パイロット・コンサルいろは考:第3講;『水平直線飛行』 - いわき経営コンサルタント事務所

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2020 / 11 / 13  18:56

パイロット・コンサルいろは考:第3講;『水平直線飛行』

『水平直線飛行』

【茨城県竜ヶ崎大利根飛行場から飛び立ってすぐです!】

 

地上走行は、まず真っ直ぐに飛行機を自転車の速度で走らせる・・・が科せられる課題な
のですが、できるようになりますと、自由に曲線を描いて曲がることをさせられます。

とはいっても、やはり飛行場にあるTaxingーWayと呼ぶ黄色線や滑走路から黄色
線に沿って出る訓練が主です。

 

初心者のうちは、どうしても自動車に慣れているせいか操縦桿(セスナなどはハンドルに
似ております)を操作して曲がろうとしてしまうのです(^^; 
しかし、いくら操縦桿を動かしても飛行機は曲がりません。
両足つま先にあるラダーという方向舵を使わなくてはなりません。
ラダーというのは、自動車でいいますとやや大きめのアクセル・ペダルのような形をして
おります。

 

足のかかとを床に付けて、つま先でラダー右側で踏みますと逆の左足のラダーペダルは
手前に来ます。
左右が逆の動きになるように設計されています。
右に曲がりたければ、右足を前に突き出します。左足を突き出しますと右足のラダーが
手前に来て、飛行機は左に曲がろうとします。

 

両足のラダーには、ブレーキもついています。
ブレーキは、ラダーのてっぺんを左右同時に踏みますと飛行機全体が止まろうとします。
片方のラダー・ブレーキを踏みますと、踏んだ方に飛行機が急回転しようとします。
カーブを曲がるとき低速(基本的にはパワーをオフ;自動車ではアクセルを踏まない状態)
にしてラダー・ブレーキを踏まなければなりません。ディスク・ブレーキがダメになるか
らです。

 

自動車ですとアクセルを外さなければブレーキを掛けることができないようになっています。

 

地上走行は、飛行場では黄色線に沿ってタキシングすることが決まっています。
今度、飛行機に乗られる時には、飛行場の線をご覧ください!たくさんのいろいろな線、
実線、点線、色別にルールが決められています。

滑走路の中心線は、白の点線となっています。

 

最初は、滑走路の白点線で行ったり来たりのタキシング訓練を受けますが、少し慣れてき
たら、滑走路外の黄色い線の上をタキシングさせられます。
セスナのような主車輪が後ろの2本、前に小さな前輪が1個のような後輪式飛行機では、
前輪がピタっと線に沿ってタキシングできるかどうか?また止めるときには、ピタッと
決められた位置に前輪が止まるか?がチェックされます。

 

こればかりさせられると飛行機を操縦したくなくなりますので、教官も心得たもので途中
から上空に行きます。

上空に行きますと、これまた基本を徹底的に訓練させられます。

これがなかなかうまくゆかないのですが、コツをつかめば・・・なんじゃぁ~こんなもん!

になるのですが、意地悪な教官はそれを教えてくれません。

 

私の日本での、最初に出会った教官がそうでした。
飛行時間1万5千時間を自慢する職人タイプで、
「だから高齢訓練者はダメなんだなぁ~」
なんて・・・抜かしやがる(^^;  あれれ・・・私としたことが・・・(^^; )

 

米国の教官に習えば、一発でコツを教えてくれます。
日本での自家用パイロットが育たない原因はこの辺にありそうです。

ただ・・・、もちろん米国に行けば簡単かというと・・・一応、教官の話している英語が
聞き取れ、理解できなくてはなりませんので・・・訓練される人によっては同じである
ことも・・・(^^;

 

空の上での基本と言いますと、第1番目は水平直線飛行です。
書いて字のごとく、水平に、まっすぐ飛ぶことなんです。

空の上で飛んでいる飛行機を想像していただくのに、私は氷上と同じだとお話します。
飛行機は空の上を滑っています。
飛行機が少しでも前のめりになりますと、スキーで滑り落ちるのと同じようになります。
もし左に傾きますと、左斜面のようになっているのと同様に飛行機は左に先進しながら
滑り落ちてゆくのです。

前のめりのことを機首を下げる(ピッチを下げる)と言います。左右どちらでも傾きます
とその方向に滑り落ちてゆきますから、高度がドンドン下がってゆきます。
そうすると・・・スピードが出始めるのです。
特に機首下げを止めようと、こんどは機首を上げますと飛行機は上昇しますが、急にスピ
ードダウンします。
そうしますと推力がなくなり、それが結果的に揚力(浮き上がる力)を弱め、これまた
高度が落ちるのです(^^;

 

飛行機は水平でないと高度が上下します。特に初心者が操縦をしますとスピードが速く
なったり遅くなったりしながら波のように飛行機は上下しながら飛びます。
後ろに座っている人は、船酔いすることがあります。

 

また飛行機は左右どちらかに傾きますと滑って高度が落ちると言いましたが、それだけで
はなく傾いた方に旋回を始めます。
そうしますとまっすぐ目的の方向に飛んでいってくれません(^^;
その上、高度が下がる・・・(^^;

 

このように飛行機を水平にまっすぐ飛ばすことが初心者には非常に難しいのです。
自動車や船は、上下になることはありません。もちろん道路が上下していたり、波があれ
ば確かに上下するでしょうが、簡単に姿勢は復元します。
飛行機は、その復元のコツをマスターしなければ大変なことになります。

 

直線水平飛行という基本ができてから、しっかり座学で航空工学の理論を学び、それから
今度は旋回という方向転換の訓練に入ります。

旋回については次回、お話します。

 

 

実は本来、仕事・作業も飛行機の訓練と同じなのです!
基本を学ぶ・・・実は「コツどころ」を学ぶことは非常に重要で、かつその後の教育訓練、
実務に欠かせないことであることを強調したいのです。

その「コツどころ」というのは、「教え方」によって天と地ほどの違いがあることを知る
必要があります!

 

冒頭に書いた、日本でのあのクソッタレ教官(あれっ・・・また私としたことが・・・)
に教わっていたのでは、未だに私は飛行機の操縦ができていないでしょう。

 

もちろん創意工夫によって、実技が上手になり、考えることによって、より的確な実技能
力がつくことを否定するのではありません!

 

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