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ビジネス・リーダーに不可欠なキーワード;第31講:『科学的浪花節』
作家:井沢元彦さんの書かれている多くの日本史解釈の根本が、「言霊、和、怨霊、穢れ」への無意識の信仰に基づく非論理的な日本人の行動だと述べられています。
そのことを詳しく書かれた本:『「言霊の国」解体新書』、『井沢元彦の未来講座「言霊社会とサイエンス」』はお奨めです!
私も講義の最中や課題の添削中に、
「あなたの発する言葉には言霊があるんだから、もっと大事に使いなさい!書くなら丁寧 に書きなさい!」
って、注意をします。
言霊(ことだま)というのは、人間が発する言葉に宿る魂のことです。
自分の夢、希望、願望を強く意識するだけではなく、紙に書き、声に出そうということをお奨めしております。
これはなにも私だけが信じて言っているのではなく、中村天風翁、松下幸之助翁も、稲盛和夫師、孫正義氏、ビル・ゲイツ氏、・・・世界の多くの成功者が異口同音に言っておりますね!
声にした言葉自体に「言霊」が宿っているんですね!
それは「今の心」=「念」となっています。
それを、「人に伝える」=「相手の心に」=「想」をなすことを「想念」って言いますね!
ですから、悪い言葉を発すれば凶事が起こることがある!
良い言葉を言えば吉事が起こることがある!
ですから、結婚式などの慶事では、話してはならない「忌み言葉」があるんですね!?
「経済心理学」は科学なんですが、やはり、「言霊思想」がありますので、悪い予想を出すと経済が悪くなると躊躇する人がいます。
実は、企業組織には典型的にあるでしょう!?
「経営計画」のほとんどが「晴天計画」なんです!
これも「言霊」が左右しています!
縁起でもないことを書いて申し訳ないのですが・・・、
だって、経営者が今期「死ぬ」前提で経営計画を立てていますか?
仕入先・取引先が不祥事を起こしたり、失敗して、仕入れの不調が起こったり、不良債権は発生することをあからさまに書いていますか?
社員の不正や内部告発などが起こり、社会的信用すら失墜する可能性のあること、そのための対策を講じる時期と方法を書いておりますか?
経済対策を起案すべく内閣府、官僚も、なんと経済研究機関なんかにも「言霊思想」がありますから、マイナス要因をハッキリと述べることができません!
今回の原子力発電所事故の対策でも、データ開示でも、「言霊思想」の影響がありますね!
だから、「最悪の事態」を語りたがらない!
最近出なくなりましたが、かつてTVなどで軽快な発言をなされる中部大学教授:武田邦彦先生がお書きになっているブログをご紹介します。
http://takedanet.com/2011/05/post_ca91.html
彼は、「原発論者」から、ついには「原発反対論者」になった人です。
私は、まだ「原発曖昧、優柔不断論者」・・・「脱原発」なんです(^^)
福島原発非常事態の最中に、まぁよく登場された黒縁めがねの原子力安全・保安院の西山審議官は、
「最悪の事態が起こらないように、全力で対策を立てています。」
を多用しましたね!
頭のよろしい方なので、多弁ですが・・・、凛々しさが足りないですね(^^)
私と同様に堪りかねたある記者が質問してましたね!?
「んでぇ~今、想定される最悪は何なんですか・・・!?」
西山審議官は繰り返すんです!
「いやぁ~、あのぉ~最悪の事態が起こらないように、全力で対策を立てています!」
記者:
「だ・か・ら~・・・最悪を想定しない限り、防ぐ対策なんかも立てられないでしょ
う!?」
西山審議官:
「ええ・・・最悪の事態が起こらないようにすることが、我々の務めなんです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
善意に解釈はしますが、西山審議官でも「個人の見解」はお持ちなんです!
しかし、立場(組織)として最悪の想定を語られないのです。
こんなこと、あなたの組織でも多々あるのではないですか!?
「雉子も鳴かずば撃たれずに・・・」
ということわざとおり、トップ・リーダーの逆鱗に触れるかも知れないし・・・(^^;
あの先日、内閣官房参与を辞任された東京大学院教授:小佐古敏荘教授には守秘義務が生じるために、記者会見でも多くを語られなかった(^^;
実は、中国4千年の歴史の中で人間心理学の最高傑作、「韓非子」というお奨めの教訓本では、都合の悪いことを話す可能性のある人間には、まず地位を与え、連座責任も宛がえて、黙らせる手があると書いていますね!?
西山審議官も・・・、その手に堕ちているのかも???
それに加え、避難所へ立ち寄る菅首相のあのヘナヘナ顔には憤りを感じました。
そして、繰り返し口にする「まさに必死で・・・、全力で・・・、世界の全知全能を集結して・・・、えぇ~この国難に立ち向かう・・・」と歯切れ悪く言うのは、もう腐れ呪文のようです!
「必死」?
「全力」?
「全知全能」?
・・・・・じぇんじぇん・・・解っからない(^^;
東京電力の清水社長はじめ副社長も、会長も、「全力で対策を打っている」と言います!
これ・・・やはり「言霊」のせいなんです(^^;
ここで今日の「教訓」です!
いいですか!
みんな誰だって、重要なことをやるときは「一所懸命」ですよね!?
じゃぁ・・・「一所懸命」やれば・・・「結果」がいいのですか!?
「一所懸命」考え、「一所懸命」やれば、仕事や人生にはなんの苦労もないじゃないですか!?
「一所懸命」、「全力」でバットを振ったら、だれでもホームランになりますか?
ゴルフでも同様に、「一所懸命」、「全力」でやったら、タイガー・ウッズや石川遼さんになれますか?
浅田真央ちゃんだって、「一所懸命」、「全力」でやっているんです!
アスリートのみならず、ビジネスの世界でも皆さん、同様に「一所懸命」、「全力」でやっいるではないですか!?
いわば・・・「浪花節」的いうなら・・・・・(^^)
それだけではダメなんです!
「やり方」=「科学的の方法」がなきゃぁ・・・!
全世界の国策でもある原子力発電に関わる、いな「原子力平和利用」の推進には、「想定外」を「言霊」処理したんです!
「最悪の事故は起こりえない!」と・・・(^^;
しかし、何度も申し上げているように、「想定外」というのも科学的に見れば、「確率的に起こり得る」ことなんです!
白い巨塔よろしく、利権ウジャウジャ村(原子力村)の原子力行政、原子力事業、原子力学問の世界では、
「安全でないことも・・・確率的に稀だが存在する!」
と公にした途端に、その原子力村から、政治的にも排除されるんです!
学者としての栄達も・・・!
そして、生活の糧すら失ってしまったのです!
企業組織の中でも、同様のことは起こっているのではありませんか!?
今回のような原発最悪事故(これをシビア・アクシデントっていいますね!)が起こる可能性は、確率は少ないがあるんです!
ですから、大都市で起こったら、被害は甚大、そして長く、広い地域になるんです!
原発世界の常識は、過疎地域に造ることに尽きるのです!
そして、資本主義世界では、「金でビンタを喰らわせ!」ば、なんとかなると考えるのです!
さもしいことなんですが・・・(^^;
政治も、行政も、御用学者に巣くう原子力村社会では、「100%安全」を「言霊」にしたんです!
かつて、O157以上に話題が出た富山県、福井県で発生した焼き肉店「ユッケの死亡中毒事故」でも、同様の「言霊思想」が業界であったように思います。
多くの他山の石になる「事件、事故」を教訓化する精神は、成長しようとする企業に取って「必要十分条件」です!
絶対に「他人事」にしないことです!
そして、「冷静」に、多くの「精度の高い情報」を収集する姿勢と、それを「科学的」に解明し、我が社の「想定内リスク」として取り上げ、「リスク・マネジメント」をすべきなのです!
そして、まさに実際に起こったとき、「的確」な「クライシス・マネジメント」ができるマニュアル策定と予行演習が必要なのです!
その上で、「想定外」の事態発生時には、「ディサスター・マネジメント」として、全責任を背負い、ウルサイ黙れ方式で号令を組織末端にまで浸潤させ、一糸乱れぬ行動の取れる組織企業と覚悟を持つリーダー(サブ・リーダー)を育成すべきなのです!
そのためには、大幅な「権限委譲」がなされないとならないのです!
そして、「美点凝視」しつつ、「得手に帆を架ける」、ビジネス・リーダーになっていただきたいのです!
これを「科学的浪花節」というのです(^^)
ハイ!
ありがとうございました。
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