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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第18講;『Gyroscopic Precession(回転する物の反応)』
第18講;『Gyroscopic Precession(回転する物の反応)』
回転する物の反応(Gyroscopic Precession)というのは、高速で回転する物は通常の物と違った動きをするのですねぇ~。
トルク(Torque)と回転する物の反応(Gyroscopic Precession)について英語版ですが、Youtubeで実験動画が公開されています。
参考になさって下さい!
https://www.youtube.com/watch?v=ty9QSiVC2g0
男の方であれば、小さい頃に遊んだ記憶があると思います。
「地球ゴマ」です。
いまでも憶えているのが、その地球ゴマの総本山;ほとんどの製造発売元が名古屋にある株式会社タイガー商会の主力製品でした!
「地球ゴマ」というのは、「ジャイロ効果の原理」を応用した科学玩具なのですねぇ!?
円盤が高速で回転運動を行っている間は軸がしっかりとしていて、外部から力が加わらないかぎり回転軸の向きが常に一定不変に保たれるというのが「ジャイロ効果の原理」といいます。
ところが回転軸にいったん外力を加えますと、その加えた力とは直角(垂直)の方向へ回転軸が移動するのですねぇ~(^o^)
この地球コマの様に、高速で回転する物体では、特殊な反応が2つあります。
一つは高速で回転する物に何らかの「力」を与えますと、その「力」は回転方向の90度先に反作用として現れます。
この90度先に作用が出ることを「Gyroscopic Precession」と言います。
飛行機には、3つの車輪(Wheel)が付いています。
主翼両側に1個づつとプロペラ真下付近に1個の前輪式(Nose-wheel landing gear)と後輪式(Tail-wheel;零戦などの戦闘機に多いです)があります。
後輪式(Tailwheel)の飛行機が離陸する時には、離陸のために滑走をし出しますと、すぐに飛行機を水平にするよう操縦桿をニュートラルから一拳ほど前に倒します。
そうしますと後部(Tail)が上に上ります。
後部(Tail)が上りますと、重心を中心に回転しておりますので機首が下がります。
この時に、回転するプロペラにも下に押す作用が働きます。
しかし、プロペラは高速で回転していますので、回転の先である左90度に反応が出てきます。
プロペラを下に押そうとした物が、プロペラの回転のために機首を左に押そうとします。
後輪式(Tailwheel)飛行機で離陸する時は、尾翼が上がる時に機首が左に向こうとしますので注意しなければなりません。
私がULP(ウルトラ・ライト・プレーン;超軽量飛行機)を操縦していた頃、なぜ飛行機が左に急に傾くのか分からず、ここでのクソッタレ教官も教えてくれませんでした(^^;
前輪式(Nose-wheel)飛行機は、それほど顕著には影響がでませんが、!
『傾向Tendency』4つの一つになっていることは事実です。
さて高速で回転する物体では特殊な反応が2つあると書きましたが、もう一つは軸が動こうとしないことです!
「Rigidity in Space(空間における剛性反応)」と言いまして、回転している物(Gyro)は移動したり傾いたりしないのです!
代表的な例は、おもちゃのコマです。
また自転車が倒れないのも、車輪が回転しているからです。
初心者の人が、自転車に乗れない、倒れてしまうのは速度が不十分だからです。
この「Rigidity in Space」という特性は計器に使われています。
後日、飛行機の計器類がどのような構造になっているのかもお話します!
今回のビジネス・リーダーの皆さんには、『Gyroscopic Precession(回転する物の反応)』の2つの中でも、後述の「Rigidity in Space」からの教訓をお話します。
企業・組織は、高速回転しておりますとフラつかないのです!
すなわち成長発展している状態は、組織論からいいますと高速回転状態なので、組織の方向性や組織員のモチベーション、モラールは倒れたり、変な方向に行くことはないのです。
多店舗展開する小売業、サービス業、営業所展開を果敢に続けている企業は、確かにキツイのでそれについて行けない者は、愚痴、不平・不満を漏らしますが、ほとんどの人たちはそのことに気づかないし、聞いている暇もない!
もっと自身の興味のある視点は、やはり成長の先にあるものです。
このような成長発展段階にある企業では、基本的に従業員主体ではなくビジネス・リーダー主体のワンマン型の組織になることは否めません!
それでもいいのです!
特に成長業種においては、ウカウカすると競争・競合他社に先手を打たれます。
ですから、みんなが必死なのです!
グタグタ言う従業員は、ハッキリ言って邪魔なのです。
ところが・・・前回のブログでも書きましたように、「〇〇ハラ」が流行していて、大ばく進している企業には不向きなお人が訴えを起こしたりします(^^;
なんとか・・・このような人を押さえ込んだように思えても・・・、ひとたび企業の成長スピードが鈍化しはじめますと「〇〇ハラ」に点火しちゃうのです(^^;
そうしますと、せっかく安定しかけていた企業経営状況がフラつき始めるのです。
自転車もだいたい・・・転びます。
飛行機なら「ポーポイズ」「ダッチロール」などと呼ぶのですが、上下・左右に大きく姿勢を乱します。
飛行機の怖いところは、このようになり、そのブレが大きいと空中分解にまで至ります(^^;
「イケイケ・ドンドン」企業が「有頂天(てっぺんがある)」ですと、後は下りだけなのです!
その時、姿勢が大きくブレ、企業・組織のトップ・マネジメントでも大きな意見・見解・思想の乖離が始まります。
「大塚家具の事業承継問題」などの本質もこの辺にあります。
ビジネス・リーダーのみなさん!
「Rigidity in Space」という概念を組織論に当てはめて、自戒することも大事です!
ありがとうございました。
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