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ビジネス・リーダーに不可欠なキーワード;第33講:『礼節(courtesy)』
「衣食足って礼節を知る」の「礼節」について考えてみたいと思います。
ビジネス・リーダーである皆さんが、なぜ、「衣食足りる」と『礼節』を知るのかを知っていただきたいのであえて述べさせていただきます。
そんなに豊な生活をしていないにもかかわらず、『礼節』ある生活態度をしている人はいっぱいいます。
それは、ご先祖様がそうだったからなんです。
途中のどこかでちょっと横道にそれたご先祖様がいて、今は裕福でない人もいます。
ただそれだけなんです。
『礼節』ある生活をしている人達や子孫は、必ずいつかはもとの豊な生活に戻ります。
なぜなら、『礼節』こそ文化レベルを表しており、その文化に応じた波長の合う人達が、必ず迎えに来るからなんです。
私は「文化」とは、「恥を知るレベル」だと定義しております。
その「恥を知る」ことの現れ、言動が『礼節』だと思うのです。
どんな時、どんなところで、どんな場合(これをTPOといいますね)にどのような振る舞いをするべきかが理解され、その通りできるとき『礼節を知った人』と評価されるのです。
実際にあったお話をします。
かなり古い話ですが、・・・広島県福山市鞆という所に「みろくの里」という地元大手造船企業が高度経済成長期に造った独身寮を改良して研修施設にしております。
地元の企業の、新入社員導入研修のお手伝いをしたときのことです。
この「みろくの里」のはずれに、誰も行かなくなった「映画村」というのがありました。
「映画村」と称しているとおり、映画のロケ地になったところです。
新入社員導入研修のクライマックス行事に野外実習というのがあります。
その休憩地点になっていたところです。
そこで大変不幸な事故が起こりました。
既に亡くなった映画俳優の勝新太郎さんの息子が、本物の刀(真剣)で演技
練習をしていて、誤って殺陣師の首を斬ってしまったのです。直ちに、病院に搬送されましたが、その後、その殺陣師は救護の甲斐もなく亡くなってしましました。
実は、その企業の「新入社員導入研修」のあった時期と、その「勝新”座頭市シリーズ”」の映画ロケ撮影が、ちょうど同じ時期にありました。
そして、同じ宿泊棟(本館:東館)に衣裳や美術、化粧コーナー、その他大勢のスタッフの宿泊部屋がありました。
その宿泊棟の建物を入ってすぐのところは割合に広いロビーになっております。
毎日、その映画関係者がロービーを我が物顔でほとんどの場所をぶんどって占領して使っておりました。
映画撮影関係者以外のだれも、遠慮して・・・そこに近付きません。
恐れ多いためではないのです。
非常に汚いからなんです!
食事に出た弁当の食べ残しが散らかり放題なんです(^^;
タバコの吸いがらなどは、灰皿からこぼれ落ちています(^^;
ジュースやビールの缶が、あちらこちらに・・・そして、缶から液体が漏れ出ています(^^;
まさに荒れ放題、スラム街の一角を思わせる光景です。
「なんだこれは!!」
怒りが込上げてきます。
他の多くの人が利用する施設を我が物顔で占領する!
まったく、気配りのない輩たちです!
「恥である」観念がまったくありません!
これこそ「礼節」のない生活です。
私がみろくの里に入る前日、ニュースで例の事件が発生し、重傷を負った人がいることを知りました。
その後すぐ、その人が重体、危篤になったとテレビでやっていました。
大変失敬で不適切な発言となりますが、直感で私は、不幸にも彼は助からないと思いました。
その理由は、「礼節」のない輩はとかく人ごとに感心あるように装いますが、内心はまったく逆なんです!
彼らが傷を負った人の回復をどんなに願う振りをしても、天の神様や仏様は聴き届けては下さいません!
「礼節」というのは、天にも届くものと私は信じております。
裏表のある生き方をしている人には、「運」など巡ってきません。
私は、天が「運」を授けてくれるものだと考えております。
日頃から、「礼節」を知り、一緒になって周囲の人のことを想い、ましてや、致命傷の状態になった人の回復を真剣に祈るものです。
映画の撮影が優先されていたのかも知れません。
当日も、カツラをつけた役者さんが行き来していました。
そりゃ・・・回復を祈ってどうのこうのはないのかも知れません!
でも少なくても一時でもいいから、みんなで身辺を整理して、何とか回復を一緒に祈るとか・・・。
「礼節」の基本は、人・物・お金などなどを大切にすることなのです。
ですから、その大切にするための動作の集まりが言動となって現れるのです。
人の命を大切にする人は、同じ様に周囲に気を配ることができます。
何度かお話したことがあるのですが、仏教の教えの中に
「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょう・しつうぶっしょう)」
というのがあります。
「この世のありとあらゆるものには、仏様が宿っている」
という教えです。
皆さんが生活してゆく上で必要なもの、仕事や遊びをしてゆく上で必要なありあらゆるものには、仏様が宿っているんです。
もちろん、すべての動植物、山も海も川にも仏様が宿っています。
仏教に帰依する(信じる)人たちには、そのような考えがあります。
本当の仏教帰依者は何でも大切にします。
実は、全世界のそれぞれの宗教に帰依するほとんどの人がそうなんです!
機会があったら多くの人が集まる有名な寺院や教団本山にお参りに行ってみて下さい。
宗教集団を見分けるのに、汚い場所で、汚い格好や汚い振る舞いをするところは間違いなくインチキ教団だとお考え下さい。
「恥を知る」、すなわち、「礼節」ある行動規範を身につけたいものです!
多くの人から「すばらい!」とまで言われなくても、感心される振る舞いがいいでしょう!
それが「文化」でもあります。
どんなに売上が多い企業に働いていても、「礼節」を知らない者は「恥さらし者」です。
皆さんや皆さんの会社も「礼節」を重んじる「良い会社」を目指して下さい。
特にビジネス・リーダーたる人が率先することは必然です!
そうすることによって、必ず、同じ波長の人とのつき合いが始まります。
その時、皆さんの生き方まで良い方向に変わって行きます。
保証します!
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