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2024 / 11 / 11  08:30

パイロット・コンサルの経営いろは考;第33講:『ピトー静圧系統(Pitot Static Instruments)』

パイロット・コンサルの経営いろは考;第33回:『速度計(Airspeed Indicator )の表示』

第33講:『ピトー静圧系統(Pitot Static Instruments)』

 

前回、『速度計:Airspeed Indicator)』についてお話しましたが、飛行機では「対気速度:Air 

Speed」であるって書きました。・・・で、「対気速度(Air Speed)」ってなにぃ・・・?

てな疑問を抱かれたのではないでしょうか?

 

まずは知ったかぶりのちょっと難しいお話ですが・・・、飛行機の世界では、対気速度に

も様々な表示方法があります。

「TAS(True Air Speed):真速度」「CAS(Calibrated Air Speed):速度計に表示される速度)」

「EAS(Equivalent Air Speed:海面上での速度に換算したもの)」「IAS(Indicated Air Speed)

:CASで目盛られているのに自分が読む速度(^^♪」「GS(Ground Speed:対地速度)」と

これは嫌がらせに近い訓練生泣かせの専門用語です!

 

飛行機は大気(空気)の中を飛んでいます。

大気がそこにあれば、そこから向こうの大気に行くまでに掛かる時間が存在しますから、

その間には速度(スピード)が計測されます。

大気との相対速度のことを「対気速度:Air Speed」と呼びます。

ある飛行場から、目的の飛行場までに掛かる時間を計測するためには対地速度が必要です

が、飛行機の垂直(鉛直とも言いますがが)下の地面での対地速度を計るのは車輪がつい

ていないので難しいのです!

もちろん、「対気速度(Air Speed)」から「対地速度:Grand Speed」への換算方法はあり

ます。

 

GPSのない時代から飛行機は飛んでいました。

船舶も同様です!

 

飛行機は、風によって流されながら飛びます。船は、海流に流されながら航行します。

パイロットも、船長も、今の速度をどのように知るか?

ここは飛行機の話をしておりますので、飛行機の速度はどのように測るのかをご紹介します。

 

何度も書くようですが、飛行機は空気の中を浮いている乗り物です。

実際の速度や高度を測るのは、非常に困難なのです(^^;

それで航空の世界では、空気・大気を測定し、それを速度や高度に変換しています。 

その計器類を、「ピトー静圧系統:Pitot-Static Instrumentsとか、ただ単にPitot-Static System」

と言います。

 

私が乗る飛行機Cessna 172P Skyhawkは、代表的な世界中で最も飛んでいる軽飛行機

の一つです。

この飛行機に限らず、軽飛行機のほとんどが左主翼の真ん中よりコックピット寄り上部

先端に「ピトー管:Pitotpitot tube」というのが取り付けられています。

エアーラインのジェット旅客機は飛行機の胴体先端部分に何個か付いています。

 

ちょっと表現がえげつな(関西弁)過ぎて、ひんしゅくを買うかも知れませんが、形は

ワンちゃんの発情した時のチンチンのようなものです(^^♪

先っちょはやはり、小さな穴が開いています(^-^)

そのチンチンは真正面を向いています!

真正面に向いたチンチンの先っちょの小さな穴に針金を通しますと、ずっと細い管になっ

て奥まで繋がっています。

空洞管の行き着く先は、鍾乳洞の大きなホール(といってもテニスボールくらいの空洞だ

と想像して下さい!)のようなところです。

そのホールには別のところに抜ける管があり、その管を伝ってゆきますと飛行機の側面の

小さな穴:「静圧孔:Static Port」が終着点となっています。

ここは空気がぶつかる場所ではなくコックピットとほぼ同じ安定した気圧状況にある場所

です。

 

「ピトー管:Pitotpitot tube」から「静圧穴:Static Port」の間に、空洞:「圧力室:Presser 

Chamber」があり、そこから「速度計:Speed Indicator」「垂直速度計:Vertical Speed Indicator」

「高度計:Altimeter」に繋がって、「静圧孔:Static Port」に至っています。

 

口から、胃袋、そして小腸、大腸、直腸から肛門てな感じかなぁ~(^^;

 

口を開けて、トラックの荷台に真正面を向いて立つ想像をしてみて下さい!

トラックがどんどんスピードを上げてゆけば・・・?

口の中に空気がどんどん入ってきます。

その空気が胃袋まで障害物なく繋がっていると考えれば、胃袋は風船のように膨らみそう

ですね!?

それは外圧によるからですね!?

 

その圧力と実際の大気の圧力の差を使って、速度や上昇率や高度を表すように考えた偉い

方が先人先達にいるのです!

科学が発達する過程には、本当に素晴らしい方々が知恵を絞って、たくさんの工夫を重ね

たのですね!

これだけ考えただけでも・・・先人先達に感謝しますよね!

人類は「生成発展」の過程で、数え切れない多くの人たちによって今が作られてきたので

す。

そのための努力をする方々を支援・応援することは文明発展には不可欠なのです。

 

ある女傑と呼ばれる国会議員が、政権与党になって事業仕分けなるものをやるときに責任

者の一人となった時にほざいた言葉が、私は今でも忘れられません。

特に科学分野における事業仕分けは噴飯ものでした(^^;

それはその国会議員がほざく言葉が「余りにも横柄・無知蒙昧」な発言だったからです。

その国会議員は言いました。 

「どうして・・・一番でなければならないんですか?」だって・・・(^^;

結局、次の総選挙で大敗し、いずれ風化してゆくであろう貧弱野党になっちゃった(^^;

 

企業・組織も、「一番志向」こそ成長発展の原動力であることを私は力説します。

二番、三番に甘んじてはなりません!

何でもいいから、その分野で抜きんでる一番にならなきゃ!

 

ビジネス・リーダーなら、「あなたはこの会社・組織に絶対いなくてはならない人物で

す!」って言われなきゃ~!!

御社の最大の強みを知って、それをビジネスに利活用できる能力がビジネス・リーダーの

素養の一つなのです!

 

あれれ・・・話が逸れちゃった(^^;

 

そんでもって、なんでそれで速度が判るの? って、質問されるでしょうねぇ!?

 

またまたくどいですが・・・、「ピトー管:Pitotpitot tube」の入り口から取り入られた

大気は、「速度計:Speed Indicator」「垂直速度計:Vertical Speed Indicator」「高度計:

Altimeter」の「静圧計器:Static Instruments」に供給されています。

 

「ピトー管:Pitotpitot tube」は進行方向に向って取り付けられていますので、真っ直ぐに

空いた穴から空気が飛び込んでくる圧力(空気の衝撃ともいいます。:Impact Pressure)を

取り入れます。

この「ピトー管:Pitotpitot tube」は、「対気速度計:Airspeed Indicator」に繋がっています。

 

空気の飛んでくる飛行機に与える圧力(Impact Pressure)は飛行速度の二乗に比例してい

ます。

これは物理の実験から、きちんと証明され計算式が導き出されています。

この圧力を測定することで飛行機の速度(対気速度)が分ります。

ですから、空気に対しての速度と言う意味で「対気」速度(Airspeed)って言います。

ここでも一応、知ったかぶりでその公式を書いておきます。

 

ピトー管によって測定される圧力(これを全圧といいます)をPt、静圧孔から測定され

る圧力(もちろん静圧といいます)をPs、空気密度を ρ 、対気速度を Vとしますと、

ベルヌーイの定理というのがありまして・・・

 

 Pt=1/2 × ρ×Vの二乗 + Ps

 

なのです。

求める速度Vは、

 V = ルート・・・ホニャララ

なわけですよ(^-^)

 

ここで使った「ベルヌーイの定理」というのは、この「エネルギー保存の法則」を「流体」

に当てはめたものなのです。

皆さんの身近なところでは、水道メーターの原理で流量計測を行なう場合ですね!?

ご存じのように管(配管)に流れる水の流量を計測していますよね!?

ここでは、水道の流速Vがわかれば、その値に水道配管の断面積(Aとします)をかける

ことにより、流量(Qとします)が計算できます。

 

 Q = A x V

 

ですね!

 

さて「流れは圧力を生む!」という言葉は、ベルヌーイの定理を勉強しますと教わるのです!

 

流体では、流れによって力が加わってきます。

例えばホースの水が一番よく理解できますね!?

ホースの口を指で押さえますと水の勢いを強くすることができます。

最近、おしっこの飛びが悪くなった私は、公衆トイレではホースを絞って、なるべく飛ぶ

ように努力します(^^;

自宅ではズボン&パンツを下げて、洋式便器に着座して行うことが藤本家憲法に記載され

ていますので、違憲行動はできません!

山の神が、便器から一滴でもお漏らししていたら爆弾低気圧よりも厳しく怖く叱責します

ので・・・(^^;

 

うんと絞った、水量を全開のホースの先端に手を当てると痛いですよね!?

流れがないプールに入った場合、私たちの体は水からの圧力だけを受けます。

しかし川の場合は、さらに流れによる力が加わってきます。

流れによって体を、物体を、押す力のことを「動圧」と言います。

流れがない状態で受ける圧力のことを「静圧」と言います。

想像していただければ分かりますが、「動圧」というのは、その流速が速いほど大きくな

ります!

先だっての台風で氾濫した川の流れによって、家屋も自動車をも押し流されました(^^;

これほど流体の流れというのは力があるのですね!

 

ここで定義になりますが、「動圧」と「静圧」を合わせたものを「全圧」といいます。

流れのない水の圧力は、「全圧=静圧」なのですが、流れのある水の圧力は「全圧=静圧

+動圧」となります。

 

人工の管で太さが太い部分と細い部分があるとしましょう!

この管の中を水が流れているとします!

このとき太い部分での流速は遅くて、細い部分での流速は早くなります。

 

なぜでしょうか? 

先ほどのホースの例ですが、出口が細くなった管を考えます。

どの管の場合も、入口(元栓の位置)と出口(ホース先端)を、一定時間に通過する水の

量は同じになります。

出口の部分は、絞っていますから通り抜けられる面積が狭くなっています。そのため同じ

流量を流すためには速度が早くないとなりません!

このように考えますと断面積が半分になれば流速は2倍になります。

断面積が1/3の面積になりますと3倍の速度となります!

 

ひとつで繋がった管の中を流れる流体を考えたとき、管の太さに関係なく流体の全圧は

一定になります。

これが「ベルヌーイの定理」です。

流体の持っている力は一定で、「動圧が増えれば静圧が減り」、「静圧が増えれば動圧が

減る」という訳です!

 

「動圧は、その流速が速いほど大きくなる」のですね!

ということは、太さが変わる管内の流体の動圧は太い部分では小さく、細い部分では大き

くなります。

 

「ベルヌーイの定理」によって、太い管での静圧は大きく、細い管の静圧は小さくなります。

となりますと、管の太さに関係なく、ひとつに繋がった管内を流れる流体の全圧(=動圧

+静圧)は一定なのです!

 

大気の衝撃の圧力を測定することで速度が分かるはずなのに、なぜ「静圧孔:Static Port

(大気圧)」も必要なのでしょうか?

そして「速度計:Airspeed Indicator」が「静圧孔:Static Port」につながっている理由は、

大気圧の変化があった場合の変化も考慮しているからです。

もし「ピトー管:Pitot Tube」から入って来る圧力だけを測定してますと、気圧の変化に

対応できなくなります。 

空気は、場所や時間によって気圧が変化します。

一定速度で飛行していても、外の気圧は多少なりとも変化しております。 

ですから、「ピトー管:Pitot Tube」に入ってくる空気自体の圧力も変化します。

一定速度で飛行していても、場所によって空気の衝撃の圧力が変化してしまい、同じ速度

なのに速度が上下して表示されてしまいます。 

 

極端な例ですが、無風の飛行場で駐機している飛行機の速度は0ノットです。 

「静圧孔:Static Port」がない速度計がもしあったら、気圧が変化しますと内部との圧力

差が生じて、止まっているのに速度表示が上下してしまいます。 

また標高が高い空港にいるだけでも、海面とは気圧差がありますので、マイナスの速度を

示すことになります!

 

それらを防止して、少しでも誤差を減らす為にも「速度計:Airspeed Indicator」には、「静

圧孔:Static Port」が必要になります。 高度の高い空港で利用する場合には大きく影響

します。

それに気圧の変化にも対応しています。 

 

実は、飛行機本体や翼の能力というのは実際の速度はどうでも良いことなのです!

飛行機や翼にどれだけの空気が通過するか? どの位、多くの空気の粒が通過するかが、

本当は一番大事なのです!

実際の地面との速度を知りたいのは人間の都合だけなんです(^^;

飛行機にとってはどうでも良い!

 

さてまたまた専門的になってしまいますが、飛行機が上空に行きますと空気が薄くなります。

そのため上空では、同じ飛行性能を得るのに、その分、早く飛行しなければなりません!

でも毎度、毎回、その速度を計算するのは不可能なのです(^^; というよりパイロットが

疲れちゃう(^^; 効率的ではないのです!

飛行機を通過する空気の圧力だけが分れば、性能を保つのは簡単でしょう!?

実際の速度がどうであれ、飛行機にとって必要な空気を提供するには、それと同じだけの

圧力(密度)が必要なのです!

天候や高度で大気圧に変化があっても、その変化した分を自動的に排除する速度計の仕組

みによって、パイロットは計器が指示する速度を見るだけで飛行機の性能を保つことがで

きます。

飛行機の場合、実際の速度は変化しても、圧力が同じであれば良い訳なのです!

 

先ほど、ベルヌーイの定理で表記した数式は、

 全圧 = 動圧 + 静圧

でした。

 

 1)「ピトー管:Pitot Tube」で測定する圧力(全圧:Total Pressure) =

 2)衝撃の圧力(Impact Pressure) + 3)大気自体の圧力(Atmospheric / Ambient Pressure

  外圧)

 

「ピトー管:Pitot Tube」が得る圧力は、衝撃の圧力と大気自体の圧力の合計なのです!

   1) = 2) + 3)

 

もし外圧である大気圧自体の圧力3)が下がりますと、速度が一定でも1)の数値が下がります。

そうしますと、3)の下がった外気圧分を補正しなければ1)の衝撃の圧力が下がったと読む

ので速度が下がって表示されます。  

 

実は「速度計:Air Speed」は、実際の速度を測っていませんので、大気の状態によって

表示も変わってきます!

 

なんと・・・気温が高くなった時にも!

気温が高くなると言うことは空気密度が低くなります。 

空気密度が低くなりますと空気の衝撃が小さくなり空気抵抗が減少しますので、速度は

速くなります。 

でも飛行機に対する衝撃は、飛行機を加速することによって一定が保たれますので、表示

速度は同じままなのです!

気温が高くなりますと表示が一定であっても、実際の速度は早くなっています\(^o^)/

 

そうは言っても・・・飛行機の速度や飛行場から飛行場までの所要時間はどうすりゃ計算

できるの?って思いますよね!?

 

そのために今度は、「対地速度:Grand Speed」が必要になります。

これは考えようによっては簡単です!

「対地速度:Grand Speed」を基準にして向かい風を飛行したなら、「対気速度:Air Speed」

は、「対地速度:Grand Speed」より速くなります。

 対気速度 = 風速 + 対地速度

 

「対地速度:Grand Speed」を基準にして追い風で飛行したなら、「対気速度:Air Speed」

「対地速度:Grand Speed」より遅くなります。

 対気速度 = 対地速度 + 風速

 

逆に、「対気速度:Air Speed」を基準にして向かい風で飛行した場合、「対地速度:Grand 

Speed」は「対気速度:Air Speed」より遅くなります。

 対地速度 = 対気速度 - 風速

 

「対気速度:Air Speed」を基準にして追い風で飛行した場合、「対地速度:Grand Speed」

は「対気速度:Air Speed」より早くなります!

 対地速度 = 対気速度 + 風速

 

 一般の人たち、自動車などを運転する感覚ですと、速度は地面に対する速度(対地速度)

ですが、航空関係者の速度に対する感覚は、空気に対する速度(対気速度)なのです!

飛行機の速度を表す時は、圧倒的に「対気速度:Air Speed」で話すをします。

 

重要な理由は、空気の流れる速度というのは「揚力」の発生する重要なファクターになる

からなのです!

 

長々と・・・、詰まらない話(パイロットになるにはこの理屈を理解し、試験官に口頭試

問で的確に答えることができなければ不合格になっちゃうのです!)を書きましたが、

構造的なところに戻りますと、

「ピトー管:Pitot Tube」と「静圧孔:Static Port」の穴は小さな点くらいなのですが、

非常に大事な穴です!

 

飛行前点検でも重要な点検項目になっています。

目視で、「ピトー管:Pitot Tube」も「静圧孔:Static Port」も詰まりがないかどうかを確実

にチェックしなければなりません!

このどちらかが詰まりますと、3つの計器、速度計(Speed Indicator)、垂直速度計(Vertical 

Speed Indicator)、高度計(Altimeter)に大きな支障が発生します!

 

この穴にゴミが入ったり、虫が卵を産んだり、また上空で寒くなって氷が穴を塞いだりし

ます。

飛行場では、問題なかった「ピトー管:Pitot Tube」「静圧孔:Static Port」も、上空でアイ

シングを起こします。

「ピトー管:Pitot Tube」の内部には、ヒーターが組み込まれており、計器類が異常を

示したら、すぐさま「ピトー・ヒーター:Pitot Heater」のスイッチをいれます。

「静圧孔:Static Port」はカウリングというエンジンが暖めているコックピット近くある

エンジンカバー(車であればボンネット)によって、余程でないとアイシングはお越しま

せん!

 

それでも「静圧孔:Static Port」がアイシングを起こしたり、何かで詰まったら、それを

回避するために飛行機には予備の空気穴が機内に準備されています。

これを「代替静圧孔:Alternate Static Port」と言います。 

緊急用なので通常は使いません!

 

 

いよいよ、ビジネス・リーダーへの教訓なのですが、途中でも少し入れましたから、手抜

きでごめんなさい!

 

「蟻の一穴、天下破れ」ということわざをご存じですね!?

国家も組織も、ほんの些細なことから大事が起こる!

ちょっとしたことが原因で、大変な事態に遭遇するという意味ですよね!?

 

「砂上の楼閣」ということわざもご存じですよね!?

一見すると立派なように見えるが、基礎がもろくて長く維持できないもののたとえですよね!?

 

今回は、「ピトー管:Pitot Tube」と「速度計(Airspeed Indicator )」についてお話しました

が、小さな穴がふさがれているだけで、飛行機は重大な計器誤動作が起こることを本当は

書こうとしましたが・・・理屈編で終わっちゃいました(^^;

 

ビジネス・リーダーは、兎にも角にも「勇気」と「度胸」が必要十分条件です!(^-^)

だから、「中途半端に頭のいい臆病者」はビジネス・リーダーになっちゃイカンのです(^^;

なのに・・・「些細なことに注意せよ!」「基礎が大事」というようなことわざをなぜ

出すの?

 

たとえば、ロッククライミングを考えて下さい!

読者には、実際にロッククライミングをなさる方もいるかと思います。

 

私の知るクライマーは、とにかく周知な準備と訓練をします。

それをもとに、「勇気」と「度胸」でチャレンジするから・・・無事に登頂できます。

あらゆる分野のプロフェッショナルってそうなのです!

 

にわか仕立てで、「やりゃ~何とかなる!」でやるのを阿呆と言います(^^;

 

飛行機や船の世界に足を置く人たちも、見かけはさらっとやっておりますが、細かいと

ころまでチェック・チェックで出発・進行します!

フライト前チェックというのも同様で、ただ見せかけでチェックをすることは厳禁です!

理屈を知って、どうなっていれば大丈夫なのか?

おかしければ、再チェックのための手法とその理由も理論で知っておかねばなりません!

 

ビジネス・リーダーもまったく同様に、ご自身の専門分野において熟知しておかねばなら

ないことが五万とあるのです! それを妥協の繰り返しでやっている者は本物ではありま

せん!

 

私がご縁をいただく企業では、嫌がられるくらい質問をします。

スーパーマーケットでの話ですが・・・

「なぜ、牛肉と豚肉と鶏肉の色が違うの?」

「回遊魚と川魚の身の色が違うのは?」

「ほうれん草の根っこの付け根はなぜ赤いの?」

「牛乳もお母さんのおっぱいもなぜ白いの?」

 

ですから飛行機の世界でも、「なぜあんなデカイ、重たいモノが空を飛ぶの?」って疑問

が分かるようにならないと本当は怖くて、飛ばせられないのです!

 

なぜ? 何故?問答を1つの事柄に対して7回以上は何故?を落とし込んでみましょう!

ありがとうございました。

 

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2024 / 11 / 04  08:30

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第32講:『速度計(Airspeed Indicator )の表示』

パイロット・コンサルの経営いろは考;第32回:『なぜ気圧は変化する?』

第32回:『速度計(Airspeed Indicator )の表示』 

飛行機には、速度を表示する速度計(Airspeed Indicator;対気速度計)と言うのがコック

ピットにあります。 

速度計なのですが、なぜ「Airspeed」と言うのか・・・?

 

飛行機は空気(Air)に浮いているものですから、空気に対しての速度しか判りません(^^;

そのため、航空業界においては「Airspeed:対気速度」が中心に使われています。 

地面に対する速度(対地速度;Ground speed)は、「対気速度:Airspeed」から計算します。

 

最近では、グラスコクピットと呼ばれるコンピューター表示が増えてきていますので、

GPSでの対気速度や対地速度は自動計算されています。

しかしグラスコクピットは電気に頼っていますので、電気が通電できなかったらという

リスクをヘッジするために、必ずどこかに

 1)速度計 

 2)ターンコーディネーター(傾斜計) 

 3)気圧高度計 

 4)姿勢指示器 

 5)定針儀(DG) 

 6)昇降計

は設置されています。

飛行機の世界では、アナログ計器はやはり、信頼性が上なのです(^0^)

 

「対気速度:Airspeed Indicator」には色分けがされています。

これはどの飛行機にもまったく同様の色分けがあります。

ですから、もし急に何かの事情で、乗ったことのない飛行機を操縦しなければならない

ことになったら、最低限「対気速度:Airspeed Indicator」には色分けによって、巡航飛行、

着陸はなんとかできる可能性があります。

 

速度を読むのは自動車と同じです。ぜんぜん難しくありません!

針が示す速度を読めばいいのです。

ただ単位が自動車の場合には、日本ではKm/hですが飛行機はKnot/hです。

ノット・マイルと読みます。

 

ノット(knot, 記号 kn,kt)は速さの単位です。

1時間に1海里進む速さです。

海里(かいり)は英語でノーティカル・マイル(nautical mile)です。これは長さの単位

で、「Sea mile」と言われることもあります。

 

長さは国際海里の場合、正確に1852 mです。

実は、地球上の緯度1分に相当する長さなのです!

もともとは船舶関係の用語です。海面上の長さや航海・航空距離などを表すのに便利で

あるために現在でも使われてます。

飛行機のことを「Air Ship」と読んでいるのも、船が空を飛んでいるからなのです(^0^)

 

飛行機の場合、「Airspeed Indicator:対気速度計」は、パイロットに分りやすくなっており、

4つの色で表示されています。 

通常「Range」と呼んでいます。

 

1)緑:Green Normal Operating Range

 これは通常に飛行できる速度です。

 ちょっとぐらいの乱気流でも飛行出来る範囲です。

 

2)白:Flap Operating Range

 フラップ(Flap)を使用する場合に飛行が可能な範囲です。

 「フラップ(Flap)」というのは、後日、詳しく書かせていただきますが、飛行機を

 低速にしたときでも揚力を落とさないために主翼の面積を広げる補助翼です。

 

3)黄:Caution Range

 飛行してもいいのですが、速度が速いので注意が必要です!

 特に乱気流がある所では、この速度は非常に危険です!

 

4)赤:Never Exceed Speed 

 絶対に超えてはならない速度です! 

 それ以上の即を出しますと、正面から飛行機に当たる空気の圧力が強すぎて、構造上に

 問題を起すか? 最悪、空中分解の危険性があります。

 

上記の色分けされた「Range」の中でも、重要な速度ポイントがあり、それを「V-Speeds」

と呼んでいます。

 

1)緑色部分にあるV-Speed

 最低速度にあたる部分がVS1と言われる速度です。

 フラップを下げていない(上げている;使っていない)状態では(Flap Up, Power Off,

  Level Flight, Maximum Weight状態)、失速を起す速度なのです!

 すなわち、その速度以下では飛べないということです。

 難しく言いますと「Flap Up Stalling Speed」とも言います。

 この速度になる少し前から、「ストール(失速)警報器」がなり始めます。

 それでも速度を回復しませんと、スコンと機首が前のめりになってから、操縦不能に

 陥ります。

 高度が十分にあれば、前のめりになった飛行機が速度を出し始め、そこから回復操作を

 適切にすると飛行機はあっぱれ、元の飛行状態に戻ります(^0^)

 でも、But、しかし、VS1以下で無理に飛行機をなんとかさせようともがくとスピン

 したり、おかしくなって、ほぼ間違いなく墜落します!(^^;

 

 緑色部分の速度が最速の部分をVNOと呼びます。

 乱気流に出会っても、この速度なら飛行を行っても良い上限速度のことです。

 黄色レンジの始まりでもあります。

 

2)白色部分のV-Speed

 最低の部分がVS0と言われる速度です。

 こんどは、フラップを上げている(使っている)状態でも(Flap Down , Power Off, Level 

 Flight, Maximum Weight)で失速を起してしまう速度のことです。

 着陸の時にフラップを全開していて、この速度以下になりますとおそらく地面に飛行機

 が叩きつけられるでしょう!(^^;

 

 白色レンジで最速の部分は、VFEと呼ばれる部分です。

 フラップ(Flap)を下げて飛行を行っても良い最高上限の速度のことです。 

 

 この速度以上でフラップ(Flap)を下げたりしますと、日本のクソッタレ教官は「この

 馬鹿野郎!飛行機が木っ端みじんになるじゃぁ~ねぇか!」って怒鳴散らす速度です。

 米国の教官ですと、即座にフラップを元に戻して・・・優しく「このそスピードでは、

 飛行機に無理が生じて、フラップや主翼が壊れる可能性があります。戻ったら、再度、

 マニュアルを読んで勉強して下さい!」です。

 

 実は後日、フラップのことを書くと言いましたが、とにかく、フラップを下ろしますと

 急に飛行機が持ち上がります。この風圧は凄まじく注意が必要なのです!

 ですから、VFEと書かれる理由は「Maximum flaps-extended speed」だからなのです!

 

3)黄色部分のV-Speed

 黄色の最低速度の部分がVNOと言われる速度で緑のレンジが終る部分でもあります。

 英語では「Maximum structural cruising speed」と言います。

 乱気流に出会って、飛行機が乱気流に影響されスピードが急に上がることがあります。

 そのとき、この黄色レンジに飛行機の速度があれば、なんとか大丈夫かなぁ~っていう

 速度です(^^;

 

 黄色のレンジの最速部分は、VNEと呼ばれる部分で、どんな条件でも絶対に超えては

 行けない速度なのです。

 「Never Extended  Speed」のことです。

 

 ここを超えますと赤いレンジに入ります。

 

4)赤いラインの部分

 VNE(Never Extended  Speed)と呼ばれる速度です。

 繰り返しますが、絶対に(Never)超えては行けない速度です。

 越えた瞬間に航空機製造会社の責任分界点を超え、航空機の安全性の保障が無くなりま

 す。

 落っこちてからだったら、誰にも判らないんじゃ~ないの?と思われるかも知れません

 が、対気空気の圧力が強過ぎるため、飛行機の計器や機体のどこかにその証拠(ダメー

 ジ)が確実に残っております!

 

 とこのように、飛行機を操縦する時には、速度(スピード)の出し過ぎだけではなく、

 遅過ぎも危険であることを示す「対気速度:Airspeed Indicator」には、色分け、マーク

 がついております。

 

 

さてビジネス・リーダーへの教訓です。

 

御社・貴組織でも、何かをするときに現況が適正状況にあるのかどうかを常時監視できる

バロメターがありますか?

 

また何かを始めるときに、「まだ早い!」とか「もう間もなくタイミングを逸するよ!」

と言うような経営数値、販売数値、状況数値がチェックリストのように判断できるように

なっておりますか?

 

これを適時に行い活用するために経営では「管理会計制度」があります。

これは会計士や会計・経理の専門家に作ってもらうものではありません。

御社の適正数値、異常数値(上限・加減)、ばらつきなどを経験則、同業他社比較できる

ものに加工されていなければなりません。

 

その数値は、販売数字と労働生産性数値が最優先されなければなりません。

結果数字だけでなく、予算・予測・見積数値を計算可能でなければなりません!

 

ところが、「そうだ! その通りだ!」って叫ぶのですが・・・できない(^^;

なぜか?・・・タイムカードをしっかり押していない! 勤務時間が曖昧模糊されてい

る。

最悪は「反故」される・・・(^^;

 

「まだ早い!」とか「もう、まもなくタイミングを逸するよ!」と書きましたが、売上移

動平均法によって、視認できる時系列グラフがあれば、「有頂天になってる!」「そろそ

ろ手抜きをしちゃダメだ!」「なんとか手を打ったことが功を奏する時期に来た!」など

が判るのですね!?

 

移動平均グラフは、米国のチャート分析家J・E・グランビルが統計学の移動平均法を

株価動向の基調測定に導入し、200日移動平均線を紹介しました。日本には昭和30年

代後半に伝わり普及第一歩とされています。

現在では株価の方向感をつかむ最も基本的なトレンド系投資指標として広く知れ渡ってい

ますが、経営の趨勢を判断するグラフとして非常に有用なグラフです。

 

労働生産性を議論するのに、「人時生産性」を最優先することも私は推奨しております。

できれば毎週の人時生産性を時系列にグラフ化したり、基準値を設けて、それに対しての

プラス・マイナス乖離を知ることで、スタッフ、従業員の生産度が発見できますね!?

 

小売業やサービス業など商売をなされている企業なら分子は粗利益高で最適です。

製造業などは、分子を生産量、製造量、行為回数などでOKですね!?

とにかく、分母を総労働人事にすることです。

※これは速度が、分子に距離、分母に時間を入れるのと同じですね!

 

人時生産性に、最低生産性、適正生産性、上限生産性を基準値にし、ゾーン、レンジを

設定すれば、組織のあり方、組織編成、スタッフ・従業員能力の判定基準にもつなげるこ

とができますね!?

 

さて人時生産性の概念をわかりやすく説明してみましょう!

少し、計数を使いますが算数程度です!

 

1)年間人件費って?

 12ヶ月×月額給与+年間総賞与(夏賞与、冬賞与、決算賞与)+退職金年間引当額

 +福利厚生費+(採用費+教育訓練費)

 

2)この計算式を平均給与をK円/月で表現します。

 =12×K + 4×K + 2×K + 1×K + 1×K =18~20×K

 

 ・賞与は年間、給与の4ヶ月分

 ・退職金引当金は、長期に働いてくれた従業員への慰労退職金を積み立てておく

  考えです!年間給与の2ヶ月分は蓄積しておかねば・・・

 ・福利厚生費、採用・教育訓練費もそれぞれ給与の1ヶ月分は必要です!

 

3)だから1ヶ月分の人件費は、

 (18ヶ月~20ヶ月×K)÷12ヶ月 = 1.5×給与

 

 ※給与20万円支給する人の人件費は30万円です! 50万円支給する人の人件費は

  75万円です! ですから、パートさん、アルバイトさんだって時給1000円の

  人の人件費は1500円です!

 

4)労働分配率というのがあります。粗利益高に占める人件費の割合です!

 適正は33%、すなわち粗利益高3対人件費1の割合です。

 でも33%はエクセレント・カンパニーの数字と考えますと40%以下にはしたい

 ですね!?

 労働分配率を式で表しますと、

  労働分配率 = 人件費 ÷ 粗利益高

 です!

 

 ですから、上記人件費1.5×給与と標準労働分配率から、

  必要粗利益高 = (1.6×給与)÷40% =4.0×給与

  ※1.5×給与を、1.6×給与にしたのはおかしい?・・・さっき、18ケ月~

  20ケ月×給与を12ヶ月で割るときおまけしましたので・・・計算しやすいように

    1.6にさせてもらいました(^^♪)

 

5)さて1年間を考えましょう!

 1年                = 365日

 完全週休二日制労働 52週間×2日 = 104日

 年次有給休暇・特別休暇取得     =  11日

 よって、年間就労日数        =  250日

 

6)一日8時間、1週間40時間労働ですから、

 年間総労働時間(人時)は、250日×8時間 = 2000時間

 

7)平均給与って、新入社員から部長クラスの人たちの給与平均値です!

 ここでは平均給与25万円で手を打ちましょう!

 そうしたら、年間必要獲得粗利益高は、

    12ヶ月×(4×25万円) = 1200万円です! 

 

8)ですから、あるべき人時生産性は、

 人時生産性 = 年間必要粗利益高 ÷ 年間総労働時間

              = 1200万円 ÷ 2000時間 = 6000円/人時

              

いかがですか?

御社では、一人1時間当たり管理部・直接利益創造部門ひっくるめて6000円の粗利益

高を稼いでいますか?

売上高じゃぁ~ないですよ!

 

この人時生産性が高くなればなるほど・・・支払い賃金、賞与を増やすことができるのです! 

給与を上げたから、生産性が高くなるのではないですよ!

 

ダメなビジネス・リーダーは、「気を使って、金使わない」のです!

違うのです!

「気は使うな! 金使え!」なのです。

 

そのためには、部下を「コキ使う」のです(^^♪

 

なんとまぁ~ひどい・・・!

いいや!

定義します。

「コキ使う」とは、「価値ある仕事をいっぱい与えること」です。

ビジネス・リーダーは、だから「価値ある仕事」を探し、見つけ、作るのが仕事なのです!

 

ハイ!(^^♪

 

ありがとうございました。

 

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2024.11.13 Wednesday