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飛行機の世界から学ぶ経営いろは考:第12講;『揚力』
第12講;『揚力』
飛行機には、飛行しているとき(飛行時)に4つの力が働いています。
皆さん、あのジャンボ・ジェットが・・・、大型飛行機が空を飛んでいるって不思議ではありま
せんか?
子供の頃、飛ばした紙飛行機やゴム動力の竹籤でできた飛行機もまったく同じ理屈で飛行してお
ります。
飛行機が空中を航行(飛行)するのには、空気抵抗に逆らってエンジンから生み出される力で
機体を前進させ、また、主翼の上の面と下の面に発生する空気の圧力差によって、主翼に上向き
の力を発生させ機体を浮き上がらせ(浮揚)なければなりません!
この上向きの力が飛行機の総ての重さ(重力)に打ち勝って、これに前進する力が加わって初め
て飛行機は飛行が可能なのですね(^o^)
飛行機を前進させるためにエンジンから生じる前向きの力を推力(Thrust)といいます。
空気の抵抗やその他諸々の抵抗が前に行こうとする飛行機には発生します。
これを抗力(Drag)といいます。
とにかく抗力よりも推力の方が勝たねば飛行機は前には進みません。
実は飛行機が前進しますと主翼(前にある大きな翼)に上向きの力が発生します。
これを揚力(Lift)といいます。
飛行機の総ての重さは地球の中心に引っ張られる力(引力)が働きますが、これを重力(Gravity
:Weight)と言います。
飛行機の機体には、常にこの推力、抗力、揚力、重力の4つの力が作用しています。
飛行機が水平(上下動なし)にまっすぐ(直線)飛んでおり、スピードを加速・減速もしない
状態のことを「水平直線飛行」といいます。
この状態の時には、物理学的に揚力=重力、推力=抗力の状態になっています。
飛行訓練の初期の段階では、この状態を維持し続けることを教官から教わります。
私の初めて出会ったクソッタレ教官(アレレ・・・私としたことがこんなお下品な言葉を(^^;
は、「前を見ろ! ケツで感じろ!」でした。
「前を見ているのですが・・・?」
「曲がってんじゃぁねぇか!」
「???」
「ほら! ディレクション・ジャイロを見ろ! 方角だよ!」
「・・・」
「なにやってんだぁ! いま90°の方向に飛べって言ったろ! 100°の方角じゃぁねぇか!」
「あっ、ハイ(^^;」
「ほら、飛行機が落ちてきてんじゃぁねぇか!」
「はぁ~??? (^^; 」
「高度計を見ろ!」
「ハァ~???」
「これだよ!」
「あっ、ハイ! 1300ftです」
「バッキャァロー! 2000ftで飛んでたんだよぉ~!」
「・・・(^^; 」
まぁ~、とにかく最初に出会った教官、先生によって人生が変わるとは良くいったものです(^^;
私は一応、ULP(超軽量飛行機)の免許を持って、飛行操縦士免許の訓練に入りましたので、
本当は分かっているのですが、「知ったかぶり」するとますます増長してイジメをしそうな教官
でしたからできぬフリ、知らぬフリをしました。
ウルトラ・ライト・プレーン(ULP)というのは、おそらく、みなさんも見たことがあると
思います。
カヌーに羽根をつけて、それにプロペラをつけたような、それでも本物の飛行機です。
ハンググライダーやパラグライダーはよくご存知だと思います。
パラグライダーやハンググライダーをやっている人は意外と多いのです。
残念ながら、まだULPはマイナーなのですが、年々、やる人が増えております。
毎年、免許取得試験が難しくなり、取るのにお金もかかるようになってきているそうです。
私は、簡単で費用も掛からない時代、いい時に取ったと思っております。
この教官、1万5千時間の飛行時間が自慢でした。
とにかく、自分以外のパイロットは糞味噌に言う人でした(^^;
エアーラインのパイロットに対しても、「あんなもの金さえあれば、誰でもなれる!」なんでぬ
かしやがる。(アレレ、またまた・・・私としたことがこんなお下品な言葉を(^^;)
結局は、GUAMのアビエーション・スクール(飛行学校)に入って、こんなに飛行機は楽しい
のかを再度、感じることができました。
飛行機は「コツどころ」をマスターすれば、そんなに操縦は難しくありません!
米国の教官は、1年に何人訓練生を合格させたかが問われます。
日本では、プライドの塊(彼だけでしょうが・・・)で、落っことすことだけ、できない所ばか
り指摘してやる気をなくし、それでも這え上がってきた者を一人前とする・・・(^^;
結局、飛行時間が米国の数倍は費消し、かつ日本の1時間当たりの訓練費用は米国の約3倍です
から・・・日本で免許を取ったら、やっぱりそれは・・・凄いのです(^^;
さて『揚力』というのは飛行機が上昇するのに必要な上に押上げる力のことなのです。
物理の用語なのです。
高所恐怖症の人、遊園地のジェットコースター程度が怖い人は、もちろん、ULPやグライダー
には乗れません。
高所恐怖症を治す方法があるのですがここでは割愛します。
私は、仕事がら毎月飛行機(ジェット)に何度も乗っております。
ULPに較べたら馬力もあり、大きいですから空高く、ものすごいスピードで飛びます。
たまに飛行機のすれ違いを窓から見ることがあります。ものすごい早さでアッというまに向こう
から来た飛行機が見えなくなります。
空ではほとんど抵抗がありません。
スキーだって抵抗が少ないからチョットの傾きでスピードをつけて滑ることができます。
空の上も飛行機は滑って飛んでいます。だから、滑空といいます。
「なんとかと、なんとかは高いところが好き~(^o^)」といわれますが、軽飛行機で高いところ
に昇りますと、その下界の景色の素晴らしさの虜になります。
山の上よりも見晴らしがいいのです! ズッーと向こうの方まで見えます(^o^)
色まで違います!
余裕ができますと、真下に人や自動車を見ることができます。まるで鳥なった気分になります。
飛行機から地上を見ていますと・・・、どこにも土地の境界線を見ることができません!
どこからどこがオラの土地なんて書いてありません!
なんで地上では、土地のことで隣同士がケンカをするのですかね?
その大げんか、国同士の喧嘩が戦争なのですね~(^^;
しかし、このようなことも空の上に行かない限り経験はできません。
そのために上に昇る力が必要になります。
飛行機では先程も言いましたように『揚力』が必要になります。
『揚力』は自分で下からあおいでもダメなのです!
冒頭で少し触れましたが、飛行機のプロペラをエンジンで回しましますと「推力」という力を
発生させます。
その力が飛行機を前に進めます。
そうしますとオートバイや自転車でスピードを出すのと同じく前から風がきます。
この風がやや上向きの主翼にぶつかります。
そうしますと、この風(実は空気なのです!)は翼にぶつかって、上側と下側に折れ曲がります。
上の翼面は、緩いカーブを描いています。
下の翼面は、ほぼまっすぐ平面です。
空気が上と下に分かれても、必ず、主翼の末端では再度合流します。
上の面を流れる空気の移動距離と下を流れる距離とはどちらが長いかといいますと上の面なのです。
一度分かれた空気が、また同じ時間に合流するためには、上面を流れていった空気の速度は、
仮面の速度よりも速くなくてはなりません!
ご承知のように、細い管を流れる水は太い管を流れる水よりスピードが速いのです。
少し物理をやった方なら思い出されると思います。
「管の中を流れる液体の流れる速さと圧力の合計は、管の断面積によらず常に一定である」
例えば、ストローのような管の中に液体を通すとしましょう。
その一部がくびれて細くなっているとしましょう!
くびれていない部分では、ストローの中を流れる液体は、遅く流れていますが、圧力は高いのです。
くびれている部分では、液体は速く流れていますが圧力は低いのです。
ストローが太くても細くても、流れる液体の「速さ+圧力」の値が常に一定になるのです!
「遅ければ圧力が高い!」
「速ければ圧力は低い!」
これを「ベルヌーイの定理」といいました。
もう少し偉そうに、難しく式を書きますと
【流体の圧力と速度の関係式】
静圧 + 動圧 = 全圧
この「ベルヌーイの定理」も基本的には、「ニュートン第2法則:運動方程式」に基づいています。
また、飛行機の主翼は横から見ますとやや上向きになっています。
皆さんが、自動車に乗っていて窓から手のひらを外に出し、向かってくる風に対して手のひらの
角度を変えますと手が持ち上げられたり、下に落とされたりしますね!?
飛行機のもう一つの『揚力』原理はこれなのです!
先ほどと同様に、前に進む飛行機に向かって主翼がやや上向きになっていますと、下に行こうと
する風が、翼下面にぶつかり、翼全体を足蹴りするように上に持ち上げます。
これも『揚力』成分なのです。
これは「ニュートンの第3法則:作用反作用の法則」なのです。
私は物理の専門家ではないので、これ以上ご託を並べますとボロが出ますので・・・これくらい
にします(^^;
チョット難しかったかな~!?
すなわち、『揚力』というは、前からまともに風がこないと発生しないのです!
なんと実は、飛行機は風に向かって飛び立つ(離陸)のです。
また着陸するときも、風に向かって降りるのです。
「インディアンと藤本、ウソつかない!」
ですから今度、すべての鳥が風向きに対して真正面になってから着地することをよく観察してみ
て下さい!
飛行機の着陸をするときは、管制官や飛行場のフライトサービスというところに問い合わせて、
必ず風向きと着陸して良い滑走路の方角を教えてもらいます。
どの滑走路も基本的に離発着するときには、風向きに相対します。
ところが誰も居ない、もしくは不時着すべき事態になったらパイロットはどうするか?といいま
すと、鳥の着地場面を観ることができたら鳥の頭の向いている方から風が吹いていることが分る
のです。もちろん、煙突の煙の方向、川や湖の波の方向を観ても判断します。
これは訓練生の時に、「エマージェンシー訓練」というのがあり、教官が急にエンジンを止めて、
緊急着陸せよ! と命じるのです。
その時、第1番目にすることは飛行機の速度を一定にし安定飛行状態を取ります。
続いて、どこに緊急着陸するのか教官や実技試験官に宣言します。
その時、風向きはこうだから、どのような方向から着陸するのかを瞬時に言わなければなりません!
パイロットはですから、いつも飛行中に万が一が起こったらどこに緊急着陸するのかを決めなが
ら飛ばなければなりません。
海の上を飛んでいますと、なるべく漁船並の船を見つけながら飛びます。
間違っても、貨物船やタンカーはダメです。
不時着したとき、すぐに助けてもらえるのは・・・船員さんが飛び込めるくらいの船なのです(^o^)
さて、前からの風が『揚力』を生むのですねぇ~。
この『揚力』によって、ドシンと下に落っこちなくて済むのです!
人生も経営も同じなのです!
いつも、前からの風が吹いている中を真正面から逃げないで立ち向かってゆくと上に上がること
が出来るのです!
人生や経営では、前からの厳しい風を普通「逆風」と表現します。
この言葉は困難な状況のときに使うようです。
でも「逆風」に立ち向かったほとんどの人が「栄光」を手にしております。
「栄光」こそ高い地位とすばらしい人生ではないでしょうか!?
「栄光」を手にすることのできた人は、実に多くのすばらしい体験をします!
ビジネス・リーダーであるあなたに、そんな「向かい風」を送ってくれる環境、人こそ、自分を
成長させてくれる『巡り会うべき場』『巡り合うべき師』『先輩』『良き同僚』『お得意先様』『お
客様』であることをシッカリ理解して欲しいのです!
ありがとうございました。
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