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令和3年ビジネス・リーダーいろは講;第10講:『盗む』
第10講:『盗む』
【トルコ・イスタンブール;モスクです。】
『盗む』といったら、聞き捨てならないとおっしゃる方がいるの
ではないでしょうか?
何もドロボウのことについてお話をしようなどとは思っておりません。
もっと良い意味で、『盗む』という言葉を使ってゆきたいと思います。
たとえば、お手本となる人の「クセを盗む」「技術を盗む」といった言葉だといかがででしょう!?
お許しいただけますか?(^o^)
実はもっとすごいことを『盗んで』みたいのです。
それは『生き方を盗む』のです!
私たちは、どうも上手に生きて行くことを教わっていないのではないかなぁと思うのです。
だから、上手に生きている人からその『生き方を盗む』ことにしたいのです。
学校で、このような大事なことを教えてもらった記憶などないでしょう!?
なんだ~、じゃぁ~、『学ぶ』っていう言葉に変えればいいんじゃぁん! と言われるかも知れま
せん。
しかし『学ぶ』については、後日、もっと違った意味でお話してみたいのです。
それよりもやっぱり、『盗んで』みたいのです。
実は私は何を隠そう、過去に本当の『盗み』をしたことがあるのです。
「えっ、なんてふしだらで悪い人なんだよ! こんな人が人生をうんぬんと生意気な!」
とおっしゃるでしょうね。
いやいやゴメン!
とっくに地獄におちる覚悟で執筆しております故・・・。
私は団塊の世代の最後の方にいるのですね。
ちょうど朝鮮動乱が勃発し、日本が特需ブームに乗るころ生まれたのですね。
私は、京都生まれで、父親の仕事の関係ですぐに大阪に移り住みました。
最初は、大阪西区立売堀というところだったのですが、幼稚園に入る前、大阪市此花区という場所
に移転します。
ここは淀川の河口に近いところでした。
今のユニバーサル・スタジオがある近くです。
私の小さい頃は、まだそこいらじゅう・・・焼野原や戦災を受けたレンガづくりの瓦礫だらけにな
った建物があちこちにありました。
そこが男子供たちの遊び場でした。
世間並みに食べ物はあったのですが、まだまだ、充足しきれない時期でした。
私が「盗み」をしたのは、我が家の狭い台所でした。
関西、大阪や京都でのお使い物、頂き物は、ほとんど角砂糖と相場が決まっておりました。
母親の目を盗んで、その角砂糖を箱からつまみ出し口の中にいっぱい入れて、コソコソ逃げ出して
行くことをしましたねぇ~(^^)
学校帰りには、友達と近所のイチジクや柿、スイカをもぎ取って、一目散に逃げ、隠れ家(自分た
ちで洞穴をつくりました)に三々五々集まり、衣服がベタベタになるほどガツガツと食べたことが
あります。
話せば尽きないほどです。
さて振返ってみますと『盗み』をする時というのは、実に緊張するのですね!
またその実行中というのは、ものすごく集中力(関西ではえげつなくって表現します)が増すので
す!
周りの音やかすかな動きにも敏感に反応するのです。
それはそれはいろいろな盗みの方法が瞬時に頭を過るのです。
すごい智恵も出るのです!
私は、このような経験をしておりますから、どうも「技術やテクニック、そして、陳列・レイアウ
ト」などを先進の企業や先輩から盗む時(といっても、事務所に侵入して図面等を本当に窃盗して
くるのではないですよ!)、すごいパワーが出るのです!
また根っから素直なものですから(自分でこう言うのをお許しください)、すごい発見をするので
す。
ビックリするようなことがいっぱいあるのです。
もし、そこの人に何かを教わろうとしているのなら、そこまで集中力が沸くことはないと思います。
限られた時間内で多くの『盗み』をするのですから真剣になります。
その分短い時間で、ものすごい発見ややり方を収穫します。
優秀な職人さんは、みんな先輩の技を『盗む』らしいですね!?
そうしない人は、職人さんの世界には残ることができないらしいですね。
私はかつて、とある料亭の経営のお手伝いをしたことがあります。
県下一の料亭ですから、もちろん板前さんも一流です。
みんな一流の人に共通することは目が鋭いことですね。
長年に渡って多くのすばらしい技を盗んできたのですから、そうなるのも分りますね。
その鋭さにたまげて・・・後ずさりする人がいます。
一流人は、それをまた見抜くから・・・(^^;
みなさんもご存じのアメリカ初代大統領エイブラハム・リンカーンは、
「人は四十歳になったら、自分の顔に責任を持ちなさい!」
とおっしゃいましたね!?
多くの成功した人達や世の中に貢献した人々をじっくり見ておりますと、ところところで目がキッ
となるところがあります。こんど良くご覧ください。
真剣に人生を生きてゆくためには、いままでやったことのない事、知らない事にいっぱい出くわし
ます。
人から手とり足とりされ教わることは、相手の都合がありますからそう簡単ではありません。
鋭い問題意識と吸収しようとする気持ちは『物事の本質や最高効率の技を心底盗もう!』
という気にさせるものです。
『盗み心』は神経を周囲に配る習慣を養うものです。
もちろん、刑事事件になるような『盗み』だけは実行しないでくださいね!
今の自分の技術や経験を多くの先輩・先達から『盗む』姿勢が仕事にも良い影響を与えて行きます
し、自分の能力開発に確実に寄与するでしょう!?
教えてもらえないのではなく、教わろう、学ぼう、そして『盗もう』とする気持ちがないのです!
カッコだけの生き方より、もっとドロ臭い生き方が本物ではないでしょうか!?
ハスはきれいな花を咲かせますが泥沼で咲くのですね!?
ありがとうございました。
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