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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第27講;『航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)』
第27講;『航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)』
航空機が墜落、遭難したら、「とんだ災難」などと軽口を叩くわけにはいきません(^^;
まずは「死」が待っています。
山中や遠い海になんとか不時着できても・・・誰かが助けに来てくれなければ、助かりません。
最悪、やはりそこで命を落とすことだってあります。
山に住む熊に襲われたり、海ではフカに襲われたり・・・、凍え死んだり・・・(^^;
飛行機が操縦不能になっても、パイロットは余程の操縦不能状態を除いて、なんとかリカバーができるように基本動作をチェックリストに添って何度も訓練します。
もちろん自家用(プライベート)パイロットは試験に合格するまで必死ですが、その後は・・・航空安全講習会などで少し脅かしを受ける程度です。
事業用操縦士は、そうはゆきません!
あのハドソン川の奇跡で無事、乗員・乗客全員無事帰還を果たせたパイロットは英雄になりましたが、まさに「パイロットの鏡」だ思います。
宇宙飛行士になれる人は、もっともっと過激な訓練を積まないとなれません!
ですから正直、格が違います!
私は自家用操縦士ですから、事業用を持っているパイロット、エアーラインのパイロットを本当に心からリスペクト(尊敬)しております。ましてや、宇宙飛行士に至っては、まさに神様です(^o^)/
ところが操縦士免許を持ってもいないくて・・・、飛行機についてめっぽう詳しいヤツがいます。
飛行機の型式を一目見ただけでバッチし当てるとか、航空工学をそれなりに知識として理解している。 ・・・でも実技能力ゼロっていうのがいます。
自動車のマニアにも、これと同じ「頭でっかち」がいます。
こういうのに限って、私のように薄学で、このブログを執筆し、読んでいただきたい対象者がまったく飛行機の世界に関係ない方々向けであることを理解できず、「重箱の隅を突い」て、難癖擬きの「質問」やら執筆の「問題点を指摘」をします。
まぁ~ハッキリ言って、「礼儀知らず」です。
彼のプロフィールを見ますと、まずご本人の写真がない!
素性もハッキリしない・・・。
フィードの内容をいくつか読ませてもらうと、やはり批判、指摘ばかり、評論家的書き方が多いですね!(^^;
おそらくクローズな世界では、それなりの友達もいるのでしょうが多くはないだろうと想像できます。
私が、ビジネス・リーダーの皆さんに毎度、申し上げていることは「礼節」を知ること、「躾」のできていることが最重要であると・・・。
ですから少々、知識を持ったからと言って、実践経験もしないでとやかく知ったかぶりする輩は、ビジネスの世界でも「中途半端に頭がいい」のですが、いざ何かをやらせたら・・・なぁ~んもできないのです!
このような類いの人間をビジネスの世界では採用しない方がいい!
特に発展途上にある中小企業には不向きです!
さて飛行機が遭難したら、どうして見つけてもらうのか?
実は、総ての飛行機に墜落・遭難したときに、電波を自動的に発射して遭難場所を通報するための無線設備の装備が航空法で決められています。
飛行機に大きな衝撃があった場合(一部の機器では水没した状態になった時にも)に、自動的に、「航空機用救命無線機、非常位置通報装置、緊急無線標識;ELT(Emergency Locator Transmitter)」から信号を発信します。
もう面倒なので「ELT」と表記しますね!
私が訓練を受けたり、常用しているセスナ172Pや152、182などの一般的な単発飛行機には通常、後部の壁の裏側に装備されています。
無線機のアンテナは、後窓の直ぐ近くに30cmくらいの黒くて細いアンテナが垂直に伸びています。
ELT本体はオレンジの箱です。分解をしたことがないので不確かなのですが、中に大きな衝撃でスイッチが入る仕組みが組み込まれています。
飛行機が非常事態(墜落、衝撃のある着地、水没)に陥りますと、航空緊急用周波数の121.5MHzと243.0MHz(新しいデジタル装備では406MHz)の周波数を使って救難信号を発信します。
その信号は捜索救助衛星で受信されます。そして、その情報が地上の施設に通報されます。
信号とは言いましても、凄く変な音・音声信号です。雑音にしか聞こえません!
デジタルの場合は、その音の中に色々な情報が含まれてます。
通報後は、その信号を頼りに遭難機の探索が行われます。
またATC(航空通信システム)や多くの航空機自体も、その信号を受信する事ができますので、衛星よりも先に通報が行われる場合があります。
現在、406MHzを使う次世代のシステムに変更されつつあります。
特に米国ではデジタル化が進められ、精度が日々向上しております。
121.5MHzと243.0MHzはアナログ式です。
エアーラインや一部の航空機では、既に406MHzELT装備も義務付けれられています。
以前は、2010年までには、人工衛星による121.5MHzと243.0MHzでの受信が終了する予定だと聞いていたのですが、現在もELTがそれなりに高価なものです
から、そのままです。
ただアナログ式は、統計的に97%が誤作動による発信だそうで・・・ちと当てにすることができません(^^;
時期は別としても、いずれデジタル化は避けられないと確信します。
デジタル式になると、もっと詳しい信号が発信され、遭難した機体番号などの情報も発信されるそうです。
飛行訓練のどこかでELTの誤作動確認の練習を一度だけします。
着陸などで強い衝撃を受けた場合、事故を起さなくてもELTの電源が入ってしまう事があります。
ELTの電源が入っていないか? 作動していないかどうか? 簡単に確認する方法があります。
それは無線機受信状態を121.50MHzに合わせて、ELTの信号が出ていないか聞くだけです。
とにかく聞いた事が無い人でも、録音した誤動作しているELTの音を聞かせてもらうと直ぐに分ります!とにかく変な音が流れます。
訓練では、ちょっと強めの着陸をしてしまったり、乱気流の中を飛行してしまったり、負荷のかかる操縦をした時は、ELTを確認しなさいと教わります。
日本でのクソッタレ教官は、「そんなことムダだからやらん!」って、やってくれませんでした。
実は、ELTの発信音を録音していないだけなんですね(^^;
米国の訓練では、できれば毎回のフライトの終了後に、確認するよう教わりました。
また本当にELTの動作確認をすべき時もあります。
ELTも機械ですから故障します!
電源をオンにし、無線受信機で121.5Mhzを傍受すれば、独特で変な信号が出ますので比較的簡単に動作確認が出来ます。
しかし、あちこちでテストばかりしちゃいますと、どれが本当の救助信号か分らなくなりますので、米国FAA規則では、ELTの試験をしても良い時間帯が決まっています。
日本のクソッタレ教官に聞いても教えてくれませんでした。
航空局に電話確認入れたり、法令別則などを調べるのも面倒なので、日本の時間帯は知りません!
米国FAAでは、毎時の00分から05分までとなっております。(first 5 minutes after the hour)
ELTのバッテリー(Battery)の交換時期も憶えておかなければなりません。
ELTは、飛行機の電気系とは別になっております。
通常の訓練機では、たとえばセスナですと米国製ですから米国FAA認定の電池(Battery)が使われています。
電池は、ご承知の様に自然放電などで劣化します。もちろん使ってしまうと充電量が減ります。
米国の航空法FARでは、ELTの電池の交換時期が指定されています。
1. 使用時間が合計で1時間に達した時(in use for more than 1 cumulative hour)
2. 寿命の半分に達した時(When 50 percent of their useful life expires)
(充電が可能な電池、Rechargeableの場合は、充電が必要な時の事となります)
ちなみにGUAMの教官に聞いてみましたら、ELTのバッテリーを分解したことがあるそうで、一般にアメリカで販売されているアルカリの乾電池だそうです(^^;
Energizerというメーカーのモノだそうです。アメリカでは凄く一般的で、どこのスーパー、雑貨店でも売っております。
ところが・・・この単なる乾電池でも「FAA Approaved(認定)」ともなりますと値段が桁違いに高くなるなします(^^;
いずこも・・・おなじ!
さて、ビジネス・リーダーへの教訓です。
企業・組織では、やはり「アクシデント」は付きものです。
「想定外」とも言いますが、「報・連・相」(報告・連絡・相談)の徹底を社訓や社の心構えで唱和しても、本当に「アクシデント」が周知されているでしょうか?
特に関連部署の全員が、その「アクシデント」や多くの「問題点・課題」を共有理解し、周知を集めることによって早期解決、問題拡大を防ぐことができます。
たとえば、クレーム処理なども同様です!
一部のクレーム担当者が孤軍奮闘するようではいけません!
また同様のクレームやアクシデントが、今後二度と起こらないように「教訓」づくりをするべきです。
実は書き忘れましたが、飛行機の世界では飛行場から訓練で場周経路訓練する以外に訓練エリアに行ったり、ナビと行ってある地点まで飛んで帰って来る訓練や、ロングナビといって、行った先で着陸して昼食を摂ったり、宿泊したりすることもします。
場周経路訓練以外、日本では毎度、「フライト・プラン(航法計画書)」を関係機関に提出する義務があります。これを怠って飛びますと航空法違反になります。
米国は、特定な管制圏・情報圏を飛ぶ以外は義務ではなく、ちょっくら万が一の時には助けて欲しいと思ったら「フライト・プラン」を出します。
「フライト・プラン」というのは、何処からどこまで、どこを経由して飛びますと書いたり、飛行機に乗る人数、その所要見積もり時間も書きます。見積もり所要時間は、風速や飛行機の高度、速度から計算します。また、搭載燃料やその燃料でどのくらい飛ぶことができるか?
特に最終到着飛行場と万が一の場合の代替飛行場を明記し、最終着飛行場への到予定時刻まで記載します。
それで・・・、実は日本の場合、「フライト・プラン」を出しますと、実際に出発直前に(滑走路に向かう直前くらい)、指定された機関に電話で「この機番飛行機は、先ほど出したフライト・プラン通り出発します!(簡単にオープンします!)」を宣言します。
そこから、関係機関が監視を始めるのです。
そして、最終目的飛行場に記載した時刻を過ぎて20分経っても、到着した旨を知らせる「フライト・プラン」の終了宣言(フライトプランのクローズ)をしないと・・・、捜査活動に入るのです!
ですからパイロットは、出発前にきちんと出発宣言をし、到着したら無事到着の連絡をしなければ、自動的に捜索活動が始める規則ができているのです!
と同様の、あなたの企業・組織においても、そのようなある基準を満たさなかったり、逸脱行為があった場合、自動的に監査、捜査機関(組織)が仕組みができているでしょうか?
各人の割り当てられた仕事・作業の「開始宣言」、「終了宣言」が「報・連・相」の仕組みの中で活かされているでしょうか?
皆さんもよくご存じの「トヨタ看板システム」もELTの発想と同様に仕組みができています。
機械化のお話をしているのではありません!
組織というのは、あらゆる情報を
「収集」⇒「取捨・選択」⇒「分析」⇒「判断」⇒「行動」
する「PDCAサイクル」ができることを普遍の目標にしなければなりません!
航空の世界(海運の世界も同様)では、「命」が主体でシステムを考えているな!ということが良く理解できます。
逆に、そのように思って訓練生は、理論や知識を吸収し、実践して行けばいいのではと後進にアドバイスをしたいのです。
ありがとうございました。
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