ビジネス・リーダーに不可欠なキーワード:第46講:『無為(ぶい;Idleness)』 - いわき経営コンサルタント事務所

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2023 / 10 / 30  08:30

ビジネス・リーダーに不可欠なキーワード:第46講:『無為(ぶい;Idleness)』

第46講:『無為(ぶい;Idleness)』

 

以前は、立春直後に私はお伊勢様にお参りしておりました。

もう10年ほど前の話ですが、久しぶりにその前日、京都のお墓参りをしました。

 

母方のご先祖様が眠る京都東大谷さん(東本願寺大谷祖廟とも言います)に

お参りをしてから清水寺に直行しました。

 

いつもなら京都東口にあるMKタクシーさんを呼ぶのですが、今回は行きずり

のタクシーを拾い清水寺に直行しました。

 

私は、京都に入ると新幹線東口を出た向かいにあるMKタクシー本社に行きます。

MKタクシーでは、名運転手のお一人である田中さんをいつも指名しておりま

す。MKタクシーのドライバー・ランクは、乗車できる車種で分かります!

田中さんは、マジェスタ・クラスです!

 

ご承知の方も多いでしょうけれど、MKタクシーは安全運転歴や売上げだけで

ランク付けをするわけではありません!

「サービスのMK」と言われるごとく、「接客レベル」「京都ガイディング・

レベル」「通訳レベル」などの総合点でランクづけされます。

 

以前から、私は京都でのチョッとした観光にはMKタクシーを重用しております。

 

話しはガラッと変わりますが・・・TVドラマで描かれた世の中「渡る世間に

鬼ばかり」なのですね!?(^^;

「弱り目に祟り目」

「落ち目に祟り目」

「鬼は弱り目に乗る」

「泣きっ面に蜂」

「踏んだり蹴ったり」

「痛い上の針」

「痛む上に塩を塗る」

「傷口に塩を塗る」

「ひっくり返った上を踏まれる」

「瘤の上の腫れ物

「転べば糞の上」

「損して恥かく」

「頼む木の下に雨漏る」

「不幸は単独では来ない」

「痩子に蓮根」

「病み足に腫れ足」

「病む目につき目」

「弱身につけこむ風の神」・・・・・・・

 

まぁ~、 不幸の乗数ことわざみたいなことが起こるのです(^^;

 

とにもかくにも、心身共に絶不調となりますとい、「好転要因」はほとんど

皆無に近い状況になっています!

 

ですから、ビジネスリーダーは冷静に外部環境・内部環境を見渡して、「最悪

の状況」を想定し、対策を講じておくことは賢明なことですね!

 

この概念のことを「EWS(Erly Warning System);

早期警戒システム」って言うんですね!

 

典型的な例が、鉄道自動緊急自動停止システムでしょうか?

 

航空の世界にもあります。

ACAS(Airborne Collision Avoidance System);航空機衝突防止装置)なるものが

・・・(^^) 

 

国防概念であれば、緊急スクランブル指令とQR(クイック・レスポンス)な

んですね!

一昨日も、北朝鮮が大陸弾道ミサイル実験に成功した(^^;

日本では憲法上、迎撃も先制攻撃もできない(^^;

 

そして、実際に非常事態が発生したら、適当ではなく、順当に(手順良く的確

に)行うべき対応策を作っておくべきなんですね!

これを「コンティンジェンシー・プラン(Contingency plan;緊急事態対策)」っ

ていうんですね!

「起こりうる不測の事態」、特に「最悪の事態」を想定して立てる計画、対処

法なのです!

 

 

そんでもって、今回の本題「無為(ぶい)」を論ずるわけです(^^)

 

辞典では、「無為自然」で調べると出ていますね!

 

私たちは生まれながらにして、無数の争い事に巻き込まれたり、それに直面し

たりしてきました。

これからも死ぬまで、その事が続きます!

 

このような「事象」が発生しますが、結局のところ、お互いの持っている相対

的な価値観に基づいて争っている訳です(^^;

そんでもって、どちらが「正しい」ということが決められない・・・(^^;

 

もっと重大なことがあります。

それは、・・・多くの人が「正しい」と言ってはいても、本当にそれが正しい

かどうかは分からないのです!

だって、そもそも「絶対的な正しさ」というものなんてない!

 

歴史から学べば、「社会的な価値観」というのは移ろいゆき変っていきます!

 

そのようなことを、論考し多くの言葉で後世に「教訓」を書き記したのが老子

なのですね!?

 

チト、知ったかぶりしますと・・・

 

 『天下みな美の美たるを知るも、斯れ悪のみ』

 

なんて、老子様は諭されている(^^)

 

こんなのも・・・、

 

 『みな善の善を知るも、斯れ不善のみ』

 

とかぁ(^^;

 

 故(まこと;ゆえに)に有と無と相い生じ、

 難と易と相成り、

 長と短と相い形(あら)われ、

 高と下と相い傾き、

 音と声と相和し、

 前と後と相い随う

 

とぉ~・・・なんだかソクラテスの弁証法なんですね!?

 

まだ続きます!

 

 『是を以って聖人は、無為の事に処り、不言の教えを行なう!』

 

 『万物焉(ここ)に作(おこ)るも、而も辞(ことば)せず、

  為すも而も恃まず

  功成る而も居らず

  夫れ唯だ居らず、是を以って去らず』

 

と老子様は締めくくっておられるのです!

 

老子様がおっしゃる聖人というのは宗教的な聖職者ではありません!

中国での「聖人君子」は皆、「為政者」を対象にしております!

 

「理想的な政治を行なう主体(人)」を「聖人」と定義なされている!

 

ここに出てきた、「無為の事に処り」なんですが、・・・

 

この「無為」というのが、ある事象が発生したときの「聖人君子」の基本的な

態度なのだそうです!

 

そのまま言葉通りに受け止めちゃえば、「何んもしない(^^;」ということ・・・?

 

いやいやそうじゃぁ~ない!

何かをしようとするならば、必ずその前に起こった事象・事実の「価値判断」

をしなければならないのです!

 

あれこれ考えるより、「事実」を観る!

 

あれこれは、「相対的な世界の認識」の混乱でしかない!

 

そんなもんだから、「無為の事に処り」というのは、「相対的な世界の認識」

を超えた所に身を置いてごらんよ!っていうことになります(^^)

 

続いて、「不言の教えを行なう」なんて、老子様はぬかしやがる・・・いやい

や、これ漫才風の言(^^) ゴメン!・・・ごめんしてぇ!

 

なぜ「不言」って、老子様はおっしゃるかと言いいますと、

 

 『言葉というのは結局相対的世界のもの!』

 

だからだそうです!

 

そう!

絶対的なものを示せないし、言い尽くせない!

 

人生、あらゆる場面で、常に無為にして振る舞う!

 

もっと簡単に言いますと・・・私ごときが偉そうに(^^;・・・

 

「無為」・・・

「Take it easy!」・・・

「まぁ~、一呼吸、落ち着けや!」・・・

「まぁ~、そんだっぺぇ、お茶でも一杯!」・・・

と訳す方がいいのかなぁ(^^)

 

松下幸之助翁はおそらく、このことを「理外の理」「高所大所に立つ」「天地

自然の理」「融通無碍」「素直な心」なんていう言葉でご説明なされている・

・・そうでしょう!?

 

お釈迦様であれば、「ファイト一発」・・・「般若の心」って・・・(^^)

 

老子様は、「聖人君子」=「為政者」=「現政治家」=「リーダー」のあり方

を説かれました。

 

老子様は、「何んもせずに、放っておけ!」なんて、決して、おっしゃってい

るのではありません!

 

それぞれの「私」が、自分勝手に、自分の価値観でことをなそうとしたり、

言い出したら、世の中はしっちゃかめっちゃかに混乱しますよね!?

 

常に、相対的な価値観のぶつかる人間社会の中で、国家、地域、組織を治めて

いくためには、やはり政治(まつりごと)は絶対に必要です!

 

「そんじゃぁ~、どうすりゃいいの!?」

に老子様は、優柔不断な態度であるようだが、道の働き(自然の理)に預ける

くらいの「度量」を持ちんさい!っておっしゃっているのか?・・・どうか?

・・・私は、このように思うのです(^^)

 

6年前の東日本大震災という「自然の非情さ」を否定することはできません!

「政治の非情さ」もお互いの持っている相対的な価値観に基づいて争い絶えな

いものですね!?

 

だからこそ、「何事にも心を動かされず平然」とそれをやってのけられるのが、

老子様のおっしゃろうとした当時の「聖人」としての精神態度なのではないで

しょうか!?

 

もちろん、現代のビジネス・リーダーにも、そのままその「教え」は通用しま

すよね!?

 

ありがとうございました。

 

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