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新人ビジネス・リーダーいろは考;第34講:『コツどころ』
第34講:『コツどころ』
~弘法大師が詠んだ「いろは歌」を使ってビジネス社会で多くの成功体験を積むために~
自慢するようでごめんなさい! 私は飛行機のパイロット免許を持っております。
飛行機の操縦というのは両手・両足を使って、3次元の空間を思ったとおり飛べるようにならなくてはなりません。
訓練の最初は地上走行です。
まず真っ直ぐに地上を走行する・・・が科せられるのですが、それができるようになると自由に曲線を描いて曲がることをさせられます。
とはいっても、やはり飛行場にあるTaxingーWayと呼ぶ黄色線や滑走路から黄色線に沿って出る訓練が主です。
初心者のうちは、どうしても自動車に慣れているせいか操縦桿(セスナなどはハンドルに似ております)を操作して曲がろうとしてしまうのです(^^;
しかし、いくら操縦桿を動かしても飛行機は曲がりません。
両足つま先にあるラダーという方向舵を使わなくてはなりません。
ラダーというのは、自動車でいいますとやや大きめのアクセル・ペダルのような形をしております。
両足のかかとを床に付けて、つま先でラダー右側を踏みますと逆の左足のラダーペダルは手前に来ます。
左右が逆の動くように設計されています。
右に曲がりたければ、右足を前に突き出します。
左足を突き出しますと右足のラダーが手前に来て、飛行機は左に曲がろうとします。
両足のラダーにはブレーキもついています。
ブレーキは、ラダーのてっぺんを左右同時に踏みますと飛行機全体が止まろうとします。
片方のラダー・ブレーキを踏みますと、踏んだ方に飛行機が急回転しようとします。
カーブを曲がるとき低速(基本的にはパワーをオフ;自動車ではアクセルを踏まない状態)にしてラダー・ブレーキを踏まなければなりません。
ディスク・ブレーキがダメになるからです。
自動車ですとアクセルを外さなければブレーキを掛けることができないようになっています。
飛行機は、意識してパワーを落としてから、ブレーキをかけます。
地上走行は、飛行場では黄色線に沿ってタキシングすることが決まっています。
今度、飛行機に乗られる時には、飛行場の線をご覧ください!
たくさんのいろいろな線、実線、点線、色別にルールが決められています。
滑走路の中心線は、白の点線となっています。
最初は、滑走路の白点線で行ったり来たりのタキシング訓練を受けますが、少し慣れてきたら、滑走路外の黄色い線の上をタキシングさせられます。
セスナのような主車輪が後ろの2本、前に小さな前輪が1個のような後輪式飛行機では、前輪がピタっと線に沿ってタキシングできるかどうか? また止めるときには、ピタッと決められた位置に前輪が止まるか? がチェックされます。
こればかりさせられると飛行機を操縦したくなくなりますので、教官も心得たもので途中から上空に行きます。
上空に行きますと、これまた基本を徹底的に訓練させられます。
これがなかなかうまくゆかないのですが、・・・コツをつかめば、「なんじゃぁ~こんなもんかぁ~!」 となるのです。
が・・・、私の習った意地悪なクソッタレ教官(あれれ・・・私としたことが(^^; )はそれを教えてくれません。
特に私の日本で最初に出会った意地悪教官がそうでした。
飛行時間1万5千時間を自慢する職人タイプで、
「だから高齢訓練者はダメなんだなぁ~!」
なんて・・・ぬかし上がる!・・・・あれれ、私としたことが・・・(^^;
米国の教官に習えば、一発でコツを教えてくれます。
日本での自家用パイロットが育たない原因はこの辺にありそうです。
ただ・・・、もちろん米国に行けば簡単かというと・・・一応、教官の話している英語が聞き取れ、理解できなくてはなりませんので・・・訓練される人によっては同じであることも・・・(^^;
空の上での基本と言いますと、第1番目は水平直線飛行です。
書いて字のごとく、水平に、まっすぐ飛ぶことなのです。
空の上で飛んでいる飛行機を想像していただくのに、私は氷上と同じだとお話します。
飛行機は空の上を滑っています。
飛行機が少しでも前のめりになりますと、スキーで滑り落ちるのと同じようになります。
もし左に傾きますと、左斜面のようになっているのと同様に飛行機は左に先進しながら滑り落ちてゆくのです。
前のめりのことを機首を下げる(ピッチを下げる)と言います。
左右どちらでも傾きますとその方向に滑り落ちてゆきますから、高度がドンドン下がってゆきます。
そうすると・・・スピードが出始めるのです。
特に機首下げを止めようと、こんどは機首を上げますと飛行機は上昇しますが、急にスピード・ダウンします。
そうしますと推力がなくなり、それが結果的に揚力(浮き上がる力)を弱め、これまた高度が落ちるのです(^^;
飛行機は水平でないと高度が上下します。
特に初心者が操縦をしますとスピードが速くなったり遅くなったりしながら波のように飛行機は上下しながら飛びます。
後ろに座っている人は、船酔いすることがあります。
また飛行機は左右どちらかに傾きますと滑って高度が落ちると言いましたが、それだけではなく傾いた方に旋回を始めます。
そうしますとまっすぐ目的の方向に飛んでいってくれません(^^;
その上、高度が下がる・・・(^^;
このように飛行機を水平にまっすぐ飛ばすことが初心者には非常に難しいのです。
自動車や船は、上下になることはありません。
もちろん道路が上下していたり、波があれば確かに上下するでしょうが、簡単に姿勢は復元します。
飛行機は、その復元にコツをマスターしなければ大変なことになります。
直線水平飛行という基本ができてから、しっかり座学で航空工学の理論を学び、それから今度は旋回という方向転換の訓練などに入ります。
実は本来、仕事・作業も飛行機の訓練と同じなのです!
基本を学ぶ・・・実は「コツどころ」を学ぶことは非常に重要で、かつその後の教育訓練、実務に欠かせないことであることを強調したいのです。
その「コツどころ」というのは、「教え方」によって天と地ほどの違いがあることを知る必要があります!
冒頭に書いた、日本でのあのクソッタレ教官(あれっ・・・また私としたことが・・・)に教わっていたのでは、未だに私は飛行機の操縦ができていなかったでしょう!
もちろん創意工夫によって実技が上手になり、考えることによって、より的確な実技能力がつくことを否定するのではありません!
教育・訓練の基本は「コツどころ」なのです!
教育・訓練は、教育する側の「情熱」と「心づかい」なのですね!?
教育・訓練される立場にいる者より、教育する者によって、その成否が左右されることは自明なのです!
教育・訓練を担当する者は、
1)教育・訓練をやりつづける環境づくりをしなければならない。
お膳立てのための計画、根回しができることなのです。
そして、何よりも大切なことは企業のトップが、
我が社の教育・訓練の重要性を認識していることなのです!
本来、人事の総責任者はナンバー2が司るべきなんです。
会社にある仕事は、すべて人がやるんですから・・・。
仕事と人を結び付けることのできるのは多くの経験を積んでいる人にほかならない
でしょう!?
2)教育・訓練をやらねばならない環境をつくっていくことも重要です!
まさに動機づけなのです!
そのための方法として、
・報酬による奨励
・懲罰による恐怖
がありますが、これらはどちらも一時的なもので外部から与えられるものです
よね!?
そこで、教わる人の「心構え」を変えることが最も大切な環境づくりとなります。
良い思考と良い習慣づくり、言うことは簡単なのですが非常に難しい・・・。
『教育・訓練には時間がかかる』ことを肝に命じておかなければなりません。
忍耐のいる事業なのですよ!
生半可なビジネスライクな気分で教える側に立つことが絶対にやっちゃぁダメですよ!
教育・訓練は、「教える者」と「教わる者」との『戦い』なのです!
教わる者が『なるほどぉ~わかった!』と言って、身をもって例外なく実践し続けたとき、教えた者は教えたことになるのです!
教えたにもかかわらず、それができなかったり、それを実行しなかったら教えたことにはなりません!
『教えた』という自己満足のみなんです!
3)教育・訓練から習慣へ
『しつけ』という字は躾』と書きますよね!?
書いて字のごとく「からだが美しい」となっています。
『しつけ』とは、「しつづける」ことでもあります。当たり前のことを
当たり前にしつづけることは並大抵のことではありません!だからこそ、
それが自然とできるようになったら、その姿は美しいです!
スポーツなどのプロ選手のフォームが美しいのも自然だからなんです!
簡単なことと、楽なこととは違うもです。簡単なことほどやりつづけることは辛いことはご存じですよね!?
人が簡単だと思うことをきちんとやりつづけることができるようになったとき楽になるのです。
辛いことに一本筋を通すと『幸』という字に変わることは以前にもお話しました。
また働くというのは「ハタを楽にさせること」ですよね!?
面倒なこと、他人がやりたくないことがやれることでもあるのです。
企業においても、当たり前のことを、簡単なことが、やり続けられることのできる時、企業文化が明確になっていると言います。
CI(コーポレート・アイデンティティ)戦略などと一時、もてはやされた時期がありましたよね!?
最も大切なポイントは『企業のしつけ』を確立することなのです!
ロゴを作ったり、色を決めたりするのがCIではないのです。
例えば、販売接客トークをきちんとロール・プレイング(役割演技法;互いに役割を演じながら話しかたの訓練をする手法)によって繰り返し、飽きもせずやりつづける企業はさすがに競争に強いです!
筆者のお手伝いしてる企業は、毎朝の朝礼時、男子も女子も一緒になって行進訓練と大声を出す訓練をやりつづけています。
ですから営業所に入っていきますと、それはそれは素晴らしく気持ちのいい応対を受け感激します。
もちろん、その地域の名物にもなっておりまして、実績もどんどん上がっております。
また、教育・訓練の基本は、良いことを素直に受け入れることであります。
『学ぷ』とは『まねる』⇒『まねぶ』⇒『まなぷ』に変化したものなのです!
日本のお稽古ごとは、すべて型から入りますね!?型をきちんとやりっづけることによって心を知るのです!
「千日の稽古を鍛とし、百日の稽古を練とす」(宮本武蔵〉
「千日」「百日」も同じことを繰り返し、繰り返し練習、訓練して始めて、身につくのです。
飛行機の操縦も自動車、自転車の運転も・・・。
そのために教える人の「コツどころ」が絶対不可欠となるのです!
御社の組織風土に、教える人の「心構え、心得」というのがきちんと示され、醸成されていますか?
私が、日米中の三つの国で飛行機の操縦訓練を受けた実感を述べますと、
・まず中国は、お国柄、日本人をお客様として扱い、飛行機に乗せてその楽しさを
教えるために観光フライトを主とした。
・日本では、欠点を見つけてボロかすに言い、質問すれば「何々を読めば判る!」って
逃げるのです。
そして、操縦訓練中も「なにやってんだぁ~!」と罵声だけ(^^;
帰還してきたら、「今日、何がまずかったか思い返して、復習しておくように!」 だけ(^^;
・米国では、フロントガラスにマークを入れてくれたり、計器の重要ポイントにマーク
を貼ってくれたり、帰還してから飛行機の模型とモデル計器を使って、丁寧に教えて
くれるのです。
その上、操縦訓練中は「いいね!」マークを多用し、ミスったら「もう一度やってみ
ましょう!」と先にお手本を示してくれるのです。
それだけではありません!
米国のマニュアル、テキストは数え切れないほどあるのです。
最近では、eラーニングもあり、インターネットでビデオ・マニュアルがあります。
クイズと呼ぶ、テスト問題も豊富なのです!
私が、チェーンストアの世界に足を踏み込んだとき、米国のスーパーマーケットと日本のスーパーマーケットの違いを米国本土で確信しました。
米国に存在するマニュアルが、当時の日本にはほとんどなく、それを日本にもという使命感を持ったのも、飛行機の教習(教育訓練のこと)で確信した「コツどころ」なんだよなぁ~というべき感動があったからです。
人類生成発展のために「コツどころ」を伝授し続ける風土を作ろうではありませんか!
もちろん「以心伝心」の、書けない、話せない深い深意・真意をマニュアルにせよなんて言っておりませんから・・・(^o^)/
ありがとうございました。
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新人ビジネス・リーダーいろは考;第33講:『好奇心』
新人ビジネス・リーダーいろは考;第33講:『好奇心』
『好奇心』についてお話します。
辞書では「変ったこと、珍しいことに引かれる心」となっています。
私は「何事に関しても、積極的に知ろうとする心、前向きに分ろうとする探求心」というように定義したいと思います。
多くの企業が行う教育訓練や能力開発をおこなう基本的意義・目的は、
「知る」から「わかる」、そして、「できる」になって、
最後は「できた」に至るまでの段階を踏まえて人づくりをすることですね!?
まず、第一段階の「知る」の域に入るために最も効果的な精神的態度が『好奇心』です。
「なぜなんだろう?」
「どうしてなんだろう?」
「どうなっているんだろう?」
と疑問や不思議に思う心を常に持つことによって、とにかく、早く物事の何かを知るための吸収力がつきます。
もしくは真剣に積極的になれる集中力がつきます。
第二段階では、『好奇心』による効果によって「何とか試してみたい」とか「見てみたい」「触ってみたい」という気持ちが沸き出してきます。
たとえば、「見る」とういうレベルについてお話しますと、
「見る」レベルの前段は「ながめる」です。
「ボーッと焦点をハッキリさせずに見ることをながめる」ということにしましょう。
次のレベルが「見る」です。
ここでシッカリと焦点を合せる状態になります。
そして、次には「視る」となります。
こんどは、上から下から、横から後ろから360度外側からシッカリ見る行為になります。
より高度なレベルになりますと「診る」になります。
今度は、お医者さんが聴診器を当てて体の内側の音を聴いたり、レントゲンやMRI、CTスキャンなどで中の様子を診たり、血液検査で体のいろいろな状態を検査したりするレベルです。
そして最高のレベルに「観る」があります。
これは観音様の「観る」です。何もしなくても「感じたり」「深くわかる」、「ひらめく」域です。
職人芸を持つ人達は一様にそれぞれの分野で必ず持つ能力の部分です。
高いレベルに到達するには『好奇心』が絶対に不可欠です。
この『好奇心』が湧き出る段階にまで自分をもってゆくことが大切なんですね。
女性の方には大変申し訳けないのですが、私は、よく男性の人達に『好奇心』イコール「助平」であると話します。
「英雄色を好む」のたとえ通り、「助平」であることが『好奇心』に火をつける原動力だと思うのです。
「知る」ために男性は、「エッチな本」や「ビニ本(昔はこのような本がありました)」や「AVビデオ」などを手に入れます。
でも見るだけでは満足しないはずです・・・(^^)
次に「わかる」域に入るため本物を見にゆきます。
すなわちたとえば・・・、「ストリップ」などに行く訳です。
しかし、ここでもまだ「できる」域には到達しません。
もちろん、特別な人は舞台に上がったりして本望をとげる人もいますが、これは希で、・・・お奨めできないことです。
この「できる」域に入るためには、お金を使って体験する人と彼女を得て経験する人があります。
この辺で「○○に神秘」の大筋がわかり、確かに「できる」自信がつきます。
最後の域が「できた」です。
これは言わずもかな、男としての役目を完璧に果たしたときでしょう。
リードすることのできたときでしょう。
愛をシッカリ深め合うことのできる雰囲気づくり、プロローグ、コンテンツ、エピローグをこなすことがいつでもできるとき・・・「できた」って言うのです!
あらゆる分野のプロは、この一連のプロセスがいつでもできるのです。
変な話をいたしまして・・・失礼いたしました。
あなたの行っている仕事などもほとんどこのプロセスを踏みます。
ですから「興味」や「疑問」を持ち、『好奇心』をいつも持ち続けますと次から次へともう一歩進んだ行動をするようになります。
こどもの「なぜなぜ問答」もまさに『好奇心』からですね!?
親として、この「なぜなぜ」に上手に答えることで子供の「探求心」や「好奇心」を向上させることができるそうです。
昔やっていた「ヤクルトを毎日、なぜ飲むの?」のコマーシャルは面白いですがいただけません。
こどもの『好奇心』を無くすようになります。
仕事においても上司や先輩は、上手に部下・後輩の『好奇心』を高めてゆく動機づけができればOJTには効果が出ます。
「オイオイ~、おもしろいじゃぁない・・・! なぜ、ホウレンソウの根っこは赤いのかなぁ~?」
「どんなお乳も白いのはなぜかなのかなぁ~?」
「鳥肉と豚肉と牛肉の赤みの濃さが違うのはなぜかなぁ~??」
「魚に白みと赤みの魚がいるのはどうしてかなぁ~??」
「なぜ、笑顔は周りの人の心を和ませるんだろう?」
「なぜ、あの店は繁盛しているのかな?あの企業は業績がいいんだろう?」
「いま、お客様が手に取った商品・・・、なぜ元にところに戻されたんだろう・・・?」
プロになる人は『好奇心』が常にある人です。
今よりももっと仕事に面白さが湧き、早く覚えることのできる自分をつくって下さい。
ありがとうございました。
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新人ビジネス・リーダーいろは考;第32講:『不惜身命』
32講:『不惜身命』
『不惜身命(仏教用語;語源法華経)』は「ふしゃくしんみょう」と読むのですね。
かなり昔のことになります。
一世を風靡した大相撲若貴兄弟の弟さん貴乃花関(今はふるなび、ふるなび、ふるさと納税♫のCM)が横綱に推挙され、横綱昇進受託宣誓に使った口上文句でした。
「命を捧げても惜しくないこと」を言うらしいのです。
以前、いろいろと相撲界での不祥事で一本筋を通されて注目され、誤解・非難なされましたが・・・。
どうでしょう?
私たちはまだまだ凡人です。周囲にいる弱冠20歳の人が同じ様な言葉を使ったら「何を偉そうに!」と叱られるかも知れません。
しかし彼が、堂々と使っても、誰も批判することをしませんでした。
それほど彼が偉大であるということですよね!?
大リーガーの大谷さん、イチローさん、ボクシングの井上尚弥さん、将棋の藤井さんも同様ですね!?
実は、私は現役時代の貴乃花ファンだったんです。
彼がまだ、小結、関脇、大関(三役の頃)の時でしたが、相撲に負けるとマスコミがドッと貴乃花関に押し寄せ、ありきたりのインタビューをします。
「今回の敗因は何ですか?」
貴乃花関は、スパっと「弱いから負けるんです!」って、いつも言っていた言葉が忘れられません。
自分に言い聞かせるように、群がるマスコミの質問にこのように答えている姿に、私は非常に共感を覚えました。
大体、人間は失敗しますと言い訳が先行します。
貴乃花関はまず、自分自身の弱さを素直に認めます。
おそらく負けた日の夜などは、眠れないほど悔しかったのではないでしょうか?
しかし、その悔しさの中で反省し、明日、勝つための新たな研究をしていたはずです。
そうでなければ、横綱という最高位に登り詰めることなど出来なかったはずです。
自分の自由な時間も取れない中での生活を考えて見て下さい。
色事のスキャンダルなどを持ち出し、彼を誹謗しようとする悪辣なマスコミに私は怒りを覚えました。
男子20歳で下半身に何も感じないようでは不感症ですよ!
ここでも自然の理で書いております。
このことを包み隠そうとする似非進歩的文化人が大嫌いです!
また、そのような記事に接することで安心したり、それをトヤカクすることで大切な人生の時間を費やしている人がいることも残念ですね。
人の事より自分のことを真剣に考える。
そして自分は「世のため、人のために、少なくてもいい! 今、何をしているのか?!」を考えることの方が、どれくらい素晴らしいでしょう!?
貴乃花関が宣誓した『不惜身命』という言葉は、相撲界を背負って立ってゆくことの決意だけではないように思うのです。
相撲を通じて、多くの人達に「努力」の大切さと「忍耐」、そして、「玄人への道」を教え続けることの宣誓に聞えました。
「その道の達人」は皆んな、自分の仕事に、まさに『不惜身命』の精神を持ち合しているように思います。
その根本精神は「この仕事に命を捧げるんだ」という確固たる「覚悟」と「決意」です。
仕事を「好きになる」ことを通り越した所にある精神的態度であるように思います。
まだまだ未熟な私ですから、そんなに多くの達人とご縁をいただくことは少ないのですが、私の出会った達人のすべてがこんなことを言われるのですね。
相撲界では「弟子入りしてきた人は徹底して鍛える」のだそうです。
端から見るとイジメに極似しています。
相撲界を去らざるを得なかった大横綱であった白鳳関は、先般、テレビのトーク番組で、「もう心臓が止まるかもしれないところまで稽古をすると、その直後にスゥ~っと楽になり、その後はもっと厳しい稽古に耐えられる様になった」とおっしゃっていました。
ですから、
「そのような稽古をさせると本人がどれくらい、これからやろうとすることに真剣なのか? 好きなのか?が分る」
とおっしゃいます。
「サラリーマン根性であったり、格好よく楽にお金儲けをしたい者は5分で逃げ出す」そうです。
1時間で辞めてゆく者、3時間、1日、1週間、1ケ月と辞めてゆくタイミングが長くなっていっても、やはり、真剣さやその仕事を本当に好きになれない人は続かないそうです。
「何があったって、どんなことが起ころうとコレだ!と確信した仕事に打ち込む」、このことが『不惜身命』の第一歩ではないでしょうか。
貴乃花関が今でも、相撲界に席を置き、後進の指導をされていることに、やはり「ウソじゃぁなかった!」と思うのです。
今やっている仕事の「意義」と「目的」を知り、そのことが「世のため、人のため」につながることだと確信して、一回しかない人生をそれで燃焼し尽くそうと信じれば、計り知れないエネルギーが産まれてくるのではないでしょうか!?
ここまでくれば「疲れた」とか、「休みが欲しい」とかは言わなくなります。
もちろん、決して、まったく自由な時間が無くなることではありません。
集中して仕事に打ち込むから、相当なスピードで事を成し遂げます。
中国のお正月が日本では節分ですね。
日本では「鬼は外、福は内」と言って豆を蒔きます。
中国での本当の言葉は
遠 仁 者 疎 道
不 苦 者 迂 智
だそうです。
『仁に遠き者、道疎し(うとし)。苦しまざる者、智恵に迂とし。』と直訳します。
すなわち、『人との仁義に欠ける者は人生のなんたるかに疎く、厳しさを欠く。
何事にも苦労しないものは智恵すら出ない』と理解しましょう。
とりもなおさず『不惜身命』たる答えのように思います。
ありがとうございました。
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新人ビジネス・リーダーいろは考;第31講:『経営』
第31講:『経営』
次代を担うニューリーダーの皆さんにぜひ考えて欲しい『経営』についてお話しします。
『経営とは凡人を非凡に変えること』
ということは、常々、お話させていただいております。
『経営』という言葉は仏教用語なのだそうです。
読んで字のごとく「お経を営む」となります。
仏教において「お経を読む」、「お経の内容を理解し、実践する」ことと思いますが、・・・そうではないそうです。
仏教では、『経営とは、凡人を仏の位に導くこと』なのだそうです。
「仏」の位というのは「悟りの境地」に入ることです。
仏教の先達者が、そのための布教や仏様の教え、そして、悟るための修業の方法を教えることなのです。
私たちは、もちろん、テレビなどで紹介される仏教の世界での厳しい修業を人里離れて、同じ様にするわけにはいきません。
私たちはビジネスの世界に生きていますから、この言葉をビジネスの世界に置き換えて理解したいと思います。
そうしますと私たちの住んでいる世界では、最高の境地と言ったら何になるか考えてみますと・・・、『プロ』の世界になるのではないでしょうか。
『プロ』の人のことを『非凡な人』といいます。
それは、どんなジャンルに生きていても同じように呼ばれます。
たとえば、大リーガーの大谷さん、イチローさん、将棋の藤井さん、などは、正に「非凡な人達」です。
俳優さん、裁判官、弁護士、会計士、医師、教師、デザイナー、理美容師、料理人、女将、運転手、設計士、・・・挙げればキリがありません。
実は、私たちの身近な世界にもプロというのがいます。
「彼がその営業所、店舗に行けば必ず実績が上がる!」と言われる人がいるのです。
このように言われる人こそ『プロ』すなわち『非凡な人』なのです。
『経営』というのは、ですから、「経営者」「経営幹部」「経営管理者」と呼ばれる人が、良い組織を作るために、任せて安心、言われないと動かないのではなく、主体性を持って仕事をするような人を育ててゆくことなのです。
自分のもとにいる部下や後輩を「凡人から非凡に育成してゆく」ことだと認識したいのです。
さて、そうなるとまず最初にしなければならないことは何でしょう!?
お分りになると思います。
それは「自らを非凡にさせる」ことが先決となりませんか?
そうなのですね・・・、『経営』のできる人は皆んな、自分を『非凡』にさせることのできる人なのです!
すなわち「自己啓発」を怠らずできる人で、なおかつ、やっぱり、他の人とは違う人でなくてはなりません。
もう少し具体的にいいますと、「一目置かれる存在」になることなのです。
何か一つは、誰にも負けない技術・技能・知識があることではないでしょうか。
もちろん、人にはなかなか真似のできない経験などもそうです。
このようになってはじめて部下や後輩から認められ、「この人の言うことなら~」となるのではないでしょうか。
ところが「あの人は遅刻の名人」とか「あの人は、酒飲みの大家」などと言われても、決して人は尊敬などしてくれません。
こんなのは『非凡』でもなんでもありません。
『非凡』の条件があるとすれば、「世のため、人のためになる」ことのできるものを持っていることです。
皆さんは、自分を『非凡』にすることができたり、そのような方向に自己育成・自己啓発できるようになれば『経営』をすることができるようになります。
それは皆さんが人を「育成・導き」をしてゆくことに他なりません。
そうなんです!部下や後輩を育ててゆくことなのです。
そのための手順があります。
それは教えられる側の人の考え方を正しい方向に持って行くことから始めなければなりません。
私は、このことを「中心感を持たせる」と言っています。
そして、そのことを『教育』と定義しております。
次に「出来る腕前を付けさせる」ことになります。
これは「訓練」しか方法がありません。
繰り返し繰り返し、相手がいやだと思ってもやらせ続ける指導をいいます。
『成功とは最後までやったこと』といわれる通りです。
IMCで行う行動訓練というは、これを徹底してやります。
「教育訓練」は、「飽きず」「焦らず」「諦めず」なのです。
そして、教わった人が「おかげさま」と言えるようになった時、『経営』をしたんだと考えてはどうでしょうか!?
世間で言われる『経営』とは違いますよね。
「人を育てる素晴らしい行い」を言うのですから、『善行』に他なりません。
『経営者』は、ですから・・・報われて当たり前の人なんです。
そして神様、仏様がそのように頑張っている人を見捨てるでしょうか!?
決して、断じてありませんよね。
ありがとうございました。
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新人ビジネス・リーダーいろは考;第30講:『学ぶ』
第30講:『学ぶ』
『学ぶ』ということについて、社員研修のときには良く話をさせていただいております。
そのことを再度、ここでお話させていただきましょう。
『学ぶ』の元言葉はなんでしょう!?
実は「まねぶ」なのです。「まねぶ」って変ですね!?
「まねぶ」の原語は「まねる」になるのです!
すなわち、「学ぶ」とは「マネる」ことなのですね。
『学ぶ』の名詞形が「学習」です。
この「学習」という字をもう少し考えてみますと分りやすくなります。
「習って学ぶ」ことを「学習」と言います。
この「習う」というのが、実は「マネる」ことに他なりません。
ですから「学習」というのは、「マネて」また「マネる」と訳します。
何度も何度も「マネ」をしなさいという言葉が「学習」なのです。
『マネをする』ことを恥だと思う人がいます。
とんでもない間違いです!
生まれてこのかた今まで、すべての人は誰かのすることを全部マネをして知識や技術・技能などを身につけてきました。
かく言う私も今、この稿を書くのに、左脳に蓄積されている過去に「読んだこと」「教わったこと」、すなわち「マネた」ことから単語やモデルとなる文章を拝借しながら、つなぎあわせて書いているわけです。
神様からいえば盗作に近いものになるのです。
でも、一応、オリジナルな文章ですから著作権が私にあるのですね。
歩き方や話し方も、今までの人生の生き様から身につけてきたものです。
やっぱり、『マネ』をしてきています。
特に動作や身振り、そして話し方、声の出し方、抑揚は、皆さんのご両親に似ていませんか?
そっくりな方もいます。
これはDNAという遺伝子の情報伝達によって似たのではなく、赤ん坊の時から親や周囲の人のなすままを『マネて』きたからなのです。
インドの狼少年がそれを証明しています。
もうかなり昔の実話ですが、狼に育てられた3才位の少年がインドの森で保護されました。
誰かに捨てられた赤ん坊が、本当ならオオカミの餌食になるところを育ててもらったのです!
人間の3才児だったら言葉を話しますが、この子は狼そっくりで吠えることしかできませんでした。
行動も四ツ足で歩き、食べることも四足動物と同じ口だけでガツガツ食べたそうです。
人間が必死になって環境に順応させようしましたが、残念ながら1年程で死んでしまいました。
多くの学者が、生存中にこの子供を研究しました。
結論は「生まれよりも育ち」によって、性格、行動が形作られるということが証明されました。
大変、厳しいことを言いますが「子供を見れば親がわかる」というのは本当のことなのです。
子供の躾は、全部といっていいくらい親のマネなのですね。
「だらしない人」の親は、やっぱり、必ず「だらしない」のですね・・・。
さてビジネスの世界で『学ぶ』ということはどういうことかを考えてみます。
まず「いい仕事ができるようになる」ために私たちは、多くの人から『学び』ます。
『学んだ結果』が確実に仕事に活かされ業績や実績、成果に結びつくことが大切です。
ですから『学ぶべき人』を間違えてはならないということが、まず第一のポイントになります。
良い仕事をしてゆくために、正しい経験を積んだ上司、先輩、先生と出会うことです。
第二のポイントは、『素直』に言われたとおり『マネをする』ことです。
私は「中途半端に頭の良い人」ということを、都度々お話しすることがあります。
「中途半端に頭が良い」人というのは、普通の人より要領がいいのと先を少し観る能力があります。
ですから、どうしても厳しい苦しい試練に出会ったらこの先どうなるかが少し分かる訳けです。
これがタチの悪いことになってゆきます。
要領がいいものですから・・・「手を抜く」のですね!
そのため100の能力があっても80位の力しか出さないのです。
ついには能力が90や85位に萎縮してしまうのんです!
また、彼は「自我流」で勝手な解釈をすることが多く、教わったことの半分も『マネ』をしようとしません。
ですから、せっかく才能があっても伸びないことが多々あります。
「中途半端に頭の良いこと」は災いになっていることがあります。
基本を完全に身につけるまで「ヘ理屈」なしに『素直』に『マネる』べきです。
第三のポイントは、『マネる』ときは『一所懸命』であることです。
実力というのは、
「体験回数(マネ回数)」×「吸収密度」
なのですね。
「吸収密度」を高くするのは『一所懸命』なのです。
そして最後の最も重要なポイントは、ちょっとできるようになっても「有頂天」にならないことなのですね。
「これで十分!」「もう私が一番!」なんて思ったら、誰からも『学ばなく』なります。
『学んだこと』は、脳科学的には絶対に死ぬまで消えることがないそうです。
「記憶されたもの」は死ぬまで一切なくならないそうです。
特に強烈な『学習』は、DNAの遺伝子情報にも記録されて子孫に伝わってゆくらしいのです。
怖いですね・・・。ですから、正しいことだけを『学ぶ』ようにしてゆかなければなりませんね。
ありがとうございました。
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