飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』 - いわき経営コンサルタント事務所

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2024 / 09 / 23  08:43

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

第26講:『Wake Turbulence (後方乱気流)』

 

茨城県の場外飛行場で飛行訓練やナビゲーションに出かけるときに「後方乱気流にご注意下さい!

;Caution wake Tubulance !!」なんて・・・注意勧告のATC(航空無線)を聴いたことがありません。

場外飛行場では、基本的に情報提供サービスとパイロットの情報発信(パイレップ;PiRep)があるだけですが・・・。

 

日本でも、福島空港、松本空港、新潟空港、名古屋空港、新神戸空港、高松空港、松山空港、佐賀空港などに離発着した経験がありますが、やはり聴いたことがありません!

 

日本の空港で唯一聴いたことがあるのは、Wide Band Receiver(広域無線受信機)を持って出張に行き、大阪空港のラウンジで暇に任せてATC(航空無線)を聴いていたとき、管制塔から次に離陸するYS-11の飛行機に対して注意勧告していたのだけです。

 

米国領GUAMのAgana国際飛行場は、大型ジェット旅客機、軽飛行機が入り乱れて離発着している空港です。

向こうのほとんどの空港は民間が運営しておりますので、商売上、なんでもかんでも離発着を受け入れます。

 

ご承知のように事故は自己責任の国ですから・・・。

ですからGUAMでの飛行訓練では、離発着の時、しょっちゅうと言っていいぐらい、管制塔(Tower)から、前機がジェット旅客機なら・・・必ず、「Caution wake Tubulance !!」と注意をされます。

この注意に対して復唱しないと

「おい野郎! 聞こえているのか!? ちゃんと応答せいや!」

と管制官から叱られます。

 

夜間離発着訓練をソロでやっていた時、緊張と離発着の多い時間帯に飛んだものですから、管制官がいろいろな飛行機に、矢継ぎ早に指令を送りますので、自分に向かって「注意しろよ!」って言われていることが聞き取れず、叱られたことがあります。

それでも緊張していて、着陸順番が回ってきた時、・・・どう返事していいのか分からないので「すんません!もう一度言ってくんちぇ・・・!?(^^; (Sorry! Say again , Pease!)」

を2回ほどやっちゃいましたら、

「もう一回やり直せ!(Go Aroud !)」って後回しにされました(^^;

 

飛行機の主翼の端から発生する乱気流のことを翼端渦流 (Wingtip Vortex)と言います。

特に離着陸中の航空機にとっては、かなり危険なのです!

特に重量の重たい大型機(Heavyと呼びます)から発生する乱気流はものすごく強く、それに軽飛行機が遭遇してしまいますと操縦不能になったりや空中分解してしまうほど危険性が大きくなります。 

その乱気流の威力は、飛行機の重さの2~4乗に比例して大きくなると私は理解しております。

(たぶん計算式では3乗だった気がするのですが・・・(^^; 忘れちゃったぁ(^^; 

 

ですから旅客機などが離発着する飛行場では、特に注意が必要なのです!

最近は、航空従事者の常識的知識とルールで事故の割合が激減しましたが、かつてジャンボ・ジェット花盛り時代を迎えた頃、あまりにも死亡事故が多かったそうです。

そのため、どの国でもかなり教育に力が注がれています。

 

私が教わったクソッタレ教官曰く

「我々は、そんな飛行場に行く機会はほとんどないからいいんだよ!」

確かに・・・(^^;

でも米国で空を満喫しようとしたら「FREEDOM」のお国柄、どの飛行場にも飛んでゆくことを前提に訓練をします。

ですから、この『Wake Turbulence (後方乱気流)』についてもシッカリ勉強をしなければなりません。

 

私はGUAMでの教官同乗訓練で、離陸前に管制塔からWake Turbulence (後方乱気流)」の注意を受けてから離陸をしました。

なんとなく心配でしたので、先に飛び立ったジェット旅客機の飛行跡を追いながら教官に「この辺で右旋回しても大丈夫でしょうかねぇ?」

って訊ねましたら・・・教官は「もう影響はないでしょう!?」

っていうものですから、ゆっくり旋回に入った途端・・・飛行機が本当に木の葉が舞うように大揺れしました(^^;

これには焦りました。

教官も「ウォ~(^^;!!!!」って悲鳴を上げましたねぇ(^^;

もう少しタイミングが悪かったら、間違いなく離陸直前ですからスピンして墜落でした。

落ち着いてから、教官が

「いやぁ~、ゴメン!ゴメン! やっぱりもう少し高度を取ってからでした。私としたことが申し 訳ない!」

と・・・。

 

日本のクソッタレ教官なら、

「こうなるんだよ! 良い経験したろう! これから二度と大型機の後を追うなよ!」

って言うでしょうねぇ~(^^;

 

日本でお奨めの「Wake Turbulence (後方乱気流)」を経験できる飛行場があります。

大阪国際空港の滑走路に近い所(Approach Endといいます)で飛行機の着陸を見に行ってみてください!

直ぐ頭の上を大型飛行機が通過しますと、もの凄い風か、突風が来ます!

まぁ~その中にいますと、「Wake Turbulence (後方乱気流)」の勢いかどれほどのものか体感できます。

このなぜ危険かを実感しますと、台風や昨今発生が増えている竜巻による突風がこれまたいかに危険か分かります。

 

話はそれますが・・・台風になりますと民放の報道アナウンサーが暴風雨をこれ見よがしに見せつけるためパフォーマンスで実況アナウンスをしますが・・・私は邪道だと確信します。

ましてや、かわいい女子アナがやっているのを見ると「これはイジメ!?」って思います!

 

さて「Wake Turbulence (後方乱気流)」がなぜ発生するのか? 少しだけ知ったかぶりです!

 

まず「翼端渦流(Wingtip Vortex)」というのを説明します。

 

飛行機の主翼では上面と下面の、気圧の違いによって上に引っ張る力、「揚力」を生み出しています。(ベルヌーイの定理によって証明)

 

ところが、主翼の端っこ(これをWingtip;翼端と呼びます)の近くでは、「揚力」を作ることがなかなかできません。

翼の先っちょでは空気が横から(Outward)、そして下から上(Upward)に移動(逃げて)してしますのです。

そうなのです! 翼端では空気が逃げるのです。

 

その空気が逃げる時、翼端から円を描くように空気が洗濯機の水のように廻りながら流れます。

特に翼の先は強くなります。 

 

また外に逃げる空気は、気圧の低い上に移動しますので円状(渦状)になります。

Outwardに逃げて、Upwardに移動するので、Vortex(渦)ができるのです!

 

この渦は円を描いて移動しますが、飛行機の方は前に向かって進んでいますから、後方に向かって渦巻きながら強い風を吹かせます。

私は、竜巻の逆現象のような渦巻き筋(見えないのですが!)と感じています。

 

この空気の渦が、円を描きながら後方にそのままある程度の時間残ってしまいます。 

これを「Wingtip Vortex(翼端渦流)」といいます。 

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」は、どの飛行機の翼にも発生しますが、重たい飛行機は「揚力」が大きいので、それに比例して「渦の力」=「Wingtip Vortex(翼端渦流)」も大きくなります。

 

「Wingtip Vortex(翼端渦流)」は、右の翼端では反時計回り、左の翼端では時計回りになります。

 

飛行機が通過した後方での「Wingtip Vortex(翼端渦流)」による乱気流が発生しますので、「後方乱気流(Wake Turbulence)」と呼んでいます。

でも「Wake」って、「目が覚める」「呼び起こす」っていうのになんで「後方」って訳すの?・・・だって、経験者は一瞬にして目が覚めるし、反省を呼び起こすモン!(^o^)/

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」による「後方乱気流(Wake Turbulence)」は、離陸直後から着陸するまで常に発生しています。

ですから、「揚力」が作られている間は常に発生しているのです。

 

この「Wingtip Vortex(翼端渦流)」の勢いがもっとも強くなるのは、

 ・Heavy & Slow & Cleanの状態の時だと教わりました。

 

ご想像のように、特に注意するべきなのは重たい状態なのです!

Heavy(超重量機)・・・といえば、エアバス380やボーイング747-400の後ろなのです。

重たい飛行機では、多くの「揚力」を作られなければなりません。その分、Vortex(乱気流)も大きくなるのです!

 

Slow(低速)状態の飛行機では、やはりより多くの「揚力」を作らないと落っこちてしまいます。

低速では空気の通過量が少ないため、それを補うために、Angle of Attack(上向き角度)を大きくします。

そうしますと翼の上下の気圧差が大きくなり、翼端から漏れる空気の量が増え、「Wingtip Vortex(翼端渦流)」が強く増えてしまうのです。

 

飛行機の揚力を補うために使うフラップ(Flap;補助翼)やギア(Gear;車輪)が展開されていない状態のことを「Cleanな状態」と言います。飛行機にとって空気抵抗が少ない状態ですからCleanと言います。

余談ですが、「Cleanな状態」の 反対語は「Dirtyな状態」と言います。

フラップ(Flap;補助翼)やギア(Gear;車輪)がDown(降りている)状態では、空気抵抗が大きい状態となります。

 

となりますと・・・凄く重たい大型機(超大型飛行機)で、燃料満載状態で、低速での上昇角度が最大な状態の飛行機が離陸するときは、最も危険であることが分かります。

 

「Wake Turbulence (後方乱気流)」は、ゆっくりと沈んで行きます。そして広がっていきます。

 

ですから大型機の後ろから着陸する場合は、その大型機が着陸した地点よりも前方に着陸する様、指導を受けます。

着陸時に管制官から「後方乱気流に注意せよ!」と言われたら・・・、前方にいる着陸機の着地点をよく見ておいて、その位置よりもっと向こう(前方)にタッチダウン(着陸)しなさいと理解しておけばいいのですね(^^)

接地する時に、大型機の場合にはタイヤと接地面に煙が見えますので、それが参考になります。

 

私が以前、GUAMの夜間ソロフライトで焦ってしまったことを先ほど書きましたよね!?

あの時、おそらく、この「Wake Turbulence (後方乱気流)」の理屈を十分に理解しておりませんでした。

ですから焦って着陸していたら、管制官から「Go Aroud(着陸復航)」の指示を無視して着陸していたら・・・今時、こんなことを書いておりません(^^;

 

大きな飛行機が着陸した後、次に離陸する場合には、その飛行機が着地した地点より遠くで離陸を開始します。

 

大型機が離陸した後に離陸しようとする場合は、大型機が浮上(Airborne)した地点から後方乱気流が発生しますので その地点までに離着陸をします。

離陸する時は、技術が上がってきたら風上側にコースを変えるなどします。

離陸した後は、風上にちょっとコースを外して飛行しますとその辺にはもう、『Wake Turbulence (後方乱気流)』の残留がないので安全なのです。 

 

もちろん、大幅にコースをズラして飛行することはいけませんが、多少コースが外れても管制官は文句をいいません。GUAMでは、このような離陸を良くします。

 

GUAMでは管制官も親切でして、軽飛行機が離陸待ちに入ってから大型機が着陸、離陸した場合・・・だいたい3分ほど待たされます。もちろん、3分間の燃料代もバカにはなりませんが命より格段に安価です(^^)

 

危険を感じたら着陸を取りやめた方がいいのです!

数分間待つテクニックは「Make 360」と言って、場周経路(Traffic Pattern)のダウン・ウィンド(Down Wind)を起点に外側に360度旋回するのです。

飛行機は、大型機でも小型機でも正しい方法で旋回しますと一周360度旋回は2分ぴったりなんですよ!(^^)

この意思を管制官に伝えれば、印象も良くなり喜んで他の指示を出してくれます!

私の場合、Traffic Patternを一周回って来ます。

"Request to fly traffic pattern to avoid wake turblence ....."って格好良く言います(^^)

離陸の時なら、数分間待つことを宣言(リクエスト)します。

 

無風の場合の「Wake Turbulence」と、緩い横風の時の「Wake Turbulence (Wingtip Vortex)」を比較しますと緩い横風の時の方が「Wake Turbulence」滑走路に残ります。

詳しく書きますと・・・飽きちゃうでしょうからコレまでとします!

長々と知ったかぶりして・・・ごめんなさい(^^;

 

さてさてビジネス・リーダーのための教訓です!

今回は「Wake Turbulence (後方乱気流)」の飛行機での理屈を勉強しました。

ビジネスの世界では、「大きなブームの後を追うな!」ということに尽きます!

 

まず、「ブーム」の語源なのですが、ブーム(boom)というのいうは、「ドーン」とか、「ブーン」「ボカーン」「バぁーン」などの擬音語なのです!

もちろん英語です。

 

その意味が転じて、「ドカーンと流行する」のを「ブーム」と日本人が造語したのです!

 

ですから、大きな「ブーム」というのは「ドカーン」と流行ったら「スコン」と消え去るようなものを「ブーム」と理解しましょう!

 

なぜ大きな「ブーム」が起こるかって・・・?

それは「参入障壁」が低く、「誰でも」「簡単」に乗じることができるのです。

「誰でも」「簡単」がミソなのです!

 

だから経営技術、技能はほとんど要らないのです!

大きいですが・・・、みんなが競争相手になって、第三者的に見れば「雑魚の喧嘩」になるのです(^^;

 

大きかったら、必ず、大きく凹むのです!

これも「ゼロサム理論」と同様です。

「儲ける人」-「損する人」=「ゼロ」

「勝つ人」-「負ける人」=「ゼロ」

 

大きな「ブーム」には、大きく飛躍するまでに「Wake Turbulence (後方乱気流)」が発生しております。

多くの人、中途半端な識者・コンサルタントにおだてられたり、煽られて、「そうかぁ~、そんじゃぁ・・・」で始めたら、もう「ブーム」は失速し始めていたり、その「ブーム」の混乱と大きな問題点発生に・・・「そんなはずじゃなかったぁ~」ってな具合の状況がだいたい発生するのです。

 

「赤信号・・・みんなで渡れば・・・」と同じで、その最後をついて行きますと、そこに猛スピードの車が突っ込んで来て、大怪我、それどころではなく命取りになるビジネスがゴロゴロしております。

 

「ブーム」に乗るとき、明確な「経営理念」や「経営方針」、他社、競争・競合との本当の差別化戦略、独自化方針がなく、かつ・・・人財育成計画もせずに始めたら・・・、自社が、自組織が混乱・内乱を起こすのです!

 

皆さんもご経験がおありでしょう!?

飛行機で移動中に、大きな乱気流かそれなりの乱気流に遭遇したことが・・・?

本当の乱気流は、そんなものではありません!

私は過去に2回、エアーラインの巡行飛行中に遭遇しました。

どちらも食事中でした。すべてのテーブルに置かれたモノ(トレー、食べ物、食器類)が天井にぶつかるのです。

それだけではなく、地震以上の大きな揺れ、振動があります。

 

セスナに乗っている時には、エアーポケットというものに入りましたら、本当にかなりストンと落ちます。

富士急ハイランドの「フリー・フォール」、ディズニーにある「センター・オブジ・アース」系は、せいぜい20m~30mくらい落ちるだけですよね?

飛行機なら200ft~300ft=50m~100mくらい落ちます。

また落ちたら、フワーンと真上に上がったりもします。

飛行機のスピンは、真っ逆さまで回転しながらです(^^;

 

まぁ~、とにかく「乱気流」に巻き込まれない経営環境においては、徹底した安定的飛行(安定的業績向上)を目指して下さい!

 

ありがとうございました。

 

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2024.10.16 Wednesday