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パイロット・コンサルの経営いろは考;第31回:『なぜ気圧は変化する?』
第31回:『なぜ気圧は変化する?』
前回の続きになります。
飛行中に高度規正(Altimeter Setting)をしなければならない理由は、前回のブログで書か
せていただきました。
次は、気象予報士や気象に詳しい方からはヒンシュクを買うかも知れませんが、勇気を
持って書きます。
なぜ気圧は変化するか?
答えは太陽熱なのです!
太陽は地球上の森羅万象のモノです。誰のモノでもありません!
場所・場所によって太陽の光の当たり方は違います。
地面を照らしたり、水面を照らしたり、角度が違ったり、雲があったり・・・と。
それぞれの場所で太陽光線の当たり方違うということは、当たる表面の温度に必ず影響が
ありますね!?
その変化が気圧の変化を生みます。
地面やアスファルトなどに太陽光が当たりますと地面は、簡単に直ぐに熱せられます。
ですから周りの気温が早く上昇するのです。
気温が高くなりますと、そこに存在する空気が膨張し軽くなります。
その結果、熱せられた空気は軽くなり上に上がろうとし上昇気流が起こります。
上昇気流でその周囲の空気が逃げます。
空気の量が減りますから気圧が下がります。
もちろん、気圧の低いところに水と同様に高い気圧のところにある空気が流れ込んできます。
これが対流の始まりなのです。
水面(海面、川面)や森林、緑地部分では水分が多くて太陽熱では、それほど簡単には
熱せられません。
そのために違う場所で上昇した気流が、その地域に向って降りてきます。
対流が降りてくる場所なので、今度は大気が上から押され、圧縮されて気圧が上るのですね!
地球規模で見ますと、赤道付近では太陽の光が真っ直ぐに地面に当たります。
ですから地面がたちまち高温になります。実は、海面もかなり温度が高くなります。
温度が上がると上昇気流が発生し、気圧が下がりますから赤道付近では低気圧や台風が
発生しやすくなります。
しかし極地では、太陽の光が斜めに遠くから来ますから、太陽熱を受けることがウンと
少なくなります。
極地(北極・南極)付近では、赤道付近と反対に地面が冷たく上空から大気が降りて来よ
うとし、気圧が上ってきます。
実際には、もっともっと大気は複雑に変化しますが、気圧変化の大元はこの太陽熱の変動
なのです。
気圧というのは、大気が上から押しつけられている状態を単位面積当たりどれくらいの
重さなのかで表します。
もうご存じでしょうが、気圧が高い(高気圧)と下降気流が発生するので雲が発生しに
くいので天気が良いのですね!?
気圧が低い(低気圧)と上昇気流によって雲が発生しやすいので天気が悪くなります。
低気圧と高気圧はいつも隣り合わせにいます。その気圧差が大きいほど、高気圧から低気
圧に向かう風が強くなります。
実は気圧が高いと、酸素の濃度も高くなるのです!
ですから疲れにくい(息切れしにくい)とか言った状態になるのです。
ちまたの民間酸素カプセルっていうのは、少し気圧を上げて、少しだけ酸素を吸入する
カプセルなんです。
カプセルのような機械で加圧したような状況(同時に酸素濃度も上げます)で、なんと
怪我の治りを速くする治療法があります!
サッカーのベッカムが骨折治療に使ったので有名です(^0^)
・・・関係ないか!?
逆に、気圧の低いところは酸素も薄いのです。ですから疲れやすい(息切れしやすい)と
言った状態になります。
高い山に登りますと気圧が減少しますので・・・息苦しくなります。
それが度を超しますと高山病になります。
以前、ペルーへ旅行に行ったとき、どのホテルにも、交通機関にも観光客用酸素ボンベが
設置されていました。家内などは、クスコというかつてインカ帝国の首都だったところに
着いてまもなく高山病になり、その後もマチュピチュ、チチカカ湖の観光はほとんどバス
の中で酸素のお世話になりっぱなし~(^^;)
リマに下りてきてからピンピン状態になりました。
私は性格上、何でも経験したくなる者ですから酸素を吸わせてもらいましたが・・・? なんも・・・感じませんでした(^0^)
私の乗る軽飛行機も1万フィート(ちょうど富士山のてっぺんくらい)を超える飛行をす
る場合には、酸素吸入をしながら飛ばなくてはなりません。
日本の場合:
イ)3000mから4000mまでの高度で飛行する場合は、当該飛行にかかる飛行時
間から30分を減じた飛行時間中、搭乗者に必要である。
ロ)4000mを越える高度で飛行する場合は、当該飛行にかかる時間中、搭乗者に
必要である。
と規定しています。
アメリカの場合:
12500ftから14000ftの高度を30分以上飛行する場合は、当該高度の飛行
中、乗組員のみに必要であると・・・。
14000ft以上を飛行する場合は、当該飛行にかかる時間中、乗組員のみに必要である。
15000ft以上を飛行する場合は、当該飛行にかかる時間中、乗組員と乗客に必要である。
と航空法で規定されています。面倒ですね!?
要は、高いところでは必要に応じて、酸素吸入しなさいって・・・(^0^)
地球上で、自然に気圧の高いところはといいいますと、できるだけ低いところなのですね!?
あのヨルダンとイスラエル近くにある「死海」は、なんと海抜マイナス400mなのです!
ここは普通のところに比べると気圧が高い場所なのですね!
そして、海に浮くほどの塩水濃度がありますから・・・リゾートとして健康にもいいらし
いのです。(行ってみたい~!)
また空気密度(これも以前、少し書きました)と言う意味からですと、暑いところよりも
寒いところのほうが気圧はだいたい高いのです。
地球のまわりには空気が取り巻いております。これを大気圧といいます。
ふだん空気の重さをまったく感じませんが、空気にも質量があります!
空気の質量は、普通の状態で1リットルあたり1.29gです。
1リットルは、1000cc(立方センチメートル;㎤)です。
あの1リットル牛乳パック1個分の体積で、空気の重さは1.29gもあるのです!
ですから、あなたの部屋の中の空気だけの重さを考えますと・・・かなりの質量がありま
すね!?
地球をおおっている空気の層について考えますと、地表付近ではかなりの質量の空気の
下敷きになっている訳です(^0^;
大気の圧力のことを「大気圧(気圧)」といいます。
すなわち空気の重さによる圧力のことです。
実は、あらゆる向きから物体をつぶすように働いているのです!
上からだけではなく、下からも横からもあらゆる向きから押しています。
地表付近の大気圧は、標準1気圧=1013hPa=760mmHg です。
hPaは、「ヘクトパスカル」と読みますね!?
mmHgは、「ミリエイチジー」もしくは「ミリ水銀柱」と読みますが、「ミリマーキュリー」
という人もいます。ミリエイチジーよりかは読み易いですね!?
英語表記では「millimeter(s) of mercury」です。
ちなみに、Hgは「水銀:mercury」です。
「トリチェリの実験」っていうのを中学校の理科でやった記憶があるようで、ないようで
でしょう!?
1メートルほどのガラス管のいっぽうの端を閉じて、そこに水銀を満たし、さかさまにし
て容器の中に立てますと、ガラス管内の水銀は大気圧が1気圧のとき、76cm=760mm
の高さに下がって止まります。
このとき大気圧の大きさは・・・すなわち水銀柱の重さによる圧力となります。
それで、1気圧=760mmHg と言うわけです。
なんと・・・1気圧は約1kg重/立方センチメートル;㎤です。
大気圧はけっこう大きな圧力ですが、私たちはそれで潰されることもなく平気ですよね!?
それは、自分自身の内側からも同じ圧力で押し返しているからなのです!
難しい表現を使いますが、単位面積に掛かる内外からの力どうしでつり合っている訳です。
また飛行機の世界に戻ってしまいますがご辛抱下さい!
先ほども書きましたが、どこでも高度が増すにつれて気圧は下がっていきます。
高度が低いほど気圧は高くなります。
飛行機の高度計は実際の高度を測るのでは無く気圧を測っています。
厳密には、同じ高度を維持するということは、同じ気圧層(Pressure Level)を飛行して
いる言えます。
もう少し言い方を変えますと、同じ気圧の所を飛行すると実際の高度に関係なく、同じ
高度を高度計が表示します。
残念ながら、暖かい日は空気が膨張するので空気層の幅も大きくなり、同じ高度を示す
気圧はもっと高い所になります。
なのに高度計は実際よりも低く示されてしまいます。
ちょっとこんがらがったかも知れませんが、
「気温が高い時は、実際よりも高い所を飛んでいる!」
涼しい日は逆の現象が起こり、「寒い時は思っているより、低い所を飛んでるので注意!」
と覚えなさいって、米国の教官からは親切に教わりました。日本のクソッタレ教官など、
大気の話も気圧層「専門的なので割愛します」も教えてくれませんし、どうせ質問しても
「ふん! 自分で調べろ!」ですから・・・(^0^;
一般的に高度計の誤差はどの飛行機にもあります。だいたいどの飛行機も同じなので、
誤差も一緒と考えて差し支えありません!
ですから、正しく修正(高度規正)されていれば飛行機同士の衝突は避けられています。
ただ離着陸するときや低空飛行する時は注意が必要です!
特に気温が低い所に行く時には厳重注意です。
「気温が下がる所へ飛行する時は下方に注意!」=「Low and Cold, Watch Out Below」
飛行機同士で衝突する事は無くても、障害物や山はTrue Altitude(実際の高度)になるの
で注意です!
ということで、いよいよビジネス・リーダーへの教訓です。
「大気」というのは、私たちを取り巻く自然環境です!
もちろん生まれてこのかた・・・教えられなければまったく意識することもありません。
空気と同様に、「無味乾燥」「不感圧力」ですから・・・(^^♪
お魚さんだって、水圧を感じないで生涯を終えるのでしょうね!?(^0^)
私たちは、意外と外部環境に無知なところがあります。
あまり政治的なことをお話したくはありませんが、企業・組織の外部環境には「政治環境」
「社会経済環境」は非常に重要です!
今回の「安保法案」の議論も本来の立法提案趣旨は、「外部環境の激変」から来ているは
ずです。
確かに憲法に照準すれば「違憲」「合憲」の議論に入りますが、「論点」「争点」がずれて、
ボタンが天地ひっくり返しになって始まった国会論議は北極点と南極点から石の投げ合い
っこをしているかに見えます。
1990年代、記録的な長寿で話題となった双子姉妹;キンさん、ギンさんの趣味が「国
会中継を観る」と言っていたことが思い出されます。
「民主主義」と「立憲主義」も視点が違いますよね!?
結論からいいますと・・・民主主義で選ばれた与党は数の力(多数決主義)で「安保法案」
を可決することは間違いありません!
「集団的自衛権」が「戦争法案」というなら、「個別的自衛権」であってもいざとなった
ら戦争を肯定するしかありません。
どうしたら、国際紛争を鎮める(皆無にはできません!)のか?
どのように外交努力によって近隣諸国と理想のおつきあいをすべきなのか?
日本国の安全保障が、戦略上の問題もあるでしょうが知り得る範囲で国民に具体的にどの
ように知らしめるのか?
そして、具体的に友好関係を永続させるための英知をどのように発揮するのか?
いよいよ為政者の手腕が試されると確信します。
で・・・なぜ、このような昨今の政治問題から入ったか?
普通は、どうでもいいと思っていること、気にもしていないこと、意識していないことが
表面化されたとき、正しい知識と現状を知っていないと「流される」ことを理解していた
だきたいからなのです!
ビジネス・リーダーたるものが、自社の、自組織の置かれている状況を知っていることは
必要十分条件なのです!
ビジネス世界でも戦いがあるのですから!
以前、私の管理者研修や幹部研修を受講した人ならイヤっていうくらい勉強した、「商い」
と「戦い」の違いを思い出して下さい!
もちろん、今日はじめてそんなことを聞いたとおっしゃる人の方が多いかと思いますので、
定義も含めて解説します。
「商い」とは・・・、お客様から喜ばれることをすることなのです!
「戦い」とは・・・、敵(競争・競合他社)から、嫌がられることをすることなのです!
人・モノ・金で考えますと、
【人】;
「商い」では、大事にすることです!
「戦い」では、殺すこと、ダメにすることです。
【モノ】;
「商い」では、大事にすることです!
「戦い」では、破壊することです!
【金】;
「商い」では、節約することです!
「戦い」では、浪費することです。
我々はビジネス(商い)を行っています。
だから、お客様も従業員も従事者も大事にし、育ててゆくことです!
設備、什器、備品、器具、道具、商品、消耗品もすべて大事に長持ちさせ、いつも買った
時と同じ状態に維持し続けることです。
お金はもちろん、無駄遣いをやめ、節約・倹約を習慣とすべきです!
戦ってはならないのです!
「戦いの心」を持ってはならないのです。
安保法案も「戦いの論理」にすり替えてはならないのです!
「戦争法案」と命名するなんて言語道断です!
ドストエフスキーが「戦争と平和」を執筆したとき言いました。
「私の潜在意識の中に、恐ろしい精神が宿っているからこの小説のリアリティが表現でき
る!」って・・・。
そうなんです!
暗病反(あんびょうたん)言葉を使ったりしちゃダメなんです!
潜在意識が顕在化し、負の連鎖反応をし始めるのです!
私たちは、常にビジネスの現場で「お客様に喜ばれること」の飽くなき追求をするべきです!!
そのための外部環境をどのように深く捉えるのか!?
このことをいつも考えて、ビジネスをするべきです!
そうすると答えが見えてきます。
ビジネスって簡単なのです!
・人のできないことをやればいいのです!
・人の嫌がることをやればいいのです!
なぜなら、困っている人々は「できない」から、「イヤだから」から、誰かにやってもら
いたいのです。
それをやってくれる人には「対価」を支払いますよ!
モノを買いたくても、自分でわざわざ産地に行って仕入れてくるなんてできないのです!
サービスだって、自分で背中を揉めないし、おいしい食事を作ることは道具もなく、いい
具材もない人にはできないのです!
「お客様に喜ばれること」を・・・「ここまでするの!」・・・「参ったぁ~(^^;」って
なるまでやれば、これこそ「敵の一番嫌がることをすること」でしょう!?(^0^)
それで「戦い」に勝てるのです!
政治でもそうなのです!
国民が本当に喜ぶ国を作り上げてゆけばいいのです。そのための具体的な施策をアイデア
として無尽蔵に持つ党は豊かです! あら探し党、重箱の隅突き党は心が貧乏です!
そして、そのアイデアを「商い」と同様に、「節約、倹約」「もったいない」「大事に」で
税金を有効利用すればいいのです!
大気は見えない圧力を我々にかけています!
同様に、見えないお客様、見えない敵が、ビジネス環境において圧力のごとく、本当は
強烈なものとして働いています!
以前、マイケル・ポーターの「競争の戦略」でもお話しました「5つのフォース(力)」
が外圧として組織には存在するのです。
ビジネスの立地環境によって、その気圧は消費者行動、消費者心理、居住者の文化・慣習
・風俗としても違っているのです。
いつも外部環境を観る「基準」を「規正」しつづけ、「変化に適応できる」経営体質を
作ってゆきましょう!
ありがとうございました。
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