さんに「早く体拭かないと風邪引くよ!」って言われたでしょう!?

実は、カラダが濡れたたままでいますとどんどん体が冷えていきます。

その原因が気化熱ですね!? 気化熱とはいうには、液体の物質が気体になるときに周囲から吸収する熱のことなのです。液体が蒸発するためには熱が必要になります。その熱は液体が接しているモノから奪ってゆき蒸発してゆきます。

ですから体が濡れていますと、表面の水滴が体温を奪って蒸発しようとし寒くなるのです!

注射する前にアルコール綿で皮膚を消毒のためにふきますね!?

冷やっと涼しく感じるのはアルコールが蒸発し、その時に皮膚の熱を奪うからです。 

水でも冷たく感じるのは同じ原理です。 

ガソリンやアルコールは揮発性か高い(蒸発しやすい)ので、他の液体よりも気温が下がります。

 

「キャブレター(Carburetor)」内部は、燃料であるガソリンが気化して空気と混ざる所です! 

「キャブレター(Carburetor)」の内部でも、大量の熱エネルギーが回りから吸収されます。熱エネルギーが無くなると、回りの温度が急激に減少するわけです!

 

これが理由で、キャブレター内部では気温がかなり低下します。

空気が湿っていると、大気中の水蒸気がキャブレター内部に付着し、キャブレターが0度以下にもなることがあるので氷が漂着しやすくなります。

「キャブレター(Carburetor)」に氷が出来やすい温度は21℃(華氏70度)とされています。

湿度は80%以上になりますと最も出来やすい状態です。

場合によっては湿度が50%でも出来やすくなるそうです。

ですから南国の湿度が高いところでの飛行では、「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」が起こる条件が多く存在します。

 

 

「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」を防止する為に、「Carburetor Heat」と言うモノを使います。

「キャブレター(Carburetor)」に熱い空気を送り込む事で、「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」を防ぎます。

「Anti-Icing(氷を出来るのを防ぐ事)」も含めて、「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」になってしまった時にも、氷を溶かす(De-Icing: 出来たIceを取り除くこと)ができます。

しかし氷を溶かし(De-Icing)ますと、その氷が溶けてエンジンに大量の水が流れ込むこととなり、またそう簡単に氷を溶かす(De-Icing)ことができる保証もないので、常日頃から、「キャブレター・アイシング(Carburetor Icing)」を防止する為に、「Carburetor Heat」を使うものだと心得て置かねばなりません!

 

「Carburetor Heat」の熱源は、熱くなった排気ガスが通過する管の回りに空気を通過させ、暖めた空気を「キャブレター(Carburetor)」に送ります。 

この部分のことを「Shroud」と言います。 

その中には、管が通っておりエンジンから排気される熱風が通過し、その排気ガスの熱で内部の管が高温に温められます。そして、その回りをもっと大きな管が捲いてあります。

暖めたい空気を通過させますと熱い空気ができるわけです!

その熱っせられた空気をキャブレターに持って行きたいときに、コクピットの真ん中ほどにある「Charburetaor Heat」のノブを手前に引きます。

 

「Shroud」で暖められた空気は、室内のヒーターや曇り止めにも利用します。

以前にも書きましたが、セスナ172くらいの飛行機はエアコンがありません!

冬は、「Shroud」の空気を利用して暖房します。夏は、上空に登ってから外の空気を入れればクーラーになります。

ですが・・・、訓練生が常周経路(Traffic Pattern)を飛ぶくらいの高さですと暑くてクタクタになります(^^;

 

余談ですが、熱源である排気ガスはもちろん有毒ガスです。一酸化炭素などを含んでいます。万が一、排気ガスの臭いに気がついたなら、ヒーターなどは即時に使用中止し、窓を開けてなければなりません!

そして、直ちに着陸すべきですね!

 

「Carburetor Heat」からの熱風は「Air Filter」を通していません。

ですから、日本の訓練場でした茨城県大利根飛行場はホコリまみれの飛行場なので、クソッタレ教官からは、ファイナルに入ったら「Carburetor Heat」をオフにしろって怒鳴られました。でも、その理由を教えてくれないのです。

「チェックリストには、タッチダウン(滑走路に車輪が着いたら)したら、「Carburetor Heat」をオフにせよと書いてあるのですが・・・?」

って質問しますと、

「Pilot's Operating Handbooku CESSNA SKYHAWK 172(セスナ172取扱法)」をよく読め!」

って、バカにした言い方で教えてくれませんでした。

 

米国の教官から、手取足取り教わって、なるほどそれはFilter(フィルター)の目詰まりを起した時に予備の空気の入り口として使かわれるもので、やはり地上ではエンジンに良い影響、特に空気の汚れた飛行場では良くないことを知りました。

 

かなり長くなってしまいましたが、もうここまで来たら「山本リンダ」です!

 

熱せられた空気は「Icing」を予防する効果があります。

しかし熱い空気は、ご想像のように膨張していますので、空気密度が低いため、エンジンの出力が下がってしまうのです!

そのため離陸時など、エンジンを高出力で使おうとする時には、「Carburetor Heat」は使ってはならないのです!

ここでも、先だっての調布飛行場付近墜落炎上事故の飛行が、なぜイマイチ馬力がでなかったのか?という疑問の答えの一つに、「もしや・・・Carburetor Heatがホットだったのでは?」と私は考えの一つにしました。

 

冬の長時間飛行の場合、たまに「Carburetor Heat」を(ホット)オンにして、「Icing」が起きていないかを確認することがあります。

私には、その経験はないのですが、実技口述試験で試験官から時たま質問されることがあるそうなのです!

「もしIcingが起こっていたら、どうなりますか?」

普通なら、「Carburetor Heat」をホットにしますと、RPM(回転数)が落ちるのです。

その後にRPM(回転数)に増えるようだと、Icingが起こっていた可能性があるのだそうです。

このような時は、完全にIceが溶けるまで「Carburetor Heat」をオンにしておきます。

中途半端にOFF(コールド)にしますと、残っていた水が再度硬い氷に変わってしまい、溶けにくいIceに変わる可能性があるそうです。

 

 

さてさて長くなりましたが、ビジネス・リーダーへの教訓は、「Carburetor Icing」という現象が、比喩的に組織にも起こり得るのだということを知っていただきたいのです。

 

企業・組織は、イケイケ・ドンドンで急成長する時期があります。

その時期というのは、非常に危険な時期なのですが、残念ながら「有頂天」になっていたり、「猫の手も借りたい」状況のために、人の採用がおざなりとなります!

 

最も危険なのは、「企業・組織の思想、経営理念、方針」に添わない「人罪」を採用してしまうことです。

最悪は、競争・競合企業からスパイ擬きの人間が入社してきます。

 

人間は、また、調子の良いときには「不平・不満・愚痴」は言いません!

ところがひとたび有頂天から下り坂に入ったら、これが吹き出すのです!

そんなときに「不良分子」として居座っていた「人罪」がニョキニョキと組織を冷やし始めます。もしくは煽動を始めます。

 

何も採用での不手際だけで、このようなことが起こるのではありません!

入社早々に、企業・組織の理念、思想、社風を徹底的にたたき込まないかな起こることも多々あります。

 

なぜか!?

当たり前です!

人間は、みんな生まれも、育ちも違い、異なった価値観を持った人が組織の一員になります。ですから、いままで培ってきた組織の社風に当初馴染めない人もいるのです。

企業・組織の理念・思想が正しければ、徹底的にそれを熟知してもらい、自分の価値観にしてもらったとき、はじめて本当の組織員の一人となるのです。

 

「Carburetor Icing」というのは、混合燃料(混合気)を作るために、燃料を噴射させるときに気化熱が奪われ、氷ができる現象です。

 

企業・組織も経営資源(経営リソース、ケーパビリティ)を適切に経営エネルギーに効率よく変換することがビジネス・リーダーに求められるのです。

 

ところが、そのエネルギー変換の時に、思わぬ組織脆弱によって、組織のどこかに氷が不着する・・・それがいずれ多くの問題を引き起こすのです!

 

「Carburetor Icing」を防ぐために、最後の方で書きましたが、時々、「「Carburetor Hot」にして、氷を溶かさねばならないのです!

この方法の一つが、徹底したビジネス・リーダーと従業員のコミュニケーションなのです。

 

不振企業に出向いて経営診断や経営指導をしますが、すべてに共通するのが「冷たい雰囲気」です。まさに「Carburetor Icing」のような現象が起こっています。

ですから私の真っ先にすることは、「みんなと打ち解け、コミュニケーション」の取れる状況を作ります。

「定性的診断」をやっても悪いところだらけです(^^;

指導をしようとしても、「斜めに構えて」講義を聴いたり、下向いたままのが多いですね(^^;

 

ビジネス・リーダーのみなさん、御社の各部署別組織の「Carburetor Icing」を見つけて、「Carburetor Hot」をやって下さい!

 

ありがとうございました。

 

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2024.10.22 Tuesday