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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第14講;『傾向Tendencyその1』:P-Factor(プロペラ・ファクター)
第14講;『傾向Tendencyその1』:P-Factor(プロペラ・ファクター)
先週は、とある企業の経営診断報告書の作成で悪戦苦闘しておりました。
病院の健康診断と診断書は簡単ですよね!?
コンサルタントにとっての経営診断とその後に必要不可欠な経営診断報告・勧告・指導書作成というのは大変なのです(^^;
ハッキリ言って・・・割に合わない(^^;
そんな愚痴をこぼしながら、パイロット・コンサルの経営いろは考に着手(^^;
離陸中や上昇中に飛行機が勝手に左へ旋回をしようとする傾向のことを「Left Turning Tendency」と言います。
私たちの生活場面やビジネス場面でも『傾向』ってあるでしょう?
こちらは飛行機の航空力学でのお話になりますので・・・余りにも難しいと感じたら、飛ばし読みか? 最後の方までトラップ(飛ぶ)されてもOKです(^^)
左へ旋回をしようとする傾向(Left Turning Tendency)には、4つの理由があります。
これらの4つの理由はすべて、回転するプロペラによって発生します。
エンジン高出力の時(プロペラが最高回転状態に近い)に強く発生します。
特に飛行機が低速状態では翼の勢いが少ないので、余計顕著に影響が出ます。
ですから・・・、飛行機というのは低速状態が危険なのです。
実は、離陸というのは飛行機が低速状態から浮き上がる状態です。
また巡航飛行から、上昇しようとしますと飛行機の揚力を作るため機首を上げます。
その時、飛行機はスピードが落ちてきます。力学的には、スピードのエネルギーが揚力に変換されます。
どちらも・・・、エンジンは全開状態です。
まず「プロペラ・ファクター(P-Factor)」と呼ばれる力が発生します。
本当は実物を写真でお見せしながら説明しなければ上手くご理解できないかも知れません(^^;
その理屈を米国の飛行機専門分野のYou-tubeで動画説明されています。もちろん英語ですが、理屈が判るのでご覧下さい!
1) https://www.youtube.com/watch?v=TYn1GrvtPXU
2) https://www.youtube.com/watch?v=Zf7-nSMLnMo
飛行機の機首が通常の水平状態よりも上向きになった場合、プロペラに当たる風の向きが変わります。
そのため、左右のプロペラに出来る相対風(Relative Wind)の向きがちょっと変わります。
角度の差は小さいのですが高速で回転しているため、その作用が大きく出ます。
右側の下がるプロペラ(Ascending Propeller)には風が下から来る様になるので、推力が増えます。しかし、左側のプロペラは上の方から風が来る様になるので、まぁ~上から押されると想像していただくと推力が減ります。
右側が強く、左側が弱くなるので機首が左に曲がろうとします。
これを「P-Factor」と言います。
この「P-Factor」が生まれると、右側のプロペラがより多くの推力(前に進もうとする)を発生させますので飛行機は左に行こうとします。
エンジンの出力が高い(高出力)時は、全体の推力発生も大きくなります。
自動車ではこんなことは起こりません。ですから、アクセルと同様の飛行機のエンジン・パワーの操作だけで飛行機はどこかに動こうとするのです。
特に機首の上向く角度が大きい時ほど、この現象が大きくなります。
飛行機の専門用語では、Pitchが高くなると強くなるといいます。
そしてまた機首が高いと(上向く角度)、自然と飛行機自体が低速にもなるので、翼や操縦桿、尾翼の作用も小さくなって「P-Factor」がより大きく感じられます。
ここからは、飛行機の勉強をされている方々向けの書き方になりますが、
「High Angle of Attack」=「機首が高い」=「左右の差が大きくなる」=「 P-Factorが強い」
別の書き方をしますと、
「High Pitch」 + 「Slow Airspeed」 +「 High Power」 で「P-Factor」が強くなる。
飛行機は離陸上昇中に機首を上げすぎますと・・・左に強く曲げられ、放っておくと左旋回しながら傾きはじめ、失速することがあります。
飛行機を操縦しますと、この「P-Factor」は簡単に感じます。
ちょっと機首を上に上げてやると直ぐに感じます。飛行機は直ぐに左に行こうとします。
そのため、機首上げをした時は右のペダルを踏むという訓練をします。
実は、余裕ができてきますと上昇のために機首上げしますとこの「P-Factor」の作用によって計器(Turn Coordinator:旋回釣合計、旋回傾斜計)にあるボールが右側に流れのを見ることができます。
それを修正するために、米国の教官は優しく”Right Rudder"と言ってくれます。
日本のクソッタレ教官は、偉そうに「ホラッ!右ラダーだよ!」と怒鳴ります。
また米国の教官は、
「操縦のコツですね・・・前をよく見て、機首の上げ下げが有っても飛行機の向きが変わらない様にすることなんです。一番良い方法はは、落ち着いて風景を見ながら、風景が左右に移動しなければ計器を見なくてもボールは真っ直ぐとなってます。前を見ても分らない時は、貴方のお尻に掛かる力が左右同じであればピッタリなんですよ(^^)」
と優しいのです。
日本のクソッタレ教官だと、
「ホラァッ! 曲がってっだろう! 水平線が動いてんだろう! ケツで感じろ!」
でも・・・、晴天下の上昇中には水平線・地平線って見えません(^^;
米国の教官でしたら、もう一つのコツどころを教えてくれます。
フロントガラスの向こうではなく、左右の窓から見える水平線、地平線と飛行機の主翼との位置関係で風景が左に動いていないか判る方法をを教えてくれます。
だんだん計器を見るより、風景を見る癖を付ける方がはるか早く、「P-Factor」や他の「Left Turning Tendecy」に対応できるようになります。
さて今回のビジネス・リーダーへの、飛行機の理論からの教訓です!
飛行機は上昇中に左に回ろうとする傾向があるのです。
4つあるその一つが「P-Factor」なのです。
企業・組織の上昇中というのは、成長・発展中、売上げ上昇中のことですね!?
企業は特に、売上高が上がってきますと何が発生するかといいますと、多くの組織でのやるべき事の量(作業量)が増えます。
今までの人員で、その作業量をこなそうとしますから、間違いなく負荷が掛かるわけです。
そのことを知らないでぬか喜びするビジネス・リーダーも意外と多いのです!
どうなるか・・・?
作業を担当する人たちは、自身の作業に意識集中、手一杯状態となります。
上昇氣分になる人と(右プロペラ)と下降氣分になる人(左プロペラ)が必ずいます!
そうしますと・・・コミュニケーションを取ることがおろそかになるのです。
本来なら、まっすぐに全社員の意識ベクトルが向かわなければならないのに、どこかで、誰かのベクトルがズレるのです。
「忙しい」=「心をなくす」と・・・、全体のベクトルが変な方向に向かうのです。
それを直ちに感じ、修正をする役目を担っているのがビジネス・リーダーなのです。
国家は国民主権なとど難しいことを言いますが、経営はビジネス・リーダー主権であるべきです!
これは飛行機でいいますと乗客主権ではなく、全責任を負うパイロットが全権限を持つことと同じことなのです!
実は、パイロットでも機長のことをPIC(PILOT IN COMMAND:ピーアイシー)と呼びます。
そうなのです!
ビジネス・リーダーは、コマンドを矢継ぎ早に発する人でなければなりません。
自分自身が、作業に没頭して汗水垂らすことが立派なことではないのです!
冷静に状況を把握しながら、都度々、やり方の変更、新しいやり方の追加をするのです。
これを「命令の変更・追加」と組織論では言います。
言い方は、敬語を使っても、クソッタレ教官のように言ってもいいのです。
とにかく、部下はあなた・・・ビジネス・リーダーのコマンドを待っているのです。
「氣を使うな! 金使え!」って、良く皆さんに言いますよね!
企業・組織は、従業員に気を遣う慈善事業をやっているのではありません!
営利の優先をして、それを実践し、社会のお役に立って、従業員の・組織員の幸せを追求するのです。
社員・従業員・組織員のご機嫌を取って、言いなりになり、あらぬ方向に組織が向かうなんて邪道なのです!
しっかりとラダーを踏んで(舵取り)をしましょう(^^)
次回は『傾向Tendencyその2』:Torque(トルク効果)から学んでみます。
ありがとうございました。
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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第13講;『重心の位置と安定性』
『重心の位置と安定性』
今回は、チト難しいかも知れませんが・・・(^^;
飛行機の安定性(Stability)という言葉はパイロットにとって重要なキーワードなんです(^o^)
「操縦のしやすさ」とか、「操縦の楽しさ加減」、「操縦のお気楽さ(^o^)」のことを言います。安定している(Stable)飛行機と言うのは操縦が楽なのです!
パイロットはあまり何もしなくても、勝手に真っ直ぐ飛んでくれる飛行機の状態のことをいいます。
実は安定している飛行機というのが傾きますと、勝手に元の姿勢に戻ろうとするのです!
そんなに苦労しなくても良い飛行機のことなのです。
英語では「Less Effort」と言います。
逆に、不安的な(Unstable)飛行機は、飛行機の姿勢がコロコロと変わりやすく、操縦するのに大変な飛行機のことなのです。
ちょっと傾いてしまいますと、元に戻るのに時間が掛かったり、逆に傾きがひどくなってしまう飛行機を言います。
でも不安定な飛行機は、敏感なので運動性には優れています。
乗り心地は最悪、また操縦も難しくなるので安全ではありません!
相当の技量があるパイロットしか操れません(^^;
まるでロディオで荒馬に乗るのと同じだとお考え下さい。
ですから基本的に、お客様を乗せる旅客機は安定性が高く造られています。
戦闘機などは、敏感な動きが必要なので不安定な傾向があります。
ですから戦闘機のパイロットの技量は並ではないと考えても言いのです。
それにまた、戦闘機は航空母艦や短い滑走路からの着艦、離着陸もするのですから・・・(^o^)
もっと凄いこともご理解下さい!
滑走路が爆弾で穴ポコが空いていたら、それを避けるように着陸する訓練もやっているのです。
私の乗っているセスナ・スカイホーク172Pは、基本的に初心者には最高に優しく安定しております。
なんとまぁ~1956年(私が小学校に上がる直前)に引き渡しが始まりました。
世に出てから、もう60年も飛び続けている世界で最も売られている名機なのです(^o^)
飛行機には3本の軸があります。それぞれの軸に対して3種類の安定性があります。
呼び方は色々とあるそうですが、ピッチの安定性(Pitch Stablity)、ロールの安定性(Roll Stablity)、ヨーの安定性(Yaw Stablity)です。
ロールの安定性(Roll Stablity)、ヨーの安定性(Yaw Stablity)は、飛行機の設計や整備の段階で決まってしまいます。
ロールとは主翼の左右対称に動くことをいいます。
実は、燃料というのは主翼の中にあります。
基本的に左右同量の燃料を入れますが、一つの燃料タンクを指定して使い続けることもできます。
そんなことをしますと左右の重さが不均衡となり安定性は悪くなります。
パイロットは、飛行中に燃料の無くなり具合を時々チェックします。
ガス欠を起こしたらエンジンが止まって、飛行機は落っこちます。
車や船は、止まるかプカプカ浮いておくことができます。
燃料チェックの時、左右の主翼にある燃料の量が一定かもチェックします。
普通は左右変わりませんが、まれに訓練の仕方で左右の量が違ったりします。
その時には、多い方の燃料のあるところから供給するよう燃料バルブを変えます。
ヨーというのは、飛行機の前後中心の一点に上から下に串を刺して、右に左にクルクル水平に回るイメージを持って下さい。
実は垂直尾翼がその役割をします。
飛行機では両足にペダル(ラダーといいます)があり、そのラダーで飛行機の向きを変えます。日本語で「方向蛇」と呼びます。
これも設計、整備段階でほぼ安定した状態になります。
パイ ロットの判断、操縦の仕方で最も影響を受けるのがピッチの安定性なのです。
ピッチというのは、先ほどロディオの馬の話をしましたが、飛行機が上下に波打つ状態だとお考え下さい!
飛行機は機首の上げ下げの安定性(Pitch Stablity)を作り出す為に、飛行機全体の重心位置が揚力(Lift)の中心位置から前の方に来る様に設計されています。
重心のことをCenter of Gravity(CG)と英語で言います。
揚力の中心をCenter of Lift(CL)と言います。
重量も揚力も一箇所で発生させている訳では無いのですが、構造計算上それらの中心点を求めます。
その中心点に全ての重量や揚力が発生していると考えても間違いではありません。
普通の飛行機では、CGがCLの前に来ています。
また飛行機はCGを中心として運動しています。
「揚力」はCGの後ろに来ているので、CGの後ろに来ている主翼は、上に上ろうとする揚力を作り出しています。
主翼は上りながらCGを中心に回転しようとします。
その結果、飛行機は常に機首の方が重い状態(Nose Heavy)、機首が下向く傾向(Nose Down)の状態になっております。
この機首が下がろうとする状態を抑える為に、実は後ろにある小さな水平翼;水平尾翼(Horizonatl Stabilizer)が下に行く力を作り出すようにして、この回転する状態(Nose Down)を抑えます。
これがきちんとできれば飛行機の水平飛行ができるようになります。
この力のことをTail Down Forceと言います。
水平尾翼は主翼と平行に取り付けられている場合と主翼よりも下向きに取り付けられている場合があります。
主翼の後ろでは、空気は下向きに流されます。
飛行機が水平状態でも尾翼が空気によって下に押される傾向(Tail Down Force) があります。
この「重心と揚力の位置関係」と「水平尾翼のTail Down Force」で飛行機の安定性(Pitch Stability)を作り出しています。
まさに「テコの原理」でして、小さな力で遠い所にある水平尾翼は少しの力でも大きな影響力があるのです!
もし水平飛行している飛行機が何らかの理由(風だとか、操縦桿を旋回のために回そうとして無意識に前に押し出してしまう初心者の緊張ミス)で機首が下がりますと、スキーと同じで飛行機の速度が上ります。
そうなりますと主翼と水平尾翼にも、より多くの風が流れてしまいます。
主翼も水平尾翼もどちらも、より大きな力を作り出します。
主翼を通過した空気は下向きに流れ(Downwash)ますので、水平尾翼ではその影響を受けます。
また水平尾翼は遠い所にあるため、水平尾翼を下に押し下げようとする力(Tail Down Force)が強く働きます。
そうしますと、飛行機のお尻(Tail)が下がり、テコの原理で機首(Nose) が上って、元の位置に戻ろうとします。
また、逆に機首が上り(Pitchが上がると言います)ますと・・・飛行機は減速しちゃうのです!
そうなりますと・・・今度は機首が下がり元に戻ろうとするのですねぇ~(^^;
こうして、なんとか上下の動きを安定させようと飛行機は自然にします。
これを機首の上げ下げの安定性(Pitch Stablity)と言います。
ところが、先ほど書きました水平飛行している飛行機が何らかの理由(風だとか、操縦桿を旋回のために回そうとして無意識に前に押し出してしまう初心者の緊張ミス)で機首が下がったりしますと、初期の訓練生は慌てて、無理にその状態を直そうとします。
本当は操縦桿から力を抜けばいいのですが・・・緊張と機首が下がるとジェットコースターに乗っている氣分になり、逆に力が入り、余計な操作をしてしまいます。
あのクソッタレ教官(アレレ・・・私としたことがお下品な・・・)は、
「飛行機ってのはなぁ~、飛ぶように作られてんだぁ~! 余計なことするから暴れんだよぉ~! 女性を扱うようにしなぁ~(^o^) だからパイロットは女性に優しいのよ!」
「・・・」
「ホレッ! 余計なことすんな!」
「・・・」
「回転数2300回転、速度95ノット、水平直線飛行・・・それだけだぁ~!」
「ハイ!」
と言って、速度計を見たら105ノットは出ている・・・そうかぁ~パワーを落とそうとして、回転数を下げますとたちまち機首が下がります。
こんどは慌てて操縦桿を上に上げますと機首が上がり、急に飛行機は上昇します。
100~200ft=30m~50mくらい、あっという間に上昇します。
ここでクソッタレ教官が、
「余計なことすんなぁ!って言っただろう・・・」
「・・・(じゃぁ~どうすりゃいいの?)」
「だから、初心者はダメなんだ!」
「・・・(だから教わりに来てんだぁ!)」
「ほれっ!いいか、見ていろよぉ!」
「ハイ!」
・
・
・
「どうだ・・・このようにすんだよ!」
「・・・(そんなのわからんよ! ちゃんと一つ一つ教えろよ!)」
ビジネス・リーダーのみなさん!
最初は難しい飛行機の理論を述べていましたが、最後のクソッタレ教官との会話を熟読下さい!
初心者は誰も・・・ワカランのです!
だから企業・組織で新入社員を短期に育成しようとするなら、こんな職人的教え方では何十年掛かっても人は大量に育てることができないのです!
もちろん、特殊な技能だけは例外です。
基本的技能は、マニュアルを作り、そのマニュアルにそって、正しい理屈(理論)を教え、ポイントとなる「コツどころ」を「熟練した教え上手」のインストラクターが、手取り、足取り、教えるべきなのです。
その余裕が企業にあるかないかで、人材育成スピードはまったく違ってきます。
今回の『重心の位置と安定性』では、マニュアルと座学と実学が三位一体であるべきことを述べたくて書きました。
ここでやはり、山本五十六元帥の言葉が人育ての至言であることを確認したいですね!
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ。
あるいは、
やって見せて、言って聞かせて、やらせて見て、
ほめてやらねば、人は動かず。
実は、ここまでをよくご存じの方は多いですが、続きがあるのです!
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
ありがとうございました。
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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第12講;『揚力』
第12講;『揚力』
飛行機には、飛行しているとき(飛行時)に4つの力が働いています。
皆さん、あのジャンボ・ジェットが・・・、大型飛行機が空を飛んでいるって不思議ではありま
せんか?
子供の頃、飛ばした紙飛行機やゴム動力の竹籤でできた飛行機もまったく同じ理屈で飛行してお
ります。
飛行機が空中を航行(飛行)するのには、空気抵抗に逆らってエンジンから生み出される力で
機体を前進させ、また、主翼の上の面と下の面に発生する空気の圧力差によって、主翼に上向き
の力を発生させ機体を浮き上がらせ(浮揚)なければなりません!
この上向きの力が飛行機の総ての重さ(重力)に打ち勝って、これに前進する力が加わって初め
て飛行機は飛行が可能なのですね(^o^)
飛行機を前進させるためにエンジンから生じる前向きの力を推力(Thrust)といいます。
空気の抵抗やその他諸々の抵抗が前に行こうとする飛行機には発生します。
これを抗力(Drag)といいます。
とにかく抗力よりも推力の方が勝たねば飛行機は前には進みません。
実は飛行機が前進しますと主翼(前にある大きな翼)に上向きの力が発生します。
これを揚力(Lift)といいます。
飛行機の総ての重さは地球の中心に引っ張られる力(引力)が働きますが、これを重力(Gravity
:Weight)と言います。
飛行機の機体には、常にこの推力、抗力、揚力、重力の4つの力が作用しています。
飛行機が水平(上下動なし)にまっすぐ(直線)飛んでおり、スピードを加速・減速もしない
状態のことを「水平直線飛行」といいます。
この状態の時には、物理学的に揚力=重力、推力=抗力の状態になっています。
飛行訓練の初期の段階では、この状態を維持し続けることを教官から教わります。
私の初めて出会ったクソッタレ教官(アレレ・・・私としたことがこんなお下品な言葉を(^^;
は、「前を見ろ! ケツで感じろ!」でした。
「前を見ているのですが・・・?」
「曲がってんじゃぁねぇか!」
「???」
「ほら! ディレクション・ジャイロを見ろ! 方角だよ!」
「・・・」
「なにやってんだぁ! いま90°の方向に飛べって言ったろ! 100°の方角じゃぁねぇか!」
「あっ、ハイ(^^;」
「ほら、飛行機が落ちてきてんじゃぁねぇか!」
「はぁ~??? (^^; 」
「高度計を見ろ!」
「ハァ~???」
「これだよ!」
「あっ、ハイ! 1300ftです」
「バッキャァロー! 2000ftで飛んでたんだよぉ~!」
「・・・(^^; 」
まぁ~、とにかく最初に出会った教官、先生によって人生が変わるとは良くいったものです(^^;
私は一応、ULP(超軽量飛行機)の免許を持って、飛行操縦士免許の訓練に入りましたので、
本当は分かっているのですが、「知ったかぶり」するとますます増長してイジメをしそうな教官
でしたからできぬフリ、知らぬフリをしました。
ウルトラ・ライト・プレーン(ULP)というのは、おそらく、みなさんも見たことがあると
思います。
カヌーに羽根をつけて、それにプロペラをつけたような、それでも本物の飛行機です。
ハンググライダーやパラグライダーはよくご存知だと思います。
パラグライダーやハンググライダーをやっている人は意外と多いのです。
残念ながら、まだULPはマイナーなのですが、年々、やる人が増えております。
毎年、免許取得試験が難しくなり、取るのにお金もかかるようになってきているそうです。
私は、簡単で費用も掛からない時代、いい時に取ったと思っております。
この教官、1万5千時間の飛行時間が自慢でした。
とにかく、自分以外のパイロットは糞味噌に言う人でした(^^;
エアーラインのパイロットに対しても、「あんなもの金さえあれば、誰でもなれる!」なんでぬ
かしやがる。(アレレ、またまた・・・私としたことがこんなお下品な言葉を(^^;)
結局は、GUAMのアビエーション・スクール(飛行学校)に入って、こんなに飛行機は楽しい
のかを再度、感じることができました。
飛行機は「コツどころ」をマスターすれば、そんなに操縦は難しくありません!
米国の教官は、1年に何人訓練生を合格させたかが問われます。
日本では、プライドの塊(彼だけでしょうが・・・)で、落っことすことだけ、できない所ばか
り指摘してやる気をなくし、それでも這え上がってきた者を一人前とする・・・(^^;
結局、飛行時間が米国の数倍は費消し、かつ日本の1時間当たりの訓練費用は米国の約3倍です
から・・・日本で免許を取ったら、やっぱりそれは・・・凄いのです(^^;
さて『揚力』というのは飛行機が上昇するのに必要な上に押上げる力のことなのです。
物理の用語なのです。
高所恐怖症の人、遊園地のジェットコースター程度が怖い人は、もちろん、ULPやグライダー
には乗れません。
高所恐怖症を治す方法があるのですがここでは割愛します。
私は、仕事がら毎月飛行機(ジェット)に何度も乗っております。
ULPに較べたら馬力もあり、大きいですから空高く、ものすごいスピードで飛びます。
たまに飛行機のすれ違いを窓から見ることがあります。ものすごい早さでアッというまに向こう
から来た飛行機が見えなくなります。
空ではほとんど抵抗がありません。
スキーだって抵抗が少ないからチョットの傾きでスピードをつけて滑ることができます。
空の上も飛行機は滑って飛んでいます。だから、滑空といいます。
「なんとかと、なんとかは高いところが好き~(^o^)」といわれますが、軽飛行機で高いところ
に昇りますと、その下界の景色の素晴らしさの虜になります。
山の上よりも見晴らしがいいのです! ズッーと向こうの方まで見えます(^o^)
色まで違います!
余裕ができますと、真下に人や自動車を見ることができます。まるで鳥なった気分になります。
飛行機から地上を見ていますと・・・、どこにも土地の境界線を見ることができません!
どこからどこがオラの土地なんて書いてありません!
なんで地上では、土地のことで隣同士がケンカをするのですかね?
その大げんか、国同士の喧嘩が戦争なのですね~(^^;
しかし、このようなことも空の上に行かない限り経験はできません。
そのために上に昇る力が必要になります。
飛行機では先程も言いましたように『揚力』が必要になります。
『揚力』は自分で下からあおいでもダメなのです!
冒頭で少し触れましたが、飛行機のプロペラをエンジンで回しましますと「推力」という力を
発生させます。
その力が飛行機を前に進めます。
そうしますとオートバイや自転車でスピードを出すのと同じく前から風がきます。
この風がやや上向きの主翼にぶつかります。
そうしますと、この風(実は空気なのです!)は翼にぶつかって、上側と下側に折れ曲がります。
上の翼面は、緩いカーブを描いています。
下の翼面は、ほぼまっすぐ平面です。
空気が上と下に分かれても、必ず、主翼の末端では再度合流します。
上の面を流れる空気の移動距離と下を流れる距離とはどちらが長いかといいますと上の面なのです。
一度分かれた空気が、また同じ時間に合流するためには、上面を流れていった空気の速度は、
仮面の速度よりも速くなくてはなりません!
ご承知のように、細い管を流れる水は太い管を流れる水よりスピードが速いのです。
少し物理をやった方なら思い出されると思います。
「管の中を流れる液体の流れる速さと圧力の合計は、管の断面積によらず常に一定である」
例えば、ストローのような管の中に液体を通すとしましょう。
その一部がくびれて細くなっているとしましょう!
くびれていない部分では、ストローの中を流れる液体は、遅く流れていますが、圧力は高いのです。
くびれている部分では、液体は速く流れていますが圧力は低いのです。
ストローが太くても細くても、流れる液体の「速さ+圧力」の値が常に一定になるのです!
「遅ければ圧力が高い!」
「速ければ圧力は低い!」
これを「ベルヌーイの定理」といいました。
もう少し偉そうに、難しく式を書きますと
【流体の圧力と速度の関係式】
静圧 + 動圧 = 全圧
この「ベルヌーイの定理」も基本的には、「ニュートン第2法則:運動方程式」に基づいています。
また、飛行機の主翼は横から見ますとやや上向きになっています。
皆さんが、自動車に乗っていて窓から手のひらを外に出し、向かってくる風に対して手のひらの
角度を変えますと手が持ち上げられたり、下に落とされたりしますね!?
飛行機のもう一つの『揚力』原理はこれなのです!
先ほどと同様に、前に進む飛行機に向かって主翼がやや上向きになっていますと、下に行こうと
する風が、翼下面にぶつかり、翼全体を足蹴りするように上に持ち上げます。
これも『揚力』成分なのです。
これは「ニュートンの第3法則:作用反作用の法則」なのです。
私は物理の専門家ではないので、これ以上ご託を並べますとボロが出ますので・・・これくらい
にします(^^;
チョット難しかったかな~!?
すなわち、『揚力』というは、前からまともに風がこないと発生しないのです!
なんと実は、飛行機は風に向かって飛び立つ(離陸)のです。
また着陸するときも、風に向かって降りるのです。
「インディアンと藤本、ウソつかない!」
ですから今度、すべての鳥が風向きに対して真正面になってから着地することをよく観察してみ
て下さい!
飛行機の着陸をするときは、管制官や飛行場のフライトサービスというところに問い合わせて、
必ず風向きと着陸して良い滑走路の方角を教えてもらいます。
どの滑走路も基本的に離発着するときには、風向きに相対します。
ところが誰も居ない、もしくは不時着すべき事態になったらパイロットはどうするか?といいま
すと、鳥の着地場面を観ることができたら鳥の頭の向いている方から風が吹いていることが分る
のです。もちろん、煙突の煙の方向、川や湖の波の方向を観ても判断します。
これは訓練生の時に、「エマージェンシー訓練」というのがあり、教官が急にエンジンを止めて、
緊急着陸せよ! と命じるのです。
その時、第1番目にすることは飛行機の速度を一定にし安定飛行状態を取ります。
続いて、どこに緊急着陸するのか教官や実技試験官に宣言します。
その時、風向きはこうだから、どのような方向から着陸するのかを瞬時に言わなければなりません!
パイロットはですから、いつも飛行中に万が一が起こったらどこに緊急着陸するのかを決めなが
ら飛ばなければなりません。
海の上を飛んでいますと、なるべく漁船並の船を見つけながら飛びます。
間違っても、貨物船やタンカーはダメです。
不時着したとき、すぐに助けてもらえるのは・・・船員さんが飛び込めるくらいの船なのです(^o^)
さて、前からの風が『揚力』を生むのですねぇ~。
この『揚力』によって、ドシンと下に落っこちなくて済むのです!
人生も経営も同じなのです!
いつも、前からの風が吹いている中を真正面から逃げないで立ち向かってゆくと上に上がること
が出来るのです!
人生や経営では、前からの厳しい風を普通「逆風」と表現します。
この言葉は困難な状況のときに使うようです。
でも「逆風」に立ち向かったほとんどの人が「栄光」を手にしております。
「栄光」こそ高い地位とすばらしい人生ではないでしょうか!?
「栄光」を手にすることのできた人は、実に多くのすばらしい体験をします!
ビジネス・リーダーであるあなたに、そんな「向かい風」を送ってくれる環境、人こそ、自分を
成長させてくれる『巡り会うべき場』『巡り合うべき師』『先輩』『良き同僚』『お得意先様』『お
客様』であることをシッカリ理解して欲しいのです!
ありがとうございました。
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新ビジネス・リーダーいろは講:第11講;『航空燃料について』
『航空燃料について』
飛行機は、航空燃料が不可欠です。
ピストンエンジンを搭載するプロペラ機が使用するガソリン燃料とジェットエンジンを搭載する
ジェット機が使用するジェット燃料の二つに分けられます。
航空機のガソリン燃料は80~145オクタン(難しいことを書いてスンマソン!;オクタン
(octane) は炭素を8個持つ飽和炭化水素の呼称です)まで使用されています。
色で見分けます。
AVGAS(Aviation Gasoline)と私たちは呼んでいます。
AVGASの代表的なものに100LLなるものがあります。これは透明の青色をしております。
100というのはオクタンの混合比率のことです。LLと付いているのは、Low Leadのことで、
混入されている4エチル鉛の量が少ないことです。
オクタン価という言葉を聞かれたことがありますよね!?
ガソリンのエンジン内での自己着火のしにくさって言うとチト変ですが、ノッキングの起こりに
くさ(耐ノック性・アンチノック性)を示す数値なんです!
オクタン価が高いほど、ノッキングが起こりにくいのです。
今では自動車の仕業点検ってしませんでしょう!?
飛行機はそうはいきません! 特に私の乗るセスナ:スカイフォーク172Pなるモノは、キャブ
レターが付いています。上等な飛行機はオート・キャブです。
今の自動車は全部オート・キャブでオート・ミクスチャー(自動燃料混合装置)です。
ですから、飛行機に乗る前の仕業点検の最重要項目にガソリンの量と質(中に入っているガソリン
種類)を目視することは非常に重要です。
空の上で、「あれれ・・・ノッキングしちゃったぁ~(^^; あれっ、エンジンが止まっちゃたぁ~(^^; あれれ・・・飛行機が急降下を始めた~(^^;」は洒落になりません(^^;
ところで参考ですが自動車の場合、プレミアム・ガソリンのオクタン価は98~100,レギュラ
ーが90~91です。
ですから実は、航空業界の人から余計な事は言うな!ってお叱りを受けるかも知れませんが、航空
機燃料は4エチル鉛を多く大気に放出しているのです。
私の乗る飛行機の燃料は、リットルではなくギャロン(ガロン;Gl)で表します。
1ガロンは、3.785リットルです。約6.6ポンドの重さがあります。
これまた飛行機では重さをポンド(lbs)で表します。1ポンドは、453.6gなんですねぇ~(^^;
めんどくさいですが・・・パイロットになるためには万国共通用語を憶えなければなりません(^^;
ところでジェット燃料は、JET-A、JET-A1、JET-5などのケロシン系とJP-4の
ワイドカットがあります。
ケロシンというのは、原油を蒸留するときに出てくる石油の成分で、ガソリンについで多く抽出さ
れます。だいたい・・・灯油とほとんど変わりません!
民間ジェット機は、このケロシン系を使います。
ワイドカットというのは、原油を蒸留時にガソリンの沸騰点範囲(25~100℃)で流出しちゃ
うナフサと灯油を混合した燃料です。主に軍用ジェット機が使います。
そんで・・・実は、ジェット燃料というのは温度によって容積が変化してしまうのです。燃料は
飛行機の翼にタンクがあります。冷暖房などしておりませんから温度変化はすごいのです!
ですから、容量をガロンなどで表現するより重量ポンドで表現します。
んでぇ~、ビジネス・リーダー必須のコスト計算をしましょう!
航空燃料の価格は、原油の需要と産油国の生産量によって変化します。
ケロシン1ガロン当たりの価格によって、航空会社の燃料費は違ってきます。
B747-400というバブリーな時代には大受けだった大型ジャンボジェット機はどれくらいの
コストが掛かるのかという計算をしてみましょう!
B747-400の燃費は、たった1秒に3.6リットル(約1ガロン)使うのです!
ということは、1時間飛ぶのに約12,960リットル消費します。
ケロシン価格の直近の2ヶ月平均に基づいて、燃料サーチャージの価格は変動します。
このところ為替平均が155円~160円の間ですね!・
5月6日の数値が、ケロシン1ガロン:$7.1でしたので1,122円/G(158円計算)です。
よって、1リットル312円となりますから、B747-400が1時間飛ぶと404万4千円掛
かるのです(^^;
成田からロサンジェルスまで約11時間かかるとしますとします。この時間は、地上滑走、上昇中
のフルパワー時(通常の1.5倍とします)、巡航高度での飛行時間、万が一の時の代替飛行場へ
の最低必要燃料込みです。
ですから、1就航あたり4,448万円、約4,500万円かかるのです!
毎日1回定期運航しましと年間164億3千万円の燃料が空に舞っているのです(^^;
為替相場によって、ジェット燃料の価格が変動しますから・・・、乗客にはそのプラスになった
差額を燃油サーチャージという名目で徴収するのですね!
マイナス差額で儲かっているときは、・・・?(^^;
ちなみに最新型ジェット機B787は、B747-400の2.6倍と高性能です!
ですから、燃料費は成田からロサンジェルスまで飛行時間も1時間分短縮されるとして約1,73
0万円くらいなわけです!
ANAの国際線座席数は、B747-400が平均450席、B787-8が240席ですから
1人当たりの燃料費比較をしますとB757-400が約10万円、B787-8が約3万8千円
です。
スピードと快適性は、断然B787の方が上ですよね!?(^o^)
いずれ・・・飛行機もハイブリッド、水素燃料飛行機と大進歩して行くに違いありません。
もちろん、そこには石油マフィアの妨害などもあってそう簡単ではないでしょうが・・・?
ビジネス・リーダーの皆さん、御社の使っている機械、自動車の燃費や車両コストはどれくらいで
しょうか?
ここに問題を出します。管理者研修の基礎計数で出す問題です。解答はしません!
ご自身でしっかりお考え下さい!
【設問】
自家用貨物自動車1台当たりの運行費はつぎのとおりである。
1.ガソリン1L当たり140円、1Lで10Km走る。
2.オイル1,500Kmごとに交換し、総額4,200円である。
3.購入価格は360万円、1年後2/3の価格で下取り転売する。
4.損害保険料は強制、任意とも特割りで年間114,000円支払う。
5.修繕費は1ケ月5,000円を計上している。
6.人件費1台当たり、運転手(年)380万円、助手(年)200万円、
毎日、運行するものとし、運転手・助手は交替制である。
さて、年間170,000Km走るとして、1Km当たりのコストはいくらか?
ヒント:1年間にかかる固定費と1km当たりかかる変動に分け考えるとよい!
ちなみに公式は、
1km当たりコスト = (年間総固定費÷年間走行距離)+1km当たり変動費
ありがとうございました。
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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第10講:『パイロットの資格と各種証明書』
第10講:『パイロットの資格と各種証明書』
もしや自慢するようなお話になりましたら・・・ゴメン!
ご承知の人も多いのですがパイロットとは、ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説では、
万年筆をはじめとする筆記具メーカーのこと。
1918年並木製作所として設立され、1927年シャープペンシルの製造を開始,1938年
パイロット萬年筆と改称し、国内外に次々と工場を建設し発展した。
1989年社名をパイロットに改称した・・・と(^^;
実は、私は偉そうに「パイロット・コンサル」などと言っておりますが、実は「万年筆コンサルタ
ント」なのです!
なぜ?
実は、1級小型船舶操縦免許も持っているので・・・セーラーでもあるのです(^^)
私はですから、パイロットでもありセーラーでもあるから・・・「万年筆」でしょう!?
でも私が愛用している万年筆は、国産では「中屋の錫石目万年筆」です。
外国製は、ウォーターマンなのです。
パイロットって、これまた辞書で調べますと最初に書かれてあるのが「水先案内人」のことなのです(^^;
続いて、航空機の操縦士、そしてガスの種火、「パイロットランプ」の略となっておりました。
実は、韓国済州島で潜水艦に乗ったときの操縦士も名札にPilotって書いてありました。
Captainではなかったので、記念写真を撮りたいとお願いしたとき、彼が少し英語を話す
ことができるというので聞いてみたのです。
彼は、元韓国海軍の本物の潜水艦操縦士だったそうです。
潜水艦では、パイロットなのだそうです。
私も飛行機のパイロットだと言うとなんだかフレンドリーになっちゃって、乗客が降りてからあれ
これと操縦桿や計器類を説明してくれました。
なるほど海の中では3次元の世界になるので、操縦(マニューバといいます)は基本的に同じなの
ですねぁ~(^^)
さて飛行機の操縦士の資格はどんな飛行機を操縦してもいいかという種類(カテゴリー)と等級(ク
ラス)、型式(タイプ)で分類されています。
まず操縦する飛行機の種類(カテゴリー)は、飛行機(固定翼)、回転翼航空機、滑空機、飛行船
です。
熱気球やパラグライダーなどは・・・飛行機の仲間ではありません!
空の上の優先権は、さすがジェントルマンの世界、飛行機の部類に入らないものを最優先に扱います。
空の上では、エンジンの付いていない浮いているモノは基本的に自力で飛行できないという理由で
空を譲ります。
ですから、飛行場周辺でスカイダイビングなどをしておりますとノータムといって注意報がATIS
(Automatic Terminal Information Service、飛行場情報放送業務)などで出されます。管制官からも、「こ
の辺でスカイダイビングがホットだから、2マイル(3.3kmくらい)離れて飛びなさい!」な
んて勧告されます。
つづいて等級(クラス)ですが、これは陸上と水上飛行機の区別、単発と双発の区別、ピストン・
エンジンとタービン・エンジン(ジェット)の区別です。
型式(タイプ)はエアラインや軍隊のでの大型飛行機、特殊飛行機などは、メーカ別、機種別に
操縦要領が違いますので、タイプ別に操縦免許を持たなければ操縦することができません。
エアラインの機長や元機長と名刺交換しますと「型式」が明記されています(^^)
それが・・・一応、プレステッジみたいなものです。
以前までは、B747-400なんて書いてあると・・・鼻高々でした。
今では、B787ですね(^^)
自衛隊などになりますと・・・やはりF2A/B,F35とか・・・(^^)
最高位のパイロットはご存じ「ブルーインパルス」ですが、これはT-4練習機なのです(^^)
パイロットはこれに技能証明というのが必要です。
民間パイロットの技能証明だけにとどめますが、最上位の技能証明から列挙しますと、
・定期運送用操縦士(エアーライン・パイロットですね!)
・事業用操縦士(飛行機で事業をしてもいい技能;タクシーやバスの運転手と同じ)
・自家用操縦士(私の持っている技能証明)
・航空機関士(もう最近はどうなのでしょう?)
・一等航空整備士 二等航空整備士 航空工場整備士
もう一つ、「計器飛行証明」というのがあります。
実は、私のような未熟なパイロットは・・・、有視界飛行しかできません。
すなわち、お空がよく見えて、雲が極端に少なく(多くても高層にあればOK)、水面、地上が
良く見渡せる状態において、かつ、夜間はライト設備のシッカリ整った空港レベルの飛行場のトラ
フィック(場周経路:滑走路から飛び立って決められた高さ、経路があります)のみを飛ぶことが
できます。
もちろん、夜間でもよく判る建物やきちんと飛行場に戻ってこられる範囲はOKですが・・・私は
絶対に飛びません!(超危険だからです)
ですから、管制官の指示通りにコックピットにある計器だけを見て操縦することができる技能免許
が「IFR免許」=「計器飛行証明」と呼びます。
ちなみに私の持っている免許は別名「VFR免許(有視界だけいいよ免許)です。
パイロットの免許を持つと飛行機を操縦できるか? というと・・・日本ではなかなか面倒なのです。
まず無線の免許を持たねばなりません。
飛行機に搭載されている無線機は、飛行機用専用無線機です。
ですから「航空特殊無線技士」という資格か、「航空無線通信士」という資格が必要です。
自家用飛行機の操縦に必要最低限の無線免許は「航空特殊無線技士」ですが、航空運送事業(エア
ライン)用航空機での航空機局や航空機と通信を行う航空局、管制などで、通信操作に従事する者
が取得すべき資格に「航空無線通信士」があります。
私は、パイロット免許を取得した年の6月に「航空特殊無線技士」、8月に「航空無線通信士」の
受験をしようと決意したのです。
その時の思い出を少し長く自慢話のようになりますが・・・。
「航空特殊無線技士」の試験科目は、
1)「無線工学」;3級アマチュア無線技士+α程度かなぁ?
筆記試験は、電波新聞社発行の「特殊無線技士受験マニュアル」がいいですね!
あと(財)日本無線協会から、過去問と解答がサイトにアップされています。
2)「法規」;航空関連無線設備用語を勉強しなきゃなりませんが、過去問をやるだけで
ほぼ完璧です!
3)あと「電気通信術」というのがあります。 まさに実技試験です。
一分間50字の速度で欧文(欧文通話表に基づく)の送受信が約2分間できるか
どうか?の実技試験です。航空の世界では、「フォネティック・アルファベット」と
言います。
A;アルファー、B;ブラボー、C;チャーリー・・・X;Xレイ、Y;ヤンキー、
Z;ズルー って言います。
すべての筆記試験の前に「受話実技試験」がありました。
おんぼろのカセット・デッキからから流れる欧文通話表に従ったフォネティック英文暗語を聴取し
て、解答用紙に記載するんです。意外に緊張しました。
「電子工学」「法規」の試験が終わり全員が退場したら、早速、「送話試験」があります。
問題用紙がクリアー・ファイルに入っています。
「はじめます!」
「本文」
と言ってから、5文字づつ読み上げます。
送信が終わったら「終わり!」です。
試験管がニヤニヤしながら聴いています。
「以前からやっておられたんですか?」なんて訊きながらウンウンと感心する顔をされたので合格
を確信しました。
フォネティック・アルファベットの練習は、航空学校(アビエーション・スクール)に入校したと
き配布されたCDをi-Podと自家用車オーディオに録音し、聞き続けました。
聞き慣れてから、街の看板に書かれている英語のアルファベットを一つ一つフォネティックに直し、
声を出して練習しました。
特に高速道路での道路標識の英字部分だけ観てフォネティックで大声出しました。
6月10日が「航空特殊無線技士」の受験でした。 午後からの試験でした。
広島に行っておりましたので、広島で受験しました。
合格発表はアマチュア無線免許の試験と違って、6月末にハガキで知らされます。
生意気にも合格を確信しておりましたので、総務省のサイトから「航空特殊無線技士免許申請書」
をダウンロードし、1700円の収入印紙を購入し、写真も貼り付けて待っていました。
合格ハガキが到着した翌日、総合無線通信局に申請書を提出しましたら、1週間もしないうちに「免
許証」が届きました。(サイトには約1ヶ月後、免許証が届きますと書かれていました)
ここまではウォーミングアップですね!
いよいよ、8月の「航空無線通信士」受験の準備に入ります。
4月に、とあるインターネット・サイトで「○○の航空無線通信士受験クラブ」なるものを毎月数
百円で受講することができるのを見つけて入会しましたが、残念ながら役に立ちませんでした。
文系の人を対象にしたものだとのキャッチフレーズですが、たぶん、文系の人には難しい?
偉そうにも、そのサイト主宰者は通信講座の途中で「Sin・Cos」の説明なんかを入れるんです!
微分積分も権威付けなんでしょうか? 1頁ほど取って説明がありますが、私の方が上手に説明で
きる!・・・なんて(^^)
もちろん本試験では、微分積分、Sin/Cosなんて使わないんですね(^^;)
インターネット・ビジネスは花盛りですね!
またなんとインターネット通販で、「航空無線通信士国家試験[英語]対策資料」なるテキストも
売っていました。
安易を主義とする私は、もちろん直ちに購入しました。
が・・・やはり・・・大して役に立ちませんでした(^^;)
あえて役に立ったと言えるのは、日本無線協会から受験用英会話テープが販売されているとの情報
が書かれていたことでしょう!
早速、日本無線協会に電話を入れて購入しようとしましたら、10年前のものテープものしかなく、
現在、CD-ROM制作中だというのです。
それでもいいからとテープを購入して聴きました。
英会話試験の設問をネイティブ女性が2回読みます。
設題と解答が英文になった小テキストが付属でした。
なるほど、こんな問題が出るのかぁ?
これで十分でした。
この「航空無線通信士」受験でも、(財)電気通信振興会出版「航空通:問題解答集」が有効でし
た。
5年分の過去問です。
「無線工学」には解説もあります。
解説が解らないときは、インターネット検索で調べました。
「無線工学」のレベルは、2級アマチュア無線技士免許と同等かそれよりやや低めくらいと書かれ
たサイトを見つけました。小生は2アマを持っていませんので、確かに3アマよりはレベルが高い
ですね!
しかしポイントどころは、「航空業界用語」が出てくることです。
たとえば、
VOR・DME NDB SSR ASR・ARSR PAR ATC ILS ACAS ・・
・とか(^^;)
特にレーダーの問題は、概して出題されているようです。
小生はお陰様で、パイロット免許を持っておりましたので理解できました。
やはり重要なのは英語対策でした!
特に英会話です。
ちまたでは、合格者は「英検2級レベル」と書いている人が多いのですが、もう少し難しいように
思います。できたら「準1級」くらいの勉強をされるといい!
英語は、過去問を10年分やってみましたが、最近は「国際電気通信連合条約」や「航空法規」の
英訳・和訳が出ていますね!?
今年の、実際の試験は、CO2削減に取り組むフィンランド航空の実例記事からと航空無線通信の
法律や遭難・緊急事態対策の通信手段の問題でした。
(財)電気通信振興会発行の「英語:航空無線通信士用」がよい参考書のように思います。半分の
ページまでは大変に有効です!
残り半分のページはATCと言って、航空管制と飛行機のやり取り集です。
試験には出ませんので、飛行機をやるんなら、航空管制官をやるんなら勉強した方がいいのかなぁ?
受験の感触は、お陰様でバッチリ!でした。
8月28日(金)が、「航空無線通信士」の合否発表ハガキの投函日でした。
日本無線協会に合否の問い合わせをしましたら、ハガキが届くのを待てとのこと!
28日の午後に投函したとのこと。
29日(土)の午前中まで郵便局はやっています。
出張中でしたので、自宅に日本無線協会からハガキが届いているかどうか電話を入れましたが、
家内はけんもほろろに「そんなもの届いてないよ!」(^^;)
30日(日)・31日(月)は、富山に出張。
31日に家に電話してもいいんだけれど、家内のつれない態度が浮かぶのでヤァ~めた!
1日(火)に自宅に戻ると、お陰様で「合格通知」が台所の机の上にポツンと~(^^;
「航空特殊無線技士」の時と同様に、先んじて作っておいた「航空無線通信士免許申請書」(住所
・氏名・生年月日・住民票番号、押印、写真貼付済)に「合格年月日」と「受験番号」だけ記入し
て、すぐ投函!
9月19日に政権交代を見越していたのか、このような「航空無線通信士免許証」が届きました。
感激です!
パスポートと同様に日本国政府が世界でも通用する航空無線のオペレーターであるということを
証明してくれています(^^)
これだけでは飛行機を操縦できないのです!(^^;
最も重要なのが「航空身体検査」なのです。
このことについては、パイロット・コンサルの経営いろは考の最初のところで書かせていただきま
した。
今でも、この「航空身体検査合格書」がないと飛行機の操縦ができないのです!
私の年齢になりますと毎年更新しなくてはなりません。 毎年10月が私の航空身体検査日なので
すが・・・このお陰で、健康維持ができております。
ということで・・・、『パイロットの資格と各種証明書』
飛行機の事故率はあらゆる動力移動装置(船舶、自動車・・・)の中で最も低いのは、厳しい実技
訓練と身体検査、学科試験があるのも一因ではないかと考えます。
飛行機は「落ちたら一巻の終わり!」ですから~(^^;
ビジネス・リーダーにも通用することですが、企業規模が大きくなれば、小さなミスが甚大な事件、
事故を引き起こします。ですから、企業・組織においても上位の職位に上がって行くための企業・
組織として必要最低限の経験年数、実技能力、知識を集大成した登用試験をシステム化すべきですね!?
ありがとうございました。
いわき経営コンサルタント事務所の詳細は、
https://imcfujimoto.net/
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