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2024 / 12 / 16  09:42

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第38講:『VOR (VHF Omnidirectional Range)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第38講:『VOR (VHF Omnidirectional Range)』

第38講:『VOR (VHF Omnidirectional Range)』

 

前回、「滑走路指示標識(Runway Numbers)」のことを書きながら、「VOR (VHF 

Omnidirectional Range)」のことに少し触れました。

 

海上では、船は何を基準に航行しているかといいますと確かに今ではGPSですが、ご承知

の方も多いでしょうが、古典的な灯台を利用しております。

船舶免許も飛行機の免許でも、免許取得ための試験にはGPSの問題は出題されません(^^;

 

半島や岬の先端にある灯台はくるくると光が回り、そのスピードや色、閃光度合いによっ

て、海図に表記されているどの灯台かが判ります。

私も、小型1級船舶免許を取得するのにずいぶんと勉強をしました。

2級でも少し勉強しますが、1級になりますと海から陸が見えないところを航行できるの

です。

2級は、陸地が見えている・・・すなわち灯台などが見えるところの沖合まで航行可能で

す。(2級は陸から5海里;約9kmまでしか離れて航行できません)

 

夜間に船から見えるいくつかの灯台(2つで十分ですが・・・)と見える角度によって、

現在航行している位置を三角法を使って計算し、今後どのような方向に航行すると目的と

するところに行けるか判断します。

 

船は、ゆっくり、ゆったり航行しており、そんなに早く進むものではありません。

また両手を操舵輪なるものから離して、三角定規や計算機を机の上で使っても問題は起き

ませんが、飛行機は手を離すことができませんし、机なんてありません(^^;

飛行機を停止させるなんて不可能です(^^;

またあっという間に、今いる場所から移動します。

 

空の上を航行していても、海上航路を補完する灯台と同じように、私は「電波灯台」など

と呼んでおりますが、飛行機のために、全世界のあちこちに「電波灯台」があります。

 

実は自分が操縦して目的地まで行ける技量を持ちますとNAVI(Navigation)といって、

飛行場から別の飛行場や、1時間以上のラウンド飛行ができるようになります。

でも相当に熟練しませんと・・・、地上の普通の地図と航空地図を持って、飛行機に乗り

込み操縦していましても、・・・どこを飛んでいるのやら分からなくなります(^^;

高速道路や鉄道や鉄塔・送電線が参考になるってお思いでしょうが、ほとんど普通の地図

は役に立ちません(^^;

 

「じゃぁ~、パイロットはどうして地図が必要なの?」って問われたら、

「電波灯台(VORやテレビ、ラジオ電波発信局)の位置と発信されている電波の周波数

が解ればかなりの確率で、その地図(航空地図;Sectional Chart)を使って、どこをどの

ように飛んでいるかを知ることができるのです!」と答えます。

 

パイロットは、航法システムの一つで地上にある私が勝手に言う「電波灯台」=「VOR

局(VOR Station)」やラジオ・テレビ局から電波の周波数が解れば、そこから自機までの

「方位(Radial)」が分かります。

複数の電波を拾うことで飛んでいる場所を計算し、地図上に位置をマーキングできる能力

が必要です。

これは訓練あるのみなのですが・・・。

 

地上にある「VOR局(VOR Station)」からは、全方向に電波信号が出ております。

各方向の電波信号は若干の違いがあります。

その信号を受信した飛行機にある「VOR受信機(VORReceiver):だいたい2台装置

されています)」は、航空機がVOR局より何度の方向(Radial)に居るかが分かる様にな

っています。

非常に便利で、信頼性の高い通信システムです。  

1950年に航空法で各地および主要飛行場には設置することが定められてから、現在ま

で中心的な「航法施設(Navigational System:NAVAID)になっております。

 

自家用操縦士の最初の免許では、VORが使えなくてもいいことになっています。

それは「有視界飛行」のみしてもよい!という免許だからです。

下(地上・海岸線・島など)を見て、目的地に行ければOKなのです。

しかし、どの教官もVORを理解させます。

というのも、クロスカントリー(長距離飛行)が想像以上に楽になるからです!

日本のあのクソッタレ教官だけは違います。自分は、こちょこちょとVOR計器をいじく

りながら、

「ぜんぜん進路が違ってっだろう! なにやってんだぁ~!」

なんです(^^;

 

現在の「空路(Victor Airway):航空機の飛行経路のこと」をスムーズに航行することが

できますので、大小関係なくほとんどすべての飛行機(航空機)に装置されています。

 

パイロットは、「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」を目で見ることができま

せん。

そのために、パイロットには飛行機に装置された「VOR受信機:VORReceiver」の

針の方向を見て、電波灯台(VOR局)の方向を方位で推定します。

船では視認します。

 

「VOR受信機:VORReceiver」が「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」か

ら、なにを教えられるかといいますと・・・、

「あなたはねぇ~! 私の場所(VOR)からxxx度の方向に居ますよ!」

「私の場所(VOR)から、xxx度Radial(方位)上にあなたは居ますよ!」

ってくらいなのです(^^;

また、

「私(VOR)は、あなたの頭がどっちを向いているのかは知りませんから! また、

 あなたがどの方向に向かっているのかも知りませんから!」

と素っ気ないのです。

 

「VOR受信機」は、自分の飛行機の機首がどちらに向いているのか? やVOR局から

の距離を表記する能力はありません!

VOR局から何度の方向に居るか? どの方位(Radial)に居るか?だけが判ります。

 

基本的に「VOR局(電波灯台)」からの方向「FROM」が中心です。

 

いま「FROM」と書きましたが、「VOR受信機:VORReceiver」には「TO」の

マークもあり、飛行機がVOR局に向かっているときは「TO」マークが、離れていると

きは「FROM」マークが「VOR受信機」のあるところに表示されます。

 

もう少し、詳細な説明をします。

「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」は、磁石の北を000度として時計回り

に360度に電波信号を出しています。

そして方向(Radial)によって電波信号が少しづつ違うようになっています。

その信号の違いで飛行機の「VOR受信機:VORReceiver」で位置が分かるようになり

ます。

 

まず「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」の起点となる北は「磁方位北:

Magnetic North」です。

飛行機は「Magnetic Compass」を使って飛行しますので、「磁方位:Magnetic(磁石の方位)」

使います。

 

「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」は北から、理論上、約36万本の信号を

発信しております。

人間にはそこまで区別もできませんし、その必要もありませんから便宜上は、「VOR局

(VHF Omnidirectional Range Station)」から360本の電波信号が出てると考えても差し支

えありません!

「VOR局(VHF Omnidirectional Range Station)」から発信されている360本の電波信号

には、北からの角度・方向によって名前が付けられております。

まず北の000度は「000度ラディアル(000 Degrees Radial)」、そして時計回りに角度

を測って「XXX Degrees Radial」と名付けています。 

飛行機に搭載装置されている「VOR受信機:VORReceiver」は、その名付けてある「ラ

ディアル(Degrees Radial)」を受信している訳です。

 

飛行機が、電波信号(VOR局)からの信号を読み取って、270度Radial上に居ると

分かった場合は、航空チャート(Sectinal Chart)に「VOR局(VHF Omnidirectional Range 

Station)」から、左やや上の270度延長線上との交差点に航空機が居ると言うことが判

ります。

 

また別のVOR局からの電波信号を読み取って、そのVOR局からの方位の延長線と上述

の例で引いた延長線上に飛行機が居ることが判ります。

これは船舶の航行の時に、見える2つの灯台の、海図上の位置から見えている方角の180度

真逆の延長線交差点に船が居ることを知る方法と同じです!

 

でも、これを飛行機の中で操縦しながら航空地図(Sectional Chart)を広げて作図しなが

ら位置決めするのは至難の業です。

理屈で判っても、実技は危険極まりないことです。

 

ですから私は、1つのVOR局に直線的に向かうことをします。

「VOR受信機:VORReceiver」のVOR周波数を合わせ、VOR表示計器にある

「OBS(Course Selector)」というツマミをクルクルとゆっくり回してゆきますと針

(CDI;Course Deviation Indicator:コース偏位指示器)がド真ん中に来ます。

そのとき、マーカーが「TO」になっておれば、外側にある方位のまっすぐ上の数値の

方向に飛んで行けば、そのVOR局へピッタンコカンカンになるよう飛ぶのです!(^0^)

飛んでいる間に、CDIが右、左にずれてきますとそのずれた方向に緩く旋回し、CDI

がまたド真ん中になれば、その方向に飛びます。

 

VOR局よりも向こうの遠い目標に飛ぶなら、VOR局を通り過ぎたらマーカーが「TO」

から「FROM」に変わります。

次のVOR局に目標を合わすか、そのまま今までのVOR局の延長線上を飛ぶか目標地点

の地図上の位置さえ間違っていなければいいのです!

 

本当は、もっと複雑な使い方をしますが・・・このビジネス・リーダーいろは考ではこれ

くらいにします。

 

 

さてビジネス・リーダーへの教訓です。

 

企業・組織では、一般的に「経営計画」「事業計画」を策定します・・・ね!?

「経営計画」「事業計画」は、「経営の羅針盤」と言われています。

 

「経営の羅針盤」を持ったなら、その「羅針盤」の示す方向に正しく進んで行為項目を

やり熟してゆくべきなのです。

でも・・・、「経営は、変化適応業」とも言います。

これも「経営計画」「事業計画」を策定した時点での経営環境が、少しでも時間(日数)

が過ぎますと変化するわけです。

これを「想定外」って言っちゃダメなのです!

 

以前も、「マネジメント」の定義をしました。

 ”「マネジメント」とは、数値と状態との目標を期限までに達成すること”

でしたね!?

飛行機の世界でも、フライト・プラン(飛行計画書)なるものを航空局に提出して、出発

します。

途中で風の影響を上下左右から受けますから、飛行機も予定通りに目的地に到着する訳で

はありません。

しかし航空法では、フライト・プランによる目的地(ディスティネーション)到着予定時

間を20分以上経過しても連絡が無かったら遭難扱いとするのです!

 

ですからパイロットは、途中でどこを飛んでおり、このまま行くと予定通りの時間に、

目的地に着かないなら、飛行機の中で新しい到着時間を計算し直して、連絡を航空局(普

通は飛行場係員)に入れなければなりません。

 

ビジネスの世界でも本来は同様のことをしなければなりません。

これを「コントロール」と言います。

途中・途中にチェックポイントを設定し、その時点までに経過目標の数値・状態になって

いるのかどうかを分析しなければなりません!

 

もし予定通りや、予定以上に進んでいればOKですが、そうでなければ・・・それは、

いままでのやり方が間違っていると素直に認めなければなりません!

 

じゃぁ~どうするか?

軌道修正のために、今までのやり方を変更するのです!

やり方を変更するのを「決断」するのは、ビジネス・リーダーあなたの最大の責務なのです!

「決断」っていう字も大事な概念を持っています。

「断めることを決めること」だからです。そうです! 今までのやり方を「断めて」、

正しい、もしくは違ったやり方を行うのです!

 

今までのやり方を変更することを発表することは、組織上「命令」なのです!

今までのやり方を変更するということは、組織要員にとっては困ったことが起こるのです。

一つは、「今までのやり方がやりやすい!」という不満を言うのです。

次は、「そんなやり方、解らない!」っていう不安です。

 

だからビジネス・リーダーは、「コントロール」という定義をしっかり理解して、組織統

制をするべきなのです。

 ”「コントロール」とは、「命令」の追加と変更と、ならびに「教育訓練」の追加で

  ある。”

 

ビジネス・リーダーは、「命令」の追加もしくは変更をしたなら、やり方の「教育訓練」

を追加しなければならないのです。

またひつこいですが・・・「教育・訓練」も定義します。

 

「教育」とは、「考え方」を変えることなのです! それも「組織の思想」に合うように!

「考え方」をプラスに変えることなのです!!

 

「訓練」とは、できる腕前づくりなのです!

できるようになるまで「妥協」は禁物です!

だからこそ、ビジネス・リーダーは精神的に強靱でなければなりません!

 

もう一発、ゴメン! 定義させて・・・(^0^)

「思想」というのを勘違いする人が最近多いのは、戦後の教育が悪いからなのです!

 ”「思想」というのは、「思考」+「想念」のこと”なのです。

 

万物の霊長人間は、「思考」する能力があります。

「思考」すればどうなるか・・・?

例を出しましょう!

「ここにレモンを一つ持ってきます。手に果物ナイフを・・・。そして、レモンをまな板

 に乗せて、薄く薄くスライスし、その一枚を口に持ってゆきます。」

この文章どおりにイメージすることを「思考」って言います。

 

どうですか?

ほとんどすべての人の口の中に変化が起こったでしょう!?

起こらなかった人は、絶対にビジネス・リーダーになっちゃダメです!

「思考」は、肉体に変化をもたらすのです!

それほど「思考」というのはすごいパワーを持っているのです。

 

「正しい思考」をすれば、それも思いっきり真剣に「思考」すれば・・・「思考は現実化」

するのです!

 

企業・組織でのビジネス・リーダーの「思考」は、「世のため! 人のため!」に真剣に

考え、こうしよう!ああしよう!と考えるものでしょう!?

いてもたってもいられないでしょう!?

 

だから、今の心を誰かの心に伝えたくなるのです!

それを「想念」っていうのです。

 

だから「思想」というのは、組織、集団、国家をも動かすことができるものなのです!

もちろん「正しい思想」を持たねばなりませんよ!

 

ちと脱線しましたが、飛行機の世界では堕ちたら死ぬのですから・・・「正しい思想」を

持った者が飛行機を操縦しなければなりません!

 

その正しい「思想」のもとで策定された「羅針盤」に正しく沿った経営をやるなら、基本

的には最短経路で企業・組織がそのようになってゆくのです!

 

そのために飛行機では、電波灯台VORを目印に、船では灯台を、企業では「企業理念」

や「正しい経営をやっている先輩企業・組織の思想、組織運営」を「羅針盤」にするのです!

だから、「先人先達」の遺した数多くの「言葉」に触れる機会を多く持つこともビジネス

・リーダーの習慣にしなければなりません!

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 12 / 09  09:41

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第37講:『滑走路指示標識(Runway Numbers)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第37講:『滑走路指示標識(Runway Numbers)』

第37講:『滑走路指示標識(Runway Numbers)』

 

さて・・・・・、なかなかエアーラインに搭乗して、飛行機の窓から滑走路を見下ろす

ことはありませんよね?

 

成田空港から東南アジア行きの飛行機が九十九里浜方面に離陸しますと、上昇しながら

九十九里浜で180度Uターンして、成田空港の左側を上昇してゆきます。

ですからA席に座っていますと眼下に成田空港の全景を観ることができます。

そのとき、目をこらしてそれぞれの滑走路の両端をご覧下さい!

そうしますと「滑走路指示標識(Runway Numbers)」を観ることができます。

 

滑走路の端は「ここが端っこだよ!」というマークがまず描かれています。

ちょうど横断歩道のようなストライプが書かれています。

これを「滑走路末端;Displaced Threshold:通称Threshold」と呼びます。

 

その次に番号が書かれています。

この番号は、滑走路の向きを示しています。

「方位計(Heading Indicator)」と同じで「磁進路:Magnatic」で表記されています。

本来なら、000度から359度までを表示すべきでしょうが、細かくなるという理由で

最初の2桁、もしくは1桁で表示されています。(1の位は省かれています)

 

ですから「滑走路指示標識(Runway Numbers)」 が「27」でしたら、だいたい、たぶ

ん、アバウト「滑走路の向きがMaganeticで270度ぐらい」ですよと教えてくれており

ます。

「9」でしたら約090度Magneticという意味です。

 

パイロットになったら・・・合理的に考えられてるなぁ~って、後で感心しました(^-^)

「方位計(Heading Indicator)」と「滑走路指示標識(Runway Numbers)」を合わせて離発

着しますとスムーズに操縦ができます!

 

またいつか区分航空図(Sectional Chart)について書きますが、航空世界の地図のことです。

 

この区分航空図(Sectional Chart)には、羅針図とも言いますが、コンパス・ローズ(compass 

rose)が描かれています。

一般の地図にはだいたい一カ所、航空図や海図には要所・要所に描かれており、東西南北

の方位を示すために置かれる図形です。

 

古い方位磁針(羅針盤)などは装飾が施され、まるで薔薇のように見えることから「コン

パス・ローズ(compass rose)」と呼ばれるようになりました。

 

ご承知のように、羅針図の考え方は今日のあらゆる航行システムに取り入れられております。

実は、無指向性無線標識(NDB)、超短波全方向式無線標識(VOR)、グローバル・ポジシ

ョニング・システム(GPS) といった機器や装置にもあります!

 

だいたい飛行場の近くに描かれている「コンパス・ローズ(compass rose)」を上手く使い

ますと、簡単にBaseやDownwindのコースも分かるのです!

BaseやDownwindと言ってもおわかりにならない方が多いでしょうけれど、滑走路から

飛び立つときのまっすぐな延長戦をUpwindと呼びます。

そこから飛行場でルールとして決められた直角に左右への旋回する方向がCross Windと

いい、滑走路に平行で飛び立ったのとは真逆の方向で飛行場の滑走路に沿って最後の着陸

準備をする航路をDown Windと呼びます。

いよいよ、高度を落としながらDown Windからまた直角に旋回するコースをBaseと呼び

ます。

最後の目の前にまっすぐ滑走を見ながら着陸するのですが、そのコースをFinalと呼びます。

 

たとえば、羽田空港の全日空ANA便が圧倒的によく使う滑走路の末端には、34Rか

16Lと書かれています。

 

34Rからの離陸は、ちょうど前方に東京タワーが見えます。

16Lからの離陸ですと、まっすぐに海ほたるがポツンと見えます。

 

普通の軽飛行機はエマージェンシーでない限り、羽田空港を使うことはできませんが、

私のフライトシミュレターではできます!

 

もし34Rから離陸をしようと滑走路に出ましたら、コックピットの真ん前の滑走路面に

34Rがデカデカと書かれています。空の上から読める大きさですからデカイのです!

 

離陸直前、「方位計(Heading Indicator)」の針を340度に設定します。

そして、フルパワーで滑走路を走り始めます。

右手に東京湾ゲート・ブリッジが見えます。

左手には、大きなエアーラインがウジョウジョいます。

65ノット(約105km/h)のスピードに加速したら、操縦桿をちょっと(少し)

自分の方に引きます。

そうしますと・・・フワッと浮き上がります。

これをエアーボーン(Airborn)といいます。

それからぐんぐん高度が上がってゆき、左手の第2ターミナル・ビルの端っこに来た頃、

ずっと向こうの丹沢山のその向こうに富士山が美しく見えます(晴れていたら)。

1000ftの高度に達したら水平飛行にしましょう!

向こうにレインボー・ブリッジと東京タワー&世界貿易センタ-ビルがハッキリ見えてき

ます。

汐留のビル群も見えます。

汐留方面の向こうの方には、離陸前から東京スカイツリーが見えていましたが、もっと

しっかりと見えてきます!

高度を2000ftに上げてゆきましょう!

2000ftに達したら、もう東京タワーを通り越して皇居が真下近くに見えます。

皇居の上を飛ぶことはできませんが、フライトシミュレターではこれまたできるのです。

この高さは、東京スカイツリーよりやや低い高さですが、関東平野が一望できます!

こんなにビル群というのは点在しているのかぁ~と驚きます。

池袋、新宿、中野、渋谷が良く分かります!

 

あれれ・・・滑走路の標識などを説明しようと思っていたのに、つい逆上せ上がって空の

上まで来ちゃいました(^^;

今回は東京スカイツリーまで行かず、羽田空港の戻りましょう!

いつもなら東京スカイツリーに向かって、アサヒビールのウンコの上、浅草寺での低空飛

行・・・、東京スカイツリーをらせん状に旋回しながらてっぺんを見に行くコースを取り

ますが・・・、これは小生事務所に遊びに来て、ご経験下さい(^0^)

 

「方位計(Heading Indicator)」の針が飛び立った340度と反対の160度になるように

旋回しましょう!

旋回が終わる前から、羽田空港が見えてきます。

羽田空港は、2本の平行する滑走路があります。

旋回を終わった直後の平行する滑走路の「滑走路末端;通称Threshold」の付近に、向か

って右に16Rと書かれたA滑走路が、左が16Lと書かれたC滑走路があります。

そして、その手前に斜め向こうに向かって伸びるB滑走路があります。

やはり左「滑走路末端;通称Threshold」のところに22と書かれています。

ですから、東京湾の方からB滑走路に着陸してくる方位は約220度であることがわかり

ます。

羽田空港はできあがった滑走路の古い順にA滑走路、B滑走路、C滑走路と名付けられて

います。

2010年10月21日に、羽田空港の航空混雑を避けるために沖合にD滑走路が完成し

ました。

D滑走路は、世界初の人工島と桟橋のハイブリッド滑走路なのです!

05、23と「滑走路指示標識(Runway Numbers)」が描かれています。

D滑走路05はほとんど使われませんが、だいたい北に向かっています!

 

またまた脱線しました(^^;

先ほど離陸した滑走路34Rは、340度の方向から風が吹いてきているので、管制官が

「こちらから離発着しなさい!」と指示を出したものです。

ですから、戻って着て着陸するのも基本的に34Rを使わなければなりません。

なんども言うようですが、私などが乗る軽飛行機は羽田空港離発着ができません。

もしできると仮定して、模擬飛行(シミュレーション飛行)しております。

もし管制官に「いま東京タワー上空2000ftを飛んでおります。着陸の許可をお願い

します!」ってリクエストを出したら、「そんじゃ(こんなことは言いませんが!)、

Runway22に着陸を許可する!」なんて言われたら、即座に「方位計(Heading 

Indicator)」の針を220度にして、着陸準備に入ります。

 

 一般的には、風の向きが急に変化していなければ離陸した滑走路を使わせるので、今回

は34Rから着陸しましょう!

 

そうしますと「方位計(Heading Indicator)」の針は340度にしたまま、羽田空港を右手

に東京湾の上を飛ぶことにしましょう!

ここは管制圏ですから、高度は高く飛べません。なんと高度500ftにします!

以前実際に、三浦半島から海ほたるを見下ろして浦安までのコースを飛ぼうと管制官に

リクエストしましたら、高度500ftを指示されました。

 

東京湾に500ftで入って、海ほたるまで向かいましょう!

その手前に東京湾アクアラインの地下通路への通気口がデカデカと見えてきます。

 見えてきたら、高度を1000ftまで上げ、「方位計(Heading Indicator)」の針が340度

になるように右旋回してみましょう!

C滑走路がまっすぐに見えるよう飛行機の進行方向を目視で調整しましょう!

再度、「方位計(Heading Indicator)」の針を見ますとちゃんと340度になっているはず

です。

もう着陸寸前になりました。

このコースをFanalと言います。

キャブレターヒート(Carburetor Heat )をホットにしてパワーを押さえ、フラップを下げ、

滑走路の中心線に向かって、PAPI(後日、書きます!)を見ながら、パワーとエルロ

ンとラダーを操作して、スムーズな着陸をしましょう\(^o^)/

 

滑走路直前に「滑走路末端;通称Threshold」を通過しましたら、真下に「滑走路指示

標識(Runway Numbers)」34Rがデカデカと見えます。

ここでパワーをアイドルにします。

狙い目は、トウフと呼ばれるタッチダウン・ポイント・マークです。

中心線のちょうどエアーライン機の主車輪が設置するマークを日本人パイロット仲間は

「トウフ」って呼んでいます。

 

「滑走路指示標識(Runway Numbers)」は、どんな小さな飛行場にも描かれています!

パイロットは、この「滑走路指示標識(Runway Numbers)」を基準に「方位計(Heading 

Indicator)」を合わせて、離発着をします。

これだけで相当に操縦が楽になります。

 

遠方から飛行場に来る場合には、この「滑走路指示標識(Runway Numbers)」と飛行場に

最も近いVOR(超短波全方向式無線標識施設;VHF Omnidirectional Range)を使います。

VORを別名、電波灯台または航空灯台と初心者には言ったりします。

 

このように「標識」があるだけで、飛行機は安心して目的地に近づき、目的の飛行場に

着陸することができます。

 

さてビジネス・リーダーのみなさん!

もともと悪いビジネス・リーダー(経営者)なんていないのですよ!

でも・・・悪くなるビジネス・リーダー(経営者)は五万といます(^^;

 

企業・組織の構成員を企業では従業員、組織では職員などと呼びますね!?

新入社員、新入職員は入ってきたら、みんな「種」なんです!

 

失礼ながら、「種」は「種」なのです!

この「種」を育て、「花」を咲かせ、「実」をならせるのがビジネス・リーダー(経営者)

なのです!

 

このことも真理だと思って理解して下さい!

「種」を立派に育てることができれば、周囲に良い「人材・人財」が集まるのです!

だからこそ、企業・組織も成長するのです!

 

逆に、育てることを怠りますと消費者をだましたり、不正をしたりする組織を作ってしま

すのです(^^;

だいたい・・・そのような組織のビジネス・リーダー(経営者)自身が、その精神構造に

なっています!

 

「子供を見れば、親が分かる!」・・・「従業員・職員を見れば、ビジネス・リーダー(経

営者)」が分かります!!

 

そのために何が必要か!?

そうなのです!

「標識」・・・「目標水準」「行動様式=社風(企業文化レベル)=躾レベル」が必要なの

です!

 

昨今、公的なところから企業診断を頼まれることが多くあります。

ダメな企業の共通点は「経営理念」「社訓」「社是」「経営方針」などを諳んじることので

きないビジネス・リーダー(経営者)、従業員ばかりです(^^;

 

こんな哲学者カントが残した言葉をご存じですか?

「人間は、唯一教育されなければならない動物である。教育された人間によって教育され

た時のみ、人間になる」・・・と。

 

その意味でも、ビジネス・リーダー(経営者)が自ら教育=自己啓発する精神態度がなけ

ればなりません!

 

「学んで足らざるを知り、教えて至らざるを知る!」

 

お近くの方でしたら、ぜひ小生事務所に遊びにいらして下さい!

フライト・シミュレーターでパイロットコンサル・ビジネスいろは考の飛行機の理論編が

実感できます!(^^♪

 

ありがとうございました。

 

いわき経営コンサルタント事務所の詳細は、

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2024 / 12 / 02  09:39

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

第36講:『高度の種類(Types of Altitude)』

 

「高度(Altitude)」は、飛行機が飛んでいる所の高さを言います。 

航空の世界では、「高度(Altitude)」の種類があります。

 

飛んでいる飛行機から、巻尺や物差しで測ることは不可能?です!

一般的に、山や台地、平地の高さって言えば「海抜(height above sea level)」ですよね!?

 

航空の世界には、パイロットとして知っておかねばならないいくつかの「高度(Altitude)」

があります!

 

1)真高度(True Altitude)

 海面からの実際の高さです。「海抜(height above sea level)」とまったく同様です。

 飛行機にある高度計や物差しで測った程度の高さではありません!

 空港等の標高や障害物の高さを表示するときは、厳格に測られたものでなければなりま

 せん!

 航空チャートなどには、MSL (Mean Sea Level) と表記される高度のことです。

 

2)計器高度・計器指示高度(Indicated Altitude)

 飛行機に装置されている「高度計(Altimeter)」が指示している高度のことです。

 パイロットが一番多く使う高度のことです。 

 「高度計(Altimeter)」には、気圧の変化を調節するボタンが付いており、これで現在の

 気圧を合わせ(高度計規正:Altimeter Setting;QNH)てあることが前提です。

 

 高度計は非常に精密にできております。本当に驚く程にです!

 ところが実際には、上述したように定規や巻き尺のようなもので海面からの垂直距離を

 測定している訳ではありません。 

 測定しているのは気圧だけなのです。

 「高度計(Indicated Altitude)」が、「真高度(True Altitude)」と同じになる時というの

 は、大気の状態が「標準大気(Standard Atmosphere)」の時だけです。 

 それでも非常に正確であるため、気圧によって誤差が存在しても、他の飛行機も同じ様

 に誤差があるので、「高度計(Indicated Altitude)」に表示される高度は同じになるので、

 管制官やパイロットには大きな影響がありません。 

 

 ただ注意をしなければならないのは障害物や山を越える時です。障害物や山は真高度

 (True Altitude)で表示されていますから、その地点の微妙な気圧変化があると高度計

 の表示と真高度の違いが発生し、非常に危険なことが起こります!

 もちろん、航空法違反で低空を飛行しなければ問題はありません!

 ですから、通常は深く考える必要はないのですが、

 私はフライト・シミュレーターで、時々、レインボー・ブリッジやゴールデン・ブリッ

 ジをくぐり抜けをしようとして、衝突・墜落することがあります(^0^;

 これは意外と難しく、目算でくぐり抜けられると思って操縦していても、フライト・

 シミュレーターの気圧が変化していますとFSの高度がプログラムされているため、

 クラッシュ条件に当てはまることがあります(^0^;

 

 「高度計規正:Altimeter Setting;QNH」は、観測している地点での高度計が正しく

 標高を示す気圧の数値を言います。 

 これには上空の気温のことを一切考慮しておりません。 

 またその場の気圧ではないのです。あくまでも、管制から発表される周辺の平均気圧な

 のです。

 

3)絶対高度(Absolute Altitude)

 地上からの高さのことです。 

 地面から垂直に測った距離のことです。  

 実は離着陸の時には、地面からの高さが大事なのです!

 上空に行きますと、だいたい山越えをする時ぐらいは大事になります。

 がパイロットの世界ではそんなに大きな意味はありません。 

 

 

4)気圧高度(Pressure Altitude)

 高度計の「高度計規正:Altimeter Setting;QNH」を29.92in-Hg(水銀柱)に合わ

 せた時に表示される高度のことをいいます。 

 29.92in-Hgは、標準気圧とされているものです。

 

 ちと難しいことを書きますが、「Standard Datum Plane(標準データム平面)」 と言うの

 があります。

 ある場所(面)から測った飛行機の高度を「Pressure Altitude:と言います。

 国際標準大気圧(海面上:海抜0mで気温が15度、気圧が29.92in-Hgの時の

 標準とされる大気の状態)の状態にある事を「standard datum plane」と言います。 

 この様な海抜0メートルで、標準大気と同じ様な所、面に高度計を合わせたそのときの

 高度を「気圧高度:Pressure Altitude」と言います。

 

 この「気圧高度:Pressure Altitude」を使って、次の「Density Altitude」を計算する時に

 使います。

 また「真高度:True Altitidu」や「真対気速度:True Airspeed」を計算したり、性能表

 (Performance Chart)を使うときに使います。

 

 「気圧高度:Pressure Altitide」と実際の高度(「真高度:True Altitidu」)が同じになるの

 は、大気の状態が「標準大気:Standard Atmosphere」と呼ばれる状態になった時です。

 高度計は気圧を測っていますので、大気が標準大気と同じであれば、「気圧高度:

 Pressure Altitide」も正しい高度を示しております。

 

 日本では14,000ft、米国や国際法では18,000ft(海抜:MSL)以上

 を飛行する時には、高度計を無条件に29.92in-Hgに合わせることと決められてい

 ます。これは「気圧高度:Pressure Altitude」と同じです。  

 高高度では高速の飛行機が多く飛んでいますが、山に衝突することはほぼありません!

 (エベレストは29,029ftありますが、この上を飛ぶ飛行機は45,000ft

 以上を飛んでいます)

 ですから、高高度を飛行する全機の高度を統一するために「気圧高度:Pressure Altitude」

 を使っています。

 もちろん、実際の高度や修正を無視していますので誤差は大きいです。 

 また高度計も、実際の高度ではなく「気圧高度:Pressure Altitude」を示していますので、

 「Altitude」と言わずに「Flight Level;FL1 = 100 feet」の単位を使います。

 ジェット旅客機などは、管制官から飛ぶ高度がある高さを超える時には「Flight Level」

 を使って指示されます。

 

5)密度高度(Density Altitude)

 これが実は、パイロットの世界では一番重要な高度なのです!

 「密度高度(Density Altitude)」というのは、標準大気の気温と実際の気温との誤差を

 修正したを気圧高度のことを言います。

 英語では「The pressure altitude corrected for non-standard temperature.」となっています。

 言い方をよりわかりやすく?変えますと「大気の密度(空気密度:air density)」を高度

 に換算:したものです。  

 なぜ、この様な「面倒くさい高度が必要か?」と言いますと、飛行機の性能を知るため

 に必要なのです!

 飛行機の性能は、飛行している空間の空気の密度で実は決まるのです!

 上空に行きますと空気の密度が下がるのです。

 そうなりますとエンジンの出力が下がるのです。また、翼でも揚力を生む力が少なくな

 くなります。 

 飛行機の推力、揚力は空気を利用しておりますから、その空気が少なくなりますと性能

 は落ちてしまうのです。

 

 同じ高度でも、大気の状態によって空気密度が変わります。

 その影響を受けて、飛行機の性能も比例して変化します。 

 そのため、パイロットは「空気密度(Air density)」を計算するのです。

 ところが「空気密度(air density)」を聞いただけでは、パイロットには意味が分かり

 ません。

 そこで、より分りやすくするために、「空気密度(Air density)」を「高度」に置き換え

 て考えることを考えた偉い先人先達がいるのです!

 それを「密度高度(Denstiy Altitude)」と言います。

 

 そうですねぇ~例えば、「密度高度(Denstiy Altitude)」が5,500ftと言われれば、

 実際の高度に関係なく、その飛行機は標準大気の中で5,500ftの所を飛行して

 いる時と同じ性能が得られるという意味なのです。

 

 この「密度高度(Denstiy Altitude)」は山岳地帯にある飛行場などの離着陸や山越え、

 高温多湿の飛行場で離発着する時、非常に大事なのです!

 

 「空気密度(Air density)」は、気圧と気温が大きく影響します。

 「密度高度(Denstiy Altitude)」を計算するのに、まず「気圧高度(Pressure Altitude)」

 を測ります。

 これ以上、難しくなりますので・・・「はぁ~、はぁ~、そうかいな!」くらいにして

 お読み下さい!

 飛行機の計器である高度計に表示される高度の数値を「高度計規正:Altimeter Setting;

 QNH」に変換します。29.92in-Hg(水銀柱)に合わせた時に表示される高度でし

 た。

 次に気温の変化を修正します。

 「密度高度(Denstiy Altitude)」と「気圧高度(Pressure Altitude)」が同じになるのは、

 その場所の気温が「標準気温:Standard Temperature」の場合だけです。

 いまの居場所が、標準気温(標準大気の時の温度)から少しでも変化しますと、この

 二つの値には差が出てきます。

  高温だと ⇒ 空気の粒が大きく動く ⇒ 粒の間隔が開く 

  そうなると ⇒ 密度が低下 ⇒ 高い密度高度 ⇒ とりもなおさず飛行機の性能

  は低くくなる!

 

 「標準大気(Standard Atomsphere)」というのは、海抜0メートル(海と同じ高度)で、

 気温;摂氏C15度(華氏F59度)、気圧;29.92 in-Hg (1013.25 ヘク

 トパスカル・ミリバール)と定義されています。 

 この「標準大気(Standard Atomsphere)」の上空では、1,000 feet上昇する毎に

 気温が摂氏C2度、気圧が1in-Hgづつ低下していきます。 

 実はもっと複雑なのですが、気象予報士でないのでこの程度に・・・(^0^;

 

 

ここまで長々と高度の種類を述べてきましたが、飛行機の性能は安全面で考えますと、「離

着陸距離」と「上昇性能」が非常に大事なのです!

以前、夏場に東京調布飛行場で発生した軽飛行機墜落炎上事故の原因を探りますと、この

「密度高度(Denstiy Altitude)」に帰着します。

もちろん、エンジントラブルや操縦士の技能・健康状態などもあろうかと思いますが、

おそらく経験未熟なパイロットである私でもすぐに原因がここに行き着いた理由は、パイ

ロットのいろはのイくらいに大事な「密度高度(Denstiy Altitude)」を勉強したからです。

 

飛行機は、いかに短い距離で離着陸し、安全に早く上昇できるか?!

そして、高い山でも安全に超えることができるか?!

パイロットが飛行を始めるのに、この性能を知った上で準備とこれからの飛行航路の推測

をするのです!

 

飛行機は、空気の中を飛んでいるので空気の密度が性能に大きな影響があることは何度か

お話しました。

空気の密度が高いと言うことは、一定の体積でより多くの空気の粒があると言うことです。

空気の密度が高いと飛行機はグングン上昇します。

短い距離でも、離着陸ができます。

高い山でも飛び越える事が可能になります。 

空気の密度が高い(多い)と、翼の上を通過する空気の量が多くなり、低速でもより多く

の揚力が生まれます。

またエンジンも沢山の酸素が供給されますので、エンジン出力も増えます。 

またプロペラもエンジンに無理やりに回される翼と同じですのえ、空気密度が高いとより

強いプロペラ推力を生み出します。 

 

逆に空気が薄くなりますと、翼、エンジン、プロペラの性能が落ちて、高度を保つのも

難しくなります。

 

空気の密度が多い時とは

 • 密度が増えるのは気圧が高い時です。

  そして低い高度のところです。 

  高度が上りますと気圧が下がり、それに比例して密度も下がります。

 

 •パイロットが知っておくべき必須知識は気温の影響です。 

  気温が高くなりますと空気密度が低くなります。 

  これは空気が高温になりますと、空気の粒が大きく振動して、空気が広がろうとしま

  す。

  そのため、一定の体積の中では空気の粒の量が減ってしまいます。

  だから夏の暑い日は、上昇性能が極端に悪くなります!

 

 •湿気の多い日も、影響は少ないのですが湿気も航空機の性能に影響を与えます。 

  理由は大気を構成する窒素(N2)と酸素(O2)の粒の重さというのは、水蒸気(H2O)

  よりも重たいからです。

  簡単に説明しますと空気の粒は水蒸気よりも重たいのです!

  余計なお節介ですが、窒素(N2)と酸素(O2)を元素記号の数を見ると2+2で4コ

  でしょう!?

  水蒸気(H2O)は3コですよね!? 特に水素は一番軽い元素ですから・・・。

  窒素(N2)と酸素(O2)の粒の重さ > 水蒸気(H2O)の重さ

 

 •最悪な状態は、標高の高い飛行場(気圧が低い)から離陸する時に、うだるほどに

  熱い真夏のお昼頃です!

  日本も湿気が高いですね!

  この様な空港から離陸する時は、少しでも気温の低い早朝に離陸するのが最良の選択

  だと教官には口酸っぱく言われます。(日本のクソッタレ教官は教えてくれません!)

 

 

というわけで、飛行機に関わる理論の一つ「高度」についてお話してきました。

ビジネス・リーダーは、ここから職場には「標準」というのが必要不可欠なのだと言う

ことを確認していただきたいのです!!

 

「標準」というのは、「判断」のよりどころや「行動」の「目安」となるものです。

「基準」とも言います。

 

企業・組織において、誰もが同様の「標準」「基準」を物差しに、言動が同じであれば

効率がいいのです!

 

「マネジメント(Management)」という意味は、「数字と状態との目標を期限までに達成

すること」なのです!

ですから、

 1)目標・期限を決め、2)方法を決め、 3)調査・実験の繰り返しを行い

 そこから、4)「キマリ」を決める訳です!

 そして、5)教えつづけることによって、組織の者は「できる腕前」を持つようになり

 ます。

 

教えてことがどれくらい身についているかを評価することを 

 6)人事考課といいます。

 

これを全従業者に行えば、「決まり」の7)部分修正ができます。

そして、従業者みんなが同様に7)実行すれば、業績(数値)・業容(状態)が変化します。

数字というのは、人」「モノ(商品・機械)」が動けば変化します!

業績(数値)・業容(状態)の変化度合いを、

 7)評価し続け、必要に応じて、再度、8)キマリの修正をしてゆくのです!

 

マネジメントの本質は、習慣づくりなのです!

そう! しつけ(躾)づくりなのです!

企業・組織の全従業者の共通した変化への対応状態が一様に、乱れなく、行われれば効率

よい組織風土ができます。

 

そのための「急所」も知っておくべきです!

 1)絶対やらねばならぬことは明確に、確実にすべきです!

  そうしないと誰も、いつまでもやり始めないのです(^^;

 

 2)やったほうが良いことは明示するべきなのです!

  そうしないと散発的にやりすぎるのです;

  そう! ムダ=やりすぎをしちゃうのです!

 

 3)どちらでもよいことは後回しすべきです!

  そうしないと・・・皆が最も真面目にやっているのです(^^;

 

 4)やらないほうがよいことは禁止の発表をするのです!

  おもしろいです!

  どうしてもヤリタがり屋がいるからです(^^;

 

 5)絶対やってはいけないことは明確に、罰則もハッキリすべきです!

  そうしないと、知らずにやってしまうのです!

 

ここからも想像できますね!?

 

「標準」に明確することによって、「事故防止」「ムダの防止」が図られるのです!

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 11 / 25  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第35講:『飛行機の各種ライト(Navi-Light)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第35講:『飛行機の各種ライト(Navi-Light)』

第35講:『飛行機の各種ライト(Navi-Light)』

 

以前にもお話しましたが、飛行機は船舶のルールを多く取り入れています。

航空機のことをAir Shipということからもなるほどと思うでしょう。

エアーラインの乗降ドアーは左側であることも船舶とまったく同じです。

 

私は、パイロットの免許を取得する以前は小型船舶一級免許を持って、大海原にも出て

おりました。

残念ながら、3・11の大震災津波によって、入会していたクルーザー・ヨットのクラブ

が全壊し、その後は船から足を洗った?状態です。

 

航空機の各種ライト(照明)も、ほぼ船舶と同様です。

特に夜、まったくの暗闇で船も飛行機もどちらを向いて航行しているのか視認できないと

大変な事故となります。

 

飛行機に付けられている基本的なライト(照明)は「Position Light(位置視認照明)」です。

「Naviagtion Lights」と英語で呼びます。略して「Navi Light(ナブライト)」と言って

おります。

日本語では、べつに「位置灯」「航空灯」とも呼ばれています。

 

「Naviagtion Lights(位置灯)」は、飛行機の主翼先端と飛行機の尾てい骨に当たるところ

に付いています。

飛行機の存在を知らせる重要なライトです。

それぞれ色が違い、飛行機がどっち向きになっているかを他のパイロットに知らせてくれ

ます。 

 

ライトの色は、右主翼先端にあるのが赤色、左が緑(見ようによって青ですが、日本の

クソッタレ教官は緑と言わないと叱ります)、そして後ろに白色のライトが付いております。

 

真っ暗な場所(地上でも空の中)でも、飛行機の向きが分かる様になっています。

 

GUAMの米国本土で教官免許を取り立ての若い教官がおもしろい覚え方を教えてくれま

した。

私の訓練する飛行機はCessna-172Pという最もオーソドックスなものでした。

 

コックピットの左席は本来機長が座るのですが、訓練中は訓練生が座って訓練を受けます。

そのときの機長は、やはり教官です。なにかあったら教官がすべての責任を負わなければ

ならないからです。

訓練中の状態から、

 左席には訓練生、訓練生は危険、だから赤色ランプ

 右席には教官、教官は安全、だから緑色(青)(^^♪

 後ろは関係がないから白色?

   

航空法では、「Navigation Lights」はSunset(日没)からSunrise(日の出)まで点灯しなけ

ればなりません、

 

それ以外に重要なライトがあります。

「Anti-Collision LightsまたはBeacon Light(衝突防止灯)」があります。

航空機同士の衝突を防止するための灯火です。

唯一、閃光灯になっています!

飛行機の胴体の上下に付けられており、赤色の閃光灯です。

最近の機体は、遠距離からでも視認できるよう高輝度の白色閃光灯(Strobo Light)が

翼端に付けられています。

 

次に、「Landing Light(着陸灯)」は、飛行機の離着陸時に、昼夜を問わず滑走路を照射す

るために白色光の灯火を付けます。

翼前縁または翼の下側に付いています。

 

「Taxi Light(タクシー灯)」というのもあります。

これは義務ではなく、暗くなったらタクシング中(地上滑走中)に誘導路を照らすための

白色の灯火です。自動車のヘッドライトだと思って下さい!

空の上では、まったく用を足しません(^^♪

 

コックピットに正しい姿勢になるよう座席を調整して座り、シートベルト、肩ベルト(シ

ョルダー・ハーネス)をセットしてから、私の持っている、やっているエンジン・スター

トまでのチェックリストは21行(項目)あります。

 

エンジン・スタートの直前に、「Master SwitchをOnにします!」

その後、ただちに「Beacon Light On!(衝突防止灯オン!)」と宣言し、その操作が必須

です!

そして、ガソリン料の再チェックをしてから、「Ignition Switch Contact!」と大きな声で

宣言してから、エンジンをスタートさせます。

ここでプロペラが回るわけです!

ですから周囲の人たちや飛行機に対して、「エンジンが掛かるよ!」「プロペラが回転す

るよ!」「動き出すよ!」「今動いているんだよ!」「飛んでるよ!」ってな具合に、警告

を知らせる重要なライトが必要なのです。

 

この「Beacon Light On!(衝突防止灯オン!)」は点滅しながら赤く光ります。

昔は、パトカーの赤ランプと同じ回転灯だったので「Rotating Beacon」とも呼ばれます。

夜間ではかなり遠くからでも見つける事が出来ますから、「Anti-Collision Light(衝突防止

灯)」とも言います。  

 

もし夜間飛行中に、この赤い点滅するランプ(Flashing Red)と白の「Naviagtion Lights(位

置灯)」が見えたら、その航空機の後ろを見ていることになります。 

左右や斜めに見えれば、その飛行機は自機から離れて行っていることが分ります。 

 

飛行訓練生は、最初のソロフライトが最大の通過点です。

その後、夜間ソロフライトまでがまた一区切りとなります。

私も夜間ソロフライトの許可をもらい、勢い込んで飛び立った時の思い出があります。

 

場周経路(Airfield Traffic Pattern;飛行場の周辺の決められたコース)のソロフライトで

したが、観光フライトの飛行機やエアーラインの飛行機、訓練機も含めて、かなりの飛行

機が離発着しておりました。

 

昼間は飛行機がしっかり見えるのですが、夜はまったく見えません(^^;

管制官から、前方に2機飛んでいるので、あなたの飛行機の着陸順番は3番だと言われま

すと前を飛ぶ2機を目視できなければなりません!

しかし・・・、見えないのです(^^;

焦りました。

といって管制官に見えませんなんて言うこともできず・・・(本来は、ちゃんと素直に

申告しなければなりません!)、「はい! この飛行機は3番目の順位で着陸します。

前の航空機を追っております!」・・・なんて嘘を言ってしまいました。

 

昨日、熊本空港では日中に管制官とのやりとりで問題があり、重大インシデント(ニアミ

ス)がありましたね!?

私のような嘘を絶対にやったらダメですね(^^;

 

やはり管制官は、レーダーでも管制塔からでもそれぞれの飛行機が見えているのです!

「おいこのボーヤ!(Hey! Boy!)、なにやってんだ! 本当に見えてんのか!?」

ってどやされました(^^;

それでも意地張って「ハイ!見えております!(Yes! Traffic in sight!)」って言っちゃい

ました(^^;

即座に、管制官から「おめぇ~(とは言わず、機番ですが・・・)、やりなおせ!(Go 

Around!)」って・・・(^^;

 

私は、昼間と同様に飛行機を探していたのですね!

そうじゃなく、赤い点滅するランプ(Flashing Red)と白の「Naviagtion Lights(位置灯)」

を見つけるべきだったのですが、初めての夜間ソロフライトでパニクっていました。

 

帰還したら、教官はもちろん管制官とのやりとり(ATC)を傍受しておりましたから、

厳しく注意されましたね! 

でも日本のクソッタレ教官だったら、こんなんでは済まなかった(^^;

 

実は着陸中など、同じコースに他機がある時は注意が必要なのです。

前方の飛行機が自機より早ければ問題はないのですが、自機の方が早いと後ろから追突し

てしまいます。

実際、管制官からはそれが分かったから着陸させずに上を追い越させたのです。

本来は、右側から追い抜いてゆくべきなのですが、初心者であることも見抜かれ、空港で

の大惨事を防ぐために管制官があしらってくれました(^^;

着陸中は、前方の飛行機が優先です。

本来は減速をするか、S-Turnなどをして間隔を開けるべきなのです!

訓練生にそんな減速テクニックなんてありません(^^;

 

また昼間でも「Beacon Light(衝突防止灯)」は、町の上空とか風景に飛行機が隠れてしま

う様な所でもかなり有効です。

夜間は必ず点灯する義務がありますが、昼間は離着陸する時や航空機が多い所で点灯する

事を米国の教官は強く勧めますが、日本のクソッタレ教官は「そんなものここの飛行場で

はいんねぇんだよ!」です(^^;

「Strobe Light」、米国では使うことを勧められました。

特に町の上空に行きますと飛行機が、見え隠れして、見失うことがあります。

ちょっと下界を見ていたり、他の方向に注意をやりますと・・・あっという間に飛行機は

速いので見失うのです。

そんなとき、点滅する光を探すと意外に見つけやすいことを後で分かるようになりました。

 

また元に戻るようですが、船の免許を取得するときに視野検査なる難しそうな検査をさせ

られます。なんと箱の中を覗き、ランプを試験官が点け、赤点灯、青点灯、白点灯かを

口頭で言わせるのです。・・・はい! ただそれだけです。

 

飛行機も船も夜間にランプの色を見て、どちらからどのように航行してきているかを判断

することができなければなりません。

夜間飛行中に、前方にこの赤いランプが見えれば飛行機は右から左へ飛行してると分ります。

航空法、船舶安全法では、右から来ている飛行機、船舶相手に優先権があります。

ですから、こちらが回避行動を取る義務があります。

通常は、相手の後ろを通過する様にコースを変えますので、この場合は右旋回するのです。

 

逆に、夜間に緑色のランプが前方に見えれば、左から右の方向に他機が飛行していると

分ります。 

この場合は、こちらに優先権があります。 

基本的には相手機が避けるべきですが、相手がこちらを見ている保証はありません!

ですから、相手の行動を良く見ながら、回避することを教官は勧めます。

 

飛行機の世界でも、船の世界でも人命が掛かっていますから、「安全・安心」を最優先に

法律やルールが作られています。

 

ビジネス・リーダーの皆さんの企業では、もしや「効率優先」ではないでしょうか?

これは・・・間違いです!

 

すべてに優先するのは、「安・正・早・楽」なのです。

これも「安」が第一義なのです!

企業・組織の物心両面に関わる環境を「安」:「安全」で「安心」に、「安価」でできる

環境を作って下さい!

続いて、「正」:「正しく=正確」「正当」な環境をつくるのです!

 

次に、「早」:「早くできる仕組み」ですね!

そして最後が重要です!

「楽」:楽にだけではなく、楽しくないと仕事じゃない企業文化と職場環境をつくるべき

なのです!

 

先日、とあるサービス業のオーナーが、「最近、この地域では人材難・人手不足で人が

集まらない!」と抜かしやがる・・・(あれれ、私としたことがお下品な(^0^;・・・)

とんでもない勘違いも甚だしい!

同様のサービス業に行ったら、スタッフがわんさか元気に楽しく仕事をしている。

またお客様もいっぱい!

 

当たり前じゃぁないですか!

仕事は厳しく大変な・・・きついことはいっぱい!

だから、「安・正・早・楽」の職場環境ができあがれば従業員、スタッフ、組織員は、

安心して、意気を感じて仕事ができるのです!

 

てめえの企業の程度の低さを、外的環境のせいにする!

こんなビジネス・リーダーでは・・・あきまへん!

 

「でも・・・そんなこと言っても・・・(^0^;」

って言いたいのでしょう!?

 

だから、「安・正・早・楽」を実現するために「ダ・ラ・リの排除」があるのです!

「ダ・ラ・リ」とは、「ムダ」「ムラ」「ムリ」のことです!

 

あなたの企業・組織には「ムダ」がいっぱいあるのではないですか?

「やり過ぎ」「持ち過ぎ」・・・「過ぎたるは及ばざるがごとし!」ですよ!

特に「後始末のやり過ぎ」という「ムダ」が「ムリ」をつくるのです!

「ムダ」と「ムリ」が交互に起こることを「ムラ」って言うのです!

 

「定着率が悪くて、採用・退職の繰り返し」だって「ムダ」でしょう!?

だったら、「採用」の時に時間とコストを掛けて、「いい人(相性の合う人)」を採用する

のです!

そして、時間とコストを掛けて「経営思想・経営方針」と「躾」を徹底してたたき込むの

です!

甘やかしたらダメなのです!

「気を使うな! 金使え!」って、私はビジネス・リーダーにはいいますよね!

賃金を上げろなんて言ってませんよ!

「能力の高い者(ちゃんと人事考課して)にはチャンスを! 実績を上げた者には禄で

処遇する人事制度」をつくるのです!

 

ちゃんとそのような基本的な制度を企業・組織で構築する覚悟を持ってビジネス・リーダ

ーは取り組んでいますか?

信号を見るだけで、順番や行動意思決定のできる組織が「いい組織」「文化レベルの高い

組織」なのです・・・(^^♪

兎にも角にも「躾」「しつけ」「シツケ」なのじゃ!

 

お隣の国がいかに「文化レベルが低いか」も分かるでしょう!?

 

ありがとうございました。

 

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2024 / 11 / 18  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第34講:『飛行交通情報:Traffic Advisory;Transponder』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第34講:『飛行交通情報:Traffic Advisory;Transponder』

第34講:『飛行交通情報:Traffic Advisory;Transponder』 

 

レーダーの基本的な原理は電波を放出し、その電波がある物体に反射し、帰って来たその

電波を受信して物体を識別します。

「飛行交通情報:Traffic Advisory」という概念(考え方)があります。

航空機の存在とその位置(方向と距離)を判断するために「航空管制識別レーダー」を

使っています。

空には、多くの飛行機がいますので区別がつかなくなります。

区別をつけるために飛行機には、「トランスポンダー:Transponder」と言う装置が搭載

されています。

「トランスポンダー ;Transponder」 は、TRANSmitter(送信機)とresPONDER(応答機)

からの合成語です。

 

この装置は、ATC(Air Traffic Control:航空管制)からのRadar信号を受信しましたら、

それに反応して情報を含んだ信号を発信します。 

「航空管制識別レーダー」は、その信号を受信して、より詳しい情報を管制官に伝えるよ

うなシステムになっております。

 

パイロットは、飛行直前や飛行中に管制官から指示される4桁の数字を「トランスポンダ

ー:Transponder」にセットします。

各桁0から7までの八進法です。

4096通りの信号を出すことができます。

 

管制官から指示された、飛行前に指示がない場合は1200という数字をセットします。

この4桁の数字をセッティングすることを「SQUAWK;、スクオーク」と言います。

「トランスポンダー:Transponder」が、「航空管制識別レーダー」の信号を受信しますと、

SQUAWKしている信号を返信(返送)します。

その返送された信号を「航空管制識別レーダー」が航空機を区別し、管制官はレーダー・

パネルに表示された飛行機の管制業務を行います。

 

私が飛行するプライベート飛行で有視界飛行時には、離陸直前には管制官は余計な「トラ

ンスポンダー:Transponder」のSQUAWKを指示しません。一般的には、1200をセッ

ティングして飛び立ちます。

飛行場の管制範囲にあれば、「トランスポンダー:Transponder」は1200のままでいい

のですが、管制エリアから飛び出す時には、管制官から4桁の数字をSQUAWKしなさい

と指令されます。

 

こんな感じでATC(Air Traffic Control:航空管制)を管制官とのやりとりをします。

 

管制官;  Cessna JA1223, Squawk 5221 and Ident

パイロット;Squawk 5221, and Ident

管制官;  Cessna JA1223, Radar Contact, 5 miles Southeast of Fukushima at 2500ft

 

Identというのは、トランスポンダー装置のにある「Ident」ボタンを押しなさい!って

いう意味です。

管制レーダーのスクリーン上で特別点滅するとか、大きな音などが鳴って変化があるわけ

ではないのですが、飛行機の形が少し変化するのだそうです。

これだけで、管制官は指示に従ったなぁ!ってことが分かるそうです。

 

管制官;  Cessna JA1223, Radar Contact

と返答してくると「ちゃんとやったね!Radarスクリーン上で確認したよ!」という意味

ですね!?

その後、管制官は5 miles Southeast of Fukushima at 2500ftって話しているのは、レーダー

所上であなたの飛行機は、福島空港の南西5マイル、高度2500ftにいますね!

てなことを教えてくれます。

 

「トランスポンダー:Transponder」をセッティングして、管制官とのSQUAWKが確立し

たことが確認できます。

管制官からの位置情報が違っている場合は、飛行機の高度規正や方位計が間違っている

か? 

別になにか問題があることが発見できます。

 

パイロットは、ここから管制官に対して、ReaderVectorと言って、Radar上に他の航空機

がいれば教えてくれたり、コースの確認をしてくれたりします。

 

ある目的地に向かって飛んでいますと、いままでの管制空域から離れる位置に来ましたら、

次の管制空域の管制官に連絡するよう指示をされます。

このことを「Hand-off」と言います。

一応、規定はそうなのですが、多くの場合は事前に管制官同士が情報を伝えておいてくれ

るので、次の管制空域にきたころパイロットから周波数を変更し、次の管制空域管制官に

自機の位置と高度を伝えるぐらいでOKです。

 

特殊なSquawk Code(「トランスポンダー:Transponder」の数値)があります。

 

1200 普通の私などが有視界飛行(VFR:Visual Flight Rules)の状態では、このコー

ドで飛びます。

 

7700 緊急事態が発生したら、このコードを「トランスポンダー:Transponder」に

セッティングします。

先日封切りされました「ハドソン川の奇跡」の映画でも、コックピットで「メーデー、

メーデー」と緊急事態発生の宣言をした後、トランスポンダを「7700」にセットしま

っしたね!?

そうしますと、空港、港で共用する無線全部に非常警報音が傍受されます。

無線周波数も、121.5メガヘルツに設定すれば、全世界の船舶、飛行機にパイロット

との交信をすることができます。

基本的には、受け手は傍受し続け、最優先権のある管制官や緊急出動隊が指示や状況質問

をパイロットと行い、適切な措置が講じられます。

 

聞くところによりますと、このコードをセットした途端に管制官室の非常ベルが鳴り続け

るそうです! 

というより、「トランスポンダー:Transponder」コードの頭が「7」の場合には非常事態

になった意味があり、このコードを傍受できるATC施設では同様に非常ベルが鳴るのだ

そうです(^^;

 

7600は無線機が故障してしまい、「トランスポンダー:Transponder」が生きている

ときセッティングすべきコードです。

管制塔がある飛行場に着陸するときには、管制塔の指示がライトに変わります。

ところが普通、こんなことになるような状況って少ないので、ライトのシグナルが分から

ず、余計に焦ってしまいます。

 

私はGUAMでの訓練中、米国教官がおもしろがって飛行前に、無線機の細工をし、なお

かつ管制官に電話でこんなことするから・・・よろしくね!って頼んでおいたのです。

 

飛行場のトラフィック・パターン(Airfield Traffic Pattern;常周経路)で、無線すること

ができなくなりました。

トラフィック・パターンというのは、空港などの滑走路を目視で離着陸する飛行機が決め

られたコースを飛行する経路のことです。

あのときは・・・焦りましたねぇ~(^^;

いろいろ無線装置をいじくっても、うんともすんとも聞こえない(自分の声も、管制官の

声も、教官の声も・・・)(^^;

教官はニコニコしています。

まもなく管制塔に連絡をして、飛行場にタッチ&ゴー(Touch&Go;着陸設置したら

すぐに飛び立つ)のIntention(要求)を入れなければならないのに・・・(^^;

まずは落ち着かなければと「Make Right 360」;右旋回360度をダウンウィンドでしました。

これで2分間時間が稼げます。

でも無線機は、なんの役にも立ちません(^^;

ついにニコニコ顔の教官が、「トランスポンダー:Transponder」を指差しました。

「ハハァ~ん! そうかぁ、7600かぁ!」

「トランスポンダー:Transponder」を7600のセッティングしたら、こんどは教官が

管制塔の方を指差すのです。

管制塔は見ましたが、・・・いつも通りです!(^^;

もう一度、時間稼ぎしようと思ったら、教官が自身と私のヘッドセットを外し、大声で「管

制官が着陸してもいいよって言ってるよ!」と言うのです。

まぁ~、教官の言うことに従った方がいいので、通常通りの操作手順でベースからファイ

ナルに入りました。

ファイナルに入って、教官がまた管制塔を指差しましたら、なにか光るシグナルが見えま

した。

ライトガンというピストル型の高輝度ライトで指示を送っているのが分かりましたが、

管制官からの指示している意味が分かりません(^^;

「まぁ~ええかぁ~!」

の気分で、いつもの滑走路にタッチ&ゴー(Touch&Go)しました。

エアーボーン(離陸直後)して、教官が無線機のどこかをコチョコチョしたら、無線が

使えるようになりました。

帰還後は、管制塔のライト・シグナル(ライトでの合図)を再勉強するように言われました。

「トランスポンダー:Transponder」を7600にした途端、管制官には無線ができないこ

とを知らせた訳です。

無線機が故障したら、管制官との交信や遠くを飛んでいたら他の飛行機衝突の恐れもあり

ますから、「トランスポンダー:Transponder」を7600にします。

管制官は、すべての飛行機に無線機が故障している飛行機のあることと位置・高度を教え

衝突防止を図ります。

 

「トランスポンダー:Transponder」の送信情報で位置情報(位置・高度)が分かるのです!

 

テレビや映画でもご存じのハイジャックが発生したら、7500に「トランスポンダー:

Transponder」をセッティングすることが決まっています。

でもハイジャック犯が「トランスポンダー:Transponder」のことを知っていたら(9・11

犯人のように・・・)、どうするのかなぁ?(^^;

 

 

というわけで、今回は「トランスポンダー:Transponder」のお話をしましたが、広域で

仕事をするビジネス・リーダーが、今、どこで何をしているのか? 分かることは組織

統制上、非常に重要です!

 

特にビジネス・トップは、いかなるとこに居ようとも、非常時に連絡ができる仕組みを

組織では構築すべきです。

ビジネス・リーダーは「トップが転けたら、皆転ける!」「社長の健康=企業の健康」を

しっかりと自覚することを言明します。

 

ある社長が、国産の高級乗用車を購入したのです。

この車には、オーナーズ・デスクという特別サービスが付帯しております。

購入の際に、誓約書にサインをすると万が一、車が事故・故障して立ち往生したり、具合

が悪くなったり、盗難にあったら、GPSで車のあり場所が分かり、その対応ができる

仕組みなのです。

最初は、なにげに契約書を読みもせず、サインをしたのだそうです。

その契約書に緊急事態が発生したら、連絡を入れるべき電話番号が優先順位に記載する

欄があります。

あるとき、そのオーナーズ・デスクから、彼の携帯電話のベルが鳴りました。

出ましたら・・・、「警備会社からの連絡があって、いま彼の車のリアシート・ガラスが

10cmほど空いていたので、その処置をした」との報告があったのです。

これで一安心です!

 

これもGPSを使った「トランスポンダー:Transponder」のような情報システムです。

彼曰く、「これ・・・やばいところにいたらまずいよなぁ~(^^;」

 

何をいっているのですか!

先端技術を先取りして、組織全体で、ビジネス・リーダーも含めて従業員全員の安否確認

がリアルタイム(即座)にできることは、非常に重要なことなのです。

もちろん、不正防止にも位置情報システムは有用です!

 

いまでは、GPS機能を搭載した端末から情報を取得することで、所持者の位置情報を

管理するシステムが完成されています。

本部センターで一元的に、人、車両、船舶などの現在位置をリアルタイムに地図上で確認

できます。

リアルタイムな状況把握により、急な作業依頼を行う際も、迅速で効率的な指示を出す

ことが可能となります。

音声メッセージや文字メッセージを送信することもできます。それによって柔軟な運行業

務の管理を実現し、ビジネスに有効活用できます。

またGPS機能を搭載したスマートフォンを利用することにより、専用の機器を導入する

ことなく利用することもできるようになってきました。

 

この位置情報システムは、実は軍用技術から発達してゆきました。

もちろん、それ以外に航海、航空での位置情報システムの有用性とGPSシステムの技術

発展により、どんどん良くなっておりますね!?

 

ビジネス現場で、有効な利活用をすることで競争有利な条件づくりにつなげ、経営資源の

効率化、生産性向上を実現する道具として、ぜひ検討されることをお勧めします。

 

 

ありがとうございました。

 

いわき経営コンサルタント事務所の詳細は、

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2025.06.19 Thursday