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新人ビジネス・リーダーいろは講;第42話:『面倒見』
『面倒見』についてお話しします。
皆さんは他人に対しても、動物や植物に対しても『面倒を見る』ということをいっぱい
されているんじゃないでしょうか。
『面倒を見る』というのは本来どうも、本能なのではないでしょうか?
動物の親も集団のボスでも『面倒』を見ます。
人間もまったく同じではないでしょうか。
ところが職場においては、意外と『面倒を見る』と言う言葉がナリを潜めることがあります。
良い会社の社風というのは、上司や先輩が部下・後輩の成長のために、とことん面倒を
見ることが当たり前となっております。
私は、管理職手当、監督者手当は『面倒見手当』とも呼び、賃金の一部にするべきだと
考えております。
もちろん、それだけが手当の内容ではありませんが・・・。
仕事を離れた集団、集まりでは『面倒を見る』ことで、そのお返しを受けようとするで
しょうか?
たとえば宗教団体や愛好会などでは、無償が「当たり前」のことです。
実は一般的に歴史があり、いい会社と呼ばれているところでは、今のような無償の「当た
り前」が周知の事実として存在します。
私はこのような当たり前になってる企業の風土を『企業文化』と呼んでおります。
マズローという心理学者は『欲求の五段階説』という大変有名な理論を発表した人です。
人間は五つの段階的な欲求を持つというのです。
まず第一番目は「生理的欲求」です。
生きて行くための必要最低限の欲求で「食べる」「寝る」等々です。
次の第二番目の欲求は「安全の欲求」です。
生きられるならより安全でありたい、雨をしのいだり、危険を回避したい欲求です。
「服を着る」「家に住む」などがそうです。
そして、第三番目の欲求は「社会的欲求」です。
今度は一緒にいたいといった欲求です。群生する欲求です。一人ぽっちに誰もなりたく
ないですよね。
それから第四番目が「自己尊重の欲求」です。
集団の中で自分の存在を認めて欲しいという欲求です。「目立ちたい」というのもそうです。
最後が「自己実現の欲求」です。
すなわち、自分のあるべき姿、理想、夢の実現です。しかしなかなかここまで来るのは
大変です。
自分が存在する集団の中にあって、勝手な振舞はできません。
そして本当に自分の理想を実現するためには、多くの周りの人々の協力を得なければなり
ません。
ですから結局、集団のための理想を実現することが、とりもなおさず自分の理想となら
なければ、多くの絶大な協力を得ることができません。
そうでないと自分勝手な夢では、「利己主義」のレッテルを貼られることになります。
この世の中で成功している人々の基本的な特徴を挙げますと、彼等は、自分の理想、夢は
『世のため、人のため』になることをシッカリ掲げております。
そして、その理想、夢を実現するための下積みをしております。
この下積みこそ『面倒見』に他なりなりません。
もっと別の表現をしますと『徳』という言葉になると私は思います。
そうなんです!
自分の「高き理想」を実現してゆく人が、まず必ずやらなければならないことは、多くの
「協力者」づくりなのです。
すなわち「人脈」づくりなのです。
「人脈」というのはなにも自分より上の人や何でも知っている、できる人のことではない
のです。
すべての自分を「支える協力者」のことなのです。
まず、家族がいます。
ですから家庭を大切にできない人が成功なんてできません。
そして次に職場です。
お客様、取引先様との関係もまったく同じくらい大切です。
『面倒見』というのは、後輩や部下にだけするのではないのです。
周り巡って自分を補佐、協力していただけるすべての人に施せることではないでしょうか!?
お釈迦様は、これを「布施業」とおっしゃいました。
どこかのヘンテコ宗教の「布施」とはまったく違います。
もう一つ、『面倒見』という言葉の前二文字は「面倒」と書きます。
そうです!
部下や後輩、子供を育てるのは当たり前に「面倒」なのです!
大変なこと、やっかいなこと、難しいこと・・・全部「面倒」なことです!
それを進んで受けようとする精神態度は「難」を「受け入れる」のですから・・・「受難」
なのです!
英語で「Passion」と書きます。
英和辞書では「Passion」を引きますと「情熱」となっています(^o^)
「難」を受け入れるには「情熱」が必要なのです!
生きてゆきますと・・・
「困難」「苦難」「災難」・・・、いっぱい出遭いますよね!?
そんなとき、ほとんどの人は「無難」を選びます!
皆さんもいかがですか?
しかし、世の中で成功したり、夢を実現する人たちは違います!
「難」を受入れるのです!
これを・・・「有り難い」≡「有難」といいます。
「難」を乗り越え、克服した人たちが異口同音に放つ言葉は「有難い」です。
ぜひ皆さんも、「難」が自分自身に起こることはまさに「有難い」ことなのだと言い聞かせてみて下さい!
ありがとうございました。