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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考;第42講:『飛行場灯台:Airport Rotating Beacon 』
第42講:『飛行場灯台:Airport Rotating Beacon 』
以前、電波灯台;VOR(VHF Omnidirectional Range)についてはお話しました。
今回は、本当に飛行場に設置されている灯台で、岬や港にある灯台と同じように、照明が
点灯しております。
「飛行場灯台(Rotating Beacon)」は、多くの空港に設置されている灯台です。
夜間フライトをしますと空港を探す時に重宝すると言われていますが、私はそんなに多く
夜間フライトをした経験がありませんが、フライト・シミュレーターで夜間フライトする
となるほどと感心します。
「飛行場灯台(Rotating Beacon)」は鉄塔の上に設置されている物もあれば、建物の屋上
や管制塔の上に設置されています。
すべての空港・飛行場にある訳でもないのです!
よく使われる空港・飛行場にほとんど設置されています。
確認する最も簡単な方法は、「航空地図(SectionalChart)」の空港マークを見ると判ります。
星印☆が空港に付いていれば、「飛行場灯台(Rotating Beacon)」があります。
大きな空港では、「航空地図(SectionalChart)」の設置されている場所に星印が描かれてい
ますが、滑走路が8000フィート(2500m)以下の空港では、空港であるマーク円
の上側に星印☆が付いています。
「飛行場灯台(Rotating Beacon)」の照明点灯の色にはいろいろあります!
民間空港(Civilian)の場合は 白色と緑色の交互に光ります。
緑色というのですが、信号の青色と同じ色ですが正確にはGreenなのだそうです???
アメリカ人は、だれもがGreenと言います。信号も青とは言わずGreenと言います。
おそらく彼らの色覚と日本人である色覚が違うのではと思います。
FAA(米国連邦航空協会:Federal Aviation Administration)の刊行物でも、Greenと書か
れています。
でも、私は信号の青色と同様に見えます。
日本の航空関連書籍には、なんとまぁ・・・「航空緑」という言い方をしております。
ここにも日本は米国の傘下であることを強く感じます(^^;
軍用空港(Military)では、白色が2回、緑色が1回と交互に見えます。
GUAMの米軍アンダーソン基地で観たときには、個人的に白色が早く連続して見える気
がしました。
ヘリコプター専用飛行場(Heliport)では、緑色(Green)、黄色、白色が交互に点灯され
ています。
水上機用(Water Airport)飛行場というか?駐機場では、黄色と白色が交互に点灯してい
ます。
より正確には、空港の場合、毎分24回から30回、ヘリポートで30回から45回ぐら
いの閃光が見るようになっています。
また基本的に、空港の全方向から見ることが出来るようになっています。
さて、「飛行場灯台(Rotating Beacon)」は、どのような時に使われるのかを述べます。
1.当たり前のことですが、夜間(At Night)です!
とにかく夜間フライトって、眼下に光がなければ、海なのか陸なのか、ましてや高さ
の感覚も判りません(^^;)
夜に、空港・飛行場を探すために飛行機用にある灯台です。
色が付いているのも船舶用ではないという意味もあるからです。
2.昼間で天候が悪い時に点灯されます。
正確には視程(Visibility)が3マイル(5000m)以下か、雲底(Ceiling)が
1000ft(300m)以下の時にも点灯され回転しています。
基本的にはVFR(有視界飛行)での飛行が無理(禁止)の時です。
Special VFR(特別有視界飛行)かIFR(計器飛行)の許可があれば飛行でき
ます。
2.は重要なことなので試験にも出題され、口述試験で試験官からも良く質問されるそう
です。私は、運が運が良かったのか悪かったのか?分かりませんが、出題もなく、試験官
から聞かれもしませんでした。
ちゃんとした飛行場(米国の場合:Class-D以上の空港とClass-Eで地上から始まってる
空港)は、VFRでの最低飛行条件(VFR Weather Minimum)以下でもVFRで合法的に
飛べるのことをSpecial VFR(特別有視界飛行)って言います。
もちろん管制官からの許可をもらわなければなりません!
相当に技量があるパイロットならいいのですが、私のような技量のパイロットは、絶対に
この方式で飛ぶことはしない方がいいと確信します。
一度、VFRでの最低飛行条件(VFR Weather Minimum)以下の状態での離発着を、日本
のクソッタレ教官がやってくれましたが、ほとんど前が見えません。
なるほどクソッタレ教官といえども15000時間飛行経験は伊達ではないと感心しまし
した。
IFR(計器飛行方式:Instrument Flight Rules )とういうのは、厳密には「計器飛行方式
による飛行」のことです。目視、及び航空機の計器の両方を駆使し、常に航空管制官の
指示に従って行う飛行のことです。管制圏、及び管制区の外においては、運航情報官が
提供する情報を常時聴取して行う飛行のことです。
IFRの免許を取得するためには、計器飛行証明取得の要件というのがあります。
・自家用操縦士または事業用操縦士免許保持者
・最低50時間の機長(Pilot in Command)としての野外飛行 (Cross Country) 経験
・最低40時間の計器飛行経験(そのうち最高20時間シュミレーター訓練飛行可能)
・学科試験合格(70%以上)
・口頭試験および実技試験
「計器飛行」というのは、飛行機の姿勢、高度、位置、及び針路の測定を計器だけに依存
して行う飛行のことです。
また、「計器航法による飛行」という定義もあり、飛行機(航空機)の位置、及び針路の
測定を計器だけに依存して行う飛行のこととなっています。
要は、視程の悪い状態(霧などがかかっており、滑走路が少ししか見えない)では、技量
が特段にいいか? 計器の調整がきちんとできて、計器を頼りに飛行場まで来ることがで
き、計器と目視によって決断高度に達したとき着陸ができる技量をもっていれば、この
飛行場は使っても良いと管制官が許可を出します。
現実は「飛行場灯台(Rotating Beacon)」だけで、飛行が可能だなどと判断はすることは
ダメです!
機長たるもの、実際の気象を見ながら判断しなくては行けません。
「飛行場灯台(Rotating Beacon)」は参考にするべきです。
誤作動などももあります。
時間が来たら、センサーやタイマーによって自動的に動くものや、管制官がつける場合も
あり、人間のやることですから忘れる可能性もあります。
ということは、昼間に「飛行場灯台(Rotating Beacon)」が点灯しているときには、要注
意の天候状態だということなのです。
それは地上にいる人が、今日は飛行できるかどうかを確かめる一つの方法でであり、飛行可能
状態の日は点灯していないということです。
夜間に、空を飛んでいるとどこになにがあるか? 本当に視認しずらいのです。
よく報道用ヘリコプターが夜間に飛びますが、ヘリコプターのパイロットは、「飛行場灯
台(Rotating Beacon)」の見方をよくよく訓練しております。
さてビジネス・リーダーへの教訓なのですが、「トヨタ看板方式」という作業改善、作業
能率改善のためのシステムがありますね!?
「トヨタ看板方式」は、正式には「トヨタ生産方式」と呼びます。
自動車の組み立て生産ラインを想像してください。
ある工程で部品Aが必要だとします。部品Aは一列にストック(貯め置き)して、前から
順番に使っていきます。FIFO(ファーストイン・ファーストアウト:先入れ先出し)
ですね!?
このストックの列に、たとえば在庫100個ごとに「現在、部品A-100個」と書いた
「かんばん」と呼ばれる札を挟んでおきます。
使う人は、この「かんばん」が出てきたら、部品Aの製造部門へ手渡します。
それをもとに部品Aを製造部門が製造を開始します。
「100個使ったから100個製造」することが1製造ロットだとするわけです。
もちろん、100個製造するスピードは、100個消費するスピードより同じか早くなく
ては、いずれ品切れとなります。
この方式を「ジャストインタイム(Just In Time)」と「トヨタ看板方式」で
は命名しました。
この簡単な理論を適用していきますと、在庫管理、発注管理や発注予測が不要となります。
高価なコンピュータ・システムを導入しなくても一連の在庫管理システムが構築できるわ
けです。
実は、飛行機の世界でもコンピューター制御化がどんどん進んでおります。
しかし最後はなんといっても技量に依存するところが非常に大きいのです。
と同時に、視認できるものを基本とします。
ビジネスの世界では「見える化」です!
「見える化」という言葉はもうかなり浸透しております。
製造業で古くから活用されてきた「目で見る管理」から発生した言葉です。
製造現場で使われてきた手法というのは、さまざまなビジネス分野で有効だからです!
「見える化」のポイントは、まさに「三現主義」です!
現場に行って見えるモノ・コトを、誰もが共通認識を持って判断・解決することなのです。
「見える化」とは、仕事における問題を常に見えるようにすることです。
問題が発生しても、すぐに解決できる環境を実現し、さらに問題が発生しにくい環境を
実現するための取り組みをすべきです!
「見える化」でよく知られているものに、上述しましたトヨタ生産方式にある「あんどん
方式」や「かんばん方式」です。
トヨタの生産・製造現場では、問題が発生すると現場の担当者が「あんどん」を即点灯し
ます!
そうしますと、問題の発生を早期に各部の工場作業担当者へ知らせることができます。
問題が発生したら、迅速に対応できるようになっているわけです!
「かんばん方式」は上述したとおりです!
「見える化」の重要なポイントとして共通に言われていることは、次の3点です。
1)数値はムダや異常の発生を知らせる警報でしかなく、その原因は現場に行かないと
見えない! 現場の見える化を実現して初めて発見し解決できる。
2)「交差点の赤青黄の3色信号機」や「野球のスコアボード」のように、同じ情報を
見て全員が同じ認識ができるよう、簡単でわかりやすい共通の判断基準をつくる。
3)全員が共有したものを、共通認識にまで落とし込み、現場の改善教育を通じて誰もが
ムダや異常を見抜ける眼力を養う。
ある情報を見て何かおかしいと思ったら、ビジネス・リーダーは常に現場に足を運ぶべき
です!
自分の目で確かめることが現場との問題共有を確実にします。
ビジネス・リーダーが、現場をどこまで見えているかによって、問題の所在を発見する
ことができます。
解決策も生まれてきます。
問題が見えていないと、何も解決できないのです!
「見える化」を始める第一歩は簡単です!
非常に基本的なことなのですが、仕事場を「整理」「整頓」なのです!
定義をします。
「整理」とは、いるモノといらないモノとに分け、いらないモノを処分することです。
「整頓」とは、必要なモノがすぐに取り出せる状態に保つことです。
「見える化」を実践している企業の共通することは、現場の「整理」「整頓」から改革を
スタートさせています。
見える「あんどん(信号)」、見える「看板」、見える「灯台」が「安全」「安心」を支え
ています。
ありがとうございました。
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